JP3018568U

JP3018568U - レンジフード・換気扇用エアフィルタ

Info

Publication number: JP3018568U
Application number: JP1995004849U
Authority: JP
Inventors: 上英明村
Original assignee: Sigma Inc
Current assignee: Sigma Inc
Priority date: 1995-05-23
Filing date: 1995-05-23
Publication date: 1995-11-21
Anticipated expiration: 2001-05-23

Abstract

(57)【要約】【目的】簡単に水洗いができて、油煙の捕集効率もよ
い再生型のレンジフード・換気扇用エアフィルタを提供
することを目的としている。【構成】レンジフード（２）又は換気扇の空気吸込口
（３）に着脱自在に取り付けられる金属フレーム（４）
に、二枚の金属製保護ネット（6A，6B）が張り付けら
れ、これら保護ネット（6A，6B）間に、所定間隔で刻み
を入れた金属フィルムを引っ張り拡げて網状にした複数
枚のバッフルエレメント（7・・・）を積層して成るフィル
タ濾材（８）が挟装されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、キッチンで料理するときに生ずる煙や気化した油，臭いなどを吸い込んで室外に排出するレンジフードや換気扇の空気吸込口に設けられるフィルタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、レンジフードはコンロの真上に設置され、の空気吸込口に連通するダクト内に配設された排気ファンにより、空気吸込口から吸い込んだ空気を外壁に開口された排気口から室外に排出するようにしている。この場合において、気化した油がそのままダクト内に入ると、ダクトの内壁に付着して発火の原因となったり、ファンに付着してその回転が低下したり、さらには、外壁に開口された排気口から滴下して外壁や排気口が汚れて、外観が著しく損なわれるため、レンジフートの空気吸込口には必ずフィルタを設けて、気化した油を捕集するようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

そして、このフィルタには、使い捨て型と、汚れても洗浄して再使用できる再生型とがあり、使い捨て型は不経済であるばかりでなく、濾材が熱に弱い合成樹脂繊維で作られた不織布フィルタであるため、調理中に炎が立ち昇るおそれのあるコンロの真上に空気吸込口を開口したレンジフードに用いると、着火燃焼して破損したり、火災を生ずる危険がある。

【０００４】また、不織布はもともと圧力損失が大きく、しかも、油分を漉し取ることにより気液分離させるものであるから油分が付着するとすぐに目詰まりを起こしてさらに圧力損失が大きくなるので、排気効率が低下するという問題があった。

【０００５】一方、再生型としては、水洗いや拭き掃除が簡単で火災の危険もないパンチングメタルのフィルタが知られている。これは、金属板に多数の通気孔を設けた構成となっており、空気をその平板部分に一度衝突させてから通気孔に逃がすときに空気中に含まれる油煙を捕集しようとするものであるが、圧力損失を低くするために通気孔が比較的大きく穿設され、その穿設ピッチも比較的大きいため、吸い込まれていく空気の流線が滑らかな曲線を描き、したがって、油煙の捕集効率が不織布のフィルタに比して劣るという問題があった。そこで本考案は、簡単に水洗いができて、油煙の捕集効率もよい再生型のレンジフード・換気扇用エアフィルタを提供することを技術的課題としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この課題を解決するために、本願第一の考案は、レンジフード又は換気扇の空気吸込口に着脱自在に取り付けられる金属フレームに、二枚の金属製保護ネットが張り付けられ、これら保護ネット間に、所定間隔で刻みを入れた金属フィルムを引っ張り拡げて網状にした複数枚のバッフルエレメントを積層して成るフィルタ濾材が挟装されていることを特徴とする。

【０００７】また、本願第二の考案は、レンジフード又は換気扇の空気吸込口より大きく形成された二枚の金属製保護ネット間に、金属箔の表面に熱可塑性樹脂フィルムを積層したラミネートフィルムに所定間隔で刻みを入れ引っ張り拡げて網状にした複数枚のバッフルエレメントを積層して成るフィルタ濾材が挟装されると共に、前記熱可塑性樹脂フィルムが溶融されて各バッフルエレメント及び保護ネットが一体的に熱融着されたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】

本願第一の考案によれば、エアフィルタを通過する空気は、表側の保護ネット，フィルタ濾材及び裏側の保護ネットに順次衝突して流れる。フィルタ濾材は、所定間隔で刻みを入れた金属フィルムを引っ張り拡げて網状にした複数枚のバッフルエレメントを積層して形成されているので、開口比率を大きくすることができ圧力損失は極めて小さく押さえられる。

【０００９】また、空気は網状に錯綜している各バッフルエレメントに衝突して流れの方向が複雑に変化し、空気中に含まれる油分は空気より比重が大きいので、そのままバッフルエレメントに向かって直進し、バッフルエレメントに付着されて確実に気液分離される。なお、表裏の保護ネットも、フィルタ濾材の各バッフルエレメントと同様に網状に形成されているためバッフル効果を有し、油煙の捕集に寄与している。

【００１０】さらに、油煙が付着したエアフィルタをブラシ等でこすって洗浄しても、フィルタ濾材の両面が保護ネットで覆われているので、各バッフルエレメントがブラシで引っ張られてもせいぜい保護ネットの一目分移動するだけで、ちぎれたり変形するおそれがない。

【００１１】また、本願第二の考案によれば、フィルタ濾材のバッフルエレメントを形成する金属箔に熱可塑性樹脂フィルムがラミネートされており、この熱可塑性樹脂フィルムが溶融されて各バッフルエレメント及び保護ネットが一体的に熱融着されているので、フィルタ濾材を任意の大きさに切断して使用することができ、この場合であっても、各バッフルエレメントがバラバラになることがない。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて具体的に説明する。図１は本考案に係るレンジフード・換気扇用エアフィルタを示す断面図、図２はその斜視図、図３はフィルタ濾材の分解斜視図、図４はエアフィルタの空気の流れを示す概念図である。

【００１３】図中１は、レンジフード２の空気吸込口３に装着されるレンジフード用エアフィルタであって、空気吸込口３の上下に形成されたフィルタ取付溝４ａ，４ｂに着脱自在に取り付けられる金属フレーム５に、二枚の金属製保護ネット６Ａ，６Ｂが張り付けられ、これら保護ネット６Ａ，６Ｂ間に、所定間隔で刻みを入れたアルミ箔（金属フィルム）を引っ張り拡げて網状にした複数枚のバッフルエレメント７，７・・を積層して成るフィルタ濾材８が挟装されている。

【００１４】保護ネット６Ａ，６Ｂは、所定間隔で刻みを入れたアルミ薄板（金属薄板）を引っ張り拡げて網状にしたエキスパンドメタルで形成されており、網を構成する個々の繊維状体９の断面形状は図３に示すように角柱に近い立体となるので、その周囲を空気は滑らかに流れ、フィルタ濾材８に比して油煙の捕集効率が低い反面、機械的強度が高く、したがって、フィルタ濾材８を確実に保護すると共に、エアフィルタ１の形状を維持する役目を合わせ持っている。

【００１５】また、フィルタ濾材８となる各バッフルエレメント７は、所定間隔で刻みを入れたアルミ箔を引っ張り拡げて網状にしたものを積層しているので、剛性が低く外力に対して変形しやすい反面、網を構成する個々の帯状体１０の断面形状は図３に示すように厚さに対する幅の比率の大きい偏平状に形成できるので、これを通過する空気は各繊維体１０に衝突する不連続な流れとなり油煙の捕集効率が高い。

【００１６】なお、前記保護ネット６Ａ，６Ｂ及びこれに挟装されたフィルタ濾材８は、金属フレーム５より前方に張り出して成形され、エアフィルタ１をパンチングメタルで形成された金属フィルタ１１に重ねて使用する場合でも、フィルタ濾材８の背面と金属フィルタ１１との間に隙間を形成することにより、フィルタ濾材８を通過する空気が減速されないようになされている。

【００１７】以上が本考案に係るレンジフード・換気扇用エアフィルタであって、次にその作用について説明する。まず、エアフィルタ１をレンジフード２の空気吸込口３に形成されたフィルタ取付溝４ａ，４ｂに装着する。このとき、エアフィルタ１の金属フレーム５の厚さは、エアフィルタ１をパンチングメタルからなる金属フィルタ１１に重ねて使用する場合は、フィルタ取付溝４ａ，４ｂと金属フィルタ１１とのクリアランスに等しく形成し、エアフィルタ１を金属フィルタ１１に替えて装着する場合には、フィルタ取付溝４ａ，４ｂの溝幅にほぼ等しく形成すれば、エアフィルタ１の金属フレーム５を空気吸込口３又は金属フィルタ１１に密着させることができる。したがって、排気するときに、ガスコンロから発生した煙等は必ずフィルタ濾材８を通過することとなる。

【００１８】エアフィルタ１を通過する空気は、表側の金属ネット６Ａ，フィルタ濾材８及び裏側の保護ネット６Ｂに順次衝突して流れる。このとき、各保護ネット６Ａ，６Ｂは網状のエキスパンドメタルに形成されると共に、フィルタ濾材８を構成する各バッフルエレメント７はアルミ箔を網状に成形しいるので、開口比率を大きくすることができ、圧力損失は極めて小さく抑えられ、したがって、フィルタ１を金属フィルタ１１の前に取り付けて使用しても、ファンに負荷が掛かることがない。

【００１９】また、網状に形成された各バッフルエレメント７は、偏平状の帯状体１０が複雑に錯綜し、しかも、積層されてフィルタ濾材８を形成しているので、空気は、各バッフルエレメント７の個々の帯状体１０に衝突して流れの方向を変化させながら進むが、空気中に含まれる油分は空気より比重が大きいのでそのまま直進し、各バッフルエレメント７の個々の帯状体１０に付着されて確実に気液分離されることとなる。したがって、空気中に含まれる油煙はフィルタ濾材８に付着し、レンジフード２の金属フィルタ１１を汚すことがない。

【００２０】さらに、実施例のように保護ネット６Ａ，６Ｂやフィルタ濾材８を金属フレーム５より前方に張り出して成形すれば、エアフィルタ１を金属フィルタ１１に重ねて使用する場合でも、フィルタ濾材８の背面と金属フィルタ１１の間に隙間ができるので空気が減速することなく流れ、したがって、油煙の捕集効率が低下することもない。

【００２１】また、エアフィルタ１はすべて金属製で形成されているので、洗浄して何度も再生使用することができ、この場合にブラシ等で多少強くこすって洗っても、フィルタ濾材８は比較的剛性の高い保護ネット６Ａ，６Ｂで覆われているので、破損したり変形したりすることがない。

【００２２】図５は本考案に係る他の例の要部を示し、図６は使用状態を示す断面図である。本例では、二枚の金属製保護ネット６Ａ，６Ｂ間に挟装されるフィルタ濾材８が、金属箔２０の表面に熱可塑性樹脂フィルム２１を積層したラミネートフィルム２２に所定間隔で刻みを入れ引っ張り拡げて網状にした複数枚のバッフルエレメント２３を積層して形成されている。そして、保護ネット６Ａ，６Ｂ間にフィルタ濾材８を挟装した状態で、熱可塑製樹脂フィルム２１が溶融され、各バッフルエレメント２３及び保護ネット６Ａ，６Ｂが一体的に熱融着されている。

【００２３】そして、レンジフード２の空気吸込口３に合わせて切断し、パチンチングメタルで形成された金属フィルタ１１に重ねた状態で、当該金属フィルタ１１の過気孔にカラータイ等の針金入金属テープや針金で固定すればよい。この場合、フィルタ濾材８を金属フレームに取り付けなくても一体性が維持できるので、例えば、レンジフード２の吸気口３の大きさに応じて任意の大きさに切断して使用することができる。

【００２４】また、実施例の説明では、レンジフード用エアフィルタとして使用した場合についてのみ説明したが、もちろん換気扇用エアフィルタとして使用することもできる。さらに、保護ネット６Ａ，６Ｂに挟持されるフィルタ濾材８は、複数のバッフルエレメント７，２３が積層されていれば、その積層数は任意である。

【００２５】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、フィルタ濾材が、所定間隔で刻みを入れた金属フィルムを引っ張り拡げて網状にした複数枚のバッフルエレメントを積層して形成されているので、フィルタ濾材を通過する際に空気の流れを複雑に変化させることによりその空気中に含まれる油煙を確実に捕集することができ、また、フィルタ濾材が二枚の金属製保護ネットに挟装されているので、洗浄して何度も再生使用することができるという大変優れた効果を有する。

【提出日】平成７年５月２４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００２

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００２】

【従来の技術】

例えば、レンジフードは、排気ファンにより室内に開口した空気吸込口から吸い込んだ空気を、外壁に開口した排気口から室外に排出するようになっている。この場合において、気化した油がそのまま空気吸入口に吸い込まれると、空気吸入口と排気口の間に形成されたダクトの内壁に付着して発火の原因となったり、排気ファンに付着してその回転が低下したり、さらには、外壁に開口された排気口から滴下して外壁や排気口が汚れてしまい外観が著しく損なわれるため、レンジフードの空気吸込口には気化した油を捕集するフィルタが取り付けられている。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００４

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００４】また、不織布は、繊維が密に絡み合って開口比率が低いため、もともと圧力損失が大きく、しかも、繊維に油煙が付着するとすぐに目詰まりを起こしてさらに圧力損失が大きくなるので、捕集効率が比較的高い反面、排気効率が低下しやすいという問題があった。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００５

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００５】一方、再生型としては、水洗いや拭き掃除が簡単で火災の危険もないパンチングメタルのフィルタが知られている。これは、金属板に多数の通気孔を設けた構成となっており、空気がその平板部分に衝突し、その表面を伝って通気孔から吸い込まれる途中で、空気中に含まれる油煙をその表面に接触させて捕集するものであるから、油煙と接触する表面積が小さく、捕集効率が不織布のフィルタに比して劣り、特に、圧力損失を低く維持するために通気孔が比較的大きく穿設されている場合には、捕集効率が著しく低下するという問題があった。そこで本考案は、簡単に水洗いができて、油煙の捕集効率もよい再生型のレンジフード・換気扇用エアフィルタを提供することを技術的課題としている。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２３

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２３】そして、レンジフード２の空気吸込口３に合わせて切断し、パチンチングメタルで形成された金属フィルタ１１に重ねた状態で、当該金属フィルタ１１の通気孔にカラータイ等の針金入金属テープや針金で固定すればよい。この場合、フィルタ濾材８を金属フレームに取り付けなくても一体性が維持できるので、例えば、レンジフード２の吸気口３の大きさに応じて任意の大きさに切断して使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るエアフィルタの使用状態を示す断
面図。

【図２】その斜視図。

【図３】そのフィルタ濾材を示す分解斜視図。

【図４】そのフィルタ濾材の拡大断面図。

【図５】本考案に係る他の実施例の要部を示す斜視図。

【図６】その使用状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１・・・・・・・エアフィルタ２・・・・・・・レンジフード３・・・・・・・空気吸込口４ａ，４ｂ・・・フィルタ取付溝５・・・・・・・金属フレーム６Ａ，６Ｂ・・・金属製保護ネット７・・・・・・・バッフルエレメント８・・・・・・・フィルタ濾材１０・・・・・・・金属フィルタ２０・・・・・・・金属箔（金属フィルム）２１・・・・・・・熱可塑性樹脂フィルム２２・・・・・・・ラミネートフィルム２３・・・・・・・バッフルエレメント

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】レンジフード（２）又は換気扇の空気吸
込口（３）に着脱自在に取り付けられる金属フレーム
（４）に、二枚の金属製保護ネット（6A，6B）が張り付
けられ、これら保護ネット（6A，6B）間に、所定間隔で
刻みを入れた金属フィルムを引っ張り拡げて網状にした
複数枚のバッフルエレメント（7・・・）を積層して成るフ
ィルタ濾材（８）が挟装されていることを特徴とするレ
ンジフード・換気扇用エアフィルタ。
【請求項２】前記保護ネット（6A，6B）が、所定間隔
で刻みを入れた金属薄板を引っ張り拡げて網状にしたエ
キスパンドメタルで成る請求項１記載のレンジフード・
換気扇用エアフィルタ。
【請求項３】前記金属フィルムが、金属箔でなる請求
項１又は２記載のレンジフード・換気扇用エアフィル
タ。
【請求項４】前記保護ネット（6A，6B）及びフィルタ
濾材（８）が、金属フレーム（５）より前方に張り出さ
れて成る請求項１乃至３記載のレンジフード・換気扇用
エアフィルタ。
【請求項５】レンジフード（２）又は換気扇の空気吸
込口（３）より大きく形成された二枚の金属製保護ネッ
ト（6A，6B）間に、金属箔（20）の表面に熱可塑性樹脂
フィルム（21）を積層したラミネートフィルム（22）に
所定間隔で刻みを入れ引っ張り拡げて網状にした複数枚
のバッフルエレメント（23）を積層して成るフィルタ濾
材（８）が挟装されると共に、前記熱可塑性樹脂フィル
ム（21）が溶融されて各バッフルエレメント（23）及び
保護ネット（6A，6B）が一体的に熱融着されたことを特
徴とするレンジフード・換気扇用エアフィルタ。