JP3018605U - ガラス面貼着フィルム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】日除けや装飾のために窓ガラス等に貼着するよ
うなガラス面貼着フィルムにおいて、耐久性を向上し、
取扱いを容易にすること。 【構成】透明の基礎フィルム２の上面に、光を透過する
透光部３と光を透過しない不透光部４とを組み合わせて
装飾模様を描設形成し、上記不透光部４を下側から反射
相６と着色層７とで構成し、基礎フィルム２の上面側
に、上記不透光部４を保護し、当該ガラス面貼着フィル
ム２に腰を与える被覆フィルム５を重合したガラス面貼
着フィルム１。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、例えば日除けや装飾のために窓ガラス等に貼着するような、薄い シート状のガラス面貼着フィルムに関する。

【０００２】

【従来の技術】

上述のようなものとしては、例えば特開昭６４−７５２３２号公報に開示され ている「透視性を有するデザインパネル」というものがある。このデザインパネ ルは、樹脂フィルムやガラス等の基材の上面に金属蒸着層を形成し、この上に、 着色デザイン層を形成した後、エッチング処理して着色デザイン層の下側だけに 金属蒸着層を残したものである。これによって上側から見た時には所定の表示の なされたデザインパネルとなり、下側から見た時には反射パネルとなるわけであ る。

【０００３】 しかし、このデザインパネルでは、金属蒸着層と着色デザイン層の重なった凸 部とそうでない凹部とで、上面が凸凹になっているので、汚れが付きやすく、ま た接触等により各層が容易に剥離してしまうという問題点があった。このため、 汚れやすいにもかかわらず充分な手入れが行なえず、耐久性は悪かった。

【０００４】 さらに上述のデザインパネルは、一枚の基材の上面に上述の各層を形成した構 成であるので、基材の性状にもよるが、基材を極薄い樹脂フィルムとした場合に は、とても柔らかい。このため、容易に皺になり、ガラス面への貼着は大変むつ かしく熟練性が必要で、素人では施工ができなかった。また収納や持ち運び時に おいても、皺になりやすいため充分な注意が必要で、取扱いが面倒であった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

そこでこの考案は、フィルムを重合する構成を採用することで、汚れの防止や 各層の保護を図ることができるとともに、取扱いが容易であるようなガラス面貼 着フィルムの提供を課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述の課題を解決するための手段を実施例の図１を用いて説明すると、その構 成は、透光性を有する基礎フィルム２の上面に、光を透過する透光部３と光を透 過しない不透光部４とを組み合わせて、装飾模様を描設形成し、上記不透光部４ を、下側から順に反射層６と着色層７とで構成し、上記基礎フィルム２の上面側 全面に、上記透光部３および不透光部４を挟んで、透光性を有する被覆フィルム ５を重合したガラス面貼着フィルム１であることを特徴とする。 なお、前記反射層と着色層との重なりを良好にして綺麗な装飾模様を得るべく 、前記反射層をアルミニウムで、着色層を耐アルカリインクで形成するとよい。

【０００７】 また、反射層は、クロムやニッケル、ステンレス等で形成するもよい。 またの構成は、透光性を有し厚み約１０〜１００ミクロンのポリエステルから なる基礎フィルムの上面に、光を透過する透光部と光を透過しない不透光部とを 組み合わせて、装飾模様を描設形成し、上記不透光部を、下側から順にアルミニ ウムからなる反射層と耐アルカリインクからなる着色層とで構成し、上記基礎フ ィルムの上面側全面に、透光性を有し厚み約１０〜１００ミクロンのポリプロピ レンからなる被覆フィルムを、上記透光部および不透光部を挟んで重合したガラ ス面貼着フィルムであることを特徴とする。

【０００８】 また、ガラス面への取付けが簡便に行なえるようにすべく、前記基礎フィルム の下面、または被覆フィルムの上面に、透明両面テープを貼着するもよい。

【０００９】

【作用】

すなわち、請求項１の構成によると、透光性を有する基礎フィルムの上面に、 適宜の装飾模様を描いて配設した透光部は光を透過し、不透光部は光を遮る。そ して、不透光部において、基礎フィルム側からの光は反射層で反射され、被覆フ ィルム側からの光は、着色層の色を反射する。また被覆フィルムは、透光部と不 透光部を保護するとともに、ガラス面貼着フィルムに腰を与える。

【００１０】 請求項２の構成によると、基礎フィルムの上面全面にアルミニウムを真空蒸着 した後、耐アルカリインクで適宜の装飾模様を得るべく印刷を行ない、その後ア ルカリ性の溶液でエッチング処理すればよく、反射層と着色層とが綺麗に重合す る。

【００１１】 請求項３の構成によると、反射層の形成は、例えばフィルム状にしたクロムや ニッケル、ステンレスを基礎フィルムの上面全面に貼着した後エッチング処理す ればよく、反射層はそれぞれ独特の光沢を放つ。

【００１２】 請求項４の構成によると、透光性を有する所定厚の基礎フィルムの上面に、適 宜の装飾模様を描いて配設した透光部は光を透過し、不透光部は光を遮る。そし て、不透光部において、基礎フィルム側からの光は反射層で反射され、所定厚の 被覆フィルム側からの光は、着色層の色を反射する。また被覆フィルムは、透光 部と不透光部を保護するとともに、ガラス面貼着フィルムに腰を与える。さらに 、基礎フィルムと被覆フィルムは、それぞれ約１０〜１００ミクロンの暑さに設 定しているので、１０ミクロンより薄く形成した場合のように加工過程で皺が発 生するようなことはなく、また１００ミクロンより厚く形成した場合のようにガ ラス面貼着フィルムが堅くなり過ぎて巻き取ることができないということはない 。

【００１３】 請求項５の構成によると、ガラス面への取付け時には、粘着材を塗布する作業 は不要で、基礎フィルムの下面、または被覆フィルムの上面に貼着した透明両面 テープを用いればよい。

【００１４】

【考案の効果】

上述の結果、請求項１のガラス面貼着フィルムによれば、透光部と不透光部を 形成しているので、遮光効果を有するとともに、基礎フィルム側からの光は反射 層で反射されるため、日除けは確実である。また、被覆フィルム側からの光は、 着色層の色を反射するので、装飾模様を所望の色で現出させて、装飾を行なうこ とができる。

【００１５】 さらに、透光部と不透光部は被覆フィルムで保護されるので、従来の凹凸を有 するフィルムと異なり汚れの付着を阻止でき、被覆フィルムに付着した汚れは容 易に落とすことが可能であって、綺麗な状態を維持することができ、耐久性を増 すことができる。さらにまた、被覆フィルムはガラス面貼着フィルムに腰を与え る作用もするので、本願考案のように基材が極薄い基礎フィルムである場合でも 、ガラス面への貼着時や収納時などの取扱いが良好となる。

【００１６】 請求項２のガラス面貼着フィルムによれば、反射層と着色層とが綺麗に重合し た不透光部を、簡単な作業で得ることができる。また、反射層と着色層とが綺麗 に重合しているため、装飾効果は絶大である。

【００１７】 請求項３のガラス面貼着フィルムによれば、それぞれ独特の光沢を有する反射 層を形成でき、外部に向けての新しい装飾効果も有する。また、請求項２の場合 のようにエッチング処理することにより、反射層と着色層とを綺麗に重合させる ことができ、所望の装飾効果を達成できる。

【００１８】 請求項４のガラス面貼着フィルムによれば、請求項１の効果と請求項２の効果 を合せ持つほか、基礎フィルムと被覆フィルムの厚みを一定範囲内に設定してい るので、加工過程で皺ができたりして不良品となるようなことはなく、所望通り の製品を得ることができる。また、堅くなり過ぎて巻き取ることもできない、と いうようなことはなく、収納や持ち運びは便利に行なえる。しかもこの時、ガラ ス面貼着フィルムは皺になりにくいので、従来のような充分すぎる注意は必要で なく、取扱いは容易である。

【００１９】 請求項５のガラス面貼着フィルムによれば、取付けに必要な透明両面テープを 有しているので、剥離紙を剥がした後、上述した腰のある効果を生かしてガラス 面へ貼着すれば、素人でも皺を作らず簡単に行なえる。

【００２０】

【実施例】

この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。 図１はガラス面貼着フィルム１の構造を説明する分解斜視図であり、この図に 示すようにガラス面貼着フィルム１は、基礎フィルム２の上面に透光部３と不透 光部４を形成し、この上から被覆フィルム５を重合して、図２に断面図で示すよ うに構成している。

【００２１】 基礎フィルム２と被覆フィルム５は、透光性を有するよう透明の合成樹脂から なる。 具体的には、基礎フィルム２は厚さ２５ミクロンのポリエステルフィルム、被 覆フィルム５は厚さ４０ミクロンのポリプロピレンフィルムである。材質を指定 したのは、基礎フィルム２には、寸法安定性、耐薬品性、透明性等が、被覆フィ ルム５には透明性、耐候性、剛性等が必要であるからである。また、厚みを限定 したのは、各フィルム２，５の厚みが、１０ミクロンより薄くなると製造に必要 な加工過程で皺等が発生しやすく生産効率が悪いからで、１００ミクロンより厚 くなると、ガラス面貼着フィルム１自体を巻き取ることができなくなって、保管 や持ち運びにきわめて不都合であるからである。

【００２２】 上述の透光部３は空間であり、不透光部４は下側から反射層６と着色層７とを 重ねたものである。そしてこれら透光部３と不透光部４の形成に際しては、それ ぞれ所定の割合ずつ適宜の装飾模様を描くように行なう。この描設は、使用目的 に応じて行なうが、例えば図１に示したような装飾模様を描くように行なえば、 １：１の割合となる。すなわちこの場合、熱光線の反射率は５０％となり、透視 率は５０％となる。

【００２３】 透光部３と不透光部４とを形成するには、次のように行なうとよい。まず図３ に示しすように基礎フィルム２の上面にアルミニウムａを所定厚、例えば約６ミ クロン、真空蒸着し、この上から、描設する装飾模様に耐アルカリインクｂで印 刷する（図４参照）。耐アルカリインクｂ厚は例えば約６ミクロン。そして水酸 化ナトリウム溶液などに浸漬して耐アルカリインクｂのない部分のアルミニウム ａをエッチング除去する（図５参照）。

【００２４】 なお、反射層６をクロムやニッケル、ステンレス等で形成する場合には、フィ ルム状にしたクロム等を基礎フィルム２上に貼着した後、上述の如く、不要部分 のクロム等をエッチング除去すればよい。 前述の被覆フィルム５の重合は、透明な接着剤を用いて貼着して行なう。

【００２５】 このように構成したガラス面貼着フィルム１は、例えば窓ガラス８に貼着する 場合、基礎フィルム２が室外側に、被覆フィルム５が室内側になるように行なう （図６参照）。貼着は窓ガラス５の室内側でも室外側でもよい。また貼着に際し ては、透明な粘着剤を塗布して行なう他、透明両面テープ９を介して行なうと、 ガラス面貼着フィルム１の作用が喪失されないのでよい。さらに、透明両面テー プ９による貼着は、全面であるも周縁部のみであるもよい。

【００２６】 なお、この貼着作業が簡便に行なえるようにすべく、基礎フィルム２の下面、 あるいは被覆フィルム５の上面の周縁部や全面などに、透明両面テープ９をあら かじめ貼着しておくもよい。

【００２７】 窓ガラス８に貼着すると、ガラス面貼着フィルム１の透光部３は光を透過し、 不透光部４は光を遮る。そして不透光部４において、室外側からの熱光線は反射 層６で反射され、室内側には所定率の光のみを透過させる。また室内側では、所 定の装飾模様に応じた装飾が行なわれる。この結果、所定の遮光率による日除け 効果が得られるとともに、所定の透視率も得られ、室内側の装飾もできる。

【００２８】 また不透光部４は被覆フィルム５で保護されるので、汚れの付着を阻止でき、 被覆フィルム５に付着した汚れは容易に落とすことができ、耐久性が良好である 。さらに、被覆フィルム５はガラス面貼着フィルム１に腰を与える作用もするの で、皺になりにくくガラス面への貼着は素人でも容易に行なえる。また、皺にな りにくいので、収納や持ち運びなどの取扱いも容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】ガラス面貼着フィルムの分解斜視図。

【図２】ガラス面貼着フィルムの断面図。

【図３】製造工程の一段階を示す断面図。

【図４】製造工程の一段階を示す断面図。

【図５】製造工程の一段階を示す断面図。

【図６】使用状態の断面図。

【符号の説明】

１…ガラス面貼着フィルム ２…基礎フィルム ３…透光部 ４…不透光部 ５…被覆フィルム ６…反射層 ７…着色層 ８…窓ガラス ９…透明両面テープ ａ…アルミニウム ｂ…耐アルカリインク

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透光性を有する基礎フィルムの上面に、光
   を透過する透光部と光を透過しない不透光部とを組み合
   わせて、装飾模様を描設形成し、上記不透光部を、下側
   から順に反射層と着色層とで構成し、上記基礎フィルム
   の上面側全面に、上記透光部および不透光部を挟んで、
   透光性を有する被覆フィルムを重合したガラス面貼着フ
   ィルム。
2. 【請求項２】前記反射層をアルミニウムで、着色層を耐
   アルカリインクで形成した請求項１記載のガラス面貼着
   フィルム。
3. 【請求項３】前記反射層をクロム、ニッケルまたはステ
   ンレスで形成した請求項１記載のガラス面貼着フィル
   ム。
4. 【請求項４】透光性を有し厚み約１０〜１００ミクロン
   のポリエステルからなる基礎フィルムの上面に、光を透
   過する透光部と光を透過しない不透光部とを組み合わせ
   て、装飾模様を描設形成し、上記不透光部を、下側から
   順にアルミニウムからなる反射層と耐アルカリインクか
   らなる着色層とで構成し、上記基礎フィルムの上面側全
   面に、透光性を有し厚み約１０〜１００ミクロンのポリ
   プロピレンからなる被覆フィルムを、上記透光部および
   不透光部を挟んで重合したガラス面貼着フィルム。
5. 【請求項５】前記基礎フィルムの下面、または被覆フィ
   ルムの上面に、透明両面テープを貼着した請求項１から
   請求項４のうちのいずれか一項に記載のガラス面貼着フ
   ィルム。