JP3019790B2 - 位置情報表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は位置情報表示装置に
関し、詳しくは、地図と組み合わせて現在位置や目的位
置などを好適表示しようとするものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の位置情報表示装置として
例えば特公平１−１６３６９号公報に記載される如く、
車両において、走行開始位置、目的地、方位等の走行位
置情報や現在位置を表示するいわゆるナビゲーション装
置が知られている。かかる装置は、車両の位置を検出す
る手段と、走行地域の地図を予め記憶したカセットテー
プ、ＣＤ−ＲＯＭ或いはメモリカード等の記憶媒体とを
備え、この記憶媒体から所望の地域地図を画面上に呼び
出すと共に、その地図画面上に車両の現在位置、目的
地、経路などを表示して、車両運転者の便に供するもの
である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】こうした位置情報表示
装置は、走行上有用な情報を提供して安全性の向上等に
資する優れたものであるが、現在位置や目的地や、それ
らの位置関係を情報表示する場合などにおいては、地図
データを記憶するＣＤ−ＲＯＭ等の特殊な記憶媒体や高
解像度の表示装置が必要になるなど、装置・構成が複雑
になるという問題があった。

【０００４】本発明は、地図データを記憶するＣＤ−Ｒ
ＯＭ等の特殊な記憶媒体や高解像度の表示装置を用いる
ことなく、所望とする位置情報を簡易な構成により得る
ことのできる位置情報表示装置を提供することを目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、複数のエリアに区分された地図がページ
毎に記載された地図帳と、 前記地図帳の所定のエリアに
設置される透過型表示手段と、位置の設定を開始するた
めの設定開始手段と、この設定開始手段による開始を受
け、前記透過型表示手段を通して得られる前記地図帳に
記載の所定情報に基づき地図上における位置を特定する
位置特定手段と、現在位置を特定する現在位置特定手段
と、前記位置特定手段によって特定された位置の前記現
在位置特定手段によって特定された現在位置に対する位
置関係を表示する手段とを有することを特徴とする位置
情報表示装置をその要旨とする。

【０００６】

【作用及び発明の効果】上記構成を有する本発明の位置
情報表示装置では、複数のエリアに区分された地図がペ
ージ毎に記載された地図帳に対し、その所定のエリアに
透過型表示手段が設置されて設定開始手段による開始を
受けると、透過型表示手段を通して得られる地図帳に記
載の所定情報に基づき地図上における位置が特定され
る。そして、この特定された位置の現在位置に対する位
置関係が表示される。

【０００７】従って、極めて簡易な構成にも係わらず、
複数のエリアに区分された地図がページ毎に記載された
地図帳を用いて、そのエリア毎に地図上における位置の
特定が容易にできるばかりでなく、現在位置に対する特
定位置の位置関係も得られるという優れた効果を奏す
る。この結果、地図データを記憶するＣＤ−ＲＯＭ等の
特殊な記憶媒体や高解像度の表示装置を必要とせず、部
品点数の低減、信頼性の向上、コスト圧縮を図ることが
できる。

【０００８】また、地図帳は紙などの既存の媒体に印刷
できるから、保管が容易であり、使用によって汚損した
りしても、修繕・取り替えが容易であるという利点があ
る。場合によっては、既存の道路地図を利用することさ
え可能である。このように、本発明の位置情報表示装置
は、全体が極めて小型化され場所を取らないので、特に
携帯用として優れている。

【０００９】また、本発明の位置情報表示装置にあって
は、更新された新しい地図にも何ら問題なく対応するこ
とができる。

【００１０】

【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の車両走行情報表示装置の
好適な実施例について説明する。図１は本発明一実施例
としての車両用走行情報表示装置の外観構成を示す構成
図、図２（Ａ），（Ｂ）はそのシステム構成図である。

【００１１】図示するように、この車両用走行情報表示
装置は、透過型の液晶パネル１を上部に嵌め込んだ本体
３と、本体３の上端に回動可能かつ所望の位置に保持可
能に取り付けられた照明ボード５と、本体３に接続され
車両の位置を検出する位置検出装置７とから構成されて
いる。位置検出装置７には、地磁気を利用した方位セン
サ１０，車輪の回転数から車両の走行距離を検出する距
離センサ１２が接続されている。尚、これらのセンサに
代えて、衛星等を利用した他の航法装置を用いることも
差し支えない。

【００１２】本体３は、液晶パネル１の下部に、地域番
号Ｄを選択する地域番号選択スイッチ２１、ページ番号
Ｐを選択するページ番号選択スイッチ２２、ページ内の
エリア番号Ｅを選択するエリア選択スイッチ２３、液晶
パネル１上に表示されるカーソルを移動するカーソルス
イッチ２５、現在地，目的地，方位を各々設定する各設
定スイッチ２６，２７，２８，選択された各番号等の設
定を行なうセットスイッチ３０、装置全体の電源を入り
切りする電源スイッチ３２を備える。これらのスイッチ
の内、地域番号選択スイッチ２１，ページ番号選択スイ
ッチ２２，エリア選択スイッチ２３は、各々表示部２１
ａ，２２ａ，２３ａを有し、各選択スイッチ２１，２
２，２３を操作する度に、表示番号Ｄ，Ｐ，Ｅがインク
リメントするタイプのものである。この本体３は、図１
に示すように、地域毎に分冊された地図ＭＰの所定のペ
ージの必要なエリア上に、その液晶パネル１の枠ＦＲを
地図ＭＰに記載されたエリアの枠ＦＶ，ＦＨに一致させ
て載置して用いられる。

【００１３】照明ボート５は、面発光タイプのものであ
り、冷陰極線管、発光ダイオードあるいはＥＬパネル等
により構成することができる。照明ボード５から発した
光は、透過型の液晶パネル１を介して地図ＭＰを照ら
す。尚、この照明ボード５は取り外し可能であり、液晶
パネル１の背面にセットして、地図ＭＰとは無関係な走
行情報（例えば、温度，湿度，高度，傾斜，ＧＰＳ衛星
位置，星座，累積走行距離など）を表示する場合のバッ
クライトとして用いることも可能である。

【００１４】液晶パネル１は、表示制御されたドットが
光を遮断することにより、表示を行うものであり、ツイ
ステッドネマテックタイプの液晶パネル，アクティブマ
トリクスタイプの液晶パネルなど、透過型のものであれ
ば用いることができる。また、透過型であれば、発光素
子を用いたものでも差し支えない。本体３は、その内部
に、図２（Ｂ）に示す電子制御回路４０を組み込んだも
のであり、この電子制御回路４０は、周知のＣＰＵ５
１，ＲＯＭ５２，ＲＡＭ５３を中心に、算術論理演算回
路として構成されている。これらの素子と表示インタフ
ェース５５，スイッチインタフェース５７，入出力イン
タフェース５８は、バス５９により相互に接続されてい
る。ＲＯＭ５２には、後述する制御プログラムの外、使
用される地図ＭＰに合わせて、その地図ＭＰの各エリア
のつながりに関する情報、即ちどのエリアがその上下左
右でどのエリアにつながっており、どこで分冊された地
図やページが更新されるかといった情報が記憶されてい
る。これらの情報はエリアのつながりに関するだけのも
のである。即ち、従来のナビゲータがＣＤ−ＲＯＭ等に
記憶する形で保有しなければならなかった道路情報など
の詳細なデータを有する必要はなく、そのデータ量も数
十分の１で済んでいる。尚、ＧＰＳ等の電波航法で絶対
位置（緯度，経度）を出力する構成とすれば、各エリア
のつながり情報に替えて、各エリアの代表点（例えば左
下隅等）の絶対位置を記憶しておけばよい。

【００１５】表示インタフェース５５は、液晶パネル１
を駆動するものであり、ＣＰＵ５１からの制御信号に基
づいて、液晶パネル１の各液晶素子をダイナミックドラ
イブする回路である。スイッチインタフェース５７は、
本体３に設けられた各スイッチ２１ないし２８のオン・
オフを読み込む回路である。また、入出力インタフェー
ス５８は、位置検出装置７との間でデータのやり取りを
行なうインタフェースである。本体３内には、これらの
外、電源スイッチ３２の入り切りにより、回路全体に安
定化された電圧を供給する電源回路６０や、電源回路６
０から電源の供給を受け、周囲の明るさに応じた光量で
照明ボート５を駆動・発光させる照明ボード駆動回路６
２なども組み込まれている。

【００１６】次に、本体３に組み込まれたこの電子制御
回路４０が実行する制御ルーチンを中心に、本実施例の
走行情報表示装置の機能について説明する。図３に示す
ように、電子制御回路４０は、現在地設定スイッチ２
６，目的地設定スイッチ２７の状態をチェックし（ステ
ップ１００，１１０）、各スイッチ２６，２７が押され
たとき、現在地設定ルーチン（ステップ１２０），もし
くは、目的地設定ルーチン（ステップ１３０）を、一方
どのスイッチも操作されていないときにはナビゲーショ
ンルーチン（ステップ１４０）を実行する。各ルーチン
について順に説明する。

【００１７】現在地設定ルーチンは、車両が現在存在す
る現在地（通常，走行開始位置）を設定するルーチンで
ある。走行情報表示装置を使用する際、使用者は、現在
自分の車両が存在する地域の地図ＭＰ（本実施例では、
東日本、中部地方等に分冊されている）の現在位置の記
載されているページを開き、本体３を、その液晶表示パ
ネル１の枠ＦＲが、地図ＭＰに記載された各エリアの枠
ＦＶ，ＦＨに合うように載置する。

【００１８】現在地設定ルーチンでは、図４に示すよう
に、本体３上の各スイッチ２１，２２，２３，２５，２
８の状態を判別して（ステップ１２１）、地域選択スイ
ッチ２１で地域番号Ｄ１を選択する処理（ステップ１２
３）、ページ選択スイッチ２２でページ番号Ｐ１を選択
する処理（ステップ１２４）、エリア選択スイッチ２３
でページ内のエリア番号Ｅ１を選択する処理（ステップ
１２５）、地図ＭＰ１上の該当エリアにおかれた透明液
晶パネル１を見ながらカーソルスイッチ２５により現在
地を移動する処理（ステップ１２６）、方位設定スイッ
チ２８を操作して車両方位を設定する処理（ステップ１
２７）を、セットスイッチ３０が操作されるまで（ステ
ップ１２８）繰り返し、セットスイッチ３０が操作され
ると、設定された地域番号Ｄ１，ページ番号Ｐ１，エリ
ア番号Ｅ１，現在地，方位のデータを位置検出装置７に
送信する処理（ステップ１２９）を行なうものである。

【００１９】地域選択スイッチ２１で地域番号Ｄ１を選
択する処理（ステップ１２３）は、地域選択スイッチ２
１の設定を読み込んで、ＲＡＭ５３の所定の領域に格納
する処理である。使用者は、現在車両が存在する地域の
番号Ｄ１、即ち分冊された地図のどれを使用しているか
を、このスイッチ２１を用いて設定する。つまり、表示
部２１ａの表示を見ながら、表示された番号が地図ＭＰ
の表紙等に付された地域番号に一致するまで、地域番号
選択スイッチ２１を操作するのである。

【００２０】ページ選択スイッチ２２でページ番号Ｐ１
を選択する処理（ステップ１２４）は、ページ選択スイ
ッチ２２の設定を読み込んで、ＲＡＭ５３の所定の領域
に格納する処理である。使用者は、現在車両が存在する
地区のページの番号Ｐ１を選択する。つまり、地域の選
択ステップ（１２３）と同様に、表示部２２ａの表示を
みながら地図ＭＰの各ページの上部端に記載されたペー
ジ番号に一致するまで、ページ番号選択スイッチ２２を
操作するのである。

【００２１】エリア選択スイッチ２３でページ内のエリ
ア番号Ｅ１を選択する処理（ステップ１２５）は、エリ
ア選択スイッチ２３の設定を読み込んで、ＲＡＭ５３の
所定の領域に格納する処理である。使用者は、現在車両
が存在するエリア、即ち実施例では縦６列（Ａないし
Ｆ）横５行（１ないし５）の内の位置のエリアの番号
を、このスイッチ２３により選択する。つまり、表示部
２３ａの表示をみながらエリア番号に一致するまで、エ
リア番号選択スイッチ２３を操作するのである。尚、こ
のエリア番号選択スイッチ２３は、他のスイッチ２１，
２２等が単純なモメンタリスイッチであるのに対して、
左右に接点を有する双方向モメンタリスイッチであり、
スイッチの左側を押せば縦の番号（ＡないしＦ）が、ス
イッチの右側を押せば横の番号（１ないし５）がそれぞ
れサイクリックにインクリメントする構成となってい
る。

【００２２】以上の処理により、本体３の液晶パネル１
がセットされた位置の地図ＭＰにおける地域、ページ、
エリアの各番号Ｄ１，Ｐ１，Ｅ１の設定がなされる。カ
ーソルスイッチ２５により現在地を移動する処理（ステ
ップ１２６）は、カーソルスイッチ２５の操作の有無を
読み込んで、カーソル（図１に示す「▲」印の現在値マ
ークＧ）の座標を更新すると共に、更新後の座標に基づ
いて現在地マークＧの表示を移動する処理である。使用
者は、地図ＭＰ上の該当エリアにおかれた透明な液晶パ
ネル１を見ながら、十字形のカーソルスイッチ２５を操
作して、現在地マークＧを上下左右に移動し、車両が存
在する場所に現在地マークＧ（カーソル）を設定する。
このカーソルスイッチ２５は、縦横各々について双方向
のモメンタリスイッチであり、上下左右の端部を操作す
ると、現在地マークＧは、液晶パネル１上を操作方向に
１ドット単位で移動する。

【００２３】方位設定スイッチ２８を操作して車両方位
を設定する処理（ステップ１２７）は、このスイッチ２
８の操作を読み込んで、現在地マークＧの方向を更新す
ると共に、更新後の方向に合わせて現在地マークＧを表
示する処理である。方位設定スイッチ２８を一度押す度
に、現在地マークＧはその場所で１．４度ずつ回転して
表示される。従って、使用者は、液晶パネル１上の現在
地マークＧを見ながら、現在の車両の進行方向に一致す
るまで、方位設定スイッチ２８を操作する。

【００２４】こうして液晶パネル１上で現在地マークＧ
を自分の車両が存在する位置と現在の方位とに合わせる
処理を、セットスイッチ３０が押されるまで続け（ステ
ップ１２８）、セットスイッチ３０がオンに操作された
とき、現在位置の設定は完了したとして、各処理（ステ
ップ１２３ないし１２７）により設定・更新したデー
タ、即ち地域番号Ｄ１，ページ番号Ｐ１，エリア番号Ｅ
１，現在位置，方位のデータを、入出力インタフェース
５８を介して位置検出装置７に送信する（ステップ１２
９）。位置検出装置７は、受信したデータをその後の車
両の位置の演算に用いる。

【００２５】次に、目的地設定ルーチンについて説明す
る。目的地設定ルーチンは、図５に示すように、現在地
設定ルーチンと同様，本体３上の各スイッチ２１ないし
２５の状態を判別して（ステップ１３１）、地域番号ス
イッチ２１の操作により目的地の存在する地域番号（地
図帳の分冊番号）Ｄ２を選択する処理（ステップ１３
３），ページ選択スイッチ２２の操作により目的地の存
在するページの番号Ｐ２を選択する処理（ステップ１３
４）と、エリア選択スイッチ２３によりページ内おいて
目的地の存在するエリアの番号Ｅ２を選択する処理（ス
テップ１３５）、地図ＭＰ上の該当エリアにおかれた透
明の液晶パネル１を見ながらカーソルスイッチ２５によ
り目的地を移動する処理（ステップ１３６）を、セット
スイッチ３０が操作されるまで（ステップ１３８）繰り
返し、セットスイッチ３０が操作されると、設定された
地域番号Ｄ２，ページ番号Ｐ２，エリア番号Ｅ２，目的
地の座標の各データを位置検出装置７に送信す処理（ス
テップ１３９）を行うものである。各処理の内容は、現
在地設定ルーチンの各処理（ステップ１２３ないし１２
６）と変わるところがないので、詳細な説明は省略す
る。これらの処理により、図１に示すように、目的地が
「●」印の目的地マークＪとして設定される。尚、図１
では、現在地マークＧと目的地マークＪとは同じエリア
内に表示されているが、多くの場合、異なる地域、異な
るページ、異なるエリアにおいてそれぞれ設定される。

【００２６】次に、ナビゲーションルーチン（ステップ
１４０）の詳細について説明する。ナビゲーションルー
チンでは、図６に示すよう、位置検出装置７から現在位
置、方位データを受信し（ステップ２００）、以下この
データに基づいて、メッセージの表示や現在地マーク
Ｇ，目的マークＪ等の表示を行なう。位置検出装置７に
は、図４のステップ１２９および図５のステップ１３９
で示したように、本体３から走行開始地点での車両の位
置、目的地の位置や方位を入力しており、その後の車両
の走行方向や走行距離を方位センサ１０，距離センサ１
２から受け取り、現在の走行位置を常時演算し、これを
本体３の電子制御回路４０に送信している。従って、電
子制御回路４０は、このデータとそれまでの車両の位置
とから、現在の車両の存在位置が、本体３が置かれたエ
リア外となっているか否か（ステップ２１０）、ページ
外となっているか否か（ステップ２３０）、地域外とな
っているか否か（ステップ２６０）の判断を行うことは
容易である。

【００２７】現在のエリア内であると判断された場合に
は（ステップ２１０）、図１に示すように、新たな現在
地マークＧ、エリア内に目的地が存在すれば目的地マー
クＪ、現在地マークＧの方位、それまでの軌跡などの表
示を行なって本ルーチンを一旦終了する（ステップ２２
０）。一方、現在地が現在のエリアの外ではあるがペー
ジ内であると判断された場合には（ステップ２１０、２
３０）、図７（Ａ）に示すように、液晶表示パネル１に
次のエリアの番号Ｅ（この例では「Ｄ３」）を数秒間表
示し（ステップ２４０）、その後、図７（Ｂ）に示すよ
うに、それまでのエリアＰと現在のエリアＮとを交互に
点滅させるグリッド表示を５秒間行う（ステップ２５
０）。表示後、既述した現在地、目的地等の表示に戻し
（ステップ２２０）、「ＮＥＸＴ」に抜けて本ルーチン
を一旦終了する。この様に、グリッド表示を行うこと
で、走行情報表示装置を次に地図上のどの位置に置いた
らよいかを容易に知ることができる。

【００２８】車両の存在する位置が現在の地図のページ
外であれば（ステップ２３０）、更に現在使用中の地図
ＭＰの地域外であるか否かの判断を行なう（ステップ２
６０）。ページ外ではあっても地域外でなければ（ステ
ップ２３０，２６０）、図７（Ａ）と同様な形式で、使
用中の地図ＭＰの新たなページおよびエリア番号の表示
を数秒間行なう（ステップ２７０）。次に、図７（Ｃ）
に示すように、５秒間グリッド表示を行なう（ステップ
２８０）。表示終了後、現在地，目的地等の通常の表示
に戻し（ステップ２２０）、「ＮＥＸＴ」に抜けて本ル
ーチンを一旦終了する。ページが新しくなった場合で
も、グリッド表示を行なうから、走行情報表示装置の置
き直しは容易である。

【００２９】車両が走行して現在使用中の地図ＭＰのエ
リア、ページはおろか、地図ＭＰに収録された地域をも
逸脱した場合には、ステップ２１０，２３０，２６０の
いずれの判断も「ＹＥＳ」となる。この場合、液晶パネ
ル１に「〜地域地図にかえて下さい」というメッセージ
の表示を行ない（ステップ２９０）、その後、新地域、
ページ、エリア番号の表示を行ない（ステップ３０
０）、更に図７（Ｃ）に示すように、新しいエリアを５
秒間だけグリッド表示する処理を行なう（ステップ３１
０）。尚、新地域の番号は、地図ＭＢの分冊番号として
表示する。グリッド表示の終了後、現在地，目的地等の
通常の表示に戻し（ステップ２２０）「ＮＥＸＴ」に抜
けて本ルーチンを一旦終了する。

【００３０】以上説明した本実施例の車両用走行情報表
示装置によれば、本体３に透過型の液晶パネル１をはめ
込んだ小型の装置と紙製の地図を用いるだけで、車両走
行開始位置、現在位置Ｇ、目的地Ｊ等、高度な走行情報
を明確に表示することができる。この結果、車両が走行
する地域の地図データを記憶するＣＤ−ＲＯＭ等の特殊
な記憶媒体や地図を表示する高解像度の表示装置を必要
とせず、部品点数の低減、信頼性の向上、コスト圧縮を
図ることができる。しかも、透過型の液晶パネル１を小
型のもので済ませることができる。

【００３１】また、本実施例した本実施の車両媒体に印
刷されたものであるから、保管が容易であり、使用によ
って汚損したりしても、容易に修繕・取り替えがきくと
いう利点がある。これに対し、磁気媒体などは高温に弱
く、夏期車内の温度上昇は悪影響が懸念され、一旦損傷
を受けると回復は困難である。更に、単独の地図として
利用することができ、地図構成上のデータ（何ページが
どのページにつながるなど）を作成すれば、従来から存
在する通常の道路地図を利用することさえ可能である。
装置の小型化と紙製の地図の採用より、装置・地図の供
給も容易となる。

【００３２】本実施例では、照明ボード５により液晶パ
ネル１を照光するから、夜間の車内など、周りが位状況
でも、走行情報を視認することができる。また、走行情
報表示装置は全体が極めて小型化されるので、車内でも
場所を取らず、使用しない時には、ダッシュボード内な
どに容易に収納することができる。尚、本実施例では、
地図ＭＰはいくつかに分冊され各地図ＭＰは複数のペー
ジ・エリアに亘るものとして説明したが、全国を単一の
地図により提供しても良い。また、本実施例では、走行
開始位置が１箇所として説明したが、走行開始位置と目
的地とが大きく隔たっている場合には、走行経路の途中
にいくつかの経過地点を設定し、これを入力可能として
もよい。この場合には、車両が経過地点を通るか否かを
チェックし、大きく逸脱する場合には、警告を表示する
ことも好適である。

【００３３】次に、本発明の他の実施例について簡単に
説明する。本発明の第２実施例としての走行情報表示装
置は、第１実施例の構成に加えて、図８（Ａ）に示すよ
うに，本体３に「前画面」と言うスイッチＰＲＶを設け
たものである。このスイッチＰＲＶを押すと、図８
（Ｂ）に示すように、ナビゲーションルーチン（図６）
のステップ２２０における現在地、目的地、方位、軌跡
の表示の後、前画面スイッチＰＲＶが「ＯＮ」か否かの
判断を行ない（ステップ４００）、「ＯＮ」であれば、
前回エリアの軌跡を表示する処理を行なう（ステップ４
１０）。この結果、使用者は、現在のエリアに至るまで
の車両の走行軌跡を認識することができる。現実の車両
の運転において、道に迷ったときなど、それまでの走行
の様子を改めて知りたいという要請が存在する。この実
施例は、こうした要請に応えるものであり、走行情報表
示装置が小型で、容易に移動可能であることも相俟っ
て、それまでの走行の軌跡を容易に認識することができ
るという利点がある。

【００３４】次に本発明の第３実施例について説明す
る。第３実施例の走行情報表示装置は、図９（Ａ）、
（Ｂ）に示すように、第１実施例の構成に加えて、本体
３の下部端部にバーコード読み取り部５００を備える。
このバーコード読み取り部５００は、ＣＣＤ５１０を備
えたもので、図９（Ｃ）に示すように、地図ＭＰの端部
に印刷されたバーコードによりページ番号、エリア番号
等の数値を読み取る外、地図ＭＰ余白に印刷されたバー
コードＷＨにより、走行開始位置、目的地あるいは経由
地として、著名な交差点や建物（区役所、警察等）をカ
ーソルスイッチ２５を用いることなく、直接入力する。
従って、エリア番号等の入力の誤りをなくし、エリア番
号等の入力と目的地等の入力の手間を大幅に軽減するこ
とができる。

【００３５】以上本発明のいくつかの実施例について説
明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるも
のではなく、例えば図１０に示すように、着脱自在なＲ
ＡＭカード６００を備え、走行軌跡やその他の走行情報
（燃費，走行速度等）を記録するディジタルタコグラフ
としても用いた構成や、図１１に示す様に、短縮自在な
取り付けフック７００，７１０を備え，地図ＭＰの上端
に引っかけて所望の位置に固定可能とした構成など、発
明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実
施し得ることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例としての車両走行情報表示装
置の外観を示す構成図である。

【図２】（Ａ）、（Ｂ）は同じくそのシステム構成図で
ある。

【図３】電子制御回路４０において実施される走行情報
表示制御ルーチンを示すフローチャートである。

【図４】同じく現在地設定ルーチンを示すフローチャー
トである。

【図５】同じく目的地設定ルーチンを示すフローチャー
トである。

【図６】ナビゲーションルーチンを示すフローチャート
である。

【図７】（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）は各々液晶パネル１上
の表示の様子を示す説明図である。

【図８】（Ａ）、（Ｂ）は各々第２実施例の要部を示す
外観図とフローチャートである。

【図９】（Ａ）、（Ｂ）は各々第３実施例の要部を示す
外観図である。（Ｃ）は第３実施例における地図の要部
を示す説明図である。

【図１０】走行情報表示装置の他の構成例を示す外観図
である。

【図１１】走行情報表示装置の他の構成例を示す外観図
である。

【符号の説明】

１ 液晶パネル ３ 本体 ５ 照明ボード ７ 位置検出装置 ２１ 地域番号選択スイッチ ２２ ページ番号選択スイッチ ２３ エリア選択スイッチ ２５ カーソルスイッチ ２６ 現在地設定スイッチ ２７ 目的地設定スイッチ ２８ 方位設定スイッチ ３０ セットスイッチ ４０ 電子制御回路 ５１ ＣＰＵ ＭＰ 地図

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平１−195317（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−151416（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−129688（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−63584（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−110190（ＪＰ，Ａ) 特公 平１−48964（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G01C 21/00 - 21/24

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のエリアに区分された地図がページ
   毎に記載された地図帳と、 前記地図帳の所定のエリア に設置される透過型表示手段
   と、位置 の設定を開始するための設定開始手段と、 この設定開始手段による開始を受け、前記透過型表示手
   段を通して得られる前記地図帳に記載の所定情報に基づ
   き地図上における位置を特定する位置特定手段と、 現在位置を特定する現在位置特定手段と、 前記位置特定手段によって特定された位置の前記現在位
   置特定手段によって特定された現在位置に対する位置関
   係を表示する手段とを有することを特徴とする位置情報
   表示装置。