JP3807632B2 - 油圧プレスのシリンダ装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、油圧プレスの駆動源として使用するシリンダ装置及び、その制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のシリンダ装置として、例えば実開平6−39285号公報や、特開平6−155089号公報に記載されたものが公知である。
前者公報のシリンダ装置は、図1に示すように受圧面積の小さい高速シリンダaと、受圧面積の大きい加圧シリンダbを同一中心上に配置して、各シリンダa,bのピストンc,dをピストン杆eにより互に連動した構造で、高速シリンダa側のピストン杆eが高速シリンダaの上方へ突出した両ロッドシリンダを採用している。
そして高速シリンダa側へ油圧を供給してピストンc,dを高速動作させた後、加圧シリンダbへ油圧を供給して、大きな加圧力を得ることにより、高負荷に対応できるように構成されている。
【0003】
また後者のシリンダ装置も図2に示すようにほぼ同様な構成となっていて、加圧シリンダbのピストンd側にパイロット圧により開閉されるシーケンスバルブfが設けられており、このシーケンスバルブfをオン,オフすることによって高速動作より加圧動作へ移行するようにしたもので、後者のものは外付けの配管やバルブ類を必要とせずに高速、高負荷に対応できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前者のシリンダ装置では、プレスなどの駆動源に使用した場合、プレス作業中に型の咬み込みなどが発生しても、大きな離脱力が得られないため、型の咬み込みより離脱できない不具合がある。
また後者のシリンダ装置では、加圧シリンダのピストンにシーケンスバルブfが内装されているため、このシーケンスバルブfの整備性が悪いと共に、何れのシリンダ装置も、高速シリンダaが両ロッドシリンダとなっているため、シリンダ装置の全長が長くなって、プレスなどに使用した場合、プレスなどの全高が高くなってプレスなどが大型になるなどの不具合がある。
【0005】
しかも両シリンダ装置とも、高速シリンダa側のピストン杆eが加圧シリンダb側のピストン杆eと同径となっており、高速シリンダaに必要以上に径の大きいピストン杆eを使用しているため、不経済であるなどの不具合もある。
この発明はかかる従来の不具合を改善するためになされたもので、高速、高負荷に対応できる小型の油圧プレスのシリンダ装置及びその制御方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、油圧プレスのシリンダ装置であり、この第1の発明に係る油圧プレスのシリンダ装置は、(a)受圧面積の小さい子シリンダ2と、受圧面積の大きい親シリンダ3を同一中心線上に配置し、かつ子シリンダ2と親シリンダ3内に設けられたピストン2a,3a間を、親シリンダ3のピストン杆3bより小径な子シリンダ2のピストン杆2bにより互に連結し、子シリンダ2の上室2cを大気に連通すると共に、親シリンダ3のピストン杆3bをプレスのスライドに接続したシリンダ本体1、
(b)上記子シリンダ2の下室2dをタンク11に連通し、かつ上記親シリンダ3の上室3cを油圧源4に連通する下降ポジションと、上記子シリンダ2の下室2dを油圧源4に連通し、かつ上記親シリンダ3の上室3cをタンク11に連通する上昇ポジションと、上記子シリンダ2の下室2dおよび親シリンダ3の上室3cと油圧源4およびタンク11とを遮断する中立ポジションを有するサーボ弁5、
(c)上記親シリンダ3の下室3dと上記子シリンダ2の下室2dとの間を結ぶ管路を開閉する第1加圧切換え弁8、
(d)上記親シリンダ3の上室3cと下室3dとの間を結ぶ管路を開閉する差動回路切換え弁9を設けたことを特徴とする油圧プレスのシリンダ装置である。
【0007】
第2の発明は、油圧プレスのシリンダ装置であり、この第2の発明に係る油圧プレスのシリンダ装置は、(a)受圧面積の小さい子シリンダ2と、受圧面積の大きい親シリンダ3を同一中心線上に配置し、かつ子シリンダ2と親シリンダ3内に設けられたピストン2a,3a間を、親シリンダ3のピストン杆3bより小径な子シリンダ2のピストン杆2bにより互に連結すると共に、親シリンダ3のピストン杆3bをプレスのスライドに接続したシリンダ本体1、
(b)上記子シリンダ2の下室2dをタンク11に連通し、かつ上記親シリンダ3の上室3cを油圧源4に連通する下降ポジションと、上記子シリンダ2の下室2dを油圧源4に連通し、かつ上記親シリンダ3の上室3cをタンク11に連通する上昇ポジションと、上記子シリンダ2の下室2dおよび親シリンダ3の上室3cと油圧源4およびタンク11とを遮断する中立ポジションを有するサーボ弁5、
(c)上記親シリンダ3の下室3dと上記子シリンダ2の下室2dとの間を結ぶ管路を開閉する第1加圧切換え弁8、
(d)上記親シリンダ3の上室3cと下室3dとの間を結ぶ管路を開閉する差動回路切換え弁9、
(e)上記親シリンダ3の上室3cと上記子シリンダ2の上室2cとの間を結ぶ管路を開閉する第2加圧切換え弁13、
(f)上記子シリンダ2の上室2cと上記タンク11との間を結ぶ管路を開閉するプレフィル弁14を備えたことを特徴とする油圧プレスのシリンダ装置である。
【0008】
第3・第4の発明は、油圧プレスを制御する方法であり、第3の発明に係る制御方法は、受圧面積の小さい子シリンダ2と、受圧面積の大きい親シリンダ3を同一中心線上に配置し、かつ子シリンダ2と親シリンダ3内に設けられたピストン2a,3a間を、親シリンダ3のピストン杆3bより小径な子シリンダ2のピストン杆2bにより互に連結し、子シリンダ2の上室2cを大気に連通すると共に、親シリンダ3のピストン杆3bをプレスのスライドに接続したシリンダ本体1を備えた油圧プレスの制御方法において、
上記親シリンダ3の上室3cと下室3dへ圧油を供給し、上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dの受圧面積差によりピストン2a,3aを高速下降動作させ、
その後、上記親シリンダ3の下室3dと上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを高負荷下降動作させ、
その後、圧油の供給を中断して、ピストン2a,3aをその位置に加圧保持させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dと上記親シリンダ3の下室3dへ同時に圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3c内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを低速高負荷上昇動作させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dへ圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dとを連通させ、さらに上記親シリンダ3の上室3cとタンク11とを連通させ、ピストン2a,3aを高速上昇動作させることを特徴とする油圧プレスの制御方法である。
第4の発明に係る制御方法は、受圧面積の小さい子シリンダ2と、受圧面積の大きい親シリンダ3を同一中心線上に配置し、かつ子シリンダ2と親シリンダ3内に設けられたピストン2a,3a間を、親シリンダ3のピストン杆3bより小径な子シリンダ2のピストン杆2bにより互に連結し、子シリンダ2の上室2cを大気に連通すると共に、親シリンダ3のピストン杆3bをプレスのスライドに接続したシリンダ本体1を備えた油圧プレスの制御方法において、
上記親シリンダ3の上室3cと下室3dへ圧油を供給し、上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dの受圧面積差によりピストン2a,3aを高速下降動作させ、
その後、上記親シリンダ3の上室3cに圧油を供給し、上記親シリンダ3の下室3dと上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを高負荷下降動作させ、
その後、圧油の供給を中断して、ピストン3aをその位置に加圧保持させ、
その後再び、上記ピストン2a,3aを上記高負荷下降動作させ、
その後、圧油の供給を中断してピストン2a,3aをその位置に加圧保持させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dと上記親シリンダ3の下室3dに同時に圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3c内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを低速高負荷上昇動作させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dへ圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dとを連通させ、さらに上記親シリンダ3の上室3cとタンク11とを連通させ、ピストン2a,3aを高速上昇動作させることを特徴とする油圧プレスの制御方法である。
【0009】
第5・第6の発明は、油圧プレスの制御する方法であり、第5の発明に係る制御方法は、受圧面積の小さい子シリンダ2と、受圧面積の大きい親シリンダ3を同一中心線上に配置し、かつ子シリンダ2と親シリンダ3内に設けられたピストン2a,3a間を、親シリンダ3のピストン杆3bより小径な子シリンダ2のピストン杆2bにより互に連結すると共に、親シリンダ3のピストン杆3bをプレスのスライドに接続したシリンダ本体1を備えた油圧プレスの制御方法において、
上記親シリンダ3の上室3cと下室3dへ圧油を供給し、上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、上記子シリンダ2の上室2cへタンク11より油を吸入し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dの受圧面積差によりピストン2a,3aを高速下降動作させ、
その後、上記子シリンダ2の上室3cと親シリンダ3の上室3cに圧油を供給し、上記親シリンダ3の下室3dと上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを高負荷下降動作させ、
その後、圧油の供給を中断して、ピストン2a,3aをその位置に加圧保持させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dと上記親シリンダ3の下室3dへ同時に圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3cと上記子シリンダ2の上室2c内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを低速高負荷上昇動作させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dへ圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dとを連通させ、さらに上記親シリンダ3の上室3cとタンク11、および上記子シリンダ2の上室2cとタンク11とを連通させ、ピストン2a,3aを高速上昇動作させることを特徴とする油圧プレスの制御方法である。
第6の発明に係る制御方法は、受圧面積の小さい子シリンダ2と、受圧面積の大きい親シリンダ3を同一中心線上に配置し、かつ子シリンダ2と親シリンダ3内に設けられたピストン2a,3a間を、親シリンダ3のピストン杆3bより小径な子シリンダ2のピストン杆2bにより互に連結すると共に、親シリンダ3のピストン杆3bをプレスのスライドに接続したシリンダ本体1を備えた油圧プレスの制御方法において、
上記親シリンダ3の上室3cと下室3dへ圧油を供給し、上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、上記子シリンダ2の上室2cへタンク11より油を吸入し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dの受圧面積差によりピストン2a,3aを高速下降動作させ、
その後、上記子シリンダ2の上室2cと親シリンダ3の上室3cに圧油を供給し、上記親シリンダ3の下室3dと上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを高負荷下降動作させ、
その後、上記圧油の供給を中断して、ピストン3aをその位置に加圧保持させ、
その後再び、ピストン2a,3aを上記高負荷下降動作させ、
その後、圧油の供給を中断してピストン2a,3aをその位置に加圧保持させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dと上記親シリンダ3の下室3dに同時に圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3cと上記子シリンダ2の上室2c内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを低速高負荷上昇動作させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dへ圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dとを連通させ、さらに上記親シリンダ3の上室3cとタンク11、および上記子シリンダ2の上室2cとタンク11とを連通させ、ピストン2a,3aを高速上昇動作させることを特徴とする油圧プレスの制御方法である。
【0010】
【作用】
第1・第2の発明に係る油圧プレスのシリンダ装置によれば、高速、高負荷動作が容易に得られると共に、上昇時は親シリンダ3、子シリンダ2により大きな上昇力が得られるため、プレス作業で型同士が咬み込んでも容易に離脱させることができる。
また子シリンダ2に片ロッドシリンダが採用できるため、シリンダ本体1の全長を短縮することもできる。
第2の発明に係る油圧プレスのシリンダ装置によれば、下降時に親シリンダ3、子シリンダ2により大きな下降力が得られるため、プレス作業時に大きな加圧力が得られる。
第3の発明と第5の発明に係る制御方法によれば、シリンダ本体を高速下降、加圧下降、加圧保持、低速上昇及び高速上昇するように制御することにより、ブランキング加工や折曲げ加工、コイニング加工に適したスライドの動作パターンが得られるようになる。
第4の発明と第6の発明に係る制御方法によれば、シリンダ本体を高速下降、加圧下降及び高速上昇するように制御することにより、ブランキングや折曲げ加工などに適したスライドの動作パターンが得られるようになる。
さらにシリンダ装置を高速下降、加圧下降、加圧保持、加圧下降、加圧保持、低速上昇及び高速上昇するように制御することにより多段絞りや、絞りとブランキング加工または折曲げとブランキング加工を連続的に行うのに適した動作パターンが得られようになる。
【0011】
【実 施 例】
この発明の一実施例を図3及び図4を参照して詳述する。
これら図において1はシリンダ本体で、受圧面積の小さい子シリンダ2と、受圧面積の大きい親シリンダ3よりなる。
上記子シリンダ2と親シリンダ3は同一中心上に上下2段に設けられていて、子シリンダ2の内径はD2 、親シリンダ3の内径はD1 となっており、これらシリンダ2,3内にピストン2a,3aがそれぞれ収容されている。
子シリンダ2に収容されたピストン2aの下面には、外径がd2 のピストン杆2bが突設されていて、このピストン杆2bの先端は親シリンダ3内に収容されたピストン3aの上面に接続されており、親シリンダ3側のピストン3a下面には、上記ピストン2bの外径d2 より径の大きな外径d1 のピストン杆3bが突設されていて、このピストン杆3bの先端は、親シリンダ3の端板3eを貫通して外方へ突出されている。
【0012】
一方図3及び図4中4は可変流量ポンプよりなる油圧源で、この油圧源4の吐出圧はサーボ弁5より管路6,7を介して子シリンダ2の下室2dと、親シリンダ3の上室3cへ供給されるようになっている。
また上記管路6,7は分岐されていて、この分岐管路6a,7aは加圧切換え弁8及び差動回路切換え弁9を介して親シリンダ3の下室3dに接続されている。
なお上記各弁8,9は図4に示すようにロジック弁8a,9aと、これらロジック弁8a,9aをオン、オフ制御するパイロット切換え弁8b,9bより構成されている。
また子シリンダ2の上室2cはブリーザ10を介して大気に連通されている。
【0013】
次に作用を説明する。なお以下の説明でオンは開、オフは閉の状態を示す
上記高速、高負荷シリンダ装置をプレスの駆動源に使用する場合は、シリンダ本体をプレスのクラウン内に設置し、親シリンダ3のピストン杆3b先端にスライド(ともに図示せず)を接続する。
いまプレス作業を開始すべく上死点位置より高速でスライドを下降させる場合は、加圧切換え弁8のロジック弁8aをオフ、差動回路切換え弁9のロジック弁9aをオンにした状態でサーボ弁5を中立ポジション5cから下降ポジション5aへ切換える。
これによって油圧源4の吐出圧が親シリンダ3の上室3cと下室3dへそれぞれ供給され、上室3cの受圧面積A1 と下室3dの受圧面積A2 の差によりピストン3bが高速で下降され、子シリンダ2の下室2dの油はタンク11へドレンされる。スライドが所定位置まで下降して加圧力を必要とする場合は、サーボ弁5を下降ポジション5aに保持したまま加圧切換え弁8のロジック弁8aをオンに、そして差動回路切換え弁9のロジック弁9aをオフにする。
これによって油圧源4の吐出圧の全量が親シリンダ3の上室3cへ供給されるため、大きな加圧力が発生し、高負荷に対応することができる。
【0014】
スライドが下死点に達して成形が完了したら、加圧切換え弁8のロジック弁8aをオン、差動回路切換え弁9のロジック弁9aをオフにした状態でサーボ弁5を上昇ポジション5bへ切換える。
これによって油圧源4の吐出圧は子シリンダ2の下室2dと親シリンダ3の下室3dへ供給され、親シリンダ3の上室3cの油はタンク11へドレンされるため、ピストン2b,3bが上昇を開始すると共に、成形中型の咬み込みにより上型が下型より離脱できない場合でも、親シリンダ3の下室3dに供給された圧油と、子シリンダ2の下室2dの圧油により大きな上昇力が発生するため、咬み込みが発生しても容易に上型を離脱することができる。
また上型が下型より離間したら、サーボ弁5を上昇ポジション5aに保持したまま加圧切換え弁8のロジック弁8aをオフに、そして差動回路切換え弁9のロジック弁9aをオンすることにより、油圧源4の吐出圧は全量子シリンダ2の下室2dへ供給されるため、高速でスライドを上死点まで上昇させることができる。
【0015】
なおプレスで打抜き加工などを行う場合、ワークを打抜く際に発生するブレークスルーにより振動や騒音が発生するが、子シリンダ2の下室2dの受圧面積A3 と親シリンダ3の下室3dの受圧面積A2 をブレークスルー荷重を受ける面積とすることにより、ブレークスルー発生時ピーク圧を小さくすることができると共に、ブレークスルーを子シリンダ2の下室2dの受圧面積A3 と、親シリンダ3の下室3dの受圧面積A2 で受けるため、ブレークスルーによる振動や騒音を低減することができる。
また各部の寸法を次のように設定することによりシリンダ本体1の受圧面積を変えることができる(なおD1 >d1 は既知とする)。
D1 >D2 、D2 =d1 >d2 の場合A1 −A2 =A3
D1 >D2 、D2 >d1 >d2 の場合A1 −A2 <A3
D1 >D2 、d1 >D2 >dの場合A1 −A2 >A3
【0016】
一方図5及び図6はこの発明の別の実施例を示すもので、次にこれを説明する。子シリンダ2と親シリンダ3の構造は同じだが、管路7の途中に電磁弁よりなる第2の加圧切換え弁13を設けると共に、管路7より分岐した管路7bを、電磁弁15によりオン,オフされるプレフィル弁14を介してタンク11へ接続したもので、その具体的な回路を図6に示す。
【0017】
次にその動作を説明すると、まずスライドを上死点より下降させる場合は、第1加圧切換え弁8のロジック弁8a及び第2加圧切換え弁13をオフ、差動切換え弁9のロジック弁9a及びプレフィル弁14をオンにした状態で、サーボ弁5を中立ポジション5cから下降ポジション5aへ切換える。
これによって油圧源4の吐出圧が親シリンダ3の上室3cと下室3dへ供給されて、これらの受圧面積の差でスライドが高速下降されると共に、子シリンダ2の上室2cにはプレフィル弁14を介してタンク11の油が吸込まれる。
その後サーボ弁5を下降ポジション5aに保持したまま、第1加圧切換え弁8のロジック弁8a及び第2加圧切換え弁13をオン、差動回路切換え弁9のロジック弁9aとプレフィル弁14をオフにすることにより、子シリンダ2の上室2cと親シリンダ3の上室3cに圧油が供給されて、大きな加圧力が発生し、高負荷に対応することができるようになる。
その後第1加圧切換え弁8のロジック弁8a及び第2加圧切換え弁13をオン、差圧回路切換え弁9のロジック弁9a及びプレフィル弁14をオフに保持した状態でサーボ弁5を上昇ポジション5bへ切換えることにより、子シリンダ2の下室2dと親シリンダ3の下室3dへ圧油が供給されて大きな上昇力が発生するため、型の咬み込みなどが発生しても容易に離脱できると共に、上昇中第1,第2加圧切換え弁8,13をオフ、差動回路切換え弁9、プレフィル弁14をオンにすることにより子シリンダ2の下室2dへ圧油が供給されて、高速でスライドを上死点へ上昇することができる。
【0018】
以上は一般的な油圧プレスのスライド動作であるが、サーボ弁5、第1・第2加圧切換え弁8,13、差動回路切換え弁9及びプレフィル弁14を制御することにより、各種のプレス作業に適したスライドストローク曲線が得られる。
【0019】
いま図3に示す回路において、図7に示すようなスライドストローク曲線を得ようとする場合、スライドが上死点で停止している状態から、サーボ弁5を中立ポジション5cより下降ポジション5aへ、そして加圧切換え弁8をオフ、差動回路切換え弁9をオンにする。
これによって油圧源4の吐出圧が親シリンダ3の上室3cと下室3dへそれぞれ供給され、上室3cの受圧面積A1 と下室3dの受圧面積A2 の差によりピストン3bが図7の(イ)で示すように高速で下降され、子シリンダ2の下室2dの油はタンク11へドレンされる。スライドが所定位置まで下降して加圧力を必要とする場合は、サーボ弁5を下降ポジション5aに保持したまま加圧切換え弁8をオンに、そして差動回路切換え弁9をオフにする。
これによって油圧源4の吐出圧の全量が親シリンダ3の上室3cへ供給されるため、スライドは図7の(ロ)に示すように、減速しながらさらに下死点まで下降され、このとき大きな加圧力が得られる。
【0020】
その後サーボ弁5を上昇ポジション5bに、そして加圧切換え弁8をオフ、差動回路切換え弁9をオンに切換えることにより、油圧源4の吐出圧が全量が子シリンダ2の下室2dのみへ供給され、同時に親シリンダ3の上室3cの油は差動回路切換え弁9を介して親シリンダ3の下室3dへ流入するため、スライドは図7の(ハ)に示すように高速で上死点まで上昇する。
以上のような制御方法により得られた図7に示すスライドストローク曲線は、主として板材をブランキング加工したり、折曲げもしくはコイニング加工するのに適しており、機械的なスライド駆動機構によりスライドを駆動するプレス(以下メカニカルプレスという)に比べて、サージ荷重がない状態で成形が可能となるため、金型の摩耗や破損などが減少し、金型寿命の向上が図れるようになる。
【0021】
また図5に示す他の実施例の回路で、図7に示すスライドストローク曲線を得るためには、サーボ弁5、第1、第2加圧切換え弁8,13、差動回路切換え弁9及びプレフィル弁14を次の表−1に示すように制御すればよい。
【0022】
【表1】
【0023】
一方ブランキング加工や折曲げもしくはコイニング加工などのプレス加工において、加工時スライドを加圧下降させたり、ワークを加圧状態に保持し、もしくは低速で少し上昇させて加圧力を抜く作業を行うことがあり、このときのスライドストローク曲線は例えば図8に示すようになる。
このスライドストローク曲線を図3に示す回路で得ようとした場合、サーボ弁5と加圧切換え弁8及び差動回路切換え弁9を次のように制御する。
【0024】
スライドが上死点で停止している状態から、サーボ弁5を中立ポジション5cより下降ポジション5aへ、そして加圧切換え弁8をオフ、差動回路切換え弁9をオンにする。
これによって油圧源4の吐出圧が親シリンダ3の上室3cと下室3dへそれぞれ供給され、上室3cの受圧面積A1 と下室3dの受圧面積A2 の差によりピストン3bが図8の(イ)で示すように高速で下降され、子シリンダ2の下室2dの油はタンク11へドレンされる。スライドが所定位置まで下降して加圧力を必要とする場合は、サーボ弁5を下降ポジション5aに保持したまま加圧切換え弁8をオンに、そして差動回路切換え弁9をオフにする。
これによって油圧源4の吐出圧の全量が親シリンダ3の上室3cへ供給されるため、スライドは図8の(ロ)に示すように、減速しながらさらに下死点まで下降され、このとき大きな加圧力が得られる。
【0025】
次にこの状態で加圧保持する場合は、加圧切換え弁8をオン、差動回路切換え弁9をオフにした状態でサーボ弁5を一旦中立ポジション5cへ戻すと、スライドは図8の(ハ)に示すようにその位置に停止されるため、ワークの加圧保持が行える。
その後加圧切換え弁8をオン、差動回路切換え弁9をオフにした状態でサーボ弁5を上昇ポジション5bへ切換えると、油圧源4の吐出圧は子シリンダ2の下室2dと親シリンダ3の下室3dへ同時に供給されるため、スライドは図8の(ニ)に示すように低速で上昇を開始し、ワークの加圧力が徐々に開放されて所謂圧抜きが行える。
【0026】
その後サーボ弁5を上昇ポジション5bに保持したまま、加圧切換え弁8をオフ、差動回路切換え弁9をオンにすると、油圧源4の吐出圧が全量子シリンダ2の下室2dのみに供給され、同時に親シリンダ3の上室3cの油は差動回路切換え弁9を介して親シリンダ3の下室3dへ流入するため、スライドは図8の(ホ)に示すように高速で上死点まで上昇される。
以上のように制御することにより、成形過程でワークを加圧保持したり、圧抜きなどの動作が可能になると共に、サージ荷重がない状態で成形が可能なことから、メカニカルプレスに比べて工程数の低減と、金型寿命の向上が図れる。
【0027】
また図5に示す他の実施例の回路で、図8に示すスライドストローク曲線を得るためにはサーボ弁5、第1・第2加圧切換え弁8,13、差動回路切換え弁9及びプレフィル弁14を次の表−2に示すように制御すればよい。
【0028】
【表2】
【0029】
一方ブランキングや折曲げ加工、コイニング加工などにおいて、スライドストロークが図9に示すように短かくても加工が可能な場合は、次のようにサーボ弁5、加圧切換え弁8及び差動回路切換え弁9を制御することにより、図9に示すようなスライドストローク曲線が得られるようになる。
まずスライドが上死点に停止している状態から、サーボ弁5を中立ポジション5cより下降ポジション5aへ切換え、加圧切換え弁8をオン、差動回路切換え弁9をオフにする。
これによって油圧源4の吐出圧が親シリンダ3の上室3cへ供給され、親シリンダ3の下室3d及び子シリンダ2の下室2dの油はタンク11へドレンされるため、スライドは図9の(イ)に示すように低速で下降される。
【0030】
スライドを所定位置まで下降させてワークを加圧保持する場合は、加圧切換え弁8をオン、差動回路切換え弁9をオフにした状態でサーボ弁5を中立ポジション5cへ切換える。
これによってスライドは図9の(ロ)に示すようにその位置に停止されるため、ワークの加圧保持が行える。
その後スライドを上昇させる場合は、加圧切換え弁8をオン、差動回路切換え弁9をオフにした状態でサーボ弁5を上昇ポジション5bへ切換える。
これによって油圧源4の吐出圧が子シリンダ2の下室2dと親シリンダ3の下室3dへ供給され、親シリンダ3の上室3cの油はタンク11へドレンされるため、スライドは図9の(ハ)に示すように低速で上昇する。
以上の制御方法によりスライドを短いストロークで上下動できるため、特にコイニング加工などの作業では作業能率が向上すると共に、小さいストロークで作業できるため、作業者に対する安全性も向上する。
【0031】
また図5に示す他の実施例の回路で、図9に示すスライドストローク曲線を得るためには、サーボ弁5、第1・第2加圧切換え弁8,13、差動回路切換え弁9及びプレフィル弁14を次の表−3に示すように制御すればよい。
【0032】
【表3】
【0033】
一方多段絞りや、絞りとブランキング加工、または折曲げ加工とブランキング加工を連続して行うような場合には、図10に示すようなスライドストローク曲線が必要となる。
次にこのスライドストローク曲線を得るための制御方法を図3により説明すると、まずスライドが上死点で停止している状態から、サーボ弁5を中立ポジション5cより下降ポジション5aへ切換え、加圧切換え弁8はオフ、差動回路切換え弁9はオンにする。
これによって油圧源4の吐出圧が親シリンダ3の上室3cと下室3dへそれぞれ供給され、上室3cの受圧面積A1 と下室3dの受圧面積A2 の差によりピストン3bが図10の(イ)で示すように高速で下降され、子シリンダ2の下室2dの油はタンク11へドレンされる。スライドが所定位置まで下降して加圧力を必要とする場合は、サーボ弁5を下降ポジション5aに保持したまま加圧切換え弁8をオンに、そして差動回路切換え弁9をオフにする。
これによって油圧源4の吐出圧の全量が親シリンダ3の上室3cへ供給されるため、スライドは図10の(ロ)に示すようにワークを加圧しながら減速下降される。
【0034】
その後ワークの加圧保持を行う場合は、加圧切換え弁8をオン、差動回路切換え弁9をオフにした状態でサーボ弁5を中立ポジション5cへ切換えることにより、スライドは図10の(ハ)に示すようにその位置に停止されるため、ワークの加圧保持が行える。
その後さらにスライドを下降させて2段絞りなどを行う場合は、加圧切換え弁8をオン、差動回路切換え弁9をオフにした状態でサーボ弁5を下降ポジション5aへ切換えると、油圧源4の吐出圧の全量が親シリンダ3の上室3cへ供給されるため、スライドは図10の(ニ)に示すように再び下降される。
そして下死点に達したスライドによりワークを加圧保持する場合は、加圧切換え弁8をオン、差動回路切換え弁9をオフにした状態でサーボ弁5を中立ポジション5cへ切換えると、スライドは図10の(ホ)に示すようにその位置に停止されるため、ワークの加圧保持が行える。
【0035】
またワークを加圧保持している状態から所謂圧抜きを行う場合は、加圧切換え弁8をオン、差動回路切換え弁9をオフにした状態でサーボ弁5を上昇ポジション5bへ切換える。
これによって油圧源4の吐出圧は子シリンダ2の下室2dと、親シリンダ3の下室3dへ同時に供給されるため、スライドは図10の(ヘ)に示すように低速で上昇を開始し、ワークの加圧力が徐々に開放されて圧抜きが行える。
圧抜き終了後サーボ弁5を上昇ポジション5bに保持したまま、加圧切換え弁8をオフ、差動回路切換え弁9をオンにすると、油圧源4の吐出圧の全量が子シリンダ2の下室2dへ供給され、同時に親シリンダ3の上室3cの油は差動回路切換え弁9を介して親シリンダ3の下室3dへ流入するため、スライドは図10の(ト)に示すように高速で上死点まで上昇される。
以上の制御方法により、スライドを任意な位置で停止してワークを加圧保持した後、さらにスライドを再び加圧下降させたり、加圧保持の状態からスライドを低速上昇させて圧抜きを行うなどの操作が行えるため、多段絞りや、絞り加工または折曲げ加工に連続してブランキング加工などを行うことができ、従来のメカニカルプレスのようにこれら加工を別工程で行っていたものに比べて工程数や使用する金型の低減などが図れる効果がある。
【0036】
また図5に示す他の実施例の回路で、図10に示すスライドストローク曲線を得るためには、サーボ弁5、第1・第2加圧切換え弁8,13、差動回路切換え弁9及びプレフィル弁14を次の表−4に示すように制御すればよい。
【0037】
【表4】
【0039】
【発明の効果】
請求項1に係る発明、請求項2に係る発明によれば、子シリンダ2のピストン2aと親シリンダ3のピストン3aを連結する子シリンダ2のピストン杆2bを親シリンダ3のピストン杆3bより小径として、親シリンダ3の上室3cと下室3dの受圧面積を異ならせ、この受圧面積の差により高速動作を可能とすると共に、高負荷時には、受圧面積の大きい親シリンダ3の上室3cへ油圧を供給して、高出力を得られるようにしたことから、高負荷にも対応することができる。
またプレス作業時において型の咬み込みにより型間が離脱できない場合、子シリンダ2の下室2d、親シリンダ3の下室3dに圧油を供給し、子シリンダ2の下室2dの受圧面積と親シリンダ3の下室3dの受圧面積により大きな上昇力が得られるため、咬み込んだ型の離脱が容易に行えると共に、ブレークスルー荷重を子シリンダ2と親シリンダ3の受圧面積で受けることにより、ブレークスルーによる振動や騒音の低減が図れるようになる。
さらに子シリンダ3に片ロッドシリンダを使用したことによりシリンダ本体1の全長が短縮でき、これによってプレス全高を低くできるため、プレスの小型化や剛性の向上が図れるようになると共に、子シリンダ2側のピストン杆2bを小径とすることにより、子シリンダ2側の軽量化とコストダウンも図れるようになる。
また、請求項2に係る発明によれば、子シリンダ2の上室2cに圧油を供給できるから、大きな下降力を得られ、スライドの加圧力を大きくできる。
請求項3、請求項5に係る発明によれば、シリンダ本体を高速下降、加圧下降、加圧保持、低速上昇及び高速上昇するように制御することにより、ブランキング加工や折曲げ加工、コイニング加工に適したスライドストローク曲線が得られるようになる。
これによって従来のメカニカルプレスにより成形する場合に比べてサージ荷重がない状態で成形することができるため、金型の摩耗や破損などが少なくなって金型寿命が向上すると共に、工程数も少なくなるため、成形に要する工数の低減も図れるようになる。
請求項4、請求項6に係る発明によれば、シリンダ本体を高速下降、加圧下降、加圧保持、加圧下降、加圧保持、低速上昇及び高速上昇するように制御することにより多段絞りや絞りとブランキング加工または折曲げ加工とブランキング加工に適した動作パターンが得られるようになる。
これによって従来のメカニカルプレスで成形する場合に比べて工程数が少なくできるため生産性が向上すると共に、工程数の減少により使用する金型の数も少なくできるため、金型代の節約も図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の高速、高負荷シリンダ装置の説明図である。
【図2】従来の高速、高負荷シリンダ装置の説明図である。
【図3】この発明の一実施例になる高速、高負荷シリンダ装置の構成図である。
【図4】この発明の一実施例になる高速、高負荷シリンダ装置の切換え弁部分の詳細図である。
【図5】この発明の他の実施例になる高速、高負荷シリンダ装置の構成図である。
【図6】この発明の他の実施例になる高速、高負荷シリンダ装置の切換え弁部分の詳細図である。
【図7】この発明の実施例になる高速、高負荷シリンダ装置の制御方法を示すスライドストローク曲線図である。
【図8】この発明の実施例になる高速、高負荷シリンダ装置の制御方法を示すスライドストローク曲線図である。
【図9】この発明の実施例になる高速、高負荷シリンダ装置の制御方法を示すスライドストローク曲線図である。
【図10】この発明の実施例になる高速、高負荷シリンダ装置の制御方法を示すスライドストローク曲線図である。
【符号の説明】
2…子シリンダ
2a…ピストン
2b…ピストン杆
2c…上室
2d…下室
3…親シリンダ
3a…ピストン
3b…ピストン杆
3c…上室
3d…下室
5…サーボ弁
8…第1加圧切換え弁
9…差動回路切換え弁
13…第2加圧切換え弁
14…プレフィル弁
Claims (6)
- (a)受圧面積の小さい子シリンダ2と、受圧面積の大きい親シリンダ3を同一中心線上に配置し、かつ子シリンダ2と親シリンダ3内に設けられたピストン2a,3a間を、親シリンダ3のピストン杆3bより小径な子シリンダ2のピストン杆2bにより互に連結し、子シリンダ2の上室2cを大気に連通すると共に、親シリンダ3のピストン杆3bをプレスのスライドに接続したシリンダ本体1、
(b)上記子シリンダ2の下室2dをタンク11に連通し、かつ上記親シリンダ3の上室3cを油圧源4に連通する下降ポジションと、上記子シリンダ2の下室2dを油圧源4に連通し、かつ上記親シリンダ3の上室3cをタンク11に連通する上昇ポジションと、上記子シリンダ2の下室2dおよび親シリンダ3の上室3cと油圧源4およびタンク11とを遮断する中立ポジションを有するサーボ弁5、
(c)上記親シリンダ3の下室3dと上記子シリンダ2の下室2dとの間を結ぶ管路を開閉する第1加圧切換え弁8、
(d)上記親シリンダ3の上室3cと下室3dとの間を結ぶ管路を開閉する差動回路切換え弁9、
を設けたことを特徴とする油圧プレスのシリンダ装置。 - (a)受圧面積の小さい子シリンダ2と、受圧面積の大きい親シリンダ3を同一中心線上に配置し、かつ子シリンダ2と親シリンダ3内に設けられたピストン2a,3a間を、親シリンダ3のピストン杆3bより小径な子シリンダ2のピストン杆2bにより互に連結すると共に、親シリンダ3のピストン杆3bをプレスのスライドに接続したシリンダ本体1、
(b)上記子シリンダ2の下室2dをタンク11に連通し、かつ上記親シリンダ3の上室3cを油圧源4に連通する下降ポジションと、上記子シリンダ2の下室2dを油圧源4に連通し、かつ上記親シリンダ3の上室3cをタンク11に連通する上昇ポジションと、上記子シリンダ2の下室2dおよび親シリンダ3の上室3cと油圧源4およびタンク11とを遮断する中立ポジションを有するサーボ弁5、
(c)上記親シリンダ3の下室3dと上記子シリンダ2の下室2dとの間を結ぶ管路を開閉する第1加圧切換え弁8、
(d)上記親シリンダ3の上室3cと下室3dとの間を結ぶ管路を開閉する差動回路切換え弁9、
(e)上記親シリンダ3の上室3cと上記子シリンダ2の上室2cとの間を結ぶ管路を開閉する第2加圧切換え弁13、
(f)上記子シリンダ2の上室2cと上記タンク11との間を結ぶ管路を開閉するプレフィル弁14
を備えたことを特徴とする油圧プレスのシリンダ装置。 - 受圧面積の小さい子シリンダ2と、受圧面積の大きい親シリンダ3を同一中心線上に配置し、かつ子シリンダ2と親シリンダ3内に設けられたピストン2a,3a間を、親シリンダ3のピストン杆3bより小径な子シリンダ2のピストン杆2bにより互に連結し、子シリンダ2の上室2cを大気に連通すると共に、親シリンダ3のピストン杆3bをプレスのスライドに接続したシリンダ本体1を備えた油圧プレスの制御方法において、
上記親シリンダ3の上室3cと下室3dへ圧油を供給し、上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dの受圧面積差によりピストン2a,3aを高速下降動作させ、
その後、上記親シリンダ3の上室3cに圧油を供給し、上記親シリンダ3の下室3dと上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを高負荷下降動作させ、
その後、圧油の供給を中断して、ピストン2a,3aをその位置に加圧保持させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dと上記親シリンダ3の下室3dへ同時に圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3c内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを低速高負荷上昇動作させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dへ圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dとを連通させ、さらに上記親シリンダ3の上室3cとタンク11とを連通させ、ピストン2a,3aを高速上昇動作させる
ことを特徴とする油圧プレスの制御方法。 - 受圧面積の小さい子シリンダ2と、受圧面積の大きい親シリンダ3を同一中心線上に配置し、かつ子シリンダ2と親シリンダ3内に設けられたピストン2a,3a間を、親シリンダ3のピストン杆3bより小径な子シリンダ2のピストン杆2bにより互に連結し、子シリンダ2の上室2cを大気に連通すると共に、親シリンダ3のピストン杆3bをプレスのスライドに接続したシリンダ本体1を備えた油圧プレスの制御方法において、
上記親シリンダ3の上室3cと下室3dへ圧油を供給し、上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dの受圧面積差によりピストン2a,3aを高速下降動作させ、
その後、上記親シリンダ3の上室3cに圧油を供給し、上記親シリンダ3の下室3dと上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを高負荷下降動作させ、
その後、圧油の供給を中断して、ピストン3aをその位置に加圧保持させ、
その後再び上記ピストン2a,3aを上記高負荷下降動作させ、
その後、圧油の供給を中断してピストン2a,3aをその位置に加圧保持させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dと上記親シリンダ3の下室3dに同時に圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3c内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを低速高負荷上昇動作させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dへ圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dとを連通させ、さらに上記親シリンダ3の上室3cとタンク11とを連通させ、ピストン2a,3aを高速上昇動作させる
ことを特徴とする油圧プレスの制御方法。 - 受圧面積の小さい子シリンダ2と、受圧面積の大きい親シリンダ3を同一中心線上に配置し、かつ子シリンダ2と親シリンダ3内に設けられたピストン2a,3a間を、親シリンダ3のピストン杆3bより小径な子シリンダ2のピストン杆2bにより互に連結すると共に、親シリンダ3のピストン杆3bをプレスのスライドに接続したシリンダ本体1を備えた油圧プレスの制御方法において、
上記親シリンダ3の上室3cと下室3dへ圧油を供給し、上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、上記子シリンダ2の上室2cへタンク11より油を吸入し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dの受圧面積差によりピストン2a,3aを高速下降動作させ、
その後、上記子シリンダ2の上室2cと親シリンダ3の上室3cに圧油を供給し、上記親シリンダ3の下室3dと上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを高負荷下降動作させ、
その後、圧油の供給を中断して、ピストン2a,3aをその位置に加圧保持させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dと上記親シリンダ3の下室3dへ同時に圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3cと上記子シリンダ2の上室2c内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを低速高負荷上昇動作させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dへ圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dとを連通させ、さらに上記親シリンダ3の上室3cとタンク11、および上記子シリンダ2の上室2cとタンク11とを連通させ、ピストン2a,3aを高速上昇動作させる
ことを特徴とする油圧プレスの制御方法。 - 受圧面積の小さい子シリンダ2と、受圧面積の大きい親シリンダ3を同一中心線上に配置し、かつ子シリンダ2と親シリンダ3内に設けられたピストン2a,3a間を、親シリンダ3のピストン杆3bより小径な子シリンダ2のピストン杆2bにより互に連結すると共に、親シリンダ3のピストン杆3bをプレスのスライドに接続したシリンダ本体1を備えた油圧プレスの制御方法において、
上記親シリンダ3の上室3cと下室3dへ圧油を供給し、上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、上記子シリンダ2の上室2cへタンク11より油を吸入し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dの受圧面積差によりピストン2a,3aを高速下降動作させ、
その後、上記子シリンダ2の上室2cと親シリンダ3の上室3cに圧油を供給し、上記親シリンダ3の下室3dと上記子シリンダ2の下室2d内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを高負荷下降動作させ、
圧油の供給を中断して、ピストン3aをその位置に加圧保持させ、
その後再び、ピストン2a,3aを上記高負荷下降動作させ、
その後、圧油の供給を中断してピストン2a,3aをその位置に加圧保持させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dと上記親シリンダ3の下室3dに同時に圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3cと上記子シリンダ2の上室2c内の油をタンク11へ戻し、ピストン2a,3aを低速高負荷上昇動作させ、
その後、上記子シリンダ2の下室2dへ圧油を供給し、上記親シリンダ3の上室3cと下室3dとを連通させ、さらに上記親シリンダ3の上室3cとタンク11、および上記子シリンダ2の上室2cとタンク11とを連通させ、ピストン2a,3aを高速上昇動作させる
ことを特徴とする油圧プレスの制御方法。
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