JP3020075U - エアーコンデショナー用ドレンパン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】エアコン用ドレンパンの表皮側への内反りを無
くし、表皮のシワや割れの発生を防止する。 【構成】ドレンパンの発泡スチロール製構造体の表面に
設ける表皮をポレエチレン・テレフタレートにより構成
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はエアーコンデショナー、特に業務用エアーコンデショナーのためのド レンパンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、業務用エアーコンデショナー（以下エアコンという）のためのドレン パンは、全体を大略受け皿状に成形した発泡スチロール（以下ＥＰＳという）製 のドレンパン構造体の表面、少なくとも内表面に緻密な表皮を設けた構造で、上 記表皮は従来ＡＢＳ樹脂からなり、ＡＢＳ樹脂シートを真空成形して、この真空 成形品をＥＰＳの発泡成形によるドレンパン本体成形時に、その発泡型内にイン サートすることによって、ドレンパン本体に対して一体に熱融着している。 このように、従来のエアコン用ドレンパンが表皮をＡＢＳ樹脂で構成するのは 、ドレンパン本体を構成するＥＰＳとの熱融着に有利であること、また耐薬品性 がよいことに理由がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のエアコン用ドレンパンは表皮を構成するＡＢＳ樹脂 シートの二次収縮が大きいため、全体が表皮側に内反りするという問題があった 。 また、表皮をＥＰＳのコア型に装着してＥＰＳの発泡成形を行うためには表皮 とコア型との形状嵌合が絶対的に必要となり、嵌合不具合の場合は、熱変形によ るシワが発生し、割れの原因になる場合があるが、ＡＢＳ樹脂シートは成形収縮 が大きく、嵌合不具合が生じ易い。

【０００４】 本考案は従来技術が有する上記問題点に鑑みて成されたもので、その目的とす るところはエアコン用ドレンパンの表皮側への内反りを無くし、表皮のシワや割 れの発生を防止することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案のエアコン用ドレンパンでは、ＥＰＳ製のド レンパンの構造体の表面にポリエチレン・テレフタレート（以下ＰＥＴという） 製の表皮を一体に設けるものである。 上記ＰＥＴ製の表皮はＰＥＴシートを真空成形して形成され、ＥＰＳ製の構造 体の発泡成形時に発泡型のコア側に装着することにより、構造体と一体に熱融着 する。

【０００６】

【作用】

以上のように構成したエアコン用ドレンパンにあっては、表皮を構成するＰＥ Ｔの成形収縮がＡＢＳの１／３程度と寸法安定性に優れているため、製造時にお ける表皮とＥＰＳコア型との嵌合状態が良好になり、シワ、割れの発生が防止さ れる。 また、表皮のドレンパン構造体との同時成形時における二次収縮が小さいため 、ドレンパンの表皮側への内反りはほとんど生じない。

【０００７】

【実施例】

以下、図に基づいて本考案の実施の形態を説明する。 図１においてドレンパンは全体を符号Ａで示されており、全体の形状が上面を へこませた大略受け皿状に形成され、その底部適宜箇所には栓３を装着した排水 用のソケット４を備えている。

【０００８】 ドレンパンＡは、主として構造体１と該構造体１の表面に設けた表皮２とから 構成されており、ドレンパンＡの形状は実質的に構造体１の形状によって規定さ れている。 構造体１はＥＰＳの発泡成形によりドレンパンＡの形状、即ち上面を凹ませた 大略受け皿状に成形され、その凹み部11内面に表皮２が設けられる。 上記ＥＰ Ｓの発泡成形による構造体１の成形は、従来周知のＥＰＳの発泡成形法により行 うことが可能である。

【０００９】 一方、表皮２はＰＥＴ樹脂成形品により構成されており、ＰＥＴのシートを真 空形成した後、トリミング加工を施して、上記構造体１の凹み部11の形状に相当 する形状に形成されている。 上記表皮２の真空成形及びトリミング加工には従来周知の真空成形法及びトリ ミング加工法を用いることができる。 この表皮２は図２に示すようにＥＰＳによる構造体の発泡成形時に発泡型Ｂの コア側B1へ装着して、ＥＰＳを発泡成形することにより、構造体１と一体に熱融 着して構造体１上面の凹み部11に該部11を覆って設けられる。

【００１０】 尚、図１において５はクッション材、６はアルミテープである。 また、図２においてB2は発泡型Ｂのキャビ側、７はＥＰＳの原料ビーズ、８は 上記原料ビーズ７をフィダー９を介して発泡型Ｂ内に充填した発泡ビーズである 。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は以上のように実質的にドレンパンの形状を規定するＥＰＳ製の構造体 の表面にＰＥＴ製の表皮を一体に設けたので、下記するような利点を有する。 １．ＰＥＴの成形収縮は２／１０００で、ＡＢＳの１／３のレベルにあり、寸法 安定性に優れているため、ＥＰＳ発泡成形のコア型との嵌合状態が良好となり、 シワの発生が防止できる。そのため割れが発生する恐れがない。 ２．ＰＥＴは二次成形収縮が小さいため、ＥＰＳ製構造体と同時成形しても、ド レンパンの表皮側への反りは、表皮をＡＢＳで構成する従来のドレンパンの反り に比べて１／５〜１／６程度と極めて小さくなる。 ３．表皮を構成するＰＥＴは、真空成形時におけるシート温度がＡＢＳより３０ ℃〜４０℃低温であるため、成形サイクルがＡＢＳの場合より短サイクルであり 、しかもＰＥＴそのものもＡＢＳより安価であるため、コストの低減を図ること ができる。 ４．表皮をＰＥＴで構成したため、ＡＢＳ製の表皮を備える従来のドレンパンに 比べて耐油性、耐衝撃性等の物性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すエアーコンデショナー
用ドレンパンの断面図。

【図２】構造体と表皮の一体化の方法を説明する説明
図。

【符号の説明】

Ａ：ドレンパン １：ＥＰＳ
製構造体 ２：ＰＥＴ製表皮

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】実質的にドレンパンの形状を規定する発泡
   スチロール製の構造体の表面にポレエチレン・テレフタ
   レート製の表皮を一体に設けたことを特徴とするエアー
   コンデショナー用ドレンパン。
2. 【請求項２】ポレエチレン・テレフタレート製の表皮が
   ポレエチレン・テレフタレートシートを真空成形して形
   成され、発泡スチロール製の構造体の発泡成形時に発泡
   型のコア側に装着することにより、構造体と一体に熱融
   着されていることを特徴とする請求項１のエアーコンデ
   ショナー用ドレンパン。