JP2004223405A - 厨房用フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】油分を大量に含む煙の排気と、油分をさほど含まない煙の排気とを一種類で行うことができ、しかも目詰まり等により濾過効率が低下することのない厨房用フィルタを提供する。
【解決手段】油分を多量に含む煙30aを排気する場合には、パンチングメタル14側を手前にして厨房の排気口に設置する。この場合、煙30aに含まれる油分や塵埃の大部分がデミスター金網18にて濾過され、デミスター金網18を通過した油分や水蒸気が金属金網20や多孔質フィルタ板16にて濾過される。また、油分をそれほど含まない煙30aを排気する場合には、多孔質フィルタ板16側を手前にして排気口に設置する。この場合、油分や水蒸気は多孔質フィルタ板16にて濾過される。そして厨房用フィルタ10を通過した煙30aは、きれいな排気30bとなって大気に放出される。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中華レストランやステーキハウスのように油分を多量に含む煙や蒸気等の排気のフィルタリングと、和食食堂のように油分をさほど含まない煙や蒸気等の排気のフィルタリングとを1種類で行うことができる厨房用フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の厨房用フィルタの一例が特許文献1に開示されている(図9参照)。この従来の厨房用フィルタ(1)は、枠体(2)と、枠体(2)に嵌め込まれ一方の面を構成するパンチングメタル(3)と、枠体(2)に嵌め込まれ、他方の面を構成する多孔質フィルタ板(4)と、多孔質フィルタ板(4)の内面に沿って敷設された金属金網(5)と、パンチングメタル(3)と金属金網(5)との間に配設された波状金網(6)とで構成されている。
【0003】
油分を多量に含んだ煙の排気を行う場合には、パンチングメタル(3)を室内側に向けた状態で厨房用フィルタ(1)を厨房の排気口に取り付ける。厨房から立ち昇る煙が厨房用フィルタ(1)を通過すると、煙に含まれる油分の大部分がメッシュの細かな金属金網(5)にて濾過され、然る後、金属金網(5)にて濾過されなかった残りの油分が多孔質フィルタ板(4)にて濾過されて、きれいな排気となって大気に放出される。
【0004】
一方、油分をさほど含まない煙や蒸気だけの排気を行う場合には、多孔質フィルタ板(4)を室内側に向けた状態で厨房用フィルタ(1)を厨房の排気口に取り付ける。この場合、煙に含まれる僅かな油分や蒸気等は微細に入り組んだ気孔を有する多孔質フィルタ板(4)にて濾過されて、きれいな排気となって大気に放出される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−336618号公報(第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述のようにパンチングメタル(3)を室内側に向けた状態で煙の排気を行う場合、煙に含まれる多量の油分は上述したようにその大部分が金属金網(5)にて濾過されるのであるが、金属金網(5)のメッシュは非常に細かいので濾過されて金属金網(5)に付着した油分に空気中の塵埃が付着して金属金網(5)の目にダンゴ状に固まってすぐに目詰まりしてしまう。そのため、厨房用フィルタ(1)の濾過効率が低下してしまい、1種類の厨房用フィルタでは対処できないという問題があった。
【0007】
そこで、この発明の目的は、油分を大量に含む煙の排気と、油分をさほど含まない煙の排気とを一種類で行うことができ、かつ、目詰まりなどによって濾過効率がすぐに低下することのない厨房用フィルタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した発明は、「厨房の排気口に設置される枠体(12)、枠体(12)に嵌め込まれ、一方の面を構成するパンチングメタル(14)、枠体(12)に嵌め込まれ、他方の面を構成する多孔質フィルタ板(16)、パンチングメタル(14)と多孔質フィルタ板(16)との間にてパンチングメタル(14)側に配設され、ネット状に編み込んだ細い線材(18a)を複数層重ね合わせることにより形成されたデミスター金網(18)、およびデミスター金網(18)と多孔質フィルタ板(16)との間に配設され、デミスター金網(18)よりも小さなメッシュを有する金属金網(20)を備えることを特徴とする厨房用フィルタ(10)」である。
【0009】
この発明では、厨房用フィルタ(10)の一方の面を構成するパンチングメタル(14)の背部にデミスター金網(18)が配設されており、デミスター金網(18)と厨房用フィルタ(10)の他方の面を構成する多孔質フィルタ板(16)との間には金属金網(20)が配設されているので、パンチングメタル(14)を室内側に向けて厨房用フィルタ(10)を配置すれば、煙(30a)に含まれる多量の油分の大部分はデミスター金網(18)にて濾過され、濾過されなかった残りの油分が金属金網(20)や多孔質フィルタ板(16)にて濾過されることになる。したがって、厨房用フィルタ(10)を通過した煙は油分をほとんど含まないきれいな排気(30b)として大気に放出される。一方、厨房用フィルタ(10)の他方の面が多孔質フィルタ板(16)で構成されているので、多孔質フィルタ板(16)を室内側に向けて配置すれば、油分をさほど含まない煙(30a)は多孔質フィルタ板(16)にて濾過されることになり、厨房用フィルタ(10)を通過した煙は前述同様油分をほとんど含まないきれいな排気(30b)として大気に放出される。したがって、油分を大量に含む煙の排気と、油分をさほど含まない煙の排気とを一種類の厨房用フィルタ(10)で行うことができる。
【0010】
また、デミスター金網(18)は、例えば平編みにてネット状に編み込んだ細い線材(18a)を複数層重ね合わせることによって粗い不織布様に形成されているので、デミスター金網(18)の内部には径の大きな空隙(18b)が多数形成されることになる。したがって、油分に空気中の塵埃が付着してデミスター金網(18)の線材(18a)にダンゴ状になって固まったとしても径の大きな空隙(18b)が完全に塞がれてしまうことはなく、濾過効率が低下することはない。また、デミスター金網(18)を通過しようとする煙(30a)は、デミスター金網(18)内に網の目状に張り巡らされた空隙(18b)内を拡散しながら通過することになるので、煙(30a)に含まれる油分がデミスター金網(18)を通過する時間が長くなり、濾過効率を向上させることができる。
【0011】
さらにまた、デミスター金網(18)にて濾過された油分は成長して液滴となり、やがて自重により線材(18a)に沿ってゆっくりと流下することができるので、デミスター金網(18)は一定の空隙率を保つことができる。したがって、目詰まり等によって厨房用フィルタ(10)の濾過効率が低下するようなことはない。
【0012】
請求項2に記載した発明は、「厨房の排気口に設置される枠体(12)、枠体(12)に嵌め込まれ、一方の面を構成するパンチングメタル(14)、枠体(12)に嵌め込まれ、他方の面を構成する多孔質フィルタ板(16)、パンチングメタル(14)と多孔質フィルタ板(16)との間にてパンチングメタル(14)側に層状に配設され、ネット状に編み込んだ細い線材を複数層重ね合わせることにより形成された複数のデミスター金網(18)、デミスター金網(18)と多孔質フィルタ板(16)との間に配設され、デミスター金網(18)よりも小さなメッシュを有する金属金網(20)、および複数のデミスター金網(18)の間に配設され、デミスター金網(18)にて捕集される油分をその下端に導く油回収用金網(24)を備えることを特徴とする厨房用フィルタ(10)」である。
【0013】
この発明によれば、請求項1と同様、油分を大量に含む煙の排気と、油分をさほど含まない煙の排気とを一種類で行うことができる。
【0014】
しかも、デミスター金網(18)を複数枚配設するようにしているので、デミスター金網(18)を一枚だけ配設するようにした請求項1の厨房用フィルタ(10)に比べて煙(30a)がデミスター金網(18)を通過する時間が長くなり、その分濾過効率を高めることができる。したがって、厨房から立ち昇る煙(30a)をより効果的に排気することができる。
【0015】
さらには、複数のデミスター金網(18)の間に油回収用金網(24)が配設されているので、デミスター金網(18)にて濾過された油分は油回収用金網(24)を伝わって速やかに流下し、その下端に導かれることとなる。したがって、デミスター金網(18)は一定の空隙率を保つことができるので、ある程度長期間にわたって濾過効率を保つことができる。
【0016】
請求項3は、請求項1または2に記載した厨房用フィルタ(10)におけるデミスター金網(18)を限定したもので、「デミスター金網(18)は、その幅方向の断面が略蛇腹状に形成されている」ことを特徴とするものである。
【0017】
この発明によれば、デミスター金網(18)の幅方向の断面形状が略蛇腹状に形成されているので、厨房から立ち昇る煙(30a)との接触面積を大きくすることができ、煙(30a)に含まれる油分の濾過効率を高めることができる。
【0018】
請求項4は、請求項1から3のいずれかに記載の厨房用フィルタ(10)において「金属金網(20)と多孔質フィルタ板(16)との間に配設され、金属金網(20)と多孔質フィルタ板(16)との接触面積が小さな密着防止用金網(22)をさらに備える」ことを特徴とするものである。
【0019】
この発明によれば、密着防止用金網(22)の存在によって多孔質フィルタ板(16)と金属金網(20)との間に適度な空間が形成されることになる。したがって、多孔質フィルタ板(16)と金属金網(20)とが密着することによって多孔質フィルタ板(16)の通孔(16a)と金属金網(20)の小さなメッシュとが塞がれてしまうことはなく、濾過効率が低下するのを防止することができる。
【0020】
請求項5は、請求項1から4のいずれかに記載の厨房用フィルタ(10)のドレン排出構造で、「枠体(12)の下面には、ドレン排出孔(28)が穿設されている」ことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、厨房用フィルタ(10)内に溜まった油分をドレン排出孔(28)から排出することができるので、多孔質フィルタ板(16)やデミスター金網(18)は一定の空隙率を保つことができ、厨房用フィルタ(10)の交換期間を長期化できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示実施例に従って詳述する。厨房用フィルタ(10)は、図1〜4に示すように、厨房の排気口(たとえば、排煙ダクトの吸い込み口など)(図示せず)に設置され、厨房にて発生する煙(30a)から油分や蒸気、塵埃などを除去するためのものであり、枠体(12)、パンチングメタル(14)、多孔質フィルタ板(16)、デミスター金網(18)、金属金網(20)とで構成されている。
【0023】
枠体(12)は、断面コ字状のステンレス鋼板を矩形額縁状に組んだものであり、図示しない厨房の排気口に取り付けることができるようになっている。枠体(12)の上側のフレームバー(12a)は側面側のフレームバー(12b)に対して着脱可能となっており、上側のフレームバー(12a)が側面側のフレームバー(12b)にネジ固定されるようになっている。また、下側のフレームバー(12c)の下面の各エッジ部には、複数(この実施例では6つ)のドレン排出孔(28)がそれぞれ穿設されており、厨房用フィルタ(10)内に溜まった油分をこのドレン排出孔(28)から排出できるようになっている。
【0024】
そして、この枠体(12)には、枠体(12)の一方の面を構成するパンチングメタル(14)、枠体(12)の他方の面を構成する多孔質フィルタ板(16)、パンチングメタル(14)と多孔質フィルタ板(16)との間におけるパンチングメタル側(すなわちパンチングメタル(14)の背部)に配設されるデミスター金網(18)、およびデミスター金網(18)と多孔質フィルタ板(16)との間に配設される金属金網(20)がそれぞれ嵌め込まれる。
【0025】
パンチングメタル(14)は、ステンレスなどの金属からなる平板状の部材であり、その表面には煙(30a)が容易に通過できるように大径の通孔(14a)が多数穿設されている。
【0026】
多孔質フィルタ板(16)は、たとえばステンレス粒状物、ニッケル粒状物、あるいはそれらの繊維などを焼結することにより形成されたポーラス状の板状部材により形成されている。多孔質フィルタ板(16)には、微細に入り組んだ非常に不均一な形状の通孔(16a)が全体にわたって無数に形成されており、煙(30a)が多孔質フィルタ板(16)を通過すると、煙(30a)に含まれる水蒸気や油分がこの通孔(16a)内に溜まるようになっている。
【0027】
デミスター金網(18)は、煙(30a)に含まれる粒径の比較的大きな油分や塵埃を濾過するためのものであり、平編みにてネット状に編み込んだ細い線材(18a)を複数層重ね合わせることにより粗い不織布様に形成されている。これにより、デミスター金網(18)の内部には比較的大きな径の無数の空隙(18b)がその全体に亘って網の目状に形成されることになる。本実施例では、細い線材(18a)を平編みすることでネット状とし、これを複数層重ね合わせることでデミスター金網(18)を形成するようにしているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、デミスター金網(18)の内部に空隙(18b)が網の目状に形成されるようなものであればどのような編み方で形成してもよい。
【0028】
デミスター金網(18)の幅方向の断面は、表面積を大きくして濾過効率を高めるために略蛇腹状に形成されている。本実施例では、デミスター金網(18)の幅方向の断面形状が蛇腹状に形成されているが、断面の形状は必ずしもこれに限定されるものではなく、たとえば波状に形成されたものを使用してもよいし、断面形状が直線状のものを使用するようにしてもよい。
【0029】
金属金網(20)は、デミスター金網(18)では濾過できなかった油分を濾過するとともに、厨房用フィルタ(10)を通り抜けようとする炎を遮断するためのものであり、表面に多数の細孔(20a)が穿設された薄板状の部材により構成されている。金属金網(20)のメッシュは、デミスター金網(18)のメッシュよりも小さく設定されており、好ましくは30〜60メッシュのものが使用される。30メッシュよりも粗い場合には炎を遮断することができず、また、60メッシュよりも細かな場合には細孔(20a)が油分によってすぐに目詰まりしてしまうからである。なお、金属金網(20)の構成としては、これに限られるものではなく、たとえば細いステンレス線材を編みこんだものを使用するようにしてもよい。
【0030】
次に本実施例の作用について説明する。この厨房用フィルタ(10)を前述の中華レストランやステーキハウス等の厨房に設置された排気口に配置して使用する場合には、パンチングメタル(14)側を室内側に向けて配置する(図1参照)。厨房用フィルタ(10)の背後には、吸引ファン(32)が設置されており、厨房作業時には吸引ファン(32)が作動して厨房から立ち昇る煙(30a)を効果的に吸引できるようになっている。
【0031】
油分を多量に含んだ煙(30a)は、まずパンチングメタル(14)を通過するが、パンチングメタル(14)に穿設された通孔(14a)は大きいためこの部分での濾過作用は小さく、煙(30a)に含まれる油分等のほとんどは濾過されることなくそのまま通過する。
【0032】
続いて、デミスター金網(18)を通過することになるが、ここでは油分や塵埃の大部分が濾過される。すなわち、デミスター金網(18)内には無数の空隙(18b)が網の目状に張り巡らされているので、デミスター金網(18)を通過する煙(30a)は、デミスター金網(18)内を拡散しながら通過することになる。その際、煙(30a)に含まれる比較的粒径の大きな油分は、線材(18a)と接触してその表面に付着し、煙(30a)や空気中に含まれる塵埃は線材(18a)に付着した油分の表面に付着することにより濾過される。なお、塵埃を含んだ油分がデミスター金網(18)の線材(18a)にダンゴ状に固まったとしても、比較的大きな径の空隙(18b)が完全に塞がれてしまうようなことはなく、濾過効率が低下することはない。
【0033】
線材(18a)に付着した油分は次第に大きな液滴となり、自重によってデミスター金網(18)の線材(18a)に沿ってゆっくりと流下する。デミスター金網(18)を流下した油分は、枠体(12)の下側のフレームバー(12c)に穿設されたドレン排出孔(28)から流出し、下側のフレームバー(12c)の下方に配設されている油受樋(34)に滴下する。このようにして、デミスター金網(18)は一定の空隙率を保つことができるので、ある程度長期にわたって濾過効率を保つことになる。
【0034】
デミスター金網(18)を通過した煙(30a)は、続いて金属金網(20)を通過する。金属金網(20)のメッシュはデミスター金網(18)のメッシュよりも小さいので、デミスター金網(18)を通過した粒径の小さな油分の大部分がこの金属金網(20)にて濾過されることになる。
【0035】
なお、上述したように、デミスター金網(18)では粒径の大きな油分や塵埃が予め濾過されるので、金属金網(20)の濾過対象は、デミスター金網(18)では濾過されなかった粒径の小さな油分だけである。したがって、メッシュの小さな金属金網(20)を使用したとしても塵埃を含んだ油分がダンゴ状に固まって目詰まりするようなことはなく、濾過効率が低下することはない。
【0036】
金属金網(20)を通過した煙(30a)は、最後に多孔質フィルタ板(16)を通過する。多孔質フィルタ板(16)には、微細に入り組んだ非常に不均一な形状の通孔(16a)が無数に形成されているので、この通孔(16a)を通過する間に煙(30a)内に残存する油分や水蒸気が通孔(16a)の内壁に接触して吸着される。ここで、多孔質フィルタ板(16)で濾過された油分や水蒸気は、通孔(16a)内で凝集され、毛管現象によって多孔質フィルタ板(16)と接する金属金網(20)に向って移動し、金属金網(20)を伝って流下する。そして、金属金網(20)を伝って流下した油分や水分は、枠体(12)の下側のフレームバー(12c)に穿設されたドレン排出孔(28)から流出し、上述した油受樋(34)に滴下する。したがって、多孔質フィルタ板(16)は、一定の気孔率を保つことができるので、ある程度長期にわたって濾過効率を保つことになる。
【0037】
このようにして多孔質フィルタ板(16)を通過した煙(30a)は、油分や水蒸気、塵埃などが濾過されたきれいな排気(30b)となり、排気口を通って大気に放出される。
【0038】
なお、金属金網(20)のメッシュは上述したように非常に細かいので、炎を遮断することができる。したがって、たとえ厨房用フィルタ(10)内に溜まった油に引火したとしても、炎の進入が金属金網(20)によって遮断されるので、炎が厨房用フィルタ(10)を越えて排気口の奥部にまで燃え広がるという恐れがない。
【0039】
一方、この厨房用フィルタ(10)を和食店のような油をあまり使用しないような店で使用する場合には、上述した例とは逆に図2のように多孔質フィルタ板(16)側を室内側に向けて設置することになる。このようにすることで、厨房から立ち昇る煙(30a)は最初に多孔質フィルタ板(16)に接触して濾過されることになる。
【0040】
多孔質フィルタ板(16)の室内側と背面(厨房用フィルタ(10)の内部)との間では背面側の方が負圧になるので、多孔質フィルタ板(16)にて濾過され、凝集された油分や水分は背面側に移行し易い。それゆえ、この油分や水分が前述同様多孔質フィルタ板(16)の内側に配設された金属金網(20)を伝って流下し、ドレン排出孔(28)から排出される。
【0041】
そして、多孔質フィルタ板(16)にて油分などが濾過された煙(30a)は、先ほどとは逆に金属金網(20)、デミスター金網(18)を順次通過し、パンチングメタル(14)の通孔(14a)からきれいな排気(30b)として大気に放出される。
【0042】
上述の実施例では、板状の多孔質フィルタ板(16)の背部に薄板状の金属金網(20)を配設するようにしているので、濾過された油分によって多孔質フィルタ板(16)と金属金網(20)とが密着してしまうことがある。そうすると、多孔質フィルタ板(16)の金属金網(20)と対向する側の通孔(16a)や、金属金網(20)のメッシュの小さな細孔(20a)の大部分がお互いの存在によって塞がれてしまい、濾過効率が若干低下してしまう。
【0043】
そこで、この問題を防止するための手段として、図5〜6に示すように、金属金網(20)と多孔質フィルタ板(16)との間に密着防止用金網(22)を配設するようにしてもよい。
【0044】
密着防止用金網(22)は、金属金網(20)と多孔質フィルタ板(16)との間に適度な空間を形成して両部材(16)(20)が密着するのを防止するために必要に応じて設けられるものであり、多孔質フィルタ板(16)および金属金網(20)との接触面積ができるだけ小さくなるように設定されている。本実施例では、対角線の長辺の長さが14mm、短辺の長さが7mmの略菱形状の孔(22a)が形成されたエキスパンドメタルが使用されるが、これに限られるものではなく、たとえばメタルラスが使用されてもよい。
【0045】
パンチングメタル(14)側を室内側に向けて配置し、油分を多量に含んだ煙(30a)を排気するときは、煙(30a)は、前述同様パンチングメタル(14)、デミスター金網(18)、および金属金網(20)を通過する。
【0046】
ここで、金属金網(20)は、幅方向の断面が略蛇腹状に形成されたデミスター金網(18)と、金属金網(20)との接触面積が小さな密着防止用金網(22)との間に配設されているので、金属金網(20)の両サイドには適度の空間が形成されることになる。つまり、煙(30a)は、広い空間から狭い細孔(20a)を通って再度広い空間に抜けることになり、金属金網(20)を通過する際にいわゆるベンチュリー効果が発生して、その流速が一時的に増加する。したがって、金属金網(20)の目詰まりが発生しにくくなり、濾過効率の低下を防止できる。
【0047】
金属金網(20)を通過した煙(30a)は、続いて密着防止用金網(22)を通過することになるが、密着防止用金網(22)のメッシュは粗いので、この部分での濾過作用は小さい。そして、密着防止用金網(22)を通過した煙(30a)は続いて多孔質フィルタ板(16)を通過し、きれいな排気(30b)として大気に放出される。
【0048】
なお、多孔質フィルタ板(16)の通孔(16a)内で凝集された油分や水分は、毛管現象によって多孔質フィルタ板(16)と接する密着防止用金網(22)に向って移動し、密着防止用金網(22)を伝って流下する。この点は、多孔質フィルタ板(16)を室内側に配置した場合も同様である。
【0049】
また、上述の実施例では、デミスター金網(18)を1枚だけ使用するようにしていたが、図7〜8に示すように、複数枚(この実施例では4枚)のデミスター金網(18)を層状に配設するようにしてもよい。
【0050】
これら複数のデミスター金網(18)は、外側に向けて凸になった頂点(18c)同士が対向するように積層されている。複数のデミスター金網(18)をこのように積層させることで、対向するデミスター金網(18)間に空間が形成され、デミスター金網(18)層の層厚が厚くなる。したがって、煙(30a)はより拡散されながらデミスター金網(18)を通過することになるので、濾過効率をより向上させることができる。
【0051】
さらにまた、上述の実施例では、デミスター金網(18)にて濾過された油分が自重によりデミスター金網(18)の線材(18a)に沿ってゆっくりと流下することで一定の空隙率を保つようにしているが、デミスター金網(18)の間(本実施例では、パンチングメタル(14)の背部のデミスター金網(18d)と、さらにその背部に配設されているデミスター金網(18e)との間)に油回収用金網(24)を配設し、デミスター金網(18)に溜まった油分を速やかに流下させるようにしてもよい。
【0052】
油回収用金網(24)は、太いステンレス線材を縦横に比較的粗い網目で編み込むことにより形成したものであり、デミスター金網(18)にて濾過された油分がこの太いステンレス線材(24a)をつたってその下端部に導かれるようになっている。
【0053】
上述したように、デミスター金網(18)にて濾過された油分は、次第に大きな液滴となってデミスター金網(18)の線材(18a)に沿ってゆっくりと流下しはじめる。この液滴となった油分が油回収用金網(24)と接触すると、該油分は、油回収用金網(24)を構成する太いステンレス線材(24a)を伝って速やかに流下する。そして、油回収用金網(24)を伝って流下した油分は、前述同様、枠体(12)の下側のフレームバー(12c)に穿設されたドレン排出孔(28)から流出し、上述した油受樋(34)に滴下する。したがって、デミスター金網(18)は、一定の気孔率を保つことができるので、ある程度長期にわたって濾過効率を保つことになる。
【0054】
【発明の効果】
この発明によれば、厨房用フィルタの一方の面を構成するパンチングメタルの背面にデミスター金網が配設されており、デミスター金網と厨房用フィルタの他方の面を構成する多孔質フィルタ板との間には金属金網が配設されているので、パンチングメタルを室内側に向けて厨房用フィルタを配置することで、多量の油分を含んだ煙を排気することができる。また、厨房用フィルタの他方の面が多孔質フィルタ板で構成されているので、多孔質フィルタ板を室内側に向けて配置することで、油分をさほど含まない煙を排気することができる。したがって、油分を大量に含む煙の排気と、油分をさほど含まない煙の排気とを一種類で行うことができる。
【0055】
また、デミスター金網の内部には多くの空隙が形成されているので、デミスター金網にて濾過された油分は自重により線材に沿ってゆっくりと流下する。したがって、デミスター金網は一定の空隙率を保つことができ、ある程度長期にわたって濾過効率を保つことができる。
【0056】
さらにまた、粒径の大きな油分や塵埃がデミスター金網にて予め濾過されるので、金属金網の濾過対象は、デミスター金網では濾過されなかった粒径の小さな油分だけである。したがって、メッシュの小さな金属金網を使用したとしても塵埃を含んだ油分がダンゴ状に固まって目詰まりするようなことはなく、濾過効率が低下することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厨房用フィルタのパンチングメタル側を室内側に設置した場合の斜視図である。
【図2】本発明の厨房用フィルタの多孔質フィルタ板側を室内側に設置した場合の斜視図である。
【図3】本発明の厨房用フィルタの内部構造を示す拡大断面斜視図(一部省略)である。
【図4】本発明の厨房用フィルタの内部構造を示す拡大断面分解斜視図(一部省略)である。
【図5】本発明の別の実施例における厨房用フィルタの内部構造を示す拡大断面斜視図(一部省略)である。
【図6】本発明の別の実施例における厨房用フィルタの内部構造を示す拡大断面分解斜視図(一部省略)である。
【図7】本発明のさらに別の実施例における厨房用フィルタの内部構造を示す拡大断面斜視図(一部省略)である。
【図8】本発明のさらに別の実施例における厨房用フィルタの内部構造を示す拡大断面分解斜視図(一部省略)である。
【図9】従来例の内部構造を示す拡大断面斜視図(一部省略)である。
【符号の説明】
(10)…厨房用フィルタ
(12)…枠体
(14)…パンチングメタル
(16)…多孔質フィルタ板
(18)…デミスター金網
(20)…金属金網
(22)…密着防止用金網
(24)…油回収用金網

Claims (5)

  1. 厨房の排気口に設置される枠体、
    前記枠体に嵌め込まれ、一方の面を構成するパンチングメタル、
    前記枠体に嵌め込まれ、他方の面を構成する多孔質フィルタ板、
    前記パンチングメタルと前記多孔質フィルタ板との間にて前記パンチングメタル側に配設され、ネット状に編み込んだ細い線材を複数層重ね合わせることにより形成されたデミスター金網、および
    前記デミスター金網と前記多孔質フィルタ板との間に配設され、前記デミスター金網よりも小さなメッシュを有する金属金網を備えることを特徴とする厨房用フィルタ。
  2. 厨房の排気口に設置される枠体、
    前記枠体に嵌め込まれ、一方の面を構成するパンチングメタル、
    前記枠体に嵌め込まれ、他方の面を構成する多孔質フィルタ板、
    前記パンチングメタルと前記多孔質フィルタ板との間にて前記パンチングメタル側に層状に配設され、ネット状に編み込んだ細い線材を複数層重ね合わせることにより形成された複数のデミスター金網、
    前記デミスター金網と前記多孔質フィルタ板との間に配設され、前記デミスター金網よりも小さなメッシュを有する金属金網、および
    前記複数のデミスター金網の間に配設され、前記デミスター金網にて捕集される油分をその下端に導く油回収用金網を備えることを特徴とする厨房用フィルタ。
  3. 前記デミスター金網は、その幅方向の断面が略蛇腹状に形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の厨房用フィルタ。
  4. 前記金属金網と前記多孔質フィルタ板との間に配設され、前記金属金網および前記多孔質フィルタ板との接触面積が小さな密着防止用金網をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載の厨房用フィルタ。
  5. 前記枠体の下面には、ドレン排出孔が穿設されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の厨房用フィルタ。
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