JP3020694B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP3020694B2
JP3020694B2 JP3306145A JP30614591A JP3020694B2 JP 3020694 B2 JP3020694 B2 JP 3020694B2 JP 3306145 A JP3306145 A JP 3306145A JP 30614591 A JP30614591 A JP 30614591A JP 3020694 B2 JP3020694 B2 JP 3020694B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、OA機器や家具類のパ
ネル、テレビ等の家庭電気製品のボディ、タンクやバス
タブなどの大型の発泡射出成形に適したポリフェニレン
エーテル系樹脂組成物に関し、さらに詳しくは肉厚部で
高倍率に発泡し、薄肉部では発泡をおさえるように設計
されたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】低発泡射出成形品(ストラクチュラルフ
ォーム)は、発泡ガス入りの溶融樹脂を射出成形機によ
り金型に射出成形して得られるものである。これは軽
い、遮音効果がある、肉厚の厚い成形品でもひけが少な
い、成形品の残留内部歪が小さいなどの特徴があり、比
較的大型の成形品に広く利用されている。これらの用途
に使用されている樹脂材料はポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ABS樹脂など種類が多いが、変性ポリ
フェニレンエーテル樹脂は難燃化しやすいこともありそ
の使用量が増えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】低発泡射出成形の利点
を生かして大型射出成形品を設計する場合、製品強度を
強くするためにリブを付けることが多い。また、部品取
り付け用にボスなどを付けることがある。このリブ部や
ボス部は他の部分に比べて肉厚が薄いことが多いが、こ
の薄い部分ではひけが発生し難く、かつ軽量化のメリッ
トも小さいことから発泡させる必要は少なく、むしろ発
泡によって強度が低下してクラックの原因になることか
ら、発泡をおさえることが望ましい。即ち、大型の発泡
射出成形用樹脂材料に望ましい特性は、肉厚部で高倍率
に発泡し、薄肉部では発泡をおさえ、かつ樹脂強度が高
いものということになる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは変性ポリフ
ェニレンエーテル樹脂の優れた耐熱性、耐衝撃性などを
低下させることなく、かつ肉厚部でのみ発泡し、薄肉部
では発泡しにくい高耐衝撃性樹脂について検討した結
果、特定のグラフト共重合体を使用した変性ポリフェニ
レン樹脂で、かつ特定の粘度範囲にある場合にこの問題
を解決できることを見い出し本発明に到達した。
【0005】即ち、本発明は下記成分(A)、(B)及
び(C)を主成分とし、かつ260℃、ずり速度6×1
3/秒で測定した溶融粘度が7×102ポイズ以下であ
発泡射出成形用熱可塑性樹脂組成物である。 (A)ポリフェニレンエーテル樹脂 20〜45重量部 (B)ポリスチレン樹脂 30〜75重量部 (C)ポリオルガノシロキサン成分1〜100重量%とポリアルキル(メタ)ア クリレートゴム成分99〜0重量%とから成るポリオルガノシロキサン系ゴムに 1種以上のビニル系単量体をグラフトしたグラフト共重合体樹脂 5〜25重量部 (但し、成分(A)、(B)及び(C)の合計量を10
0重量部とする)
【0006】本発明において用いられるポリフェニレン
エーテル樹脂(A)は下記の式で示される単独重合体あ
るいは共重合体である。
【0007】
【化1】
【0008】このようなポリフェニレンエーテル樹脂の
具体例としてポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)
エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−
フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−プロピル
−1,4−フェニレン)エーテル、(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレン)エーテルと(2,3,6−トリメチル−1,4−
フェニレン)エーテルとの共重合体、(2,6−ジエチル
−1,4−フェニレン)エーテルと(2,3,6−トリメチル−
1,4−フェニレン)エーテルとの共重合体、(2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレン)エーテルと(2,3,6−トリエチ
ル−1,4−フェニレン)エーテルとの共重合体等を挙げ
ることができる。これらの中ではポリ(2,6−ジメチル
−1,4−フェニレン)エーテル及び(2,6−ジメチル−1,
4−フェニレン)エーテルと(2,3,6−トリメチル−1,4
−フェニレン)エーテルとの共重合体が好ましく、ポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルがより好
ましい。これらのポリフェニレンエーテル樹脂はあらゆ
る配合比率でポリスチレンに対して相溶性を有する。
【0009】本発明において用いられるポリフェニレン
エーテル樹脂の重合度は特に制限されるものではない
が、25℃クロロホルム溶媒下での還元粘度が0.3〜
0.7dl/gであるものが好ましく用いられる。還元
粘度が0.3dl/g未満のものは熱安定性が低下する
傾向にあり、0.7dl/gを超える還元粘度のもので
は成形性が損なわれる傾向にある。これらのポリフェニ
レンエーテル樹脂は単独でまたは2種以上混合して用い
られる。
【0010】次に、本発明で用いられるスチレン系樹脂
(B)とは、スチレン又はその誘導体を少なくとも50
重量%含有する重合体である。その具体例としてはポリ
スチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリクロロスチ
レン等の単独重合体、スチレン−アクリロニトリル共重
合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合
体、スチレンと他のビニル単量体との共重合体、及び耐
衝撃性ポリスチレン等のゴムで変性された重合体が挙げ
られ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用さ
れる。スチレン系樹脂(B)として特に有用なものは、
ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレンである。これらの
スチレン系樹脂の製造方法としては塊状重合、懸濁重
合、乳化重合、溶液重合、塊状懸濁重合等の公知の重合
方法が採用される。
【0011】本発明で用いられるポリオルガノシロキサ
ンゴム成分1〜100重量%とポリアルキル(メタ)ア
クリレートゴム成分99〜0重量%とから成るポリオル
ガノシロキサン系ゴムに1種以上のビニル系単量体をグ
ラフト重合したグラフト共重合体樹脂(C)はオルガノ
シロキサンと架橋剤(I)、場合によってはグラフト交
叉剤(I)とを微小粒子状に重合したポリオルガノシロ
キサンゴムあるいはそのポリオルガノシロキサンゴムと
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとが相互に絡み
合った複合ゴムにビニル系単量体をグラフト重合させた
ものである。
【0012】オルガノシロキサンとしては、3員環以上
の各種の環状体が挙げられ、好ましく用いられるのは3
〜6員環である。例えばヘキサメチルシクロトリシロキ
サン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチ
ルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサ
シロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキ
サン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキ
サン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げ
られ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いられ
る。これらの使用量はポリオルガノシロキサンゴム成分
中50重量%以上、好ましくは70重量%以上である。
【0013】架橋剤(I)としては、3官能性又は4官
能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメチルシラ
ン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシ
ラン、テトラブトキシシラン等が用いられる。特に4官
能性の架橋剤が好ましく、この中でもテトラエトキシシ
ランが特に好ましい。架橋剤の使用量はポリオルガノシ
ロキサンゴム成分中0.1〜30重量%である。グラフ
ト交叉剤(I)としては、次式
【0014】
【化2】
【0015】で表される単位を形成し得る化合物が用い
られる。式(I−1)の単位を形成し得る(メタ)アク
リロイルオキシシロキサンはグラフト効率が高いため有
効なグラフト鎖を形成することが可能であり耐衝撃性発
現の点で有利である。なお、式(I−1)の単位を形成
し得るものとしてメタクリロイルオキシシロキサンが特
に好ましい。メタクリロイルオキシシロキサンの具体例
としてはβ−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメ
チルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキ
シジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
ジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシ
プロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリ
ロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げら
れる。グラフト交叉剤の使用量はポリオルガノシロキサ
ンゴム成分中0〜10重量%である。
【0016】このポリオルガノシロキサンゴム成分のラ
テックスの製造は、例えば米国特許第2891920号
明細書、同第3294725号明細書等に記載された方
法を用いることができる。本発明の実施では、例えばオ
ルガノシロキサンと架橋剤(I)及び所望によりグラフ
ト交叉剤(I)の混合溶液とをアルキルベンゼンスルホ
ン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸系乳化剤の存
在下で、例えばホモジナイザー等を用いて水と剪断混合
する方法により製造することが好ましい。アルキルベン
ゼンスルホン酸はオルガノシロキサンの乳化剤として作
用すると同時に重合開始剤ともなるので好適である。こ
の際、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルス
ルホン酸金属塩等を併用するとグラフト重合を行う際に
ポリマーを安定に維持するのに効果があるので好まし
い。
【0017】また、上記複合ゴムは以下に示すアルキル
(メタ)アクリレート、架橋剤(II)およびグラフト交
叉剤(II)を用いて合成することができる。アルキル
(メタ)アクリレートとしては、例えばメチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート等のアルキルアクリレート及びヘキシルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラ
ウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが挙
げられ、特にn−ブチルアクリレートの使用が好まし
い。架橋剤(II)としては、例えばエチレングリコール
ジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレ
ート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,4−ブチレングリコールジメタクリレート等が挙げ
られる。グラフト交叉剤(II)としては、例えばアリル
メタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリル
イソシアヌレート等が挙げられる。アリルメタクリレー
トは架橋剤として用いることもできる。これらの架橋剤
ならびにグラフト交叉剤は単独または2種以上併用して
用いられる。これらの架橋剤及びグラフト交叉剤の合計
量はポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分中0.
1〜20重量%である。
【0018】ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成
分の重合は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム等のアルカリの水溶液の添加により中和された
ポリオルガノシロキサンゴムのラテックス中へ上記アル
キル(メタ)アクリレート、架橋剤及びグラフト交叉剤
を添加し、ポリオルガノシロキサンゴム粒子へ含浸させ
た後、通常のラジカル重合開始剤を作用させて行う。重
合の進行とともにポリオルガノシロキサンゴムの架橋網
目に相互に絡んだポリアルキル(メタ)アクリレートゴ
ムの架橋網目が形成され、実質上分離できないポリオル
ガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリ
レートゴム成分との複合ゴムのラテックスが得られる。
なお、本発明の実施に際してはこの複合ゴムとしてポリ
オルガノシロキサンゴム成分の主骨格がジメチルシロキ
サンの繰り返し単位を有し、ポリアルキル(メタ)アク
リレートゴム成分の主骨格がn−ブチルアクリレートの
繰り返し単位を有する複合ゴムが好ましく用いられる。
このようにして乳化重合により調整された複合ゴムは、
ビニル系単量体とグラフと共重合可能である。グラフト
重合させるビニル系単量体としては前述の芳香族アルケ
ニル単量体、ニトリル単量体、(メタ)アクリル酸エス
テル単量体などのビニル系単量体が用いられる。
【0019】本発明の樹脂組成物100重量部中の各成
分の重量組成比は前述の通りである。成分(A)が20
重量部未満では耐熱性が低く実用的でなく、45重量部
を超えると流動性が悪く、後で述べる溶融粘度の適正な
範囲の樹脂組成物が得られなくなる。また、成分(B)
が30重量部未満では流動性に劣り、75重量部を超え
ると耐熱性が低くなる。また、成分(C)が5重量部未
満では耐衝撃性が低く、25重量部を超えると流動性の
低下、硬度の低下などが生じ、実用的な性能を失う。
【0020】本発明の樹脂組成物は260℃、ずり速度
6×103/秒で測定した溶融粘度が7×102ポイズ以
下であることが重要である。この樹脂組成物で発泡射出
成形を行う場合は260℃程度がほぼ成形温度幅の中央
にあり、射出成形に近いずり速度6×103/秒で測定
した溶融粘度が発泡性の1つの指標となる。溶融粘度が
7×102ポイズを超える場合はこれを発泡射出成形し
た際に薄肉部まで均一に発泡してしまい、この部分での
強度の低下による割れなどのトラブル発生の原因にな
る。溶融粘度が7×102ポイズ以下であるとこれを発
泡射出成形した際には肉厚8〜10mm程度以上の肉厚部
で主に発泡体となり、それに満たない薄肉部ではほとん
ど発泡しない。
【0021】本発明の樹脂組成物は成分(A)、(B)
及び(C)にさらに必要であれば難燃剤、抗酸化剤、可
塑剤、滑剤、顔料、充填剤等を機械的混合することによ
り得られ、混合は適宜バンバリーミキサー、ロールミ
ル、二軸混練押出機等を用いて行うことができる。
【0022】得られた樹脂組成物の低発泡射出成形には
発泡剤が必要であるが、発泡剤添加法としては次の3つ
の方法が挙げられる。 (1)溶融した樹脂の中に高圧の窒素ガスを直接吹き込む
方法 (2)揮発性の高い低沸点の溶剤を予め原料としての樹脂
ペレットに含浸させておく方法 (3)化学発泡剤を用い樹脂を可塑化するときの熱で発泡
剤を熱分解させ気体を得る方法
【0023】低圧発泡射出成形には各社より専用機が市
販されており、これを使用することが最も好ましく、前
記の(1)の方法では専用機が必須である。また、(2)、(3)
の方法による場合も少なくともシャットオフバルブ付き
ノズルを備えた射出成形機を使用する必要がある。これ
は樹脂の計量、可塑化時に発生したガスがノズル先端部
より漏れるのを防ぐためである。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、実施例中「部」とあるのは「重量部」を
表す。各樹脂組成物の混練は、西独ウェルナー・アンド
・フライデラー社製ZSK−30型ベント付二軸混練押
出機(スクリュー径30mm)を用いてシリンダー温度2
70℃で行い、ペレット状に賦型した。各重合体成分
は、この押出機に投入する前にヘンシェルミキサーで充
分に混練した。得られたペレットは射出成形機を用いて
各試験に用いる試験片の形に成形した。射出成形は、樹
脂組成物100部に対して化学発泡剤として永和化成工
業(株)製のポリスレンES106を3部混合した後、
住友重機械工業(株)製プロマット165/75型射出
成形機のシャットオフノズル付きのものを使用し、シリ
ンダー温度260℃で成形した。成形試片は長さ127
mm、幅40mmで厚さが6.4mmと3.2mmの試片各1個が
同時に取れるようになっており、この2種類の試片の発
泡倍率を比較した。発泡倍率は、成形品全体を水中に浸
漬した際の浮力から比重を計算し、これを未発泡の成形
品と比較して計算した。 発泡倍率=(未発泡成形品の比重)/(発泡成形品の比
重)
【0025】また、各樹脂組成物の溶融粘度は(株)東
洋精機製作所の「キャピログラフ」を使用して発泡剤が
加わらない状態で測定した。キャピラリー部は直径1m
m、長さ10mmのものを用い、設定温度260℃、ずり
速度6×103/秒で測定した。 また、発泡させてい
ない射出成形試片を各樹脂組成物について作成し、各樹
脂組成物の基本物性を測定した。アイゾット衝撃強度は
ASTM D−256により6.4mm厚モールドノッチ
付きの値を、熱変形温度はASTM D−648により
18.6kg/cm2の荷重の値を測定した。
【0026】参考例1 ポリオルガノシロキサンゴム系グラフト共重合体(A−
1)及び複合ゴム系グラフト共重合体(B−1)の製造 テトラエトキシシラン2部、γーメタクリロイルオキシ
プロピルジメトキシシラン0.5部及びオクタメチルシ
クロテトラシロキサン97.5部を混合してシロキサン
混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸を各々1部づ
つ溶解した蒸留水200部に上記シロキサン混合物10
0部を加え、ホモミキサーを用い回転数10000rpm
で予備攪拌した後、ホモジナイザーを用いて300kg/
cm2の圧力で乳化分散させ、オルガノシロキサンラテッ
クスを得た。このラテックスをコンデンサー及び攪拌翼
を備えたセパラブルフラスコに移し、攪拌しながら80
℃で5時間加熱した後、20℃で48時間放置し、その
後水酸化ナトリウム水溶液でこのラテックスを中和する
ことにより重合を終了させてポリオルガノシロキサンラ
テックス(S−1)を得た。得られたポリオルガノシロ
キサンゴムの重合転化率は89.7%であり、平均粒子
径は0.16μmであった。このポリオルガノシロキサン
ラテックス(S−1)32.5部をフラスコに入れ蒸留
水53.3部を加え、フラスコ内を窒素で置換した後7
0℃に昇温し、次いで硫酸第一鉄0.00025部、エ
チレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.00075
部、ロンガリット0.06部及び蒸留水4.2部の混合液
をこれに加えた。ゴムラテックスにtertーブチルヒドロ
パーオキサイド0.048部とスチレン10部の混合液
を70℃で60分間かけて滴下し、滴下終了後70℃で
4時間保持してグラフト重合を完了させた。スチレンの
重合転化率は98.5%であった。得られたグラフト共
重合体ラテックスを塩化カルシウムを1.5重量%含有
する熱水200部中に滴下してラテックスを凝固させ、
分離、脱水、洗浄した後乾燥してポリオルガノシロキサ
ンゴム系グラフト共重合体(A−1)を得た。
【0027】また、このポリオルガノシロキサンラテッ
クス(S−1)25部をフラスコに入れ蒸留水53.3
部を加え、フラスコ内を窒素で置換した後、内温を60
℃に設定し、n−ブチルアクリレート7.35部、アリ
ルメタクリレート0.15部及びtert−ブチルヒドロパ
ーオキサイド0.038部の混合液を添加し、この状態
で30分間攪拌しながら放置することによりこの混合液
をポリオルガノシロキサンゴム粒子中に浸透させた。次
いで硫酸第一鉄0.00025部、エチレンジアミン四
酢酸二ナトリウム塩0.00075部、ロンガリット0.
06部及び蒸留水4.2部の混合液をこれに加えてラジ
カル重合を開始させ、内温70℃で2時間保持すること
により重合を完了させて複合ゴムラテックスを得た。こ
の複合ゴムの平均粒子径は0.20μmであった。この複
合ゴムラテックスにtert−ブチルヒドロパーオキサイド
0.048部とスチレン10部の混合液を70℃で60
分間かけて滴下し、滴下終了後70℃で4時間保持して
グラフト重合を完了させた。スチレンの重合転化率は9
8.5%であった。得られたグラフト共重合体ラテック
スを塩化カルシウムを1.5重量%含有する熱水200
部中に滴下してラテックスを凝固させ、分離、脱水、洗
浄した後乾燥して複合ゴム系グラフト共重合体(B−
1)を得た。
【0028】実施例1〜5、比較例1〜4 参考例1で合成したポリオルガノシロキサン系グラフト
共重合体(A−1)、複合ゴム系グラフト共重合体(B
−1)、ポリフェニレンエーテル樹脂(ポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル):還元粘度
(25℃、CHCl3)0.4dl/g、ポリスチレン樹
脂(日本ポリスチレン(株)製:エスブライト7、GP
Cで測定した重量平均分子量2.5×105及びエスブラ
イト6P、重量平均分子量3.5×105)を表1に示す
比率で混合し、前述の方法でペレットを得た。得られた
ペレットを用いて未発泡の状態の基本物性値及び発泡射
出成形を行った場合の発泡倍率を測定した。また、同じ
サンプルの溶融粘度をキャピログラフで測定した。結果
を表1、表2に示す。
【0029】実施例1〜5に示したように、本発明の特
許請求の範囲内の組成で、かつ溶融粘度も範囲内である
場合には、発泡射出成形試片の発泡倍率が6.4mm厚で
は高く、3.2mm厚では低くなっている。また、アイゾ
ット衝撃強度や熱変形温度も高くなっている。これに対
して、比較例1に示したようにたとえ樹脂組成が特許請
求の範囲内であっても、溶融粘度が範囲外である場合は
発泡射出成形した場合に3.2mm厚と薄い場合でも6.4
mm厚の試片と同様に高い発泡倍率になってしまい強度上
問題がある。また、比較例2〜4に示したように樹脂組
成が特許請求の範囲をはずれる場合は物性が不充分な値
であったり、溶融粘度が高くなったりする。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、ポリフェニレン
エーテル系樹脂組成物の優れた耐熱性や耐衝撃性を保持
しつつ、低発泡射出成形において厚肉部で発泡して重量
減少やひけの防止の効果をもたらし、かつ薄肉部では発
泡をおさえて強度を保つという性質を持っており、特に
大型の低発泡射出成形品に要求される性能を充分に満た
すものであり、その工業的意義は大きい。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(A)、(B)及び(C)を主
    成分とし、かつ260℃、ずり速度6×103/秒で測
    定した溶融粘度が7×102ポイズ以下である発泡射出
    成形用熱可塑性樹脂組成物。 (A)ポリフェニレンエーテル樹脂 20〜45重量部 (B)ポリスチレン樹脂 30〜75重量部 (C)ポリオルガノシロキサン成分1〜100重量%とポリアルキル(メタ)ア クリレートゴム成分99〜0重量%とから成るポリオルガノシロキサン系ゴムに 1種以上のビニル系単量体をグラフトしたグラフト共重合体樹脂 5〜25重量部 (但し、成分(A)、(B)及び(C)の合計量を10
    0重量部とする)
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