JP3021907B2 - カラーフィルターパターンの形成方法 - Google Patents

カラーフィルターパターンの形成方法

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JP3021907B2
JP3021907B2 JP1503592A JP1503592A JP3021907B2 JP 3021907 B2 JP3021907 B2 JP 3021907B2 JP 1503592 A JP1503592 A JP 1503592A JP 1503592 A JP1503592 A JP 1503592A JP 3021907 B2 JP3021907 B2 JP 3021907B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は顔料分散によるカラーフ
ィルターの製造工程におけるカラーフィルターパターン
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からカラーフィルターの製造方法と
して、染色法、印刷法、顔料分散法が知られている。こ
の製造方法のなかで耐熱性、耐光性等の機能に優れ染色
法に比べ工程が簡単なため広く用いられている顔料分散
法によるカラーフィルターの製造工程は、例えば、アク
リル系樹脂に顔料を分散したカラーレジスト材をガラス
基板上にスピンナコーティング法等により塗布し、加熱
乾燥してカラーレジスト層を形成し、その上にカラーレ
ジスト層の光硬化性を促進するための酸素遮断膜とし
て、ポリビニールアルコール(以下、PVAと記す)溶
液をスピンナコーティングにより塗布し、加熱乾燥して
PVA層を形成する。次にマスクパターンの露光、焼付
をし炭酸ソーダ水溶液等により現像を行ない、PVA層
や未露光部分のカラーレジスト層を取り除きベークを行
なってカラーフィルターパターンを形成していたもので
ある。このカラーフィルターパターン形成をレッド(以
下Rと記す)、グリーン(以下Gと記す)、ブルー(以
下Bと記す)の顔料を分散した、各顔料ごとのカラーレ
ジスト材を用いてR、G、Bのパターン形成を繰り返
ことにより、カラーフィルターが構成されていることは
広く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アクリ
ル系樹脂に顔料を分散したカラーレジスト材のスピンナ
コーティング法による塗布の欠点として、膜厚が厚くな
る部分が発生する。例えば、図3に示すように、ガラス
基板(10)上の周辺には、カラーレジスト溶液が、スピン
ナコーティングの際、遠心力により集まり、この余分な
カラーレジスト溶液を取り除くことができずに、加熱乾
燥によってガラス基板周辺が山状に成膜された不要なカ
ラーレジスト層(11)となる。この状態で酸素遮断膜とし
てのPVA溶液を前記のスピンナコーティング法により
塗布すると、カラーレジスト層(11)同様に基板周辺部は
更に厚膜となって成膜される。この状態でマスクパター
ン(15)の露光(A) 、焼付、現像をすると、周辺部の厚い
不要なカラーレジスト層(11b,11b) は現像されずに残っ
てしまうことがある。このため現像時間を延ばしたり、
現像液濃度を上げるなどして現像を行なうと、カラーレ
ジスト層の焼付けられたパターン部分(11a) が侵され鮮
明なパターンが得られない。従って従来は現像時間を抑
えなければならず、不要なカラーレジスト層(11b,11b)
(基板周辺の山状のレジスト層)が残ってしまった。そ
こで本発明は不要なカラーレジスト層(11b,11b) が現像
によって取り除かれ、さらに、鮮明なカラーフィルター
パターンが得られるパターン形成方法を提供することを
目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の課題に鑑
みなされたもので、ガラス基板(10)上にカラーレジスト
溶液を塗布し、加熱乾燥によりカラーレジスト層(11)を
形成した後、酸素遮断膜としてポリビニールアルコール
溶液を塗布し、加熱乾燥によりポリビニールアルコール
層(12)を形成してマスクパターン(15)の露光(A) 、焼
付、現像によるカラーフィルターパターン形成工程にお
いて、前記酸素遮断膜としてのポリビニールアルコール
溶液に、光重合剤を加え光硬化性を有する遮断膜とした
ことを特徴としたカラーフィルターパターンの形成方法
である。また、前記光重合剤として、重クロム酸アンモ
ニウムを1重量%〜1.5重量%を添加混合したことを
特徴とした酸素遮断膜を用いたカラーフィルターパター
ンの形成方法である。
【0005】本発明を図に基づき詳細に説明する。図3
はガラス基板上にスピンナコーティング法により塗布、
加熱乾燥によりカラーレジスト層とPVA層を形成した
状態を示す断面説明図である。ガラス基板(10)上に所定
の顔料(R、G、Bのいずれか)を分散したカラーレジ
スト溶液をスピンナコーティング法により塗布、加熱乾
燥してカラーレジスト層(11)を形成する。前記カラーレ
ジスト層上に酸素遮断膜を形成するためPVA溶液をス
ピンナコーティング法により塗布し、加熱乾燥してPV
A層(12)を形成する。
【0006】その際、前記PVA溶液中に重クロム酸ア
ンモニウムを1重量%〜1.5重量%加えることにより
酸素遮断膜であるPVA層(12)の感度が最大となり光硬
化性を有することとなる。尚、本発明におけるPVAの
光重合剤としては、前記重クロム酸アンモニウムにかぎ
らず有機感光剤、例えば、ジアゾ化合物、ジアジド化合
物等も使用することができる。又、PVAに感光基を導
入した、例えば、スチルバゾリューム変性PVAも有効
である。前記のPVA溶液と重クロム酸アンモニウムの
化合物は光硬化性をもつのでマスクパターンより露光、
焼付を行なうと、図1に示すように、カラーレジスト層
(11)、及びPVA層(12)にパターン(11a,12a) が焼付ら
れる。次に、炭酸ソーダ等により現像をすると、図2a
に示すように、まずPVA層(12)の未露光部(12)が現像
により取り除かれ、次にカラーレジスト層(11)の未露光
部(11,11b)及びPVA層(12)の光硬化したパターン部(1
2a) が現像によって取り除かれる。
【0007】前述したように、現像を開始してから前記
PVA層(12)の光硬化したパターン部(12a) が現像によ
り取り除かれるまで適度な時間がかかるため、ガラス基
板周辺にできた不要なレジスト(11b,11b) を現像によっ
て完全に取り除くことができるとともに、カラーレジス
ト層(11)のパターン(11a) は現像液に侵されずに鮮明に
形成することができる。
【0008】
【作用】本発明はガラス基板(10)上にカラーレジスト溶
液を塗布し加熱乾燥によりカラーレジスト層(11)を形成
した後、酸素遮断膜を形成するためPVA溶液を塗布し
加熱乾燥してPVA層(12)を形成した後、マスクパター
ン(15)の露光(A) 、焼付、現像によるカラーフィルター
パターン形成工程において、前記酸素遮断膜を形成する
ためのPVA溶液に重クロム酸アンモニウムを混合する
ことにより光硬化性を有するPVA層(12)を形成し、マ
スクパターン(15)の露光(A) によりカラーレジスト層(1
1)及びPVA層(12)にもパターン(11a,12a) を形成し、
現像を行うと、図2(a) に示すように、PVA層(12)の
未露光部、次にカラーレジスト層(11)の未露光部(11,11
b)と、PVA層(12)の光硬化したパターン部(12a) と現
像が進行して、前記PVA層(12)の光硬化したパターン
部分(12a) の現像の進行が遅れる。このため、カラーレ
ジスト層(11)のパターン部分(11a) に現像液が到達する
前に不要なレジスト層(11b,11b) (基板周辺の山状のレ
ジスト層)が取り除かれるので、カラーレジストパター
ンは現像液に侵されることがなくなる。
【0009】
【実施例】本発明の実施例を詳細に述べると、クロム蒸
着層等を形成したガラス基板(10)上に感剤を加えたアク
リル系樹脂に所望の色の顔料を分散したカラーレジスト
溶液をスピンナコーティング(200rpm〜1500
rpm)法により塗布し、加熱乾燥(80℃〜90℃、
2分間〜3分間程度)により、厚さ1.0μm〜1.8
μmのカラーレジスト層(11)を形成する。次に酸素遮断
膜を形成するためPVA溶液(水又は、IPA濃度20
%以下の水との混合液にPVAの固形分量で5重量%〜
10重量%を加えて、粘度10cP〜50cP程度に調
製したもの)に重クロム酸アンモニウムを1.0重量%
〜1.5重量%を混合して、カラーレジスト溶液と同様
にスピンナコーティング法により塗布し、加熱乾燥(8
0℃〜90℃、2分間〜3分間程度)により厚さ0.8
μm〜2.0μmのPVA層(12)を得た。この時、ガラ
ス基板(10)周辺の部分ではカラーレジスト層(11b,11b)
の厚さは5μm〜10μmになっていた。
【0010】次にマスクパターン(15)の露光(A) 、焼付
することによりPVA層(12)とカラーレジスト層(11)に
パターン(11a,12a) が焼付られ硬化する。現像液は、炭
酸ナトリューム(NaCo3 )と炭酸水素ナトリューム
(NaHCo3 ) の0.1%水溶液で1分間現像を行な
った結果、PVA層(12)の未露光部分、カラーレジスト
層(11)の未露光部分及びPVA層のパターン部分(12a)
と順次現像液により取り除かれ、しかも鮮明なカラーフ
ィルターパターン(11a) を得ることができた。
【0011】
【発明の効果】本発明は、鮮明なカラーフィルターパタ
ーンを形成するために、カラーレジスト層(11)上に、酸
素遮断膜を形成するため、PVA溶液に重クロム酸アン
モニウムを混合し光硬化性を有するPVA層(12)とし、
マスクパターン(15)を露光(A)、焼付するとPVA層(1
2)にも光硬化したパターン部(12a) が形成され、現像を
すると、まずPVA層(12)の未露光部、カラーレジスト
層(11)の未露光部、PVA層(12)のパターン部分(12a)
と現像が進行して、前記PVA層(12)の光硬化したパタ
ーン部(12a) の現像が遅れ、カラーレジスト層(11)のパ
ターン部(11a) に現像液が到達する前に、不要なカラー
レジスト層(11b,11b) が取り除かれる。しかも、パター
ン部(11a) が現像液に侵されないため鮮明なカラーフィ
ルターパターン(11a) を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるカラーレジスト層とP
VA層に対しマスクパターンの露光、焼付によるパター
ン形成の断面説明図である。
【図2】(a) 現像によりPVA層の未露光部分が取り除
かれた状態を示した断面説明図である。 (b) 現像によりPVA層とカラーレジスト層の未露光部
分とPVA層のパターン部分が取り除かれた状態を示す
断面説明図である。
【図3】ガラス基板上にスピンナコーティング法により
塗布、加熱乾燥してカラーレジスト層とPVA層を形成
した状態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
10 …… ガラス基板 11 …… カラーレジスト層 11a…… カラーレジスト層のパターン部 11b…… 厚くなった不要なカラーレジスト層 12 …… PVA層 12a…… PVA層のパターン部 15 …… マスクパターン A …… 露光(光源)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板上にカラーレジスト溶液を塗布
    し、加熱乾燥によりカラーレジスト層を形成した後、酸
    素遮断膜としてのポリビニールアルコール溶液を塗布し
    加熱乾燥によりポリビニールアルコール層を形成してマ
    スクパターンの露光、焼付、現像によるカラーフィルタ
    ーパターン形成工程において、前記酸素遮断膜としての
    ポリビニールアルコール溶液に光重合剤を加え、光硬化
    性を有する遮断膜としたことを特徴とするカラーフィル
    ターパターンの形成方法。
  2. 【請求項2】前記光重合剤として、重クロム酸アンモニ
    ウムを1重量%〜1.5重量%を添加混合したことを特
    徴とする請求項1記載のカラーフィルターパターンの形
    成方法。
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