JPH0239621Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はプレスのクツシヨンロツク装置に関す
るものである。

従来の技術 従来の例えば単動プレスは、第３図に示すよう
にポンチ１はポンチホルダ２を介してボルスタ３
に固定され、またポンチ１の外側にはブランク４
の周縁部を支持するプレツシヤリング５が設けら
れ、このプレツシヤリング５はクツシヨンピン６
を介してダイクツシヨン７のプレツシヤパツド８
に支持され、更にこのダイクツシヨン７は空気圧
によつて常に上向きに力が作用するようにされて
いる。スライド９が下降すると、ブランク４はダ
イ１０とポンチ１によつて絞り加工され、その後
スライド９及びダイ１０が上昇しようとすると、
空気圧に付勢されているプレツシヤパツド８によ
りプレツシヤリング５が一定高さまで追随して上
昇し、その後にダイ１０がプレツシヤリング５か
ら離れて、ブランク４の取り出しが可能となる。

考案が解決しようとする問題点 上記構成によれば、絞り加工終了後、ブランク
４はその周縁部をプレツシヤリング５に支持され
て、ダイ１０に追随して上昇する為に製品及び型
に傷がつく場合があつた。

本考案は上記問題点を解消し、製品及び型の傷
つきを防止するプレスのクツシヨンロツク装置を
提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため、本考案は、上面に
ダイとの間でブランク周縁部を保持するプレツシ
ヤリングが設けられたプレツシヤパツド及び該プ
レツシヤパッドを上方に付勢する空気圧シリンダ
を有するプレスのクツシヨン装置において、プレ
ツシヤパツドを上方に付勢する空気圧シリンダを
有するプレスのクツシヨン装置において、プレツ
シヤパツドに連動するピストンを有する油圧シリ
ンダを設け、該油圧シリンダの両室を第１のロジ
ツク弁と油タンクを有する第１の油圧回路で連結
すると共に、第２のロジツク弁を有する第２の油
圧回路で連結し、前記第１のロツク弁を制御する
電磁弁を設けた構成にしたものである。

作 用 この構成により、ダイが降下してプレツシヤリ
ングに当接し、該プレツシヤリングを介してプレ
ツシヤパツドを下方に押すと、該プレツシヤパツ
ドに連動するピストンは下方に押され、油圧シリ
ンダの下室から第２の油圧回路を通つて油圧シリ
ンダの上室へ油が流入してプレツシヤパツドの下
降を許す。プレツシヤパッドが下死点まで下が
り、プレス加工終了後、ダイが上昇し始め、空気
圧シリンダに付勢されたプレツシヤパツドに連動
してピストンが上昇しようとしても、第２のロジ
ツク弁の逆止機能によりプレツシヤパツドの上昇
が抑止され、プレツシヤパツドを下死点でロツク
する。ダイが一定高さまで上昇した時に、第１の
ロジツク弁の電磁弁を動作させて、第１ロジツク
弁の逆止機能を解除すると、空気圧シリンダに付
勢されたプレツシヤパツドの上昇に連動してのピ
ストンの上昇が、油圧シリンダの上室の油が押し
出されて油タンクへ流出することにより許容さ
れ、同時に油タンク内の油が油圧シリンダ下室へ
流入する。このように、プレツシヤパツドを下死
点で一時ロツクすることにより、ブランクのダイ
に追随する上昇はなくなり、ブランクの傷つき等
はなくなる。

実施例 以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図において、１１はポンチホルダ１２を
介してボルスタ１３に固定保持されたポンチ、１
４はスライド１５に固定されたダイである。１６
はボルスタ１３の下方位置でプレスベツド１７内
に昇降自在に配置されたプレツシヤパツドで、そ
の上面には複数個のクツシヨンピン１８がボルス
タ１３及びポンチホルダ１２を挿通して立設さ
れ、これらクツシヨンピン１８の上端には、ポン
チ１１の周囲に位置し、ブランク１９の周縁部を
ダイ１４と協働して押圧保持するプレツシヤリン
グ２０が設けられている。２１はプレスベツド１
７下端に設けられた取付フレーム２２に設置され
た空気圧シリンダで、プレツシヤパツド１６に設
けられたクツシヨン軸２３を駆動し、プレツシヤ
パツド１６のプレツシヤリング２０を上方に付勢
する。２４は空気圧シリンダ２１に接続された空
気圧回路である。

２５は取付フレーム２２の下面に取り付けられ
た油圧シリンダで、そのピストンロツド２６はプ
レツシヤパッド１６に連結されている。２７は油
圧シリンダ２５のピストンで、油圧シリンダ２５
内は該ピストン２７により上室２８と下室２９に
分けられており、上室２８は第１ロジツク弁３
０、油タンク３１逆止弁３２を有する第１油圧回
路３３を介して下室２９に連結されるとともに、
第２ロジツク弁３４を有する第２油圧回路３５を
介して同じく下室２９に連結されている。３６は
第１ロジツク弁３０を制御する第１電磁弁、３７
は第２ロジツク弁３４を制御する第２の電磁弁で
ある。３８はパイロツト回路の送油ポンプで、第
３電磁弁３９で制御された圧油は第１電磁弁３６
を駆動するのに使用されるとともに、第２電磁弁
３７を介して第２ロジツク弁３４のパイロツト油
圧にも使用される。

以下、上記構成における作用について、第２図
を参照して説明する。スライド１５が降下してダ
イ１４がプレツシヤリング１４に当接し、ブラン
ク１３を挟み込んで、ａ点以降で絞り加工をす
る。そしてプレツシヤパツド１６に連動するピス
トン２７を下方に押すと、油圧シリンダ２５の下
室２９から第２油圧回路３５中の第２ロジツク弁
３４を通つて油圧シリンダ２５の上室２８へ油が
流入し、プレツシヤパツド１６の下降を許す。こ
の時第１油圧回路３３中の第１ロジツク弁３０は
第１図の状態の第１電磁弁３６により閉ざされて
おり、下室２９の油は第２ロジツク弁３４を通し
て上室２８に移動するだけである。

スライド１５がｂ点の下死点まで下降し、プレ
ス加工終了した後、再び上昇し始め、空気圧シリ
ンダ２１により付勢されたプレツシヤパツド１６
に連動するピストン２７が上昇しようとすると、
第２ロジツク弁３４の逆止機能が作用して上室２
８からの油の流出を阻止し、プレツシヤパツド１
６の上昇が抑止されて下死点でロツクされる。ス
ライド１５が一定高さまで上昇した時、ｃ点で第
３電磁弁３９を切換え、第２電磁弁３６を駆動す
ると、第１ロジツク弁３０開放され、上室２８の
油は第１油圧回路３３を通つて油タンク３１へ流
出可能となり、ロツク解除される。従つて、ピス
トン２７は空気圧シリンダ２１により上昇せしめ
られるプレツシヤパツド１６に連動して上昇し、
上室１８の油は油タンク３１に流出し、さらに油
タンク３１内の油は逆止弁３２を通つて下室２９
に流入する。

又金型交換時には、空気圧シリンダ２１の空気
を抜き、第２電磁弁３７を切換えて、第２ロジツ
ク弁３４のパイロツト油圧を解除し、プレツシヤ
パツドを自重で最下限まで下降させる。

考案の効果 以上述べたごとく本考案によれば、プレツシヤ
パツドに連動するピストンを有する油圧シリンダ
の両室をロジツク弁を有する回路で連結するだけ
で、プレツシヤパツドを一時下死点でロツクする
ことが可能となり、プレツシヤリングがダイに追
随して上昇する作用はなくなり、ブランクや型を
傷つけることもなくなる。

また、１サイクル毎に油圧シリンダ内の油は油
タンクへ還流するので、油温上昇がなくなり、油
圧シリンダにフインや送風機をつけるなどの熱対
策を施す必要はなくなる。また、ロツク操作弁に
ロジツク弁を使用しているので、ロツク用の油圧
シリンダ内の油圧を高圧にでき、油圧シリンダの
小形化を可能にし、コンパクトに製作できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のクツシヨンロツク装置の断面
およびその油圧回路を示す構成図、第２図はスラ
イドとプレツシヤパツドの相関関係を表わす説明
図、第３図は従来の単動プレスの構造を示す構成
図である。 １１……ポンチ、１４……ダイ、１５……スラ
イド、１６……プレツシヤパツド、１９……ブラ
ンク、２０……プレツシヤリング、２１……空気
圧シリンダ、２５……油圧シリンダ、２７……ピ
ストン、２８……上室、２９……下室、３０……
第１ロジツク弁、３１……油タンク、３３……第
１油圧回路、３４……第２ロジツク弁、３５……
第２油圧回路、３６……第１電磁弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面にダイとの間でブランク周縁部を保持する
   プレツシヤリングが設けられたプレツシヤパツド
   及び該プレツシヤパツドを上方に付勢する空気圧
   シリンダを有するプレスのクツシヨン装置におい
   て、プレツシヤパツドに連動するピストンを有す
   る油圧シリンダを設け、該油圧シリンダの両室を
   第１のロジツク弁と油タンクを有する第１の油圧
   回路で連結すると共に、第２のロジツク弁を有す
   る第２の油圧回路で連結し、前記第１のロジツク
   弁を制御する電磁弁を設けたことを特徴とするプ
   レスのクツシヨンロツク装置。