JP3019968U - 容 器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一体成形の樹脂容器において、容器本体と蓋
体との隙間から収納物が出てしまわないようにする。 【構成】 可撓性を有する樹脂より一体成形されてな
る。容器本体(1)と蓋体(2)との間には蓋体開閉の際のヒ
ンジとなる折り曲げ部(4)を有している。蓋体(2)内側に
は蓋体(2)閉時に容器本体(1)と蓋体(2)と間に形成され
る隙間(29)の内側（容器内側）に位置する補助枠部(9)
が備えられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、蓋部を有する樹脂製の容器に関するものであり、特に釣り針等の小 物を収納する容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

釣り針，クリップ，画鋲，ビーズ，抵抗器等の電気部品，模型用パーツ等の小 物品は、大きさが小さいために紛失しやすく、外力により損傷することもあり、 そのままの状態では流通，保管，販売等に支障がある場合が多い。 そこで、メーカーでは小物品を一定数量毎に樹脂製の容器等に収納して流通さ せ、小売店では容器単位で販売するという手段が一般的に採られている。 また、販売後も購入者が物品を保管したり、使用する場所に移動する際に販売 時に収納されていた容器をそのまま用いることがある。また、使用者が目的に合 わせて適当な大きさの容器を別に購入することもある。

【０００３】 このような樹脂製の容器には種々の大きさ形状のものがあるが、構造が単純で あり、製造コスト，製造時間の点で優れた容器として、容器本体と蓋体とが一体 に成形された可撓性の樹脂よりなる容器がある。

【０００４】 図４及び図５にそのような容器側面図を示す。図４は蓋体が開いた状態であり 、図５は蓋体が閉まった状態しまっている状態を示している。図中(21)は角形の 容器本体であり、この部分に内容物を収納する。(22)は蓋体であり、周縁に枠部 (23)を有している。折り曲げ部(24)で蓋体(22)が容器本体(21)の開口部を覆うよ うに曲げていくと、容器本体(21)の設けた係止用凸部(25)が、蓋体(22)に設けら れた係止用孔(26)に係止され、図５に示したような蓋体(22)が閉じた状態が維持 される。この状態では蓋体枠部(23)が容器本体(21)の折り曲げ部(24)側を除く三 方で容器本体(21)の周囲にほぼ外接し、開口部縁を覆うことにより、容器内から 収納物が外部に出てしまうことを防止している。 なお、蓋体枠部(23)が容器本体(21)の折り曲げ部(24)側にないのは、折り曲げ 部(24)側にも他の三方と同様に容器本体(21)の周囲に外接するような枠を有する 構成にすると、その部分が折り曲げ部(24)と干渉し、蓋体(22)を閉めることがで きなくなるためである。

【０００５】 蓋体(22)を開ける場合には、蓋体を引っ張って係止用孔(26)から係止用凸部(2 5)を外せばよい。

【０００６】 (27)は小売店において、容器を吊り下げて展示，保管するための吊下部であり 、ハンガーフック等を通すための吊下孔(28)を有している。吊下部(27)も容器本 体(21)や蓋体(22)と一体に成形されている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

このような一体成形の容器の場合、折り曲げ部(24)は、折れ曲がっていない状 態に復元しようとするため、外部から力を加えていない状態では蓋体(22)には開 こうとする方向の力がかかることになる。蓋体(22)が閉まった状態では蓋体(22) は係止用凸部(25)で係止されている。よって、蓋体(22)は容器本体(21)の開口部 に密接せず、折り曲げ部(24)付近に向かって幅が広くなるくさび形のような形状 の隙間(29)が生じる。

【０００８】 ここに、収納物が画鋲のように三次元方向に展張した形状であれば、この隙間 (29)から容器外に出てしまうことはないが、クリップ，釣り針のような平面的な 物品であれば、移動に起因する振動等により使用者の意思によらず隙間（29)か ら容器外に出てしまい紛失するおそれがある。このような、紛失を防止する手段 として、釣り針等をビニール袋等に入れて、これを容器に収納することも考えら れるが、使用の度にビニール袋を取り出して出し入れしていたのでは不便であり 、このような容器の利点である簡便さが損なわれる。 そこで、このような一体成形の樹脂容器において、容器本体と蓋体との隙間か ら収納物が出てしまわないようにする手段が求められていた。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案の容器は可撓性を有する樹脂より一体成形されてなり、 容器本体(1)と蓋体(2)との間には蓋体開閉の際のヒンジとなる折り曲げ部(4) を有しており、蓋体(2)内側には蓋体(2)閉時に容器本体(1)と蓋体(2)と間に形成 される隙間(29)の内側に位置する補助枠部(9)が備えられていることを特徴とす る。

【００１０】

【作用】

容器本体(1)と蓋体(2)との隙間の内側に補助枠部(9)が位置し、隙間が閉塞さ れるか小さくなるため、容器内部の収納物が外部に出てしまうことがない。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案を好適な実施例を用いて説明する。図１及び図２は実施例に係る 容器の側面図であり、図１は蓋体が開いた状態を示し、図２は蓋体が閉じた状態 を示している。図３は同じ容器の蓋体が開いた状態の平面図である。 蓋体(2)以外の部材である角形の容器本体(1)、折り曲げ部(4)、係止用凸部(5) 、係止用孔(6)、吊下部(7)、吊下孔(8)については先述した従来例と同様の構成 である。

【００１２】 蓋体(2)の折り曲げ部(4)側を除く周縁には枠部(3)が備えられていることは従 来例と同様であるが、本実施例においては蓋体(2)の内側（閉じた際に容器本体( 1)の収納部に面する側）の折り曲げ部(4)側に補助枠(9)が設けられている。本実 施例では補助枠(9)は図３を見るとわかるように、容器本体(1)の折り曲げ部(4) 側の辺にほぼ内接すると共に、側面にも屈折して回り込んだ「コの字形」の形状 とした。

【００１３】 従来隙間(29)が生じていた箇所の内側（容器本体(1)内部側）に補助枠(9)が位 置することになるため、補助枠(9)により隙間が閉塞されるか隙間が小さくなる 。よって、容器内部の収納物が釣り針のような平面的で小さな物品であっても外 部に出てしまうことはない。したがって、補助枠(9)の形状は隙間を閉塞又は小 さくすることができればよいのであるから実施例の形状に限定されるものではな い。例えば、容器本体(1)内側の折り曲げ部側の角部２カ所に内接するような２ つの「Ｌ字形」補助枠を設けてもよい。

【００１４】 なお、本考案は吊下部(7)，吊下孔(8)の有無、蓋体を閉状態に保つための係止 機構、容器全体の大きさ、収納物の種類等は実施例に限定されるものではない。

【００１５】

【考案の効果】

以上述べたように、一体成形の樹脂容器において、容器本体と蓋体との隙間か ら収納物が出てしまわないようにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例に係る容器の側面図（蓋体が開い
た状態）。

【図２】本考案実施例に係る容器の側面図（蓋体が閉じ
た状態）。

【図３】本考案実施例に係る容器の平面図（蓋体が開い
た状態）。

【図４】従来の容器の側面図（蓋体が開いた状態）。

【図５】従来の容器の側面図（蓋体が閉じた状態）。

【符号の説明】

(1) 容器本体 (2) 蓋体 (3) 蓋体枠部 (4) 折り曲げ部 (5) 係止用凸部 (6) 係止用孔 (7) 吊下部 (8) 吊下孔 (9) 蓋体補助枠 (29) 容器本体と蓋体との隙間

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓性を有する樹脂より一体成形されて
   なり、 容器本体と蓋体との間には蓋体開閉の際のヒンジとなる
   折り曲げ部を有しており、 蓋体内側には蓋体閉時に容器本体と蓋体と間に形成され
   る隙間の内側に位置する補助枠部が備えられていること
   を特徴とする容器。
2. 【請求項２】 可撓性を有する樹脂より一体成形されて
   なり、 容器本体と蓋体との間には蓋体開閉の際のヒンジとなる
   折り曲げ部を有しており、 蓋体の折り曲げ部側を除く周縁には蓋体閉時に容器本体
   開口部縁を覆う枠部が備えられており、 蓋体内側には蓋体閉時に折り曲げ部近傍に生ずる隙間の
   内側に位置する補助枠部が備えられていることを特徴と
   する容器。
3. 【請求項３】 可撓性を有する樹脂より一体成形されて
   なり、 容器本体と蓋体との間には蓋体開閉の際のヒンジとなる
   折り曲げ部を有しており、 蓋体の折り曲げ部側を除く周縁には蓋体閉時に容器本体
   開口部縁を覆う枠部が備えられており、 蓋体内側の折り曲げ部側にコの字形の補助枠部が備えら
   れていることを特徴とする容器。
4. 【請求項４】 可撓性を有する樹脂より一体成形されて
   なり、 容器本体と蓋体との間には蓋体開閉の際のヒンジとなる
   折り曲げ部を有しており、 蓋体の折り曲げ部側を除く周縁には蓋体閉時に容器本体
   開口部縁を覆う枠部が備えられており、 蓋体内側の折り曲げ部側角部にＬ字形の補助枠部が備え
   られていることを特徴とする容器。