JP3021187U - ソックス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 足のように使用条件の苛酷な部位で使用され
る場合、使用中ないし足への着用時に開口縁の縢り糸に
作用する過大な力によって、縢り糸が切断されて編み糸
がほつれたり、或いは編目が流れたりして、治療用のソ
ックスとしての機能が損なわれる。 【解決手段】 足の前半部分に着用する筒状部１と、足
の指に一本づつ嵌り込む複数の指差し部２とを一体に編
成したソックスにおいて、前記筒状部１及び／又は指差
し部２の開口縁１ｂ及び／又は２ｂに編目固定部材３を
一体的に設けたものであり、この編目固定部材３は、弾
性ゴム糸或いは弾性ゴムラテックスにて形成されてい
る。尚、弾性ゴム糸として熱融着性のものを使用し、編
み込み後に加熱融着すれば、ほつれの防止効果を一層高
めることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案はソックスに関し、特に足の前半部分及び指の付根部分に装着され、 メリヤス製の包帯として使用されるソックスにおいて、使用中における編目端部 のほつれを確実に防止する防止構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種ソックスは、例えば図３に示すように構成されている（実公平１− ４３０５９号公報、実開平１−１１７３２４号公報参照）。即ち、このソックス は、足の前半部分に着用される筒状部１と、足の指に一本づつに嵌り込む複数の 指差し部２とを一体に編成し、かつ筒状部１及び指差し部２の端部にそれぞれ開 口部１ａ，２ａを形成して構成されている。尚、筒状部１及び指差し部２は、例 えばメリヤス糸にてメリヤス編みされているが、その他の編成手法を用いること も可能である。

【０００３】 このソックスは、例えば図４に示すように足に着用される。即ち、まず、足Ａ の指Ａａを筒状部１に、それの開口部１ａから挿入する。そして、指Ａａを、そ れぞれの指Ａａに対応する指差し部２に挿入すると共に、先端部分を露呈させる 。この状態で、筒状部１は足Ａの前半部分Ａｂに装着され、それぞれの開口縁１ ｂ，２ｂは前半部分Ａｂ，指Ａａに密着される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述のソックスによれば、例えば水虫の治療用の包帯ソックスとして有用であ るものの、次のような問題がある。

【０００５】 ところで、このソックスにおける筒状部１及び指差し部２のいずれか一方の開 口縁には、メリヤス糸など編み糸の端部からほつれないようにする縢りなどの端 末止めが施されている。

【０００６】 しかしながら、ソックスは足Ａのように使用条件の苛酷な部位で使用されるた めに、使用中ないし足への着用時に開口縁の縢り糸に過大な力が作用する。この ために、縢り糸が切断されて編み糸がほつれたり、或いは縢り糸が切断されなく ても編目が流れたりして、治療用のソックスとしての機能が損なわれるという問 題がある。

【０００７】 それ故に、本考案の目的は、比較的に簡単な構成によって開口縁に使用に伴う 程度の力が作用してもほつれなどを効果的に防止できるソックスを提供すること にある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

従って、本考案は、上述の目的を達成するために、足の前半部分に着用する筒 状部と、足の指に一本づつ嵌り込む複数の指差し部とを一体に編成したソックス において、前記筒状部及び／又は指差し部の開口縁に編目固定部材を一体的に設 けたものである。

【０００９】 又、本考案の第２の考案は、前記編目固定部材を弾性ゴム糸で形成したもので あり、第３の考案は、前記筒状部及び指差し部を構成するメリヤス糸の端部に結 合した弾性ゴム糸を筒状部及び／又は指差し部に連続して編成することにより編 目固定部材を形成したものであり、第４の考案は、筒状部及び／又は指差し部の 開口縁に弾性ゴム糸を編み込むことにより編目固定部材を形成したものであり、 さらに第５の考案は、前記編目固定部材を構成する弾性ゴム糸を加熱融着したこ とを特徴とする。

【００１０】 さらに、本考案の第６の考案は、前記編目固定部材を弾性ゴムラテックスで構 成したことを特徴とし、第７の考案は、前記弾性ゴムラテックスを、筒状部及び ／又は指差し部の開口縁に含浸又は塗着したことを特徴とする。

【００１１】

【考案の実施の形態】

次に、本考案の１実施例について図１〜図２を参照して説明する。尚、同図に おいて、図３〜図４と同一部分には同一参照符号を付し、その詳細な説明を省略 する。

【００１２】 本考案の特徴部分は、筒状部１の開口縁１ｂ（及び／又は指差し部２の開口縁 ２ｂ）に編目固定部材３を一体的に設けたことである。この編目固定部材３は、 例えば弾性ゴム糸及び弾性ゴムラテックスにて形成されている。

【００１３】 前者の形成方法は、例えばメリヤス編みした筒状部１の開口縁１ｂに、弾性ゴ ム糸を閉ル−プ状に編み込む。

【００１４】 前者の形成方法は、具体的には次のように形成されている。まず、第１の形成 方法は、例えばメリヤス編みした筒状部１の開口縁１ｂに、弾性ゴム糸を閉ル− プ状に編み込んで形成するものである。又、第２の形成方法は、筒状部１及び指 差し部２を編製するのに必要な長さのメリヤス糸の両端部に、所定長さの弾性ゴ ム糸を結合し、この弾性ゴム糸を筒状部１及び／又は指差し部２に連続して編成 することにより開口縁に編目固定部材３を形成するものであり、メリヤス編み機 により一工程で形成できる。又、第３の形成方法は、筒状部１及び／又は指差し 部２の開口縁１ｂ及び／又は２ｂに弾性ゴム糸を編み込むことにより編目固定部 材３を形成したのである。さらに、特に、第４の形成方法は、それぞれの弾性ゴ ム糸を加熱融着させたものである。尚、これらの弾性ゴム糸としては、熱融着性 を有する、例えば商品名ポルテ２０ＮＴ−７が好適する。

【００１５】 後者の形成方法は、具体的には次のように形成されている。例えば図２に示す ように、筒状部１の開口縁１ｂを液状のゴム３Ａに浸漬し、開口縁１ｂに含浸さ せたり、或いは塗着させたりした後、乾燥固化させることにより編目固定部材３ が形成される。

【００１６】 尚、本考案は、何ら上記実施例に制約されることなく、例えばメリヤス編み組 織としては、伸縮性の大きな緯メリヤス編みが一般的であるが、弾力性の大きい 経メリヤス編みも使用可能であるし、又、メリヤス編み以外の編成も可能である 。又、指差し部は１本づつに分離されているが、適宜に統括してもよい。さらに は、編目固定部材は指差し部の開口縁に設けることもできるし、筒状部の開口縁 の両者にも設けることもできる。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように、本考案によれば、筒状部及び／又は指差し部の開口縁に弾性ゴ ム糸或いは弾性ゴムラテックスによる編目固定部材が設けられているために、開 口縁が適用部位に応じて円滑に伸縮する。従って、開口縁の編み糸が不用意に切 断されないために、長期間に亘って端部がほつれたり編目が流れたりすることな く安定した使用状態を維持できる。

【００１８】 特に、筒状部及び／又は指差し部の開口縁に編み込んだ弾性ゴム糸に熱融着性 の素材を適用し、編み込み後、弾性ゴム糸を加熱融着すれば、開口縁の弾性ゴム 糸が融着一体化されるために、端部におけるほつれや編目の流れを一層低減する ことができる。

【００１９】 又、指差し部から編み始め、編み終わりが筒状部の開口縁となるように構成す れば、編目固定部材の付設作業が容易になるし、特に、弾性ゴムラテックスを含 浸ないし塗着させる場合には含浸ないし塗着作業を能率的かつ確実に行なうこと ができ、品質を高めることができる。

【００２０】 さらには、筒状部及び／又は指差し部の開口縁には、弾性ゴム糸或いは弾性ゴ ムラテックスよりなる編目固定部材が設けられているために、着用時における違 和感がなく、望ましい肌ざわりが期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図。

【図２】本考案にかかる編目固定部材の付設方法を説明
するための側断面図。

【図３】従来例の斜視図。

【図４】足への着用状態を示す平面図。

【符号の説明】

１ 筒状部 １ａ，２ａ 開口部 １ｂ，２ｂ 開口縁 ２ 指差し部 ３ 編目固定部材

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 足の前半部分に着用する筒状部と、足の
   指に一本づつ嵌り込む複数の指差し部とを一体に編成し
   たソックスにおいて、前記筒状部及び／又は指差し部の
   開口縁に編目固定部材を一体的に設けたことを特徴とす
   るソックス。
2. 【請求項２】 前記編目固定部材を弾性ゴム糸で形成し
   たことを特徴とする請求項１記載のソックス。
3. 【請求項３】 前記編目固定部材は、筒状部及び指差し
   部を構成するメリヤス糸の端部に結合した弾性ゴム糸を
   筒状部及び／又は指差し部に連続して編成することによ
   り形成したことを特徴とする請求項１記載のソックス。
4. 【請求項４】 前記編目固定部材は、筒状部及び／又は
   指差し部の開口縁に弾性ゴム糸を編み込むことにより形
   成したことを特徴とする請求項１記載のソックス。
5. 【請求項５】 前記編目固定部材を構成する弾性ゴム糸
   を加熱融着したことを特徴とする請求項２，３又は４記
   載のソックス。
6. 【請求項６】 前記編目固定部材を弾性ゴムラテックス
   で構成したことを特徴とする請求項１記載のソックス。
7. 【請求項７】 前記弾性ゴムラテックスを、筒状部及び
   ／又は指差し部の開口縁に含浸又は塗着したことを特徴
   とする請求項６記載のソックス。