JP3022140B2 - 対向液圧成形装置 - Google Patents

対向液圧成形装置

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JP3022140B2
JP3022140B2 JP6054266A JP5426694A JP3022140B2 JP 3022140 B2 JP3022140 B2 JP 3022140B2 JP 6054266 A JP6054266 A JP 6054266A JP 5426694 A JP5426694 A JP 5426694A JP 3022140 B2 JP3022140 B2 JP 3022140B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複雑な形状を少ない工
程で深絞りプレス加工可能な複動式の対向液圧成形装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複動式の対向液圧成形装置は、
(1)製品の成形限界が向上し、対向液圧を用いない慣
用絞り加工では複数回の工程が必要な深絞り加工が、一
工程で行えること、(2)対向液圧により、ブランク材
がプレス用ポンチに押し付けられるため、製品の形状精
度がよい、(3)複雑な形状品でも、雄型または雌型の
片方のみで成形可能であり、コストが低減できる、
(4)ポンチの押込により圧縮される対向液圧を利用し
てダイを浮上させるため、液圧室の液体の移動がなく、
単動式に比べてサイクルタイムが短い、などの特徴があ
るため、自動車のパネルなどに多く採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記対向液圧
成形装置は、慣用絞り加工に対して、液圧室に発生する
発生圧力により、プレス用ポンチのポンチ荷重が増大し
て、大きいポンチの駆動力が必要となるという問題があ
った。本発明は、上記問題点を解決して、小さいプレス
用ポンチの駆動力で成形が可能な対向液圧成形装置を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の第1の手段は、フレームの一端側にピスト
ン部材を固定して設けるとともに、このピストン部材
スライド自在に外嵌して液圧室を形成する可動筒体を設
け、この可動筒体上にダイを配置し、フレームの他端側
に、ダイ上に配置したブランク材の周囲を押圧して保持
するブランクホルダー装置を設けるとともに、プレス軸
を介してプレス用ポンチをダイ側に駆動しブランク材を
液圧室内に突出させて成形するプレス用シリンダ装置を
設けた複動式の対向液圧成形装置において、液圧室に連
通する液圧調整シリンダ孔に摺動自在に嵌合する液圧調
整ピストンと、この液圧調整ピストンを駆動する液圧調
整シリンダとを具備した液圧調整装置を設け、プレス軸
に形成された大径のピストン軸部)と、このピストン軸
部にスライド自在に外嵌するシリンダケースとを有する
付加圧用シリンダ装置を設け、このシリンダケース内で
ピストン軸部に作用してプレス軸を成形方向に駆動する
付加液圧室と、前記液圧室とを接続する付加油圧管を設
け、プレス用シリンダ装置の圧縮室に接続された分岐油
圧管を、この付加油圧管の付加液圧室)側に接続する付
加圧用切換弁を設け、前記付加油圧管に液の排出手段を
設けたものである。
【0005】また、第2の手段は、フレームの一端側に
ピストン部材を固定して設けるとともに、このピストン
部材にスライド自在に外嵌して液圧室を形成する可動筒
体を設け、この可動筒体上にダイを配置し、フレームの
他端側に、ダイ上に配置したブランク材の周囲を押圧し
て保持するブランクホルダー装置を設けるとともに、プ
レス軸を介してプレス用ポンチをダイ側に駆動しブラン
ク材を液圧室内に突出させて成形するプレス用シリンダ
装置を設けた複動式の対向液圧成形装置において、プレ
ス軸に形成された大径のピストン軸部と、このピストン
軸部にスライド自在に外嵌するシリンダケースとを有す
る付加圧用シリンダ装置を設け、このシリンダケース内
でピストン軸部に作用してプレス軸を成形方向に駆動す
る付加液圧室と、前記液圧室とを接続する付加油圧管
設け、プレス用シリンダ装置の圧縮室に接続された分岐
油圧管を、この付加油圧管の付加液圧室側に接続する付
加圧用切換弁を設け、前記付加油圧管の途中に排出用切
換弁を介して接続された排出用油圧管に、液圧室の液圧
を制御可能な圧力制御弁を設け、ダイの浮上力を制御す
る付勢手段を設け、前記プレス用ポンチによるブランク
材の液圧室への押込断面積を、付加圧用シリンダ装置
ピストン軸部の受圧面積より僅かに大きく設定したもの
である。
【0006】
【作用】上記第1の構成によれば、プレス用ポンチをブ
ランク材に当接するまでは、プレス用シリンダ装置の圧
縮室に供給される油圧を分岐油圧管を介して付加圧用シ
リンダ装置の付加液圧室に供給する。そして加圧成形が
開始されると、付加圧用切換弁を操作することにより、
プレス用ポンチにより加圧される液圧室の液圧を付加油
圧管を介して付加圧用シリンダ装置に供給し、液圧をピ
ストン軸部に作用させてプレス軸を成形方向に加圧する
ことができる。そして、プレス用ポンチによるブランク
材の押込断面積をピストン軸部の受圧面積より僅かに大
きく設定することにより、液圧室の液圧が上昇されて対
向液圧が発生し、さらに可動筒体の浮上力が発生して浮
上され、絞り成形が行われる。なお、プレス用ポンチに
よるブランク材の押込断面積をピストン軸部の受圧面積
と同じか僅かに小さい場合には、液圧調整装置の液圧調
整ピストンにより液圧を加圧すればよい。その後の液圧
は液圧調整装置により制御することができる。したがっ
て、プレス用ポンチの加圧力を大幅に軽減することがで
きる。
【0007】また、第2の構成によれば、プレス用ポン
チをブランク材に当接するまでは、プレス用シリンダ装
置の圧縮室に供給される油圧を分岐油圧管を介して付加
圧用シリンダ装置の付加液圧室に供給する。そして加圧
成形が開始されると、付加圧用切換弁を操作することに
より、プレス用ポンチにより加圧された液圧室の液圧が
付加油圧管を介して付加圧用シリンダ装置に導入され、
発生液圧をピストン軸部に作用させてプレス軸を成形方
向に加圧する。そしてプレス用ポンチが液圧室に押し込
まれると、プレス用ポンチの押込断面積がピストン軸部
の受圧面積より僅かに大きく設定されることにより、液
圧室の液圧が上昇されて対向液圧が発生し、さらに可動
筒体の浮上力が発生して成形が行われる。この時、初期
形成時の対向液圧を低く保持する場合には、成形開始と
同時に付加圧用シリンダ装置に接続せず、付加油圧管を
排出用切換弁を介して圧力制御弁に接続しておくことに
より、液圧室の液圧を圧力制御弁の作動圧力に保持する
ことができ、液圧室の液圧を低く制御することができ
る。この時、ダイの浮上力は付勢装置により制御され
る。したがって、液圧室の液圧が付加圧用シリンダ装置
に導入されることにより、プレス用シリンダ装置による
プレス用ポンチの加圧力を、付加圧用シリンダ装置に導
入された液圧によるピストン軸部の加圧分、低くするこ
とができ、第1の構成に必要な液圧調整装置も不要とな
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係る対向液圧成形装置の第1
実施例を図1に基づいて説明する。この実施例は複動式
(ダイ浮上式)の対向液圧成形装置において、液圧室に
発生する対向液圧をポンチのプレス力として付加するこ
とにより、少ない加圧力で絞り加工を実現するものであ
る。
【0009】すなわち、フレーム1のベッド部1aに
は、ピストン部材3Aが立設固定され、このピストン部
材3Aに液圧室2を形成する可動筒体3Bがスライド自
在に外嵌され、可動筒体3B上にダイ4が配置されてい
る。この液圧室2は、プレス加工時に発生する金属屑な
どの混入を避けるために、分離ピストン5によりダイ4
に臨み液体たとえば水が収容される上液圧室2aと、下
部で油が収容される下液圧室2bとに分離されている。
またピストン部材3Aには、液圧調整手段の一例である
液圧調整装置6が設けられており、この液圧調整装置6
は、ピストン部材3Aに形成されて下液圧室2bに連通
する液圧調整シリンダ孔6aと、この液圧調整シリンダ
孔6aにスライド自在に嵌合する液圧調整ピストン6b
と、ベッド部1aに固定されてピストンロッド6cを介
して液圧調整ピストン6bを駆動する液圧調整シリンダ
6dとで構成されている。液圧調整シリンダ6dには、
調整油圧ポンプ21から調整用切換弁22が介在された
調整油圧管23を介して油圧が給排出されて駆動され
る。
【0010】フレーム1のクラウン部1bには、プレス
用ポンチ7を昇降自在に支持するプレス用シリンダ装置
8が配置されるとともに、ブランク材Wの周縁をホール
ドシリンダ9aにより保持部材9bを介して押圧保持す
るブランクホルダー装置9が設けられている。そして、
プレス用ポンチ7のプレス軸10には、本発明に係る
加圧用シリンダ装置11が設けられている。
【0011】この付加圧用シリンダ装置11は、プレス
軸10は中間部に大径のピストン軸部10aが形成され
るとともに、その上部にスライド軸部10bが形成され
ており、これらピストン軸部10aとスライド軸部10
bに外嵌されるシリンダケース11aがクラウン部1b
に固定されている。そしてシリンダケース11aの上端
面および下端面に形成されたスライド孔11b,11c
にそれぞれピストン軸部10aおよびスライド軸部10
bがスライド自在に嵌合され、液圧によりピストン軸部
10aを介してプレス軸10を成形方向に付勢可能な付
加液圧室11dが形成されている。
【0012】一方、前記下液圧室2bに接続された付加
油圧管12が付加圧用切換弁13を介して付加圧用シリ
ンダ装置11の付加液圧室11dに接続されている。し
たがって、下液圧室2bの油圧が付加油圧管12を介し
て付加液圧室11dに供給されると、この油圧がピスト
ン軸部10aの受圧面(ピストン軸部10aの断面積−
スライド軸部10bの断面積)に作用してプレス軸10
をプレス方向に付勢することができる。
【0013】14A,14Bは、プレス駆動油圧ポンプ
15により発生された油圧をプレス用切換弁16を介し
てプレス用油圧をプレス用シリンダ装置8に供給する一
対のプレス用油圧管で、プレス用シリンダ装置8の圧縮
室8aに接続されるプレス用油圧管14Aから途中で分
岐された分岐油圧管14aが付加圧用切換弁13に接続
され、プレス用油圧管14Aから付加圧用切換弁13を
介して付加液圧室11dに油圧を供給可能に構成され、
液圧室2を圧縮しない時のプレス用ポンチ7の下降用油
圧を補給することができる。また付加油圧管12には排
出用油圧管17が排出用切換弁18を介して接続され、
プレス用ポンチ7の復帰時(上昇時)における付加液圧
室11d内の余分な油を排出するように構成されてい
る。
【0014】上記構成における成形手順を説明する。 (1)ブランク材Wをダイ4上にセットする。 (2)ブランクホルダー装置9のホールドシリンダ9a
を進展して保持部材9bによりブランク材Wの周囲を押
圧しダイ4上に保持する。 (3)プレス用切換弁16をB位置からA位置に切り換
えてプレス駆動油圧ポンプ15の油圧をプレス用シリン
ダ装置8の圧縮室8aに供給するとともに、分岐油圧管
14aから付加圧用切換弁13を介して付加圧用シリン
ダ装置11の付加液圧室11dに油圧を供給し、プレス
用ポンチ7を下降してブランク材Wに当接させる。
【0015】(4)プレス用ポンチ7をさらに駆動して
ブランク材Wの成形を開始し、プレス用ポンチ7がブラ
ンク材Wと共に上液圧室2a内に突入されると同時に、
付加圧用切換弁13をB位置からA位置に切り換え、圧
縮された下液圧室2bの油圧を、付加油圧管12を介し
て付加液圧室11dに導入し、その液圧をピストン軸部
10aの受圧面に作用させて、液圧室2に発生する液圧
をプレス用ポンチ7に付加する。この時上下液圧室2
a,2bと付加液圧室11dの容積の和は変化しないた
め、プレス用ポンチの押込断面積AP をピストン軸部
0aの受圧面積AA より僅かに大きく設定することによ
り、液圧室2に対向液圧を発生させることができる。な
お、プレス用ポンチの押込断面積AP とピストン軸部
0aの受圧面積AA とが同じ場合には、液圧室2の液圧
は加圧されず、またプレス用ポンチの押込断面積AP
ピストン軸部10aの受圧面積AA より僅かに小さい場
合には、液圧室2の液圧が減圧されることになるが、液
圧調整シリンダ6dを進展して液圧調整ピストン6bに
より加圧することもできる。また成形途中の対向液圧の
制御も、この液圧調整装置6により容易に行うことがで
きる。
【0016】なお、図4に示すような深く複雑な形状の
製品たとえばオイルパンW′を絞り成形する場合、最初
から高い対向液圧を付加すると、逆張出現象が生じて、
その影響で肉余りの状態となり、段部にしわが生じるた
め、これを防止するために、初期成形時の対向液圧を低
くする時には、液圧調整シリンダ6dを収縮して液圧調
整ピストン6bを下降させることにより、液圧の上昇を
抑制することができる。
【0017】(5)成形が完了すると、まず調整用切換
弁22をA位置から中立のB位置に切り換えて調整油圧
ポンプ21を無負荷状態とし、液圧室2の液圧を0とす
る。そして、ホールドシリンダ9aを収縮して保持部材
9bを持ち上げ、ブランク材Wを解放する。そして、プ
レス用切換弁16をA位置からC位置に切り換えてプレ
ス用シリンダ装置8の収縮室8bに油圧を供給し、プレ
ス用ポンチ7と共にピストン軸部10aを上昇させるこ
とにより、付加液圧室11dの油を付加油圧管12を介
して下液圧室2bに流入させる。この時、ブランク材W
は押上げられて容積を拡大することができる。分離ピス
トン5が上昇して液圧室2内の液量が元に戻るプレス用
ポンチ7のブランク材Wの当接位置に達すると、排出用
切換弁18をB位置からA位置に切り換えて、付加液圧
室11dの油を排出用油圧管17から排出する。
【0018】(6)上昇が完了すると、プレス用切換弁
16をC位置からB位置に切り換えてプレス用ポンチ7
を停止する。そしてブランク材Wを取り出した後、液圧
調整ピストン6bを上昇させて初期位置に復帰させ、上
液圧室2aの液面を元の位置に戻す。上記構成におい
て、 ・プレス用ポンチ7に作用する力:絞り抵抗(絞り荷
重)FR ・プレス用ポンチ7に作用する力:液圧による付加荷重
P ・プレス用ポンチ7に加える力 :プレス用シリンダ装
置8による加圧力FO ・プレス用ポンチ7に加える力 :付加圧用シリンダ装
11による付加力FAとすると FR +FP =FO +FA ∴FO =FR +FP −FA … ここで、 ・プレス用ポンチ7の押込断面積:AP (プレス用ポン
チ7の断面積+ブランク材Wの板厚) ・付加圧用シリンダ装置11のピストン軸部10aの受
圧面積:AA ・液圧室2に発生する液圧:Pとし、 FP =AP ・P FA =AA ・P これを式に代入すると、 FO =FR +(AP −AA )P… となり、通常の液圧絞り加工FO =FR +AP ・Pと比
較してFA =AA ・Pだけ減少していることがわかる。
【0019】上記実施例によれば、プレス用ポンチ7を
ブランク材Wと共に上液圧室2a内に突入されて上昇し
た液圧を、分離ピストン5を介して下液圧室2bに伝達
し、下液圧室2bの油圧を付加油圧管12を介して付加
液圧室11dに導入して、液圧をピストン軸部10aの
受圧面に作用させることにより、プレス軸10を成形方
向に駆動してプレス用ポンチ7の加圧力を半減すること
ができ、これにより、プレス用シリンダ装置8によるプ
レス用ポンチ7の加圧力を、液圧がピストン軸部10a
の受圧面に作用された分だけ、軽減することができる。
図2は第1実施例の液圧調整装置6に代えて、付加油圧
管12に接続された油圧排出管に液圧室2の液圧を制御
できる圧力制御弁32を設けたものである。なお、第1
実施例と同一の部材は同一符号を付し、説明は省略す
る。
【0020】液圧調整装置6は削除され、また付加油圧
管12には排出用切換弁33を介して排出用油圧管31
が接続され、この排出用油圧管31には、加圧成形時の
初期に液圧室2の液圧を低く制御可能な圧力制御弁32
が介在されている。34は第4の浮上力を制御するため
に、ベッド部1aに設けられた付勢用シリンダ装置(付
勢手段)で、ピストンロッドが可動筒体3Bの上端部に
連結されている。
【0021】上記構成における成形手順を説明する。 (1)ブランク材Wをダイ4上にセットする。 (2)ブランクホルダー装置9のホールドシリンダ9a
を進展して保持部材9bによりブランク材Wの周囲を押
圧しダイ4上に保持する。 (3)プレス用切換弁16をB位置からA位置に切り換
えてプレス駆動油圧ポンプ15の油圧をプレス用シリン
ダ装置8の圧縮室8aに供給するとともに、分岐油圧管
14aから付加圧用切換弁13を介して付加圧用シリン
ダ装置11の付加液圧室11dに油圧を供給し、プレス
用ポンチ7を下降してブランク材Wに当接させる。
【0022】(4)プレス用ポンチ7をさらに駆動して
ブランク材Wの成形を開始し、プレス用ポンチ7がブラ
ンク材Wと共に上液圧室2a内に突入されると同時に、
付加圧用切換弁13をB位置からA位置に切り換え、圧
縮された下液圧室2bの油圧を、付加油圧管12を介し
て付加液圧室11dに導入し、その液圧をピストン軸部
10aの受圧面に作用させて、液圧室2に発生する発生
液圧をプレス用ポンチ7に付加する。
【0023】この時、上下液圧室2a,2bと付加液圧
室11dの容積の和は変化しないため、プレス用ポンチ
の押込断面積AP をピストン軸部の受圧面積AA より僅
かに大きく設定することにより、液圧室2に対向液圧を
発生させることができる。なお、初期成形時の対向液圧
を低くする時には、付加圧用切換弁13の切り換え時期
を遅らせることにより、液圧室2の液圧を排出用切換弁
33を介して圧力制御弁32に作用させて、液圧室2の
液圧の上昇を抑制することができる。
【0024】(5)成形が完了すると、ホールドシリン
ダ9aを収縮して保持部材9bを持ち上げ、ブランク材
Wを解放する。そして、プレス用切換弁16をA位置か
らC位置に切り換えてプレス用シリンダ装置8の収縮室
8bに油圧を供給し、プレス用ポンチ7と共にピストン
軸部10aを上昇させることにより、付加液圧室11d
の油を付加油圧管12を介して下液圧室2bに流入させ
る。分離ピストン5が上昇して液圧室2内の液量が元に
戻るプレス用ポンチ7のブランク材Wの当接位置に達す
ると、付加圧用切換弁13をB位置からA位置に切り換
えて付加液圧室11dの油を分岐油圧管14aから排出
する。
【0025】(6)上昇が完了すると、プレス用切換弁
16をC位置からB位置に切り換えてプレス用ポンチ7
を停止する。ここで、第1実施例の式に示すように絞
り加工に要するプレス用ポンチ7の加圧力FO は、通常
の液圧絞り加工FO =FR +AP ・Pと比較してFA
A ・Pだけ減少させることができる ・プレス用ポンチ7の移動量:δP ・ダイ4の浮上量:δD ・下部圧力室2bの断面積:AD (可動筒体3Bの受圧
面積=AD −AP ) ・液体の圧縮量:ΔV として、液体の移動量を求めると、 AP (δP +δD )=ΔV+AD ・δD +AA ・δP ∴ δD =〔(AP −AA )δP −ΔV〕/(AD −AP ) となり、ダイ4を浮上させる(δD >0)ためには、A
P >AA が必要な要件となる。 ・ダイ4の浮上力:Q ・ブランクホルダー装置19のホールドシリンダ9a
よる保持力:Hとすると、ダイ4の浮上力はQ≒P(A
D −AP )で表されるから、 H+FR ≒P(AD −AP ) ∴P=(H+FR )/(AD −AP )=P0 … P0 :ダイ4の浮上に必要な液圧となる。この時のダイ
4の浮上量は、付加圧用シリンダ装置11に送られる分
だけ小さくなる。
【0026】また、プレス用ポンチ7の押込ストローク
と液圧室2の液圧Pの関係は、図3に実線で示すように
変化する。P1 初期成形時の設定液圧である。ここで、
圧力制御弁32を使用することにより、破線で示すよう
に初期成形時の対向液圧を低く制御することができる。
なお、付勢用シリンダ装置34を制御することにより、
ダイ4の浮上圧を制御することもできる。この場合に
は、式から ・付勢用シリンダ装置34による引下げ力:Q P0 =(H+FR +Q)/(AD −AP ) となる。したがって、初期に負圧−の値とし、工程の途
中で正圧+の値に切り換えればよい。しかし、切り換え
時にしわ押さえが緩むおそれがあり、滑らかに転換する
必要がある。
【0027】上記実施例によれば、プレス用ポンチ7を
ブランク材Wと共に上液圧室2a内に突入されて上昇し
た液圧を、分離ピストン5を介して下液圧室2bに伝達
し、下液圧室2bの油圧を付加油圧管12を介して付加
液圧室11dに導入して、液圧をピストン軸部10aの
受圧面に作用させることにより、プレス軸10を成形方
向に駆動してプレス用ポンチ7の加圧力を大幅に低減す
ることができ、これにより、プレス用シリンダ装置8に
よるプレス用ポンチ7の加圧力を慣用絞り加工とほぼ同
じとすることができる。また、初期成形時に対向液圧を
低く保持する場合には、付加油圧管12から付加液圧室
11dに導入せず、圧力制御弁32により液圧室2の液
圧を制御すればよい。
【0028】
【発明の効果】以上に述べたごとく本発明の第1の構成
によれば、プレス用ポンチをブランク材に当接するまで
は、プレス用シリンダ装置の圧縮室に供給される油圧を
分岐油圧管を介して付加圧用シリンダ装置の付加液圧室
に供給する。そして加圧成形が開始されると、付加圧用
切換弁を操作することにより、プレス用ポンチにより加
圧される液圧室の液圧を付加油圧管を介して付加圧用シ
リンダ装置に供給し、液圧をピストン軸部に作用させて
プレス軸を成形方向に加圧することができる。そして、
ピストン軸部の受圧面積をプレス用ポンチの押込断面積
より大きく設定することにより、液圧室の液圧が上昇さ
れて対向液圧が発生し、さらに可動筒体の浮上力が発生
して浮上され、絞り成形が行われる。この時の液圧は液
圧調整装置により制御することができる。したがって、
プレス用ポンチの加圧力を大幅に軽減することができ
る。
【0029】また、第2の構成によれば、プレス用ポン
チをブランク材に当接するまでは、プレス用シリンダ装
置の圧縮室に供給される油圧を分岐油圧管を介して付加
圧用シリンダ装置の付加液圧室に供給する。そして加圧
成形が開始されると、付加圧用切換弁を操作することに
より、プレス用ポンチにより加圧された液圧室の液圧が
付加油圧管を介して付加圧用シリンダ装置に導入され、
発生液圧をピストン軸部に作用させてプレス軸を成形方
向に加圧する。そしてプレス用ポンチが液圧室に押し込
まれると、ピストン軸部の受圧面積がプレス用ポンチの
押込断面積が大きく設定されることにより、液圧室の液
圧が上昇されて対向液圧が発生し、さらに可動筒体の浮
上力が発生して成形が行われる。この時、初期成形時の
対向液圧を低く保持する場合には、成形開始と同時に付
加圧用シリンダ装置に接続せず、付加油圧管を排出用切
換弁を介して圧力制御弁に接続しておくことにより、液
圧室の液圧を圧力制御弁の作動圧力に保持することがで
き、初期成形時の液圧室の液圧を低く制御することがで
きる。この時、ダイの浮上力は付勢装置により制御され
る。したがって、液圧室の液圧が付加圧用シリンダ装置
に導入されることにより、プレス用シリンダ装置による
プレス用ポンチの加圧力を、付加圧用シリンダ装置に導
入された液圧によるピストン軸部の加圧分、低くするこ
とができ、第1の構成に必要な液圧調整装置も不要とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る対向液圧成形装置の第1実施例を
示す構成図である。
【図2】本発明に係る対向液圧成形装置の第2実施例を
示す構成図である。
【図3】第2実施例において説明する絞り荷重とポンチ
の成形量の関係を示すグラフである。
【図4】(a),(b)は対向液圧成形装置による製品
例を示すオイルパンの平面図および側面図である。
【符号の説明】
W ブランク材 1 フレーム 1a ベッド部 1b クラウン部 2 液圧室 2a 上液圧室 2b 下液圧室 3A ピストン部材 3B 可動筒体 4 ダイ 5 分離ピストン 6 液圧調整装置 6a 液圧調整シリンダ孔 6b 液圧調整ピストン 6d 液圧調整シリンダ 7 プレス用ポンチ 8 プレス用シリンダ装置 8a 圧縮室 9 ブランクホルダー装置 9a ホールドシリンダ 9b 保持部 10 プレス軸 10a ピストン軸部 10b スライド軸部 11 付加圧用シリンダ装置 11a シリンダケース 11d 付加液圧室 12 付加油圧管 13 付加圧用切換弁 14A,14B プレス用油圧管 14a 分岐油圧管 15 プレス駆動油圧ポンプ 16 プレス用切換弁 17 排出用油圧管 18 排出用切換弁 21 調整油圧ポンプ 22 調整用切換弁 31 排出用油圧管 32 圧力制御弁 33 排出用切換弁 34 付勢用シリンダ装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 22/20 B30B 15/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フレーム(1)の一端側にピストン部材(3A)
    を固定して設けるとともに、このピストン部材(3A)にス
    ライド自在に外嵌して液圧室(2)を形成する可動筒体(3
    B)を設け、この可動筒体(3B)上にダイ(4)を配置し、フ
    レーム(1)の他端側に、ダイ(4)上に配置したブランク材
    (W)の周囲を押圧して保持するブランクホルダー装置(9)
    を設けるとともに、プレス軸(10)を介してプレス用ポン
    チ(7)をダイ(4)側に駆動しブランク材(W)を液圧室(2)内
    に突出させて成形するプレス用シリンダ装置(8)を設け
    た複動式の対向液圧成形装置において、 液圧室(2)に連通する液圧調整シリンダ孔(6a)に摺動自
    在に嵌合する液圧調整ピストン(6b)と、この液圧調整ピ
    ストン(6b)を駆動する液圧調整シリンダ(6d)とを具備し
    た液圧調整装置(6)を設け、 プレス軸(10)に形成された大径のピストン軸部(10a)
    と、このピストン軸部(10a)にスライド自在に外嵌する
    シリンダケース(11a)とを有する付加圧用シリンダ装置
    (11)を設け、 このシリンダケース(11a)内でピストン軸部(10a)に作用
    してプレス軸(10)を成形方向に駆動する付加液圧室(11
    d)と、前記液圧室(2)とを接続する付加油圧管(12)を設
    け、 プレス用シリンダ装置(8)の圧縮室(8a)に接続された
    岐油圧管(14a)を、この付加油圧管(12)の付加液圧室(11
    d)側に接続する付加圧用切換弁(13)を設け、 前記付加油圧管(12)に液の排出手段(17,18)を設けたこ
    とを特徴とする対向液圧成形装置。
  2. 【請求項2】フレーム(1)の一端側にピストン部材(3A)
    を固定して設けるとともに、このピストン部材(3A)にス
    ライド自在に外嵌して液圧室(2)を形成する可動筒体(3
    B)を設け、この可動筒体(3B)上にダイ(4)を配置し、フ
    レーム(1)の他端側に、ダイ(4)上に配置したブランク材
    (W)の周囲を押圧して保持するブランクホルダー装置(9)
    を設けるとともに、プレス軸(10)を介してプレス用ポン
    チ(7)をダイ(4)側に駆動しブランク材(W)を液圧室(2)内
    に突出させて成形するプレス用シリンダ装置(8)を設け
    た複動式の対向液圧成形装置において、 プレス軸(10)に形成された大径のピストン軸部(10a)
    と、このピストン軸部(10a)にスライド自在に外嵌する
    シリンダケース(11a)とを有する付加圧用シリンダ装置
    (11)を設け、 このシリンダケース(10a)内でピストン軸部(10a)に作用
    してプレス軸(10)を成形方向に駆動する付加液圧室(11
    d)と、前記液圧室(2)とを接続する付加油圧管(12)を設
    け、 プレス用シリンダ装置(8)の圧縮室(8a)に接続された
    岐油圧管(14a)を、この付加油圧管(12)の付加液圧室(11
    d)側に接続する付加圧用切換弁(13)を設け、 前記付加油圧管(12)の途中に排出用切換弁(33)を介して
    接続された排出用油圧管(31)に、液圧室(2)の液圧を制
    御可能な圧力制御弁(32)を設け、 ダイ(4)の浮上力を制御する付勢手段(34)を設け、 前記プレス用ポンチ(7)によるブランク材(W)の液圧室
    (2)への押込断面積を、付加圧用シリンダ装置(11)のピ
    ストン軸部(10a)の受圧面積より僅かに大きく設定した
    ことを特徴とする対向液圧成形装置。
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