JP3020742U

JP3020742U - 型枠締め付け金具

Info

Publication number: JP3020742U
Application number: JP1995008409U
Authority: JP
Inventors: 義晴内橋
Original assignee: 義晴内橋
Priority date: 1995-07-18
Filing date: 1995-07-18
Publication date: 1996-02-06
Anticipated expiration: 2001-07-18

Abstract

(57)【要約】【目的】型枠を角パイプを用いて支持する種々の方式
に兼用して使用できる型枠締め付け金具を提供する。【構成】セパレータに螺合する締め付けロッド１２
と、締め付けロッド１２が嵌入し型枠を支持する角パイ
プに当接する当て金１５と、締め付けロッド１２に装着
される楔板１８とを有する型枠締め付け金具１０におい
て、当て金１５は、直角に曲げられた長板部２２及び短
板部２３を有しそれぞれには装着孔１３、１４が形成さ
れ、しかも、長板部２２は角パイプの一辺の２倍の長さ
で、短板部２３は、角パイプの一辺と同一長さとなっ
て、更に、締め付けロッド１２には、縦孔１６、１７が
軸方向に並べて２個形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、断面が略正方形になった特定寸法の角パイプを用いてコンクリート型枠を支持する場合に使用する型枠締め付け金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

コンクリート型枠を組み立てる場合、図６に示すように、両側にフランジ状のストッパー７０が螺合された棒状のセパレータ７１を用いて対向する型枠７２を所定間隔に保持している。そして、図５に示すように型枠７２の外側を断面略正方形の角パイプ７３、７４によって支持するが、この角パイプ７３、７４の保持には、例えば、実公平７−５１５９号公報に記載のような型枠締め付け金具７５が使用されている。この型枠締め付け金具７５は、型枠７２を貫通したセパレータ７１の雄ねじ部７６に螺合する雌ねじ部を有する締め付けロッド（通常、フォームタイと呼ばれている）７７と、締め付けロッド７７が嵌入する孔が設けられた当て金７８と、締め付けロッド７７に形成された縦孔７９に嵌入する楔板８０とを有し、角パイプ７４に当て金７８を当接させ、締め付けロッド７７に嵌入した楔板８０を差し込んで当て金７８を締め付けるようにしていた。ここで、前記当て金７８を使用しないでも、楔板８０で直接角パイプ７３、７４を押圧することも可能であるが、角パイプ７４に楔板８０による集中荷重が掛かって変形する恐れがあるので、当て金７８によってこれを防止している。ところが、前記公報記載の型枠締め付け金具７５では当て金７８によって押さえる角パイプ７３、７４がそれぞれ２本、合計で４本の角パイプが必要なので、実際の工事現場においては、工事場所に応じて一本の角パイプを用いて型枠を保持したり、２本の平行な角パイプを用いて型枠を保持したり、あるいは２本の平行な角パイプを一本の角パイプで保持するなどして、角パイプの本数を省略することが行われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記それぞれの工事方式に応じて、型枠締め付け金具の形状が異なることになり、複数の種類の型枠締め付け金具を用意しておく必要があるという問題があった。一方、型枠工事で使用されている角パイプは、全国的に断面６０×６０ｍｍ寸法の角パイプが略使用されていた。本考案はかかる事情に鑑みてなされたもので、型枠を角パイプを用いて支持する種々の方式に兼用して使用できる型枠締め付け金具を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記目的に沿う請求項１記載の型枠締め付け金具は、型枠の外面に突出したセパレータの雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を先端に有する締め付けロッドと、該締め付けロッドが嵌入する装着孔が形成され前記型枠を支持する角パイプに当接する当て金と、前記締め付けロッドに形成された軸方向に長い縦孔に装着されて、前記角パイプを前記当て金を介して押圧する楔板とを有する型枠締め付け金具において、前記当て金は、直角に曲げられて形成される長板部及び短板部を有し、該長板部及び短板部にはそれぞれ前記装着孔が形成され、しかも、前記長板部は前記角パイプの一辺の２倍の長さとなって、前記短板部は、前記角パイプの一辺と同一長さとなって、更に、前記締め付けロッドには、前記縦孔が軸方向に並べて２個形成され、それぞれに差し込んだ前記楔板によって、前記角パイプが単独となっている場合のみならず、前記角パイプを二重に重ねた場合であっても押圧可能としている。また、請求項２記載の型枠締め付け金具は、請求項１記載の型枠締め付け金具において、前記締め付けロッドの一部が断面長方形になって、その部分に前記縦孔が形成されている。請求項３記載の型枠締め付け金具は、請求項１記載の型枠締め付け金具において、前記当て金の短板部の先端には、外側に更に直角に曲げられた幅の短い第１の当接板部を有すると共に、前記当て金の長板部の先端には外側に直角方向に曲げられた幅の狭い第２の当接板部を有し、しかも前記第１及び第２の当接板部の中央には、前記楔板が通過する第１の切欠き及び第２の切欠きがそれぞれ形成されている。請求項４記載の型枠締め付け金具は、請求項３記載の型枠締め付け金具において、前記当て金の両側には、補強リブがそれぞれ設けられている。請求項５記載の型枠締め付け金具は、請求項１記載の型枠締め付け金具において、前記楔板の後部には、角パイプを直接押圧する段違い部が設けられている。そして、請求項６記載の型枠締め付け金具は、請求項４記載の型枠締め付け金具において、前記楔板の後部には、角パイプを直接押圧する段違い部が設けられている。以上において、角パイプは角部が丸くなって断面略正方形の鉄又はステンレス製のパイプをいい、角パイプの一辺とは、断面略正方形の外側の一辺、即ち角パイプの高さ又は幅に相当する部分をいう。

【０００５】

【考案の実施の形態】

続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案を具体化した最良の実施の形態につき説明し、本考案の理解に供する。ここに、図１は本考案の一実施の形態に係る型枠締め付け金具及びこれの使用状態を示す斜視図、図２は締め付けロッドの一部拡大断面図、図３、図４はそれぞれ前記型枠締め付け金具の他の使用例を示す斜視図である。

【０００６】図１、図２に示すように前記型枠締め付け金具１０は、全部が十分強度を有する鋼板等からなって、セパレータの雄ねじ部（図６参照）に螺合する雌ねじ部１１を備えた締め付けロッド１２と、締め付けロッド１２が嵌入する装着孔１３、１４を有する直角曲げされた当て金１５と、締め付けロッド１２の軸方向に配置された上下何れの縦孔１６、１７にも挿入できる楔板（コッター）１８とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。

【０００７】前記締め付けロッド１２は、先部が雌ねじ部１１となって、型枠の外面から突出するセパレータの雄ねじ部に螺合し、その先部のフランジ１９が型枠に当接するようになっている。そして、中間部には上下２箇所に渡って断面長方形の部分を有し、その部分にはそれぞれ上下に独立した縦孔１６、１７が形成されている。下側の縦孔１６の下端からフランジ１９の先端までの距離（Ｌ₁）が、装着しようとする角パイプ２０、２１の一辺の長さとなる高さ（Ｈ）と同一程度となっている。前記縦孔１６、１７の上下方向の長さ（Ｌ₂）は、角パイプ２０、２１の高さの約１／２程度となっている。また、上側の縦孔１７の下端からフランジ１９の先端までの距離（Ｌ₃）は角パイプ２０、２１の高さ（Ｈ）の２倍程度となっている。

【０００８】前記当て金１５は直角曲げされた長板部２２及び短板部２３を備え、長板部２２の高さ（Ｌ₄）は角パイプ２０、２１の高さ（Ｈ）の２倍となって、短板部２３の高さ（Ｌ₅）は角パイプ２０、２１の高さ（Ｈ）と同一となっている。そして、短板部２３の先部は更に外側に直角曲げされて、幅の短い第１の当接板部２４を備え、この面が型枠に当接するようになっている。また、長板部２２の先部にも外側に直角に折れ曲がった第２の当接板部２５を備えている。そして、この第２の当接板部２５の幅と略同一の高さを有する補強リブ２６、２７が、長板部２２、短板部２３及び第１の当接板部２４の両側に一体的に設けられている。また、第１及び第２の当接板部２４、２５の中央には、楔板１８が嵌入する第１及び第２の切欠き２８、２９が形成されていると共に、補強リブ２６、２７の内側部分には断面緩やかな突起からなる線状突起３０、３１が設けられて、当て金１５の曲げ強度の強化を図っている。また、前記長板部２２の先部より中央には締め付けロッド１２を嵌入させる装着孔１３が形成され、短板部２３の基端より中央には締め付けロッド１２を嵌入させる装着孔１４が形成されている。この装着孔１３、１４はそれぞれ両側の補強リブ２６、２７方向に長い長孔となっている。

【０００９】前記楔板１８は、全長が角パイプ２０の高さ（Ｈ）の３倍程度の長さを有し、厚みが約４ｍｍ程度の鉄板からなって、略中央部分が前記縦孔１６、１７の長さと同一となって、全体に５度程度の傾斜角度を有している。また、この楔板１８の下面には、その主要部を構成する摺動部３２、これに続く傾斜部３３及び段違い部３４が設けられて、摺動部３２と段違い部３４の高さの差が当て金１５の厚みより少し大きい程度となって、楔板１８を縦孔１６に入れ込むと段違い部３４によっても下部の角パイプ２０を押圧するようになっている。この段違い部３４によって、当て金１５の長板部２２が完全に角パイプ２０、２１を押圧できない場合であっても、これを補強して角パイプ２０の押圧を可能としている。なお、前記楔板１８の先部側にも、その高さが摺動部３２より低くなった先側段違い部３５が傾斜部３６を介して設けられているが、これは、楔板１８の先部をより細くして、縦孔１６、１７に容易に嵌入させるためである。

【００１０】従って、図１に示す使用例では、２本の角パイプ２０、２１を並べて、型枠に押し付ける場合にこの型枠締め付け金具１０を使用する例を示すが、角パイプ２０、２１の中央に、セパレータの雄ねじ部を突出させ、これに締め付けロッド１２の雌ねじ部１１を螺合させる。当て金１５の装着孔１３に締め付けロッド１２が嵌入するようにして、第１の当接板部２４が型枠に当たるようにして、当て金１５を角パイプ２０、２１の上に被せる。次に、縦孔１６に楔板１８を入れて、その端部をハンマー等で叩くと、当て金１５及び楔板１８の段違い部３４が角パイプ２０、２１を押圧して型枠に固定することになる。

【００１１】図３は、前記型枠締め付け金具１０を用いて型枠を保持する角パイプ３７〜３９を二重に使用して保持する場合の使用例を示すが、角パイプ３７、３８の中央に配置されているセパレータの雄ねじ部に締め付けロッド１２を螺合させて締め付けロッド１２を型枠上に立設し、これに当て金１５の装着孔１４を入れ込ませ、更には第２の当接板部２５を型枠に当接させ、短板部２３を角パイプ３９の上側に当接させた状態で、縦孔１７に楔板１８を挿入する。これによって、角パイプ３９が型枠方向に押されて、結果として角パイプ３７、３８が型枠を押圧保持することになる。

【００１２】図４は、型枠締め付け金具１０で、型枠を保持する一本の角パイプ４０を支持する場合を示すが、図１に示す第１の使用例と同様、締め付けロッド１２を型枠の所定位置に立設した後、当て金１５を締め付けロッド１２に装着する。この場合、当て金１５の第１の当接板部２４を型枠に当接させ、長板部２２の先部によって角パイプ４０を押圧するようにして、楔板１８を縦孔１６に装着する。これによって、角パイプ４０は当て金１５と楔板１８の段違い部３４によって押圧されて型枠を保持する。

【００１３】

【考案の効果】

請求項１〜６記載の型枠締め付け金具は、型枠を支持する角パイプがシングル又はダブル（二重）であっても、兼用して使用でき、従来のように角パイプの使用本数によって各形式の型枠締め付け金具を容易する必要がなくなった。特に、請求項２記載の型枠締め付け金具は、締め付けロッドの一部が断面長方形となっているので、この部分にモンキーやスパナ等の工具を当てて回すことができる。請求項３記載の型枠締め付け金具においては、第１及び第２の当接板部が設けられているので、この部分を型枠に押圧することによって、単位面積当たりの荷重が軽減し、型枠に疵等が入りにくいという利点を有する。請求項４記載の型枠締め付け金具においては、当て金の両側に補強リブが設けられているので、薄板構造で曲げ強度を強化することができ、全体として軽量で強度を有する型枠締め付け金具を提供できる。請求項５及び６記載の型枠締め付け金具においては、楔板の後部に、角パイプを直接押圧する段違い部が設けられているので、当て金で角パイプを押圧するのみでなく、楔板で角パイプを押さえることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施の形態に係る型枠締め付け金具
及びこれの使用状態を示す斜視図である。

【図２】締め付けロッドの一部拡大断面図である。

【図３】前記型枠締め付け金具の他の使用例を示す斜視
図である。

【図４】前記型枠締め付け金具の他の使用例を示す斜視
図である。

【図５】従来例に係る型枠締め付け金具の使用状況を示
す斜視図である。

【図６】セパレータの一部を示す側面図である。

【符号の説明】

１０型枠締め付け金具１１雌ねじ部１２締め付けロッド１３装着孔１４装着孔１５当て金１６縦孔１７縦孔１８楔板１９フランジ２０角パイプ２１角パイプ２２長板部２３短板部２４第１の当接板部２５第２の当
接板部２６補強リブ２７補強リブ２８第１の切欠き２９第２の切
欠き３０線状突起３１線状突起３２摺動部３３傾斜部３４段違い部３５先側段違
い部３６傾斜部３７角パイプ３８角パイプ３９角パイプ４０角パイプ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】型枠の外面に突出したセパレータの雄ね
じ部に螺合する雌ねじ部を先端に有する締め付けロッド
と、該締め付けロッドが嵌入する装着孔が形成され前記
型枠を支持する角パイプに当接する当て金と、前記締め
付けロッドに形成された軸方向に長い縦孔に装着され
て、前記角パイプを前記当て金を介して押圧する楔板と
を有する型枠締め付け金具において、前記当て金は、直角に曲げられて形成される長板部及び
短板部を有し、該長板部及び短板部にはそれぞれ前記装
着孔が形成され、しかも、前記長板部は前記角パイプの
一辺の２倍の長さとなって、前記短板部は、前記角パイ
プの一辺と同一長さとなって、更に、前記締め付けロッドには、前記縦孔が軸方向に並
べて２個形成され、それぞれに差し込んだ前記楔板によ
って、前記角パイプが単独となっている場合のみなら
ず、前記角パイプを二重に重ねた場合であっても押圧可
能としていることを特徴とする型枠締め付け金具。
【請求項２】前記締め付けロッドの一部が断面長方形
になって、その部分に前記縦孔が形成されている請求項
１記載の型枠締め付け金具。
【請求項３】前記当て金の短板部の先端には、外側に
更に直角に曲げられた幅の短い第１の当接板部を有する
と共に、前記当て金の長板部の先端には外側に直角方向
に曲げられた幅の狭い第２の当接板部を有し、しかも前
記第１及び第２の当接板部の中央には、前記楔板が通過
する第１の切欠き及び第２の切欠きがそれぞれ形成され
ている請求項１記載の型枠締め付け金具。
【請求項４】前記当て金の両側には、補強リブがそれ
ぞれ設けられている請求項３記載の型枠締め付け金具。
【請求項５】前記楔板の後部には、角パイプを直接押
圧する段違い部が設けられている請求項１記載の型枠締
め付け金具。
【請求項６】前記楔板の後部には、角パイプを直接押
圧する段違い部が設けられている請求項４記載の型枠締
め付け金具。