JP3020880U - 電波吸収壁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外装材の構造を工夫することにより、外装材
の製造工程を削減して原価低減を図りかつ歩留まりを向
上させ、安価な電波吸収壁を提供する。 【解決手段】 到来電波の磁界方向に連続、かつ電界方
向に不連続にフェライトタイル１を外装タイル１０の背
面側に配置し、該フェライトタイル１の背面側に位置す
る鉄筋２とともにコンクリート４で一体化したものであ
り、前記外装タイル１０の背面中央部に凸部１２を設
け、開口側溝幅よりも内部側溝幅が大きい溝部１３を該
凸部１２に形成し、前記フェライトタイル間の前記電界
方向の間隙を通して前記凸部１２を前記コンクリート４
中に埋設し、前記溝部内に前記コンクリート４が入り込
んだ状態として当該外装タイル１０を固着している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ＴＶゴースト防止等の建造物等の電波反射防止対策として、建造物 等の外壁面に用いられる建材用の電波吸収壁に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、フェライトタイルを用いたＴＶゴースト防止用電波吸収壁として、図６ 及び図７のようにフェライトタイルを到来電波に対し磁界方向に連続に、電界方 向に一定の間隔を設けて配置しコンクリートを打設したコンクリート一体型のプ レキャスト・カーテンウォール構造の電波吸収パネルが知られている。すなわち 、この電波吸収パネルは、金属反射メッシュ（電波反射体となる導電部材）をな す鉄筋２の前面にフェライトタイル１（例えば縦横寸法１０cm×１０cmの方形板 ）を磁界方向に連続に、電界方向に不連続となるように配置し、フェライトタイ ル１の落下防止のための特殊足付き外装タイル３をフェライトタイル１の前面に 被せ、背面側にコンクリート４を打設した構造となっている。

【０００３】 フェライトとコンクリート乃至モルタルとの相性は悪く、フェライトのコンク リート乃至モルタルに対する付着力は極めて悪い。従って、フェライトタイルの 固定は、図６及び図７にその一例を示したように特殊足付き外装タイル３によっ て行われている。この特殊足付き外装タイル３は普通の外装タイルの両端部に背 後に延長する足を一体に形成したもので、これらの足によりフェライトタイル１ 及び特殊足付き外装タイル自体をコンクリート４に固定している。

【０００４】 また、本出願人提案の実開平６−８６３９８号の電波吸収パネルでは、特殊足 付き外装タイルの代わりに両端部にシヤーコネクタ（ばね状フック）を取り付け た外装タイルを用いてフェライトタイルをコンクリート乃至モルタルに固定する 構造が示されている。この電波吸収パネルは、図８に示すように、金属反射メッ シュ（電波反射体となる導電部材）をなす鉄筋２の前面にフェライトタイル１（ 例えば縦横寸法１０cm×１０cmの方形板）を磁界方向に連続に、電界方向に不連 続となるように配置し、フェライトタイル１の落下防止のための図９の如きシヤ ーコネクタ付き外装タイル５をフェライトタイル１の前面に被せ、背面側にコン クリート４を打設した構造となっている。この場合、外装タイル５の両端部のシ ヤーコネクタ６がフェライトタイル１の電界方向の間隙を通じてコンクリート４ 中に埋設されることになり、フェライトタイル１及び外装タイル５を挟持してい る。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上述したような新しい外装タイルの開発により、コンクリート乃至モルタルと 馴染みのよくないフェライトを用いた電波吸収壁が高層建造物の外壁材として採 用可能となり、高層建造物によるＴＶゴースト障害対策として実用に大きく寄与 している。

【０００６】 しかし、図６及び図７の従来の電波吸収パネルで使用する特殊足付き外装タイ ルは、一般の外装タイルに比較し、製造工程が増えかつ製品歩留まりも悪く、製 造価格的には約２乃至３倍の値となり、電波吸収壁パネルの価格にも跳ねかえり 、大幅なコスト高となる問題がある。すなわち、図６及び図７の従来の電波吸収 パネルで用いる特殊足付き外装タイル３は、方形板状のタイルの両端に足を一体 に形成した構造で、それらの足間にフェライトタイル１を挿入しコンクリート（ 又はモルタル）を打ち込み一体化構造とするものであるが、この場合、外装タイ ル両端の足の長さは、フェライトタイル及び当該外装タイルの剥離強度を十分確 保するために少なくともフェライトタイルの厚み約１０mmプラス１５mmの約２５ mm程度要求される。また、前記足の折れを防止するため、足の厚みは少なくとも １５mm以上必要となる。この結果、このような特殊足付き外装タイルの製造にお いて、(1)押し出し成形における材料の流れの問題、(2)乾燥、焼成時の曲がりの 問題、(3)足強度を確保するための足の太さの問題（少なくとも１５mm以上の厚 みが必要）等があり、歩留まりの悪化、材料費の増加から大幅なコスト上昇とな っているのが現状である。

【０００７】 また、図８乃至図９に示す他の従来構造でも、シヤーコネクタ付き外装タイル ５がタイル本体両端部にシヤーコネクタ（ばね状フック）６を装着したものであ り、加工コストが高くなる問題がある。すなわち、シヤーコネクタ付き外装タイ ル５は、タイル本体の両端部にシヤーコネクタ（ばね状フック）６を取り付け、 これらのシヤーコネクタ６間にフェライトタイル１を挿入して、コンクリート（ 又はモルタル）を打ち込むようにするが、そのシヤーコネクタ付き外装タイル５ の製造工程において、シヤーコネクタ６の取付穴をタイル本体の両端面に２箇所 づつ計４箇所形成する必要があり、しかもこの加工が成形時にできず、成形乾燥 後ドリル等により形成する必要がある。従って、人手作業で、時間のかかる加工 となり、原価高になるばかりでなく、作業する人の確保にも問題がある。

【０００８】 本考案の第１の目的は、上記の点に鑑み、外装材の構造を工夫することにより 、外装材の製造工程を削減して原価低減を図りかつ歩留まりを向上させ、安価な 電波吸収壁を提供することにある。

【０００９】 本考案の第２の目的は、外装材のコンクリート乃至モルタルへの固着が確実で 、高層建造物の外壁として使用するのに好適な電波吸収壁を提供することにある 。

【００１０】 本考案のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする 。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係る第１の電波吸収壁は、到来電波の磁 界方向に連続、かつ電界方向に不連続にフェライトタイルを外装材の背面側に配 置し、該フェライトタイルの背面側に位置する導電部材とともにコンクリート乃 至モルタルで一体化してなる構成において、 前記外装材の背面中央部に凸部を設け、開口側溝幅よりも内部側溝幅が大きい 溝部を該凸部に形成し、前記フェライトタイル間の前記電界方向の間隙を通して 前記凸部を前記コンクリート乃至モルタル中に埋設し、前記溝部内に前記コンク リート乃至モルタルが入り込んだ状態として当該外装材を固着したことを特徴と している。

【００１２】 また、本考案に係る第２の電波吸収壁は、到来電波の磁界方向に連続、かつ電 界方向に不連続にフェライトタイルを外装材の背面側に配置し、該フェライトタ イルの背面側に位置する導電部材とともにコンクリート乃至モルタルで一体化し てなる構成において、 前記外装材の背面の前記電界方向中央部に前記磁界方向に連続した凸部を設け 、前記電界方向の開口側溝幅よりも前記電界方向の内部側溝幅が大きい前記磁界 方向に連続した溝部を該凸部に形成し、前記電界方向の隣合う前記外装材の前記 凸部間にそれぞれ前記フェライトタイルを配し、かつ前記フェライトタイル間の 前記電界方向の間隙を通して前記凸部を前記コンクリート乃至モルタル中に埋設 し、前記溝部内に前記コンクリート乃至モルタルが入り込んだ状態として当該外 装材を固着したことを特徴としている。

【００１３】 さらに、本考案に係る第３の電波吸収壁は、到来電波の磁界方向に連続、かつ 電界方向に不連続にフェライトタイルを外装材の背面側に配置し、該フェライト タイルの背面側に位置する導電部材とともにコンクリート乃至モルタルで一体化 してなる構成において、 前記外装材の背面の前記電界方向中央部に前記磁界方向に連続した凸部を設け 、前記電界方向の開口側溝幅よりも前記電界方向の内部側溝幅が大きい前記磁界 方向に連続した溝部を該凸部に形成し、該外装材の背後方向に延在するように前 記溝部にフック部材を係合させ、前記電界方向の隣合う前記外装材の前記凸部間 にそれぞれ前記フェライトタイルを配し、かつ前記フェライトタイル間の前記電 界方向の間隙を通して前記凸部及び前記フック部材を前記コンクリート乃至モル タル中に埋設して当該外装材を固着したことを特徴としている。

【００１４】 なお、前記外装材の背面両端部に一段低い段差面が形成されており、前記フェ ライトタイル前面と前記段差面との隙間に前記外装材間の目地に設けられた目地 材が入り込む構成としてもよい。

【００１５】

【考案の実施の形態】

以下、本考案に係る電波吸収壁の実施の形態を図面に従って説明する。

【００１６】 図１は本考案に係る電波吸収壁の第１の実施の形態であって、ＴＶゴースト等 の到来電波の偏波面固定の場合におけるコンクリート一体型のプレキャスト・カ ーテンウォール構造の電波吸収パネルを示し、図２は第１の実施の形態で使用す る外装材としての外装タイルを示している。これらの図において、外装タイル１ ０は陶磁器等であり、方形板状本体部１１の背面中央部（到来電波の電界方向の 中央部）に凸部１２を有しており、該凸部１２は前記到来電波の磁界方向に連続 している。また、凸部１２に対し前記電界方向に所定の開口側溝幅を有するよう に開口した溝部１３が形成されている。該溝部１３は磁界方向に同一断面で連続 しており、溝部内部は断面略半円形であり、溝部底部の電界方向の溝幅（図２中 の横幅Ｌ１）は当該溝部１３の電界方向の開口側溝幅（図２中の開口側横幅Ｌ２ ）よりも大きくなっている。なお、方形板状本体部１１の背面両端部は中央寄り 部分よりも一段低い段差面１１ａとなっている。段差面１１ａを設ける理由は、 フェライトタイル１を外装タイル１０の背面に配置したときに、段差面１１ａと フェライトタイル１との間に隙間が生じ、この隙間に目地材が入り込むことで雨 水の浸入防止をより確実にするためである。

【００１７】 前記外装タイル１０の形状は、磁界方向に同一断面であり、押し出し成形で容 易に得られ、乾燥及び焼成時の曲がりの問題も少ない。

【００１８】 そして、上述した外装タイル１０を多数用い、到来電波の磁界方向に連続、か つ電界方向に不連続となるようにフェライトタイル１を外装タイル１０の背面に 配置する。このとき、フェライトタイル１は電界方向の隣合う外装タイル１０の 凸部１２間に挟まれて磁界方向に連続して敷き詰められる。また、各外装タイル １０の凸部１２はフェライトタイル１間の電界方向の間隙を通してフェライトタ イル１の背後方向に延在している。その後、フェライトタイル１の背面側の金属 反射メッシュ（電波反射体となる導電部材）をなす鉄筋２と共に、フェライトタ イル１及び外装タイル１０の背後にコンクリート（又はモルタル）４を打設し、 フェライトタイル１、鉄筋２及び外装タイル１０を一体化する。その際、フェラ イトタイル間の前記電界方向の間隙を通して前記凸部１２が前記コンクリート４ に中に埋設され、かつ前記溝部１３内に前記コンクリート４が入り込んだ状態と なり、外装タイル１０はコンクリート４に確実に固着され、フェライトタイル１ は脱落しないように外装タイル１０で確実に押さえられる。なお、フェライトタ イル１の前面に位置する外装タイル１０の間隙（目地）には目地材１５を設ける 。この目地材１５は、外装タイル１０の背面の両端部に一段低くなった段差面１ １ａを形成したことに起因するフェライトタイル１前面中間部と外装タイル１０ 背面との間の隙間にも入り込み、目地部分からの雨水の内部への浸入を防止し、 フェライトタイル１の劣化防止を図ることができる。

【００１９】 この第１の実施の形態によれば、次の通りの効果を得ることができる。

【００２０】 (1) 従来の特殊足付き外装タイル（図７のように２本足を持つもの）の構造の 欠点を解消するために、従来のタイル両端の足構造に代わりタイル中央部の１箇 所に凸部１２を形成した外装タイル１０の構造とし、かつ押し出し成形の特徴を 活かして開口側溝幅よりも内部側溝幅の大きな溝部１３を前記凸部１２に形成し ている。このような外装タイル１０を用いることで、コンクリート（又はモルタ ル）４を打設してコンクリート一体型のプレキャスト・カーテンウォール構造の 電波吸収パネルを作製するときに、コンクリート中に凸部１２が埋設されるとと もに溝部１３内にコンクリートが入り、従来の特殊足付き外装タイル以上の付着 強度が得られる。

【００２１】 (2) 従来の特殊足付き外装タイル（図７のように２本足を持つもの）は、両端 に足があるため、成形性が悪く、乾燥、焼成時の曲がりにより両足間にフェライ トタイルが入らなくなる等の問題が発生しやすかったが、第１の実施の形態で使 用する外装タイル１０は本体部１１の中間部に凸部１２を形成しており、成形性 が良好で、乾燥、焼成時の曲がりも許容できる構造であって、歩留まりは大幅に 改善され、原価低減を図ることができる。

【００２２】 (3) 外装タイル１０を誘電率約５程度の陶磁器で構成した場合、到来電波の電 界方向のフェライトタイル間の間隙に誘電率約５程度の外装タイル１０の凸部１ ２が入ることになり、電界方向からみた電波吸収パネルの見掛けの誘電率は、コ ンクリート乃至モルタルの誘電率に左右されず、従って、電波吸収特性も安定し 、かつカーボン繊維入りコンクリート等の種々のコンクリート乃至モルタル材料 を選択可能となる。

【００２３】 図３は本考案の第１の実施の形態で外装タイル１０の代わりに使用可能な外装 タイルの他の具体例である。この場合、外装タイル２０は、陶磁器等であり、方 形板状本体部２１の背面中央部（到来電波の電界方向の中央部）に凸部２２を有 しており、該凸部２２は前記到来電波の磁界方向に連続している。また、凸部２ ２に対し前記電界方向に所定の開口側溝幅を有するように開口した溝部２３が形 成されている。該溝部２３は磁界方向に同一断面で連続しており、溝部内部の断 面は略横長半楕円形であり、溝部底部の電界方向の溝幅（図３中の横幅Ｌ３）は 当該溝部２３の電界方向の開口側溝幅（図３中の開口側横幅Ｌ４）よりも大きく なっている。なお、方形板状本体部２１の背面両端部は中央寄り部分よりも一段 低い段差面２１ａとなっている。

【００２４】 図４は本考案に係る電波吸収壁の第２の実施の形態であって、ＴＶゴースト等 の到来電波の偏波面固定の場合におけるコンクリート一体型のプレキャスト・カ ーテンウォール構造の電波吸収パネルを示し、図５は第２の実施の形態で使用す る外装材としての外装タイル及びこれに差し込まれるシヤーコネクタ等のフック 部材を示している。

【００２５】 この第２の実施の形態において、外装材としては図３に示した外装タイル２０ を用いる。また、図５のように、フック部材３０は溝部２３に差し込まれて係合 するＴ型係合部３１と、この後端に一体に形成されたＷ型延長部３２とからなっ ており、例えばステンレス、鉄等の金属薄板を折り曲げ加工したものである。溝 部２３は開口側溝幅が内部側溝幅よりも狭くなっているために、フック部材３０ は脱落しないように係合保持される。

【００２６】 そして、図５のように外装タイル２０にフック部材３０を差し込んで一体化し たものを多数用い、到来電波の磁界方向に連続、かつ電界方向に不連続となるよ うにフェライトタイル１を外装タイル２０の背面に配置する。このとき、フェラ イトタイル１は電界方向の隣合う外装タイル２０の凸部２２間に挟まれて磁界方 向に連続して敷き詰められる。また、各外装タイル２０の凸部２２及び凸部２２ の溝部２３に係合しているフック部材３０はフェライトタイル１間の電界方向の 間隙を通してフェライトタイル１の背後方向に延在している。その後、フェライ トタイル１の背面側の金属反射メッシュ（電波反射体となる導電部材）をなす鉄 筋２と共に、フェライトタイル１及び外装タイル２０の背後にコンクリート（又 はモルタル）４を打設し、フェライトタイル１、鉄筋２及び外装タイル２０を一 体化する。その際、フェライトタイル間の前記電界方向の間隙を通して前記凸部 ２２及びフック部材３０が前記コンクリート４に中に埋設され、外装タイル２０ はそれ自体の付着力及びフック部材３０によりコンクリート４に確実に固着され 、フェライトタイル１は脱落しないように外装タイル２０で確実に押さえられる 。

【００２７】 なお、その他の構成は前述した第１の実施の形態と同様である。

【００２８】 この第２の実施の形態によれば、外装タイル２０の凸部２２の溝部２３に差し 込まれて係合するフック部材３０を用いたので、フック部材３０がコンクリート （又はモルタル）４中に確実に埋没し、外装タイル２０の落下防止をいっそう確 実にすることができる。また、フック部材３０の基部であるＴ型係合部３１も凸 部２２と共にコンクリート中に埋没するため、従来のシヤーコネクタ付き外装タ イル使用の場合の水仕舞の問題も解消できる（例えば図９の従来例ではシヤーコ ネクタ６の取付基部がタイル５の上下端面に位置するため、水仕舞の点で問題が ある）。さらに、各フック部材３０は到来電波の磁界方向に沿って配置されるこ とになるが、電界方向には不連続であり、フック部材３０を設けたことに起因す る電波吸収特性の劣化は無視できる。

【００２９】 なお、外装タイルの凸部に形成する溝部の断面形状は、開口側溝幅よりも内部 の溝幅が大きければ、任意の断面形状とすることが可能である。

【００３０】 また、陶磁器等の外装タイルの代わりに、非導電性で非磁性の材質の外装材を 用いることもできる。

【００３１】 さらに、外装タイル背面とフェライトタイル前面との間に接着剤を設けてもよ い。

【００３２】 以上本考案の実施の形態について説明してきたが、本考案はこれに限定される ことなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者 には自明であろう。

【００３３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の電波吸収壁によれば、フェライトタイルを落下 しないように押さえるための外装材の背面中央部に凸部を設け、開口側溝幅より も内部の溝幅が大きい溝部を該凸部に形成し、前記フェライトタイル間の前記電 界方向の間隙を通して前記凸部を前記外装材及びフェライトタイル背後に打設さ れたコンクリート乃至モルタル中に埋設し、前記溝部内に前記コンクリート乃至 モルタルが入り込んだ状態とすることができ、前記外装材のコンクリート乃至モ ルタルへの固着強度を十分大きくすることが可能で、ひいてはフェライトタイル の固定を確実に実行することができる。また、前記外装材はタイル両端部に足を 持つ従来の特殊足付き外装タイル等に比べて製造が容易で、歩留まりよく安価に 製造でき、コスト低減を図ることができる。しかも、シヤーコネクタ等のフック 部材を併用することも可能な利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る電波吸収壁の第１の実施の形態で
あって、コンクリート一体型のプレキャスト・カーテン
ウォール構造の電波吸収パネルを示す平断面図である。

【図２】第１の実施の形態で使用する外装タイルを示す
拡大断面図である。

【図３】第１の実施の形態で使用可能な他の外装タイル
の具体例を示す拡大断面図である。

【図４】本考案に係る電波吸収壁の第２の実施の形態で
あって、コンクリート一体型のプレキャスト・カーテン
ウォール構造の電波吸収パネルを示す平断面図である。

【図５】第２の実施の形態で使用する外装タイル及びフ
ック部材を示す拡大断面図である。

【図６】従来の電波吸収壁であって、特殊足付き外装タ
イルを用いたコンクリート一体型のプレキャスト・カー
テンウォール構造の電波吸収パネルを示す斜視図であ
る。

【図７】同平断面図である。

【図８】従来の電波吸収壁であって、シヤーコネクタ付
き外装タイルを用いたコンクリート一体型のプレキャス
ト・カーテンウォール構造の電波吸収パネルを示す平断
面図である。

【図９】シヤーコネクタ付き外装タイルの側断面図であ
る。

【符号の説明】

１ フェライトタイル ２ 鉄筋 ３，５，１０，２０ 外装タイル ４ コンクリート ６ シヤーコネクタ １１，２１ 方形板状本体部 １１ａ，２１ａ 段差面 １２，２２ 凸部 １３，２３ 溝部 １５ 目地材 ３０ フック部材 ３１ Ｔ型係合部 ３２ Ｗ型延長部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 到来電波の磁界方向に連続、かつ電界方
   向に不連続にフェライトタイルを外装材の背面側に配置
   し、該フェライトタイルの背面側に位置する導電部材と
   ともにコンクリート乃至モルタルで一体化してなる電波
   吸収壁において、 前記外装材の背面中央部に凸部を設け、開口側溝幅より
   も内部側溝幅が大きい溝部を該凸部に形成し、前記フェ
   ライトタイル間の前記電界方向の間隙を通して前記凸部
   を前記コンクリート乃至モルタル中に埋設し、前記溝部
   内に前記コンクリート乃至モルタルが入り込んだ状態と
   して当該外装材を固着したことを特徴とする電波吸収
   壁。
2. 【請求項２】 到来電波の磁界方向に連続、かつ電界方
   向に不連続にフェライトタイルを外装材の背面側に配置
   し、該フェライトタイルの背面側に位置する導電部材と
   ともにコンクリート乃至モルタルで一体化してなる電波
   吸収壁において、 前記外装材の背面の前記電界方向中央部に前記磁界方向
   に連続した凸部を設け、前記電界方向の開口側溝幅より
   も前記電界方向の内部側溝幅が大きい前記磁界方向に連
   続した溝部を該凸部に形成し、前記電界方向の隣合う前
   記外装材の前記凸部間にそれぞれ前記フェライトタイル
   を配し、かつ前記フェライトタイル間の前記電界方向の
   間隙を通して前記凸部を前記コンクリート乃至モルタル
   中に埋設し、前記溝部内に前記コンクリート乃至モルタ
   ルが入り込んだ状態として当該外装材を固着したことを
   特徴とする電波吸収壁。
3. 【請求項３】 到来電波の磁界方向に連続、かつ電界方
   向に不連続にフェライトタイルを外装材の背面側に配置
   し、該フェライトタイルの背面側に位置する導電部材と
   ともにコンクリート乃至モルタルで一体化してなる電波
   吸収壁において、 前記外装材の背面の前記電界方向中央部に前記磁界方向
   に連続した凸部を設け、前記電界方向の開口側溝幅より
   も前記電界方向の内部側溝幅が大きい前記磁界方向に連
   続した溝部を該凸部に形成し、該外装材の背後方向に延
   在するように前記溝部にフック部材を係合させ、前記電
   界方向の隣合う前記外装材の前記凸部間にそれぞれ前記
   フェライトタイルを配し、かつ前記フェライトタイル間
   の前記電界方向の間隙を通して前記凸部及び前記フック
   部材を前記コンクリート乃至モルタル中に埋設して当該
   外装材を固着したことを特徴とする電波吸収壁。
4. 【請求項４】 前記外装材の背面両端部に一段低い段差
   面が形成されており、前記フェライトタイル前面と前記
   段差面との隙間に前記外装材間の目地に設けられた目地
   材が入り込んでいる請求項１，２又は３記載の電波吸収
   壁。