JP3017980B1 - 末広手巻寿司用の海苔包装体 - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】 矩形状の海苔１と、円錐状に巻かれて内面側
となる海苔１の面を覆うように長手方向に並んで配置さ
れた第１及び第２内面フィルム２ａ，２ｂと、海苔１の
外面側を覆うように配置された外面フィルム３とからな
る末広手巻寿司用の海苔包装体において、海苔１を容易
に取り出せるようにし、もって、末広手巻寿司の簡便性
をさらに向上できるようにする。 【解決手段】 外面フィルム３として、一方向の易裂性
を有する方向性樹脂フィルムをしようし、この外面フィ
ルムを易裂方向が海苔１の幅方向に沿うように配置する
ことで、海苔１の幅方向に延びるように設定した分割線
Ｌに沿って該外面フィルム３を長手方向に分割可能な分
割機構を構成する。また、外面フィルム３の幅方向の両
方の縁部に分割線Ｌの長手方向両側に並ぶ１対の切込み
５，５をそれぞれ設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、末広手巻寿司に用
いられる海苔包装体に関し、特に内容物の形状を損なう
ことなく、また海苔を破ることなく包装フィルムを除去
して海苔を容易に取り出せるようにする対策に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年では、コンビニエンスストアの進出
等に伴い、簡便性のある加工寿司が大量に出回るように
なっている。その１つに、円錐状の末広手巻寿司があ
り、この末広手巻寿司は、円錐状に巻かれた海苔包装体
の内部に、寿司飯や寿司ねた等の内容物が充填された状
態で販売されている。

【０００３】上記海苔包装体は、矩形状の海苔と、円錐
状に巻かれて内面側となる海苔の面を覆う内面フィルム
と、円錐状に巻かれて外面側となる海苔の面を覆う外面
フィルムとを備えており、それら内外面フィルムにより
形成された袋状の包装フィルム内に海苔が収容されてな
っている。そして、上記末広手巻寿司を食する際には、
先ず、海苔包装体の円錐状に巻かれて外側に位置付けら
れる端部の側の部分（以下、単に外端側部分という）を
解き、内面フィルムの外端側部分を外面フィルムから剥
がして海苔の内面の外端側部分を露出させ、その露出部
分に内容物を移した後、包装フィルムを除去して取り出
した海苔を内容物に円錐状に巻き付けるようになされ
る。

【０００４】ところで、上記内面フィルムの外端側部分
を剥がす際に、内面フィルムが剥がれ難いと海苔が破れ
る等の不具合が生じ易く、そのために、巧く包装フィル
ムを除去して海苔を取り出すことができなくなる。

【０００５】そこで、従来の海苔包装体では、内面フィ
ルムは、長手方向に分割された２枚のフィルムが相対す
る長手方向の縁部を互いに重ね合わせた状態に設けられ
ており、外端側フィルムの縁部を摘んで引っ張ることで
該フィルムが容易に剥がれるようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の海苔包装体では、剥がしたフィルムが海苔に引っ掛
かり、そのために、下手に包装フィルムを除去しようと
すると海苔を破ることがある。

【０００７】したがって、海苔を破らないようにするに
は、上記剥がしたフィルムを外面フィルムの下面側に折
り畳んで邪魔にならないように押さえておかなければな
らず、包装フィルムの除去が容易であるとは言い難い。

【０００８】また、末広手巻寿司の場合には、おにぎり
の場合とは異なり、内容物自体は十分な保形性を有して
いないことから、海苔包装体の外端側部分を解く際や、
包装フィルムを除去する際に、内容物の形状が大きく損
なわれないようにすることが必要とされる。

【０００９】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、円錐状に巻かれて内面側となる海苔
の面を覆うように長手方向に並んで配置される２枚の内
面フィルムと、海苔の外面側を覆うように配置される外
面フィルムとからなる包装フィルム内に海苔を収容する
ようにした末広手巻寿司用の海苔包装体において、２枚
の内面フィルムの長手方向寸法を見直すとともに、外面
フィルムにも工夫を加えることで、内容物の形状を損な
うことなく、また海苔を破らずに包装フィルムを除去し
て海苔を容易に取り出せるようにし、もって、末広手巻
寿司の簡便性をさらに向上できるようにすることにあ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、海苔の内面の外端側部分を覆う外端
側内面フィルムの長手方向寸法を、海苔の内面の円錐状
に巻かれて内側に位置する端部の側の部分（以下、単に
内端側部分という）を覆う内端側内面フィルムの長手方
向寸法よりも小さくするとともに、外面フィルムに、該
外面フィルムを長手方向に分割するための分割機構を設
けておき、この分割機構により分割された外面フィルム
の外端側部分を、上記外端側の内面フィルムと共に取り
去ることができるようにした。

【００１１】具体的には、請求項１の発明では、矩形状
の海苔と、円錐状に巻かれて内面側となる海苔の面の内
端側部分を覆う第１内面フィルムと、この第１内面フィ
ルムに長手方向に並びかつ相対する長手方向の縁部同士
が重なり合うように配置されていて、同じく円錐状に巻
かれて内面側となる海苔の面の外端側部分を覆う第２内
面フィルムと、円錐状に巻れて外面側となる海苔の面を
覆うように配置されていて、該海苔の外周において第１
及び第２内面フィルムに貼着された外面フィルムとを備
え、上記第１及び第２内面フィルムと外面フィルムとか
らなる包装フィルム内に上記海苔が収容されているとと
もに、円錐状に巻かれた状態で内部に内容物が充填され
るようにした末広手巻寿司用の海苔包装体が前提であ
る。

【００１２】そして、上記外面フィルムには、海苔の幅
方向に延びるように設定された分割線に沿って該外面フ
ィルムを長手方向に分割可能な分割機構が設けられてお
り、上記第２内面フィルの長手方向寸法は、第１内面フ
ィルムの長手方向寸法よりも小さくされているものとす
る。

【００１３】上記の構成において、円錐状に巻かれた海
苔包装体に内容物が充填された末広手巻寿司を食するに
当り、海苔包装体の外端側部分をその巻端から解いて包
装フィルムの外端側部分を取り去ろうとする際に、第２
内面フィルムの長手方向寸法が第１内面フィルムの長手
方向寸法よりも小さいので、海苔包装体の外端側部分を
沢山解かなくても、上記包装フィルムの外端側部分を取
り去れるようになる。よって、海苔包装体の外端側部分
を沢山解かなければならない場合に比べて、内容物の形
状は海苔包装体の内端側部分により容易に保持されるこ
ととなる。

【００１４】上記海苔包装体の外端側部分を解いた後、
第２内面フィルムを剥がすとともに、外面フィルムを分
割機構により分割線に沿って長手方向に分割する。する
と、分割された外面フィルムの２つの部分のうち、上記
剥がされた第２内面フィルムに連なる外端側部分は、該
内面フィルムと共に取り去られるようになる。したがっ
て、上記剥がした内面フィルムが邪魔になる従来の場合
に比べて、海苔を破らずに容易に包装フィルムを除去で
きるようになる。

【００１５】請求項２の発明では、上記請求項１の発明
において、外面フィルムは、一方向の易裂性を有する方
向性樹脂フィルムからなるものとする。そして、分割機
構は、上記外面フィルムが易裂方向を分割線に沿わせる
ように配置されていることで構成されているものとす
る。

【００１６】上記の構成において、外面フィルムは、一
方向の易裂性を有する方向性樹脂フィルムであって、そ
の易裂方向が分割線に沿っているので、その分割線に沿
って長手方向に容易に分割される。よって、上記請求項
１の発明での作用は具体的にかつ適正に営まれる。

【００１７】請求項３の発明では、上記請求項１の発明
において、分割機構は、外面フィルムの海苔側の面に分
割線に沿って配置されていて一方の端部が他方の端部の
側に引っ張られることで上記外面フィルムを分割する分
割補助材により構成されているものとする。

【００１８】上記の構成において、分割補助材の一方の
端部が他方の端部の側に引っ張られると、この分割補助
材は、外面フィルムの海苔側に位置しているので、該外
面フィルムを分割線に沿って長手方向に分割しながら引
っ張られていくことになる。よって、この発明において
も、上記請求項１の発明での作用は適正に営まれるよう
になる。

【００１９】請求項４の発明では、上記請求項２及び３
の発明において、分割機構は、外面フィルムの幅方向の
少なくとも一方の縁部に分割線の長手方向両側に並んで
設けられた１対の切込みを有するものとする。

【００２０】上記の構成において、外面フィルムの分割
線の一方の端部を他方の端部の側に引っ張ると、外面フ
ィルムの分割は、上記分割線の端部の長手方向両側に位
置する１対の切込みの部分から分割線に沿って進行して
いく。よって、外面フィルムの分割は、さらに容易にな
る。

【００２１】請求項５の発明では、上記請求項３及び４
の発明において、外面フィルムの分割線は、第１及び第
２内面フィルムの相対する長手方向の縁部同士が重なり
合った部分に対し、内端側に配置されているものとす
る。

【００２２】上記の構成において、包装フィルムの外端
側部分を取り去る際に、外面フィルムの分割線が第１及
び第２内面フィルム間の重合部分よりも内端側に偏って
いるので、海苔の外面が内面よりも広く露出することに
なって、該海苔の外端側部分は外面側から支承され易く
なる。よって、包装フィルムの外端側部分を取り去った
後、内容物を海苔の外端側部分に移し替えて包装フィル
ムの残りの部分を除去する際に、上記内容物は海苔の外
端側部分により安定して保持されるようになる。

【００２３】請求項６の発明では、上記の海苔包装体
は、円錐状に巻かれていて、外端側部分に巻端が止着さ
れているので、請求項１〜５の発明での作用は具体的に
営まれる。

【００２４】請求項７の発明に係る末広手巻寿司では、
上記請求項６の発明に係る海苔包装体の内部に、内容物
が充填されているものとするようにしたので、上記請求
項１〜５の発明での作用は、より具体的に営まれること
となる。

【００２５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
に基づいて説明する。

【００２６】（実施形態１） 図１及び図２は、本発明の実施形態１に係る海苔包装体
を示しており、この海苔包装体は、図３に示すように、
円錐状に巻かれた状態で内部に寿司飯等の内容物Ｃが充
填されて末広手巻寿司を構成するために用いられる。

【００２７】上記の海苔包装体は、防湿性を有する透明
の樹脂フィルムからなる矩形状の包装フィルム内に、同
じく矩形状の海苔が収容されてなっていて、その幅方向
の一方の縁部の長手方向中央を中心にして円錐状に巻か
れており、その巻きが解けないように、外側の巻端が例
えばヒートシールにより止着（図３に黒丸で示す部分）
されている。

【００２８】具体的には、上記海苔包装体は、図２に示
すように、矩形状の海苔１と、該海苔包装体が円錐状に
巻かれて内面側となる海苔１の面を覆うように該海苔の
長手方向（同図の左右方向）に並んで配置された第１及
び第２内面フィルム２ａ，２ｂと、図１に示すように、
該海苔包装体が円錐状に巻かれて外面側となる海苔１の
面を覆うように配置されていて、該海苔１の外周におい
て第１及び第２内面フィルム２ａ，２ｂに貼着された外
面フィルム３とからなっている。

【００２９】上記第１内面フィルム２ａは、海苔包装体
が円錐状に巻かれたときに内側となる巻端の側（図２の
左側）に配置されており、一方、第２内面フィルム２ｂ
は、同じく円錐状に巻かれたときに外側となる巻端の側
（同図の右側）に配置されている。また、第２内面フィ
ルム２ｂは、その第１内面フィルム２ａ側の縁部が、第
１内面フィルム２ａの相対する縁部上に重なっている。
これら第１及び第２内面フィルム２ａ，２ｂは、幅方向
（同図の上下方向）の寸法が互いに同じであって、幅方
向の一方の縁部（同図の下方の縁部）が、幅方向の他方
及び長手方向の両側の残りの３つの縁部（同図の上方及
び左右両側の縁部）よりも大きく海苔１の外周からはみ
出している。

【００３０】上記外面フィルム３は、第１及び第２内面
フィルム２ａ，２ｂと同じ大きさ形状をなしていて、図
１及び図２に「×」印で示すように、海苔１の外周にお
いて対応する第１及び第２内面フィルム２ａ，２ｂと例
えばヒートシールにより貼着されている。詳しく説明す
ると、外面フィルム３の幅方向両側の縁部と、第１及び
第２内面フィルム２ａ，２ｂの対応する縁部とは、長手
方向に連続してヒートシールされている。一方、長手方
向両側の縁部同士は、複数の空気孔４，４，…を介して
断続的にヒートシールされている。また、外面フィルム
３の、幅方向の一方の縁部近傍（図１の下方の縁部近
傍）では、該縁部から幅方向の所定の寸法をおいて海苔
１が位置するように、該海苔１の縁部に沿って長手方向
に延びるように第１内面フィルム２ａにヒートシールさ
れている。

【００３１】そして、本実施形態では、図１に示すよう
に、上記外面フィルム３には、海苔１の幅方向に延びる
ように設定された分割線Ｌに沿って該外面フィルム３を
長手方向に分割可能な分割機構が設けられている。

【００３２】さらに、上記第２内面フィルム２ｂは、第
１内面フィルム２ａよりも長手方向の寸法が小さくされ
ている。

【００３３】具体的には、上記外面フィルム３は、１軸
延伸により形成された一方向の易裂性を有する方向性樹
脂フィルムからなっていて、その易裂方向が分割線Ｌに
沿うように配置されており、このことで上記分割機構が
構成されている。

【００３４】また、上記外面フィルム３の幅方向両側の
縁部には、分割線Ｌの長手方向両側に並ぶ１対の切込み
５，５が所定の幅方向寸法に亘って形成されている。

【００３５】さらに、上記分割線Ｌは、第１及び第２内
面フィルム２ａ，２ｂの重なり合う部分に対し、円錐状
に巻かれて内側となる長手方向巻端の側（図１及び図２
の左側）に偏って配置されている。

【００３６】ここで、上記構成の海苔包装体が用いられ
た末広手巻寿司を食する際の海苔１の取出方法の一例
を、図４に基づいて説明する。

【００３７】先ず、海苔包装体の外端側部分を解いて該
外端側部分を拡げる。そして、図４（ａ）に示すよう
に、第１内面フィルム２ａ上に内容物Ｃが配置されてい
る状態で、第２内面フィルム２ｂの第１内面フィルム２
ａ側の縁部を摘んで該第１内面フィルム２ａとは反対の
側（同図の右側）に引っ張る。これにより、第２内面フ
ィルム２ｂの幅方向両側の縁部が外面フィルム３から剥
がれて海苔１の一部が露出する。

【００３８】次に、図４（ｂ）に示すように、上記外面
フィルム３の第２内面フィルム２ｂに連なる部分（同図
の右側部分）とその残りの部分（同図の左側部分）とを
分割線Ｌに沿って長手方向に分割する。つまり、幅方向
の一方の縁部の切込み５，５の間の小片を摘んで他方の
縁部まで引っ張る。このとき、外面フィルム３が方向性
樹脂フィルムからなっていてその易裂方向が分割線Ｌに
沿うように配置されているので、外面フィルム３は分割
線Ｌに沿って容易に分割される。これにより、第２内面
フィルム２ｂは、該第２内面フィルム２ｂに連なる外面
フィルム３の部分と共に取り去られる。

【００３９】しかる後、図４（ｃ）に示すように、第２
内面フィルム２ｂを剥がすことにより露出した海苔１の
部分に内容物Ｃを移し替え、次いで、図４（ｄ）に示す
ように、海苔１を内容物Ｃと共に保持して包装フィルム
から引き出す。そして、図４（ｅ）に示すように、海苔
１を内容物Ｃに円錐状に巻き付ける。これにより、末広
手巻寿司を食することができるようになる。

【００４０】したがって、本実施形態によれば、矩形状
の海苔１と、円錐状に巻かれて内面側となる海苔１の面
の内端側部分を覆う第１内面フィルム２ａと、この第１
内面フィルム２ａに長手方向に並びかつ相対する長手方
向の縁部同士が重なり合うように配置されていて、上記
海苔１の内面の外端側部分を覆う第２内面フィルム２ｂ
と、円錐状に巻かれて外面側となる海苔１の面を覆う外
面フィルム３とを備えた末広手巻寿司用の海苔包装体に
おいて、上記外面フィルム３を方向性樹脂フィルムから
なるものとし、その方向性樹脂フィルムを易裂方向が分
割線Ｌに沿うように配置するようにしたので、上記外面
フィルム３を分割線Ｌに沿って長手方向に分割すること
により、第２内面フィルム２ｂを含む包装フィルムの外
端側部分を取り去ることができる結果、海苔１を破らず
に容易に包装フィルムを除去することができるようにな
り、末広手巻寿司の簡便性をさらに向上させることがで
きる。

【００４１】また、その際に、上記外面フィルム３の幅
方向の両方の縁部に、分割線Ｌの長手方向両側に並ぶ１
対の切込み５，５をそれぞれ設けるようにしたので、外
面フィルム３を分割線Ｌに沿って容易に分割することが
できる。

【００４２】さらに、上記海苔包装体の外端側部分を解
いて包装フィルムの外端側部分を取り去ろうとする際に
は、上記第２内面フィル２ｂの長手方向寸法が第１内面
フィルム２ａの長手方向寸法よりも小さいので、海苔包
装体の外端側部分を沢山解かなくても包装フィルムの外
端側部分を取り除くことができ、よって、内容物Ｃの形
状を海苔包装体の内端側部分により容易に保持すること
ができる。

【００４３】しかも、上記分割線Ｌを、第１及び第２内
面フィルム２ａ，２ｂ間の重合部分よりも内端側に偏ら
せて配置するようにしたので、海苔１の外面を内面より
も広く露出させて該海苔１の外端側部分を外面側から支
承し易くすることができ、よって、包装フィルムの外端
側部分を取り去った後、内容物Ｃを海苔１の外端側部分
に移し替えて包装フィルムの残りの部分を除去する際
に、上記内容物Ｃを海苔１の外端側部分により安定して
保持することができる。

【００４４】尚、上記実施形態では、海苔１を取り出す
方法の一例として、第２内面フィルム２ｂの幅方向両側
縁部を外面フィルム３から剥がした後に、外面フィルム
３を分割するようにしているが、他の一例として、第２
内面フィルム２ｂを剥がさないままの状態で外面フィル
ム３を分割して上記第２内面フィルム２ｂと一緒に取り
去るようにしてもよい。

【００４５】また、上記実施形態では、外面フィルム３
の分割線Ｌの両端部に対応する幅方向の両方の縁部に１
対の切込み５，５をそれぞれ入れるようにしているが、
何れか一方の縁部のみに入れるようにしてもよい。

【００４６】また、上記実施形態では、外面フィルム３
の分割線Ｌの端部に対応する幅方向の縁部に１対の切込
み５，５を入れて外面フィルム３を分割し易くするよう
にしているが、切込み５に代わる手段が採用される場合
や、そのような対策自体が不要な場合には、切込み５を
省略することができる。

【００４７】さらに、上記実施形態では、内面フィルム
２ａ，２ｂ及び外面フィルム３を透明フィルムとするよ
うにしているが、着色されたものであってもよいし、部
分的又は全体的に印刷されたものであってもよい。

【００４８】（実施形態２） 図５は、本発明の実施形態２に係る海苔包装体の全体構
成を示しており、この海苔包装体も、実施形態１の場合
と同様に、円筒状に巻かれた状態で内部に寿司飯等の内
容物Ｃが充填されて末広手巻寿司を構成するために用い
られる。尚、実施形態１の場合と同じ部分には同じ符号
を付して示す。

【００４９】本実施形態では、分割機構は、外面フィル
ム３の海苔１側の面に分割線Ｌに沿って配置した分割補
助材としての赤いカットテープ６により構成されてい
る。尚、その他の部分は実施形態１の場合と同じである
ので説明は省略する。

【００５０】そして、図５に仮想線で示すように、上記
カットテープ６の一方の端部（同図の下方の端部）が他
方の端部（同図の上方の端部）の側に引っ張られること
で該外面フィルム３を分割線Ｌに沿って長手方向に分割
できるようになされている。尚、その他の構成は実施形
態１の場合と同じであるので説明は省略する。

【００５１】したがって、本実施形態によっても、実施
形態１の場合と同じ効果を奏することができる。

【００５２】尚、上記実施形態では、透明の外面フィル
ム３を透してカットテープ６が明瞭に視認されるように
該カットテープ６を赤いものとするようにしているが、
任意の色に着色したり、逆に透明とするようにしてもよ
い。

【００５３】また、上記実施形態では、カットテープ６
により分割補助材を構成するようにしているが、例えば
細糸等、他の部材で構成するようにしてもよい。

【００５４】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の発明に
よれば、矩形状の海苔と、円錐状に巻かれて内面側とな
る海苔の面の内端側部分を覆う第１内面フィルムと、こ
の第１内面フィルムに相対する長手方向の縁部同士が重
なり合うように配置されていて、上記海苔の内面の外端
側部分を覆う第２内面フィルムと、円錐状に巻かれて外
面側となる面を覆う外面フィルムとを備えた末広手巻寿
司用の海苔包装体において、上記外面フィルムに、海苔
の幅方向に延びる分割線に沿って該外面フィルムを長手
方向に分割可能な分割機構を設けるとともに、上記第２
内面フィルムの長手方向寸法を第１内面フィルムの長手
方向寸法よりも小さくするようにしたので、内容物の形
状を損なうことなくかつ海苔を破ることなく包装フィル
ムを除去して海苔の取出しを容易化することができ、末
広手巻寿司の簡便性をさらに向上させることができる。

【００５５】請求項２の発明によれば、上記外面フィル
ムを、一方向の易裂性を有する方向性フィルムからなる
ものとし、この外面フィルムを易裂方向が分割線に沿う
ように配置して上記分割機構を構成するようにしたの
で、上記請求項１の発明による効果を具体的にかつ適正
に得ることができる。

【００５６】請求項３の発明によれば、上記分割機構
を、外面フィルムの海苔側の面に分割線に沿って配置し
たカットテープ等の分割補助材で構成するようにしたの
で、この発明によっても、上記請求項１の発明による効
果を具体的にかつ適正に得ることができる。

【００５７】請求項４の発明では、上記分割機構を、外
面フィルムの幅方向の少なくとも一方の縁部に分割線の
長手方向両側に並んで設けられた１対の切込みを有する
ものとするようにしたので、外面フィルムの分割を容易
化することができる。

【００５８】請求項５の発明では、上記分割線を、第１
及び第２内面フィルムの重合部分よりも内端側に配置す
るようにしたので、包装フィルムの外端側部分を取り去
った後、内容物を海苔の外端側部分に移し替えて包装フ
ィルムの残りの部分を除去する際に、上記内容物を海苔
の外端側部分により安定して保持することができる。

【００５９】請求項６の発明によれば、上記海苔包装体
を、円錐状に巻かれているものとするようにしたので、
上記請求項１〜５の発明による効果を具体的に得ること
ができる。

【００６０】請求項７の発明によれば、末広手巻寿司と
して、円錐状に巻いた上記海苔包装体の内部に内容物を
充填するようにしたので、上記請求項１〜５の発明によ
る効果を、より具体的に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態１に係る海苔包装体を円錐状
に巻かれて外側となる面を展開した状態で模式的に示す
平面図である。

【図２】海苔包装体を円錐状に巻かれて内側となる面を
展開した状態で模式的に示す底面図である。

【図３】円錐状に巻かれた海苔包装体を示す模式図であ
る。

【図４】末広手巻寿司を食するに当たっての海苔の取出
方法を段階的に示す模式図である。

【図５】本発明の実施形態２に係る海苔包装体を示す図
１相当図である。

【符号の説明】

１ 海苔 ２ａ 第１内面フィルム ２ｂ 第２内面フィルム ３ 外面フィルム ４ 空気孔 ５ 切込み ６ カットテープ（分割補助材） Ｌ 分割線 Ｃ 内容物

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65D 85/50 A23L 1/10 B65D 65/10 B65D 65/28 B65D 75/30

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 矩形状の海苔と、 円錐状に巻かれて内面側となる上記海苔の面の外端側部
   分を覆う第１内面フィルムと、 上記第１内面フィルムに長手方向に並びかつ相対する長
   手方向の縁部同士が重なり合うように配置され、円錐状
   に巻かれて内面側となる上記海苔の面の内端側部分を覆
   う 第２内面フィルムと、 円錐状に巻かれて外面側となる上記海苔の面を覆うよう
   に配置され、該海苔の外周において上記第１及び第２内
   面フィルムに貼着された外面フィルムとを備え、上記第１及び第２内面フィルムと外面フィルムとからな
   る包装フィルム内に上記海苔が収容されているととも
   に、 円錐状に巻かれた状態で内部に内容物が充填される
   ようにした末広手巻寿司用の海苔包装体において、 上記外面フィルムに、上記海苔の幅方向に延びるように
   設定された分割線に沿って該外面フィルムを長手方向に
   分割可能な分割機構が設けられており、 上記第２内面フィルの長手方向寸法は、上記第１内面フ
   ィルムの長手方向寸法よりも小さくされて いることを特
   徴とする末広手巻寿司用の海苔包装体。
2. 【請求項２】 請求項１記載の末広手巻寿司用の海苔包
   装体において、 外面フィルムは、一方向の易裂性を有する方向性フィル
   ムからなり、 分割機構は、 上記外面フィルムが易裂方向を分割線に沿わせるように
   配置されていることにより構成されていることを特徴と
   する末広手巻寿司用の海苔包装体。
3. 【請求項３】 請求項１記載の末広手巻寿司用の海苔包
   装体において、 分割機構は、 外面フィルムの海苔側の面に分割線に沿って配置され、
   一方の端部が他方の端部の側に引っ張られることで上記
   外面フィルムを分割する分割補助材により構成されてい
   ることを特徴とする末広手巻寿司用の海苔包装体。
4. 【請求項４】 請求項２又は３記載の末広手巻寿司用の
   海苔包装体において、 分割機構は、 外面フィルムの幅方向の少なくとも一方の縁部に分割線
   の長手方向両側に並んで設けられた１対の切込みを有す
   ることを特徴とする末広手巻寿司用の海苔包装体。
5. 【請求項５】 請求項３又は４記載の末広手巻寿司用の
   海苔包装体において、外面フィルムの分割線は、第１及び第２内面フィルムの
   相対する長手方向の縁部同士が重なり合った部分に対
   し、内端側に配置されている ことを特徴とする末広手巻
   寿司用の海苔包装体。
6. 【請求項６】 請求項１，２，３又は４記載の末広手巻
   寿司用の海苔包装体は、円錐状に巻かれていて、外端側
   部分に巻端が止着されていることを特徴とする末広手巻
   寿司用の海苔包装体。
7. 【請求項７】 請求項６記載の末広手巻寿司用の海苔包
   装体の内部に、内容物が充填されていることを特徴とす
   る末広手巻寿司。