JP3070068U - 厨房用グリスフィルタ― - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 厨房等で発生する調理油煙等に含まれるオイ
ルミストを効率良く濾過分離し、オイルミストを除去回
収することを目的としたものである。 【解決手段】 バッフルプレートフィルターとグリスフ
ィルター板とを一体にフレームに収納した厨房用グリス
フイルターにおいて、前記バッフルプレートフィルター
の裏側に、金属の三次元網目状多孔体よりなり孔内外面
の鋭利な凹凸部を平滑にした金属多孔体のグリスフィル
ター板を脱着自在に収納したことを特徴とする厨房用グ
リスフィルターである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、厨房等で発生する調理油煙に含まれる油滴、油分を含んだ微小の 炭化物、水蒸気及び塵等を（以下オイルミストと言う）効率良く空気とオイルミ ストとに濾過分離する厨房用グリスフィルターに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、金属三次元網目状多孔フィルター板とパンチング板とを並列したグリス フィルターの発明が知られている（特開平８−１７３７２８号）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記金属の三次元網目状多孔フィルター板とパンチング板とを並列したグリス フィルターの発明は目詰まりを起こしやすく、またパンチング板はオイルミスト の分離能力が低い問題点があった。また、乱流衝突式除去装置と金属繊維を集合 して形成したフィルターとを組合せた発明が提案されている（特開平７−３５３ ８５号）が、金属繊維を集合したフィルターの目が粗く小さな粒径のオイルミス トの捕捉ができない。また、多孔スクリーンと濾過式集塵フィルターと組合せた 発明も知られている（特開平８−１１７５３７号）が、多孔スクリーンを複数枚 重ねた構造であり、複雑で清掃等の場合取扱い難い問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

然るにこの考案は、バッフルプレートフィルターとグリスフィルター板とを一 体的にフレーム内に収容することにより、前記従来の問題点を解決したのである 。

【０００５】 即ちこの考案はバッフルプレートフィルターとグリスフィルター板とを一体に フレームに収納した厨房用グリスフイルターにおいて、前記バッフルプレートフ ィルターの裏側に、金属の三次元網目状多孔体よりなり孔内外面の鋭利な凹凸部 を平滑にした金属多孔体のグリスフィルター板を脱着自在に収納したことを特徴 とする厨房用グリスフィルターであり、バッフルプレートフィルターとグリスフ ィルター板とを一体にフレームに収納した厨房用グリスフイルターにおいて、前 記バッフルプレートフィルターの裏側に、金属の三次元網目状多孔体よりなり孔 内外面の鋭利な凹凸部を平滑にした厚さ３〜１０ｍｍの金属多孔体のグリスフィ ルター板を脱着自在に収納したことを特徴とする厨房用グリスフィルターである 。

【０００６】 また、バッフルプレートフィルターとグリスフィルター板とを方形のフレーム 内に一体的にに収納し、前記バッフルプレートフィルターの裏側に、金属の三次 元網目状多孔体よりなり孔内外面の鋭利な凹凸部を平滑にした金属多孔体のグリ スフィルター板を当接し、前記バッフルプレートフィルターを、フレームの横枠 に対し、傾斜または垂直にしたことを特徴とする厨房用グリスフィルターでもあ る。

【０００７】 この考案のフィルタは、機能の異なる２種類のフィルターの組合せて、バッフ ルプレートフィルターで粒径の大きなオイルミストを予め除去し、フィルター全 体のオイルミスト除去機能及び効率を飛躍的に高めることができる。従ってラン ニングコストも少なくて済み、厨房室内の油汚れを少なくし、且つダクトに付着 するオイルミストを減らして、ダクト火災の発生を防止でき安全性が向上する。 バッフルプレートフィルター３は、空気中のオイルミストの回収及び除去能力が 大きく、且つ他の構造のフィルターに較べ空気抵抗が少ない。

【０００８】

【考案の実施の形態】

この考案は１つのフレームに機能の異なるバッフルプレートフィルターと金属 多孔体のフィルターをフレームに収納して１枚の厨房用グリスフィルターとし、 かつ金属多孔体のフィルターを脱着自在に設けたので、取扱い易くなり、取付け 、取外し、洗浄、交換等の保守管理が容易にできる。バッフルプレートフィルタ ーは、通過する空気を乱流化して、フィルタープレートに比較的大きいオイルミ ストを付着させて、濾過し次いで、金属多孔体のフィルターで濾過する構成であ る。バッフルプレートフィルターの材質は、耐熱性、耐腐食性があり、オイルミ ストが付着し易く、しかも付着したオイルミストが容易に流下しやすい性質の表 面を円滑にした材料であれば良い。例えばステンレス、アルミ、耐熱性の合成樹 脂等である。フレームと共にバッフルプレートフィルターにアルミ、耐熱性の合 成樹脂等を採用すればフィルター全体を薄型軽量化ができ、取付け、取外し、洗 浄、フィルターの交換等作業労力の軽減ができる。又、バッフルプレートフィル ターで捕捉付着したオイルミストは、自然流下するので、フレーム下縁の受け皿 に集め、濾過油排出口から貯留カップに回収する構成としても良い。また、バッ フルプレートフィルターの構造は、広狭の曲折した流路を種々な形態にすること もでき、広狭の流路を形成し乱気流を発生するものであれば、どのような構造も 利用できる。先ず、大きな粒径のオイルミストをバッフルプレートフィルターが 、分離するので、金属多孔体のグリスフィルター板は、大きな粒径のオイルミス トによる目詰まりが少なくなり、その結果金属多孔体のグリスフィルター板の負 荷が減少し、その連続使用可能期間が伸び、機能の異なる２種類のフィルターを 組合せた相乗効果が得られる。金属多孔体のグリスフィルター板は洗浄して、目 詰まりする迄、繰り返し使用できる。更に、フィルターを水平面に対して傾斜ま たは垂直にチャンバーや排気吸入口に取付けると一層油切れが良くなり、フィル ターの濾過効率が向上し、連続使用可能期間が伸びる。この種のフィルター板は 、通常３０ｍｍ前後の厚さのものが採用されているが、この考案では、金属多孔 体のフィルター板の厚さを、３〜１０ｍｍのものを採用したが、濾過機能の低下 がなく、運転音も静かである。

【０００９】

【実施例１】 この考案の実施例を図１〜図４に基づき説明する。バッフルプレートフィルタ ー３は、フィルタープレート４を複数個組合せて形成する。該フィルタープレー ト４は、所定の長さと巾の長方形のステンレスのプレート板を、台形状に折曲げ 、袋小路９ａ、流路壁１０ａ、１０ｂを形成し、次いで流路壁１０ａ、１０ｂ両 側の先端部を垂直に折曲げ、垂直部１１ａ、１１ｂとし、底部は開放状態とした 樋状に形成する（図３）。フィルタープレート４を所定個数調製する。バッフル プレートフィルター３の左右の両側端部は、フィルタープレート４を縦長に二分 したものを使用する。フィルタープレート４を縦長に２列に開口部を所定間隔で 向き合せにし、１つの開口部に、対向している列のフィルタープレート４の左右 の各垂直部１１ｂ、１１ｅが２つ突入するように交互に組合せて配列し、対向す る各フィルタープレート４及び隣接する各フィルタープレート４がそれぞれ相互 に接触しない位置に、配列する。他のフィルタープレート４も同様に、順次任意 個数を配列してバッフルプレートフィルター３を組立てる。前記フィルタープレ ート４の長手方向の両端部は、フレーム２の上縁及び下縁にそれぞれ固定する。

【００１０】 次に、金属多孔体のグリスフィルター板６は、金属の三次元網目多孔体の孔内 外面を平滑にしたもので、ニッケル多孔体を使用した。ニッケル多孔体のグリス フィルター板６表面のセル数は、２．５平方センチ当たり６〜２３個であり、厚 さは３〜１０ｍｍとした。他にニッケル−クロム又ニッケル‐クロム‐アルミニ ウムの金属多孔体のグリスフィルターとしても良く、割れたり、欠けがなく、フ ィルターの小片が落下することがないので、衛生管理上安全である。フレームは 、ステンレスのフレームとした。また、取扱い易いようにフレームに把手５を取 付けた。バッフルプレートフィルターに接した裏側にニッケル多孔体のグリスフ ィルター板６をフレーム内に脱着自在に嵌装、収納して厨房用グリスフィルター １ができた。また、一対の把手５は金属棒をＵ字型に曲げて形成したもの又は金 属棒を環状にして遊着したものの何れであってもよい。

【００１１】 次にこのフィルターの作用について説明する。オイルミストを含んだ空気流は 、矢示７の方向から厨房用グリスフィルター１へ、所定の風速で、空気入口８か ら流入する。空気流は広い流路の空気入口８から、狭い流路の空気出口８ａに吹 き込まれるので空気入口８から空気出口８ａで増速されて、袋小路９ａに突当る が、袋小路９ａは、流路壁８ｃ、１０ａ、１０ｂ、１０ｃ、垂直壁８ｂ、１１ａ 、１１ｂ、１１ｃで形成される広い流路に連なっているので、ここでは空気は速 度が低下するとともにオイルミストの浮力が低下して、矢示１２ａ、１２ｂの方 向へ強制的に方向転換させられる。次に、空気は流路壁１０ｂ、１０ｃ垂直壁１ １ｂ、１１ｃで作られる狭い流路に押出されるので、空気は再び増速されて、袋 小路９ｂに衝突する。袋小路９ｂは、流路壁１０ｃ、１０ｄ、垂直壁１１ｂ、１ １ｅで形成される広い流路に連なっているので、ここでは空気は速度を低下し、 矢示１３の方向へ強制的に方向転換させられる。次に１１ｅ、１１ｂで作られる 流路から、矢示１４の方向へ流れ、流路壁１０ｂ、１０ｅで作られる流路は広い ので、空気は速度を低下する。次に空気は矢示１４の方向へ、ニッケル多孔体の グリスフィルター板６に流れ、該グリスフィルター板６で、前記バッフルプレー トフィルター３で、除去できないオイルミストを濾過して除去する。前記は空気 流の主な流れを示したが、空気流の一部は乱流となって、広狭のある流路内で複 雑な流れを発生するので、バッフルプレートフィルター３内の空気は、全体とし て乱流化されて、流速の変化と、強制的な方向転換が繰り返され、流路壁及び垂 直壁、袋小路を形成するフィルタープレート４に衝突、接触する機会が増大し、 オイルミストが付着する機会が増え、除去能力は高められる。この考案の構成に より、厨房用グリスフィルター１のオイルミスト除去率は、前記従来の金属三次 元網目状多孔フィルター板とパンチング板とを並列した構成のものと比較して、 １５％増加した８７．４％であった。また、吸気音が小さく静かである。図５（ ａ）は、フィルタープレート１５の断面形状を半円弧状とした厨房用グリスフィ ルター１７である。また図５（ｂ）は、フィルタープレート１６の断面形状をＶ 字型とした厨房用グリスフィルター１８である。前記フィルタープレート１５、 １６の断面形状によれば、グリスフィルターとの接触面積が小さいので、グリス フィルターの有効面積が大きくなる利点がある。前記バッフルプレートフィルタ ー１７、１８の構成及びオイルミストの濾過作用は、前記に記載した厨房用グリ スフィルター１と同じであるから詳細な説明は省略した。

【００１２】 図５（ａ）、図５（ｂ）の何れの形態の場合も、フィルタープレート１５、１ ６がニッケル多孔体のフィルタ板６に当接して、ニッケル多孔体のフィルタ板６ を覆う面積が少なくなり、その分ニッケル多孔体のフィルタ板６の濾過作用の有 効面積が広くなり、一層濾過効率が向上する。

【００１３】

【実施例２】 この実施例は、ニッケル多孔体のフィルタ板６の厚さを３〜１０ｍｍとしたも のである。ニッケル多孔体のフィルター板６の表面のセル数は、２．５平方セン チ当たり６〜２３個である。また、ニッケル多孔体のフィルター板６を３〜１０ ｍｍと薄くした構造なので、この厨房用グリスフィルター１は、圧力損失が極め て少くて済み、処理風量を増大できる。また圧力損失が少ないので、送風圧力を 下げても、オイルミストの分離効率の低下もなく、運転音も静かであった。この 考案では、バッフルプレートフィルター３が濾過機能を分担するので、従来より 薄いニッケル多孔体のフィルター板６を採用できると共に、フィルター全体の重 量を軽減し、コストの低減もでき、天井等への荷重負荷の軽減にもなり、設置可 能場所を広げられる。分離したオイルミストの流下が良好であり、いわゆる油切 れがよかった。

【００１４】 その他の構成及び作用は、上記の点を除き、実施例１と同じである。

【００１５】 上記実施例は、厨房用グリスフィルター１を、水平面に対し傾斜または垂直に 排気ダクト吸入口に設置するものである。厨房用グリスフィルター１を傾斜また は垂直に設置することにより、捕捉したオイルミストの自然流下が促進され、除 去効率を向上し、且つ厨房用グリスフィルター１の連続使用期間を延長すること ができた。設置場所の状況に応じて所定の角度を選択する。

【００１６】

【考案の効果】

この考案は、２種類の異なる機能のバッフルプレートフィルターと金属多孔体 のフィルターとを組合せ１つのフレームに収納し、且つ金属多孔体のフィルター を脱着自在の構成としたので、取扱いが容易となり、装着、取外し、洗浄、交換 等の取扱いが簡便である。前記のような２種類のフィルターを並設した相乗効果 によりオイルミストの除去能力を高め、かつフィルターの連続使用可能期間を延 長することができる。前記におけるバッフルプレートフィルターは空気抵抗が少 ないが流速と方向転換により、比較的大きいオイルミストを捕捉し、また、薄い 金属多孔体のグリスフィルターは比較的小さいオイルミストを捕捉し、その組合 せにより、圧力損失を少なく除却能率を向上することができる。また空気の流れ が円滑で振動が少ないので、発生する吸気音の発生が少なく静かである。更に、 バッフルプレートフィルターとグリスフィルターと組合せた構成なので、金属多 孔体のグリスフィルター板が薄くて済み、扱い易く、コストも少なくて済み、オ イルミストの流下がスムースで連続使用可能期間が延長できる。オイルミストの 除去率が高いので排気ダクト壁に付着するオイルミストが少なく、ダクト火災防 止効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例の正面よりの斜視図。

【図２】同じく、背面よりの斜視図。

【図３】同じく、フィルタープレートの一部材の拡大斜
視図。

【図４】同じく、一部の断面拡大図。

【図５】（ａ）同じく他の実施例の一部断面拡大図。 （ｂ）同じく、他の実施例の一部断面拡大図。

【符号の説明】

１ 厨房用グリスフィルター ２ フレーム ３ バッフルプレートフィルター ４、１５、１６ フィルタープレート ５ 把手 ６ 金属多孔体のグリスフィルター板 ８ 空気入口 ８ａ 空気出口 ９ａ、９ｂ、９ｃ 袋小路 ８ｃ、１０ａ、１０ｂ、１０ｃ、１０ｄ、１０ｅ、１０
ｆ 流路壁 ８ｂ、１１ａ、１１ｂ、１１ｃ、１１ｄ 垂直壁

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バッフルプレートフィルターとグリスフ
   ィルター板とを一体にフレームに収納した厨房用グリス
   フイルターにおいて、前記バッフルプレートフィルター
   の裏側に、金属の三次元網目状多孔体よりなり孔内外面
   の鋭利な凹凸部を平滑にした金属多孔体のグリスフィル
   ター板を脱着自在に収納したことを特徴とする厨房用グ
   リスフィルター。
2. 【請求項２】 バッフルプレートフィルターとグリスフ
   ィルター板とを一体にフレームに収納した厨房用グリス
   フイルターにおいて、前記バッフルプレートフィルター
   の裏側に、金属の三次元網目状多孔体よりなり孔内外面
   の鋭利な凹凸部を平滑にした厚さ３〜１０ｍｍの金属多
   孔体のグリスフィルター板を脱着自在に収納したことを
   特徴とする厨房用グリスフィルター。
3. 【請求項３】 バッフルプレートフィルターとグリスフ
   ィルター板とを方形のフレーム内に一体的にに収納し、
   前記バッフルプレートフィルターの裏側に、金属の三次
   元網目状多孔体よりなり孔内外面の鋭利な凹凸部を平滑
   にした金属多孔体のグリスフィルター板を当接し、前記
   バッフルプレートフィルターを、フレームの横枠に対
   し、傾斜または垂直にしたことを特徴とする厨房用グリ
   スフィルター。