JP3017845B2 - 反応性ケイ素基含有イミド化合物の製法 - Google Patents

反応性ケイ素基含有イミド化合物の製法

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JP3017845B2
JP3017845B2 JP3175504A JP17550491A JP3017845B2 JP 3017845 B2 JP3017845 B2 JP 3017845B2 JP 3175504 A JP3175504 A JP 3175504A JP 17550491 A JP17550491 A JP 17550491A JP 3017845 B2 JP3017845 B2 JP 3017845B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反応性ケイ素基含有イミ
ド化合物の製法に関する。さらに詳しくは、芳香族テト
ラカルボン酸二無水物と炭素- 炭素二重結合含有有機基
を含有するアミンとから1分子中に2つの炭素- 炭素二
重結合含有有機基を有するイミド化合物をえ、引き続い
て該イミド化合物を反応性基を有するヒドロシランでヒ
ドロシリル化することを特徴とする反応性ケイ素基含有
イミド化合物の製法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】従来、室
温硬化性組成物としては、各種のものが開発されている
が、比較的低温で硬化し、硬化後に耐熱性、耐薬品性、
機械的特性に優れた硬化物を与える硬化性組成物はほと
んど開発されていない。
【0003】たとえば、室温硬化性組成物として、アル
コキシシリル基末端ポリエーテルを含有する組成物が開
示されている(特開昭52-73998号公報)。この組成物か
らえられる硬化物は室温でゴム状であり、機械特性、と
くに低温における機械特性には優れているが、 100℃以
上の温度では短時間で機械的特性が大きく低下するため
事実上使用することができない。しかも、硬化物は炭化
水素系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、エステ
ル系溶剤、エーテル系溶剤、アミド系溶剤、ハロゲン系
溶剤などの各種有機溶剤によって大きく膨潤し、機械的
特性が大きく変化するといった欠点をも有している。
【0004】また、硬化後に表面硬度、耐衝撃性、耐薬
品性、接着性などに優れた硬化物を与える硬化性樹脂組
成物として、特公昭58-32163号公報には、テトラカルボ
ン酸二無水物などの酸無水物または該酸無水物にジアミ
ンを反応させてえられた酸無水物末端ポリアミド酸とア
ミノシリコン化合物とを -20〜 +50℃で反応させること
によって、反応性ケイ素基を有する(ポリ)アミド酸プ
レポリマーをえ、このプレポリマーをイミド化せずにそ
のまま前駆体として用いるか、または穏和な条件下で化
学的にイミド化して反応性ケイ素基含有(ポリ)イミド
プレポリマーとしたのち架橋せしめて(ポリ)イミドシ
ロキサンとする硬化性樹脂組成物が開示されている。な
お、イミド化せずに前駆体のまま用いるばあいには、こ
の前駆体を溶液状態で加熱してイミド化の進行とともに
架橋せしめることにより(ポリ)イミドシロキサンにす
ることができる。
【0005】しかしながら、この反応性ケイ素基含有
(ポリ)アミド酸プレポリマーはイミド化するために高
温での処理を必要とし、また、あらかじめイミド化した
反応性ケイ素基含有(ポリ)イミドプレポリマーを製造
するために脱水剤で処理すると溶液全体のゲル化がしば
しば起こる。さらに、反応性ケイ素基含有(ポリ)アミ
ド酸プレポリマー中に存在するカルボキシル基またはア
ミノ基と反応性ケイ素基とが反応し、架橋構造を形成す
るため貯蔵安定性がわるいなどの種々の問題を有してい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は長期の保存安定
性に優れ、加熱および(または)触媒の作用により低温
度で硬化して、耐熱性、耐薬品性の優れた硬化物となる
反応性ケイ素基含有イミド化合物の製法を提供すること
を目的としてなされたものであり、 (a) 一般式(I) :
【0007】
【化5】
【0008】(式中、R0 は炭素数6〜30個の芳香族基
を含有する4価の有機基を表わす)で表わされるテトラ
カルボン酸二無水物と一般式(II):
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R1 は炭素数2〜20個の炭素- 炭
素二重結合含有有機基を表わす)で表わされる炭素- 炭
素二重結合含有有機基を含有する1級アミンとを有機極
性溶媒中で反応させてアミド酸の溶液をえ、(b) ついで
これをイミド化することにより、1分子中に2つの炭素
- 炭素二重結合含有有機基を有するイミド化合物とし、
(c) (b) でえられたイミド化合物を、ヒドロシリル化触
媒の存在下で、一般式(III) :
【0011】
【化7】
【0012】(式中、R2 は炭素数1〜20個の1価の有
機基または一般式(IV):
【0013】
【化8】
【0014】(式中、R3 は炭素数1〜10個の1価の炭
化水素基を表わし、3個のR3 は同一でも異なっていて
もよい)で表わされる基を表わし、Xは水酸基または加
水分解性基を表わし、aは1、2または3であり、
2 、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であっ
てもよく、また異なっていてもよい)で表わされる反応
性基を有するヒドロシランでヒドロシリル化することを
特徴とする1分子中に2つの反応性ケイ素基を含有する
イミド化合物の製法に関する。
【0015】
【作用・実施例】本発明の製法においては、一般式(I)
【0016】
【化9】
【0017】で表わされるテトラカルボン酸二無水物と
一般式(II):
【0018】
【化10】
【0019】で表わされる炭素- 炭素二重結合含有有機
基を含有する1級アミンとを有機極性溶媒中で反応させ
てアミド酸の溶液をえ、ついでこれをイミド化すること
により、1分子中に2つの炭素- 炭素二重結合含有有機
基を有するイミド化合物が製造せしめられる。
【0020】前記1分子中に2つの炭素- 炭素二重結合
含有有機基を有するイミド化合物(以下、炭素- 炭素二
重結合含有有機基含有イミド化合物ともいう)の製法と
しては、芳香族テトラカルボン酸二無水物と炭素- 炭
素二重結合含有有機基を含有する1級アミンとを有機極
性溶媒中で反応させてアミド酸の溶液をえ、ついでこれ
を加熱することにより熱的にイミド化する方法、芳香
族テトラカルボン酸二無水物と炭素- 炭素二重結合含有
有機基を含有する1級アミンとを有機極性溶媒中で反応
させてアミド酸の溶液をえ、ついでこれに無水酢酸など
の脱水剤を作用させ、化学的にイミド化する方法、芳
香族テトラカルボン酸二無水物と炭素- 炭素二重結合含
有有機基を含有する1級アミンとを有機極性溶媒中で反
応させてアミド酸の溶液をえ、ついでこの溶液を水、炭
化水素のようなアミド酸に対する貧溶媒と接触させてア
ミド酸を沈殿として析出させ、これを加熱する方法など
をあげることができる。
【0021】これらのいずれの方法によっても前記炭素
- 炭素二重結合含有有機基含有イミド化合物を製造する
ことができ、とくに制約を受けるものではないが、製造
装置や製造工程がより簡便あるいは容易であることや、
使用する原料の入手が容易であることから、の方法、
すなわち芳香族テトラカルボン酸二無水物と炭素- 炭素
二重結合含有有機基を含有するアミンとを有機極性溶媒
中で反応させてアミド酸の溶液をえ、ついでこれを加熱
してイミド化する方法が好ましい。
【0022】前記一般式(I) においてR0 は炭素数6〜
30個の芳香族基を含有する4価の有機基である。炭素数
が30をこえると入手が困難で実用的でない。前記4価の
有機基のうち、とりわけ炭素数が6〜30個の4価の芳香
族基または2価の基を介して結合した芳香族環からなる
4価の基が、硬化後に耐熱性に優れた硬化物を与えるの
で好ましい。その中でもとくに好ましい具体例として
は、たとえば
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】などがあげられる。
【0026】前記一般式(I) で表わされるテトラカルボ
ン酸二無水物は単独もしくは2種以上の混合物として用
いることができる。
【0027】前記一般式(II)において、R1 は炭素数2
〜20個の炭素- 炭素二重結合含有有機基であり、炭素数
が20をこえるものは入手が困難で実用的ではない。
【0028】前記炭素- 炭素二重結合含有有機基の具体
例としては、たとえばビニル基、アリル基、ブテニル
基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、ノネ
ニル基、デセニル基、ウンデセニル基、イソプロペニル
基、2-メチル-2- プロペニル基、o-ビニルフェニル基、
m-ビニルフェニル基、p-ビニルフェニル基などをあげる
ことができる。
【0029】前記有機極性溶媒は、酸二無水物や1つの
炭素- 炭素二重結合を有するアミンと反応しないもので
あればとくに限定はなく、その具体例としては、たとえ
ばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどの
スルホキシド系溶媒;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-
ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒;N,N-
ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミドなど
のアセトアミド系溶媒;N-メチル-2- ピロリドン、N-ア
セチル-2- ピロリドン、N-ビニル-2- ピロリドンなどの
ピロリドン系溶媒;フェノール、o-クレゾール、m-クレ
ゾール、p-クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェ
ノール、カテコールなどのフェノール系溶媒;ピリジ
ン、ヘキサメチルホスホアミドの単独または2種以上の
混合物などがあげられる。
【0030】前記アミド酸の溶液をうる反応は、80℃以
下、好ましくは50℃以下の温度で、有機極性溶媒に溶解
したテトラカルボン酸無水物の溶液に、炭素- 炭素二重
結合含有有機基を含有する1級アミンまたはそれを有機
極性溶媒に溶解した溶液を添加する方法、または逆に有
機極性溶媒に溶解した炭素- 炭素二重結合含有有機基を
含有する1級アミンの溶液に、テトラカルボン酸無水物
またはそれを有機極性溶媒に溶解した溶液を添加する方
法などにより2成分を混合したあと、80℃以下、好まし
くは50℃以下で0.1 〜3時間反応させることにより行な
うことができる。
【0031】前記炭素- 炭素二重結合含有有機基を含有
する1級アミンとテトラカルボン酸二無水物との割合は
(炭素- 炭素二重結合含有有機基を含有する1級アミ
ン)/(テトラカルボン酸二無水物)がモル比で2/1
〜5/1、好ましくは2/1〜3/1、より好ましくは
2/1〜2.5 /1である。(炭素- 炭素二重結合含有有
機基含有1級アミン)/(テトラカルボン酸二無水物)
が2/1より少ないと、当然、未反応の酸無水物基が残
存し、目的の炭素- 炭素二重結合含有有機基含有イミド
化合物の収率が低下するので好ましくない。また、5/
1をこえると残存する未反応の酸無水物基の量は減少す
るが、過剰に用いた炭素- 炭素二重結合含有有機基を含
有する1級アミンの除去が困難になるので好ましくな
い。
【0032】前記イミド化の方法としては、前記のよう
に、熱的にイミド化する方法が好ましい。熱的にイミド
化するには、前記反応でえられたアミド酸を含む有機極
性溶媒溶液を100 〜250 ℃、好ましくは100 〜200 ℃に
加熱し、0.5 〜15時間、好ましくは0.5 〜10時間保持す
るだけでよい。
【0033】本発明では、前記炭素- 炭素二重結合含有
有機基含有イミド化合物に一般式(V) :
【0034】
【化13】
【0035】で表わされる基(以下、反応性ケイ素基と
いう)が導入され、1分子中に2つの反応性ケイ素基を
含有するイミド化合物が製造される。
【0036】前記炭素- 炭素二重結合含有有機基含有イ
ミド化合物への反応性ケイ素基の導入は、前記炭素- 炭
素二重結合含有有機基含有イミド化合物を、ヒドロシリ
ル化触媒の存在下で、反応性基を有するヒドロシランで
ヒドロシリル化する方法が収率、操作の簡便さなどの点
から好ましい。
【0037】前記反応性基を有するヒドロシランは一般
式(III) :
【0038】
【化14】
【0039】で表わされる化合物である。
【0040】前記一般式(III) 中、R2 は炭素数1〜20
個の1価の有機基または一般式(IV):
【0041】
【化15】
【0042】(式中、R3 は炭素数1〜10個の1価の炭
化水素基を表わし、3個のR3 は同一でも異なっていて
もよい)で示されるトリオルガノシロキシ基である。
【0043】R2 が前記1価の有機基のばあい、炭素数
が20をこえるものは原料の入手が困難である。このよう
な1価の有機基としては炭素数1〜20個、好ましくは1
〜15個のアルキル基、炭素数6〜20個、好ましくは6〜
15個のアリール基、炭素数7〜20個、好ましくは7〜15
個のアラルキル基があげられる。
【0044】R2 が前記トリオルガノシロキシ基のばあ
い、R3 の炭素数が10をこえるものは原料の入手が困難
である。
【0045】R3 の具体例としてはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプ
ロピル基、イソブチル基、t-ブチル基、フェニル基など
があげられる。
【0046】R2 の具体例としては、たとえばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、ドデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソ
オクチル基などのアルキル基;シクロヘキシル基、シク
ロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロ
ペンチル基などのシクロアルキル基、ベンジル基、フェ
ネチル基、クミル基などのアラルキル基;トリメチルシ
ロキシ基、トリエチルシロキシ基、t-ブチルジメチルシ
ロキシ基、メチルジフェニルシロキシ基、ジメチルフェ
ニルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基などがあげら
れる。
【0047】R2 が分子中に複数存在するとき、それら
は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0048】Xは水酸基または加水分解性基を表わす。
加水分解性基はとくに限定されず、従来公知の加水分解
性基が含まれ、具体的には、たとえば水素原子、ハロゲ
ン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメー
ト基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ
基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などがあげられ
る。これらの中では、水素原子、アルコキシ基、アシル
オキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、ア
ミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基
が原料の入手が容易で、かつ反応性が大きいので好まし
く、加水分解性がマイルドで取扱やすいという観点から
はアルコキシ基がとくに好ましい。Xが分子中に2個以
上存在するとき、それらは同一であってもよく、また異
なっていてもよい。
【0049】aは1、2、または3を表わす。すなわ
ち、Xで表わされる基は1個のケイ素原子に1〜3個の
範囲で結合することができる。
【0050】aの値が2または3のばあいXで表わされ
る基は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0051】前記ヒドロシリル化触媒の具体例として
は、たとえば白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボン
ブラックなどの単体に固体白金を担持させたもの、 H2
PtCl6 ・6H2 O などの塩化白金酸、塩化白金酸とアルコ
ール、アルデヒド、ケトンなどとの錯体、白金- オレフ
ィン錯体(たとえば、 Pt (CH2 =CH2 2 ( PPh3
2 Pt(CH2 =CH2 2 Cl2 );白金- ビニルシロキサン
錯体(たとえば、 Ptn(ViMe2 SiOSiMe2 Vi)m 、Pt
[(MeViSiO )4 m )、白金- ホスフィン錯体(たと
えば、Pt( PPh3 4 、Pt(PBu )4 )、白金- ホスフ
ァイト錯体(たとえば、Pt[(P (OPh )3 4 )(前
記式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、
Phはフェニル基を表わし、m、nは整数を表わす)、ジ
カルボニルジクロロ白金、また、アシュビー(Ashby) の
米国特許第3159601 および、3159662号明細書中に記載
された白金- 炭化水素複合体ならびにラモロー(Lamorea
ux) の米国特許第3220972 号明細書中に記載された白金
アルコラート触媒などがあげられる。さらに、モディッ
ク(Modic) の米国特許第3516946 号明細書中に記載され
た塩化白金- オレフィン複合体も本発明において有用で
ある。また、白金化合物以外の触媒の例としては、たと
えばRhCl(PPh3 3 、RhCl3 、Rh/Al2 O3 、RuCl3
IrCl3 、FeCl3 、AlCl3 、PdCl2 ・2H2 O 、NiCl2 、Ti
Cl4 などがあげられる。これらの中では触媒活性の点か
ら、塩化白金酸、白金-オレフィン錯体、白金- ビニル
シロキサン錯体が好ましい。これらの触媒は単独で使用
してもよく、また2種以上併用してもよい。
【0052】前記反応性基を有するヒドロシランの使用
割合は炭素- 炭素二重結合含有有機基含有イミド化合物
の炭素- 炭素二重結合含有有機基1モルに対して1〜10
モル、好ましくは1〜5モル、さらに好ましくは1〜3
モルの範囲である。ヒドロシランの割合が1モルより少
ないと、目的とする化合物を収率よくうることが困難に
なるので好ましくない。また、10モルをこえると、ヒド
ロシランは一般に高価であるため製造コストが高くな
り、かつ過剰に用いたヒドロシランの除去が困難になる
ので好ましくない。
【0053】前記ヒドロシリル化触媒の使用量にはとく
に制限はないが、アルケニル基1モルに対して、10-1
10-8モル、好ましくは10-3〜10-6モルの範囲で用いるの
が好ましい。触媒量が10-8モルより少ないとヒドロシリ
ル化反応が充分に進行しない傾向があり、また、10-1
ルをこえるとヒドロシリル化触媒は一般に高価で腐食性
であり、また水素ガスが大量に発生して、目的とする化
合物の収率が低下するばあいがある。
【0054】前記ヒドロシリル化反応は、一般に0〜 1
50℃の温度範囲で行なわれ、必要に応じて、たとえばヘ
キサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、1,4-ジオキサン、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、アニソ
ールなどのエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、安
息香酸メチル、安息香酸エチルなどのエステル系溶媒;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
1,4-ブタンジオール、エチレングリコールなどのアルコ
ール系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレ
ン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒の
単独または2種以上の混合物などの適当な有機溶媒を用
いてもよい。
【0055】前記炭素- 炭素二重結合含有有機基含有イ
ミド化合物、反応性基を有するヒドロシラン、ヒドロシ
リル化触媒の3成分の添加方法や添加順序は目的とする
反応生成物の収率を低下させない範囲であればとくに限
定はされず、炭素- 炭素二重結合含有有機基含有イミド
化合物と反応性基を有するヒドロシランとの混合物また
はそれを有機溶媒に溶解した溶液にヒドロシリル化触媒
を添加してもよく、またあらかじめヒドロシリル化触媒
と炭素- 炭素二重結合含有有機基含有イミド化合物また
は反応性基を有するヒドロシランとを混合しておき、そ
こに残る1成分を添加する方法を用いてもよい。
【0056】このようにしてえられる化合物の具体例と
しては、たとえば
【0057】
【化16】
【0058】
【化17】
【0059】
【化18】
【0060】
【化19】
【0061】
【化20】
【0062】
【化21】
【0063】などがあげられる。
【0064】本発明の製法によってえられるイミド化合
物は、長期保存安定性にすぐれ、室温で液体または150
℃以下の融点を示し、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、
トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒;ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
エチルエーテル、アニソールなどのエーテル系溶媒;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、安
息香酸メチル、安息香酸エチルなどのエステル系溶媒;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
エチレングリコールなどのアルコール系溶媒;塩化メチ
レン、クロロホルム、塩化エチレン、クロロベンゼンな
どのハロゲン化炭化水素系溶媒に可溶で、かつ無触媒で
も200 ℃以下の温度で硬化する。縮合触媒を使用すると
80℃という低い温度で硬化する。これら2つの方法でえ
られる硬化物は本質的に同じ諸特性を有する。硬化して
えられる樹脂は耐熱性、耐薬品性、機械的特性に優れた
ものであるので、本発明の方法によってえられるイミド
化合物は種々の用途たとえば樹脂改質剤、高温に曝され
やすい部位へのコーティング剤などに好適に用いられ
る。
【0065】以下に、実施例によって本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
【0066】実施例1 チッ素気流下、ピロメリット酸二無水物21.8g(0.10mo
l )を、N,N-ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと略
す)350ml に溶解した。室温において、アリルアミン1
1.4g(0.20mol )を約30分間かけて徐々に添加した。
添加終了後20分間撹拌を続け、アミド酸溶液をえた。
【0067】引続き、えられたアミド酸溶液を還流する
まで加熱し、さらに3時間加熱撹拌を続けてイミド化を
行なった。放冷後反応溶液を大量のメタノール中へ注ぎ
込み、生成物を沈澱させたのち濾過し、えられた針状結
晶をメタノールで洗浄、室温で数時間減圧乾燥した。え
られたイミド化合物の融点は 220〜 225℃であった。
【0068】えられたイミド化合物10gをクロロホルム
200mlに溶解させ、そこにH2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタ
ノール溶液を0.25ml加えた。室温においてメチルジメト
キシシラン12.5mlを滴下ロートにより加え、50℃で1時
間反応させた。反応後、反応溶液をメタノール中に注ぎ
込み、沈殿させたのち濾過し、メタノールで洗浄、室温
で数時間乾燥し、目的とする式(VI):
【0069】
【化22】
【0070】で、表わされる反応性ケイ素基を有するイ
ミド化合物(VI) 15.1 gをえた。
【0071】融点: 120〜 126℃。
【0072】 1H NMR(CDCl3 ) δ:0.14(s,6H,SiCH3 )
、0.66(t、4H,Si CH2 ) 、1.79(m,4H,CH2 CH2 CH2 )
、3.50(s,12H,Si (OCH3 ) 2 ) 、3.74(t,4H, NCH2 )
、8.25(s,2H,aromatic) 。
【0073】実施例2 実施例1と同様にして分子内に2つのアリル基を有する
イミド化合物をえた。えられたイミド化合物の融点は 2
20〜 225℃であった。えられたイミド化合物34.0gをク
ロロホルム 700mlに溶解させ、そこに H2 PtCl6 ・6H2
O 10%エタノール溶液を0.85ml加えた。室温においてジ
メトキシメチルシラン55.8gを滴下ロートにより加え、
50℃で5時間反応させた。反応中、反応溶液の粘度の増
加やゲル化などの現象は観察されなかった。反応後、反
応溶液をメタノール中に注ぎ込み、沈殿させたのち濾過
し、メタノールで洗浄、室温で数時間乾燥し、前記と同
じ反応性ケイ素基を有するイミド化合物(VI)48.9gをえ
た。イミド化合物は、空気中、室温で2週間保存したの
ちも、ゲル化はほとんど起こっていなかった。
【0074】実施例3 実施例1でえられたイミド化合物(VI) 10 gに対してク
ロロホルム20mlを加えてイミド化合物のクロロホルム溶
液を調製し、それに触媒としてオクチル酸スズ0.3gと
ラウリルアミン0.075 gを配合して硬化性組成物をえ
た。該組成物を50℃相対湿度60%で4日間保存し、この
あとさらに 250℃で12時間養生して硬化物を作製した。
【0075】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG-DTAを用いて、チッ素気流下、TGA 測定を
行なった。そこでえられた5%および10%重量損失温度
を表1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホルムアミ
ド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観評価の
結果を表2に示す。
【0076】実施例4 実施例1でえられたイミド化合物(VI)5gを、縮合触媒
を加えることなく180℃に保ったパーフェクトオーブン
内に6時間保存した。この処理によってえられた固体は
クロロホルムに不溶であった。
【0077】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG-DTAを用いてチッ素気流下TGA 測定を行な
った。そこでえられた5%および10%重量損失過度を表
1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホルムアミド、
10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観評価の結果
を表2に示す。
【0078】実施例5 チッ素気流下、 3,3′,4,4′- ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物32.2g(0.10 mol)を、DMAc 200mlに
溶解した。室温において、アリルアミン11.4g(0.20 m
ol)を約30分間かけて徐々に添加した。添加終了後20分
間撹拌を続け、アミド酸溶液をえた。
【0079】引続き、実施例1と同様の処理をしてイミ
ド化合物をえた。えられたイミド化合物の融点は 153〜
154℃であった。
【0080】えられたイミド化合物10gをクロロホルム
200mlに溶解させ、そこに H2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタ
ノール溶液を0.25ml加えた。室温においてメチルジメト
キシシラン12.5mlを滴下ロートにより加え、50℃で1時
間反応させた。反応後、反応溶液をメタノール中に注ぎ
込み、沈殿させたのち濾過し、メタノールで洗浄、室温
で数時間乾燥し、目的とする式(VII) :
【0081】
【化23】
【0082】で表わされる反応性ケイ素基を有するイミ
ド化合物(VII)12.9 gをえた。
【0083】融点:82〜86℃。
【0084】 1H NMR(CDCl3 ) δ:0.14(s,6H,SiCH3 )
、0.66(t、4H, SiCH2 ) 、1.77(m,4H,CH2 CH2 CH2 )
、3.51(s,12H,Si(OCH 3 ) 2 ) 、3.70(t,4H, NCH2 )
、8.02(d,2H,aromatic)、8.15(m,4H,aromatic) 。
【0085】実施例6 実施例5でえられたイミド化合物(VII) 10gに対してク
ロロホルム20mlを加えてイミド化合物のクロロホルム溶
液を調製し、それに触媒としてオクチル酸スズ0.3gと
ラウリルアミン0.075 gを配合して硬化性組成物をえ
た。該組成物を50℃相対湿度60%で4日間保存し、この
あとさらに 250℃で12時間養生して硬化物を作製した。
【0086】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG-DTAを用いて、チッ素気流下TGA 測定を行
なった。そこでえられた5%および10%重量損失温度を
表1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホルムアミ
ド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観評価の
結果を表2に示す。
【0087】実施例7 実施例5でえられたイミド化合物(VII) 5gを、縮合触
媒を加えることなく150 ℃に保ったパーフェクトオーブ
ン内に6時間保存した。この処理によってえられた固体
はクロロホルムに不溶であった。
【0088】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG-DTAを用いてチッ素気流下TGA 測定を行な
った。そこでえられた5%および10%重量損失温度を表
1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホルムアミド、
10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観評価の結果
を表2に示す。
【0089】実施例8 チッ素気流下、3,3 ′,4,4′- ジフェニルエーテルテト
ラカルボン酸二無水物31.0g(0.10 mol)を、DMAc400m
lに溶解した。室温において、アリルアミン11.4g(0.2
0 mol)を約30分間かけて徐々に添加した。添加終了後2
0分間撹拌を続け、アミド酸溶液をえた。
【0090】引続き、実施例1と同様に処理してイミド
化合物をえた。えられたイミド化合物の融点は 153〜 1
54℃であった。
【0091】えられたイミド化合物10gをクロロホルム
200mlに溶解させ、そこに H2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタ
ノール溶液を0.25ml加えた。室温においてトリエトキシ
シラン14.5mlを滴下ロートにより加え、50℃で1時間反
応させた。反応後、反応溶液をメタノール中に注ぎ込
み、沈殿させたのち濾過し、メタノールで洗浄、室温で
数時間乾燥し、目的とする式(VIII):
【0092】
【化24】
【0093】で表わされる反応性ケイ素基を有するイミ
ド化合物(VIII)12.2 gをえた。
【0094】融点:71〜74℃。
【0095】 1H NMR (CDCl3 )δ:0.66(t,4H,SiC
H2 ),1.19(t、9H,SiOCH2 CH3 ) 、1.77(m,4H,CH2 CH2 C
H2 ) 、3.70(t,4H, NCH2 ) 、3.81(q,6H,SiOCH2 C
H3 )、7.38(m,4H,aromatic) 、7.88(d,2H,aromatic)
【0096】実施例9 実施例8でえられたイミド化合物(VIII) 10 gに対して
クロロホルム20mlを加えてイミド化合物のクロロホルム
溶液を調製し、それに触媒としてオクチル酸スズ 0.3g
とラウリルアミン0.075 gを配合して硬化性組成物をえ
た。該組成物を50℃相対湿度60%で4日間保存し、この
あとさらに 250℃で12時間養生して硬化物を作製した。
【0097】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG-DTAを用いて、チッ素気流下TGA 測定を行
なった。そこでえられた5%および10%重量損失温度を
表1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホルムアミ
ド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観評価の
結果を表2に示す。
【0098】実施例10 チッ素気流下、3,3 ′4,4 ′- ジフェニルスルホンテト
ラカルボン酸二無水物35.8g(0.10 mol)を、DMAc 200
mlに溶解した。室温において、アリルアミン11.4ml(0.
20 mol)を約30分間かけて徐々に添加した。添加終了後
20分間撹拌を続け、アミド酸溶液をえた。
【0099】引続き、実施例1と同様に処理してイミド
化合物をえた。えられたイミド化合物の融点は 201〜 2
04℃であった。
【0100】えられたイミド化合物10gをクロロホルム
200mlに溶解させ、そこに H2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタ
ノール溶液を0.25ml加えた。室温においてメチルジアセ
トキシシラン10.3mlを滴下ロートにより加え、80℃で1
時間反応させた。反応後、反応溶液をメタノール中に注
ぎ込み、再沈殿させたのち濾過し、メタノールで洗浄、
室温で数時間乾燥し、目的とする式(IX):
【0101】
【化25】
【0102】で表わされる反応性ケイ素基を有するイミ
ド化合物(IX)10.5gをえた。
【0103】融点:97〜 100℃。
【0104】 1H NMR(CDCl3 ) δ:0.14(s,6H,SiCH3 )
、0.66(t,4H,SiCH2 ) 、1.77(m,4H,CH2 CH2 CH2 ) 、
2.02(s,12H,Si (OCOCH3 ) 2 )、3.72(t,4H, NCH2 ) 、
8.03(d,2H,aromatic) 、8.38(m,4H,aromatic)。
【0105】実施例11 実施例10でえられたイミド化合物(IX)5gを縮合触媒を
加えることなく180 ℃に保ったパーフェクトオーブン内
に6時間保存した。この処理によってえられた固体はク
ロロホルムに不溶であった。
【0106】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG-DTAを用いて、チッ素気流下TGA 測定を行
なった。そこでえられた5%および10%重量損失温度を
表1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホルムアミ
ド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観評価の
結果を表2に示す。
【0107】比較例1 両末端にジメトキシメチルシリル基を有するポリプロピ
レングルコール(分子量約8000) 100gに対して、オク
チル酸スズ3g、ラウリルアミン0.75gを加えて混練し
たのち、室温で4日、さらに50℃(相対湿度60%)で保
存してゴム状硬化物をえた。
【0108】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG-DTAを用いて、チッ素気流下、TGA 測定を
行なった。そこでえられた5%および10%重量損失温度
を表1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホルムアミ
ド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観評価の
結果を表2に示す。
【0109】比較例2 比較例1の両末端にジメトキシメチルシリル基を有する
ポリプロピレングルコールの代わりに、両末端にジメト
キシメチルシリル基を有するポリ(γ- メチル- δ- バ
レロラクトン)(分子量約8000)を用い、それ以外は比
較例1と全く同様にしてゴム状硬化物をえた。
【0110】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差天秤TG-DTAを用いて、チッ素気流下、TGA 測定を行
なった。そこでえられた5%および10%重量損失温度を
表1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホルムアミ
ド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観評価の
結果を表2に示す。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】表1から本発明の方法によってえられたイ
ミド化合物を硬化してえた樹脂は耐熱性に優れたもので
あることがわかる。
【0114】実施例12 チッ素気流下、3,3 ′,4,4′- ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物32.2g(0.10 mol)を、DMAc 200mlに
溶解した。室温において、アリルアミン11.4g(0.20 m
ol)を約30分間かけて徐々に添加した。添加終了後20分
間撹拌を続け、アミド酸溶液をえた。
【0115】引続き、実施例1と同様の処理をして分子
内に2つのアリル基を有するイミド化合物38.1gをえ
た。えられたイミド化合物38.1gの融点は 153〜 154℃
であった。
【0116】えられたイミド化合物38.1gをクロロホル
ム 700mlに溶解させ、そこに H2 PtCl6 ・6H2 O 10%エ
タノール溶液を0.95ml加えた。室温においてジクロロメ
チルシラン32.8gを滴下ロートにより加え、50℃で5時
間反応させた。反応中、反応溶液の粘度の増加やゲル化
などの現象は観察されなかった。反応後、反応溶液をn-
ヘキサン中に注ぎ込み、沈殿させたのち濾過し、n-ヘキ
サンで洗浄、室温で数時間乾燥し、目的とする式(X) :
【0117】
【化26】
【0118】で表わされる反応性ケイ素基を有するイミ
ド化合物(X) 49.9gをえた。
【0119】実施例13 チッ素気流下、3,3 ′,4,4′- ジフェニルエーテルテト
ラカルボン酸二無水物31.0g(0.10 mol)を、DMAc 400
mlに溶解した。室温において、p-アミノスチレン23.8g
(0.20 mol)を約30分間かけて徐々に添加した。添加終
了後20分間撹拌を続け、アミド酸溶液をえた。
【0120】引続き、実施例1と同様に処理してイミド
化合物46.6gをえた。
【0121】えられたイミド化合物46.6gをクロロホル
ム1000mlに溶解させ、そこに H2 PtCl6 ・6H2 O 10%エ
タノール溶液を1.17ml加えた。室温において、トリス
(ジメチルアミノ)シラン58.3gを滴下ロートにより加
え、50℃で5時間反応させた。反応中、反応溶液の粘度
の増加やゲル化などの現象は観察されなかった。反応
後、反応溶液をn-ヘキサン中に注ぎ込み、沈殿させたの
ち濾過し、n-ヘキサンで洗浄、室温で数時間乾燥し、目
的とするケイ素基を有するイミド化合物である式(XI):
【0122】
【化27】
【0123】で表わされる化合物、式(XII) :
【0124】
【化28】
【0125】で表わされる化合物および式(XIII):
【0126】
【化29】
【0127】で表わされる化合物の混合物72.6gをえ
た。
【0128】前記イミド化合物の混合物は、空気中、室
温で2週間保存したのちにも、ゲル化はほとんど起こっ
ていなかった。
【0129】実施例14 チッ素気流下、3,3 ′4,4 ′- ジフェニルスルホンテト
ラカルボン酸二無水物35.8g(0.10 mol)を、DMAc 200
mlに溶解した。室温において、m-アミノスチレン23.8g
(0.20 mol)を約30分間かけて徐々に添加した。添加終
了後20分間撹拌を続け、アミド酸溶液をえた。
【0130】引続き、実施例1と同様に処理してイミド
化合物50.7gをえた。
【0131】えられたイミド化合物50.7gをクロロホル
ム1000mlに溶解させ、そこに H2 PtCl6 ・6H2 O 10%エ
タノール溶液を1.17ml加えた。室温においてメチルジア
セトキシシラン56.5gを滴下ロートにより加え、80℃で
1時間反応させた。反応中、反応溶液の粘度の増加やゲ
ル化などの現象は観察されなかった。反応後、反応溶液
をメタノール中に注ぎ込み、再沈殿させたのち濾過し、
n-ヘキサンで洗浄、室温で数時間乾燥し、目的とするケ
イ素基を有するイミド化合物である式(XIV) :
【0132】
【化30】
【0133】で表わされる化合物、式(XV):
【0134】
【化31】
【0135】で表わされる化合物、式(XVI) :
【0136】
【化32】
【0137】で表わされる化合物の混合物75.1gをえ
た。
【0138】前記イミド化合物の混合物は、空気中、室
温で2週間保存したのちにも、ゲル化はほとんど起こっ
ていなかった。
【0139】比較例3 チッ素気流下、3,3 ′,4,4′- ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物12.9g(0.04mol )をDMAc50mlに懸濁
した。0〜5℃において、(γ- アミノプロピル)- ジ
メトキシメチルシラン13.1g(0.08mol )を約30分間か
けて徐々に添加した。添加終了後、室温において20分間
撹拌を続け、反応性ケイ素基を含むアミド酸をえた。こ
の溶液に、室温で無水酢酸8.5 gとピリジン6.6 gの混
合物を添加し、16時間撹拌を続けた。この間、多量の沈
殿が生成した。反応時間の経過とともに反応溶液の粘度
は上昇し、16時間を経過したところで反応溶液は完全に
ゲル化した。
【0140】
【発明の効果】本発明の製法によると、まず炭素- 炭素
二重結合含有有機基を含有するイミド化合物を合成し、
引き続いてヒドロシリル化するという方法を用いている
ために、材料の入手が容易であり、目的の反応性ケイ素
基含有イミド化合物を製造する際にゲル化などの副反応
が起こらず、収率よく目的のイミド化合物を製造でき、
しかもカルボキシル基やアミノ基が系中に存在しないた
めに、えられたイミド化合物は長期の保存安定性に優れ
たものとなる。さらには、えられるイミド化合物の硬化
反応は実質的にはシラノールの縮合反応のみによって進
行するため、比較的低い温度で硬化反応を進行させるこ
とができる。えられるイミド化合物からの硬化物は、耐
熱性、耐薬品性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米沢 和弥 兵庫県神戸市垂水区つつじが丘5−12− 11 (56)参考文献 特開 昭55−35076(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 7/18 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 一般式(I) : 【化1】 (式中、R0 は炭素数6〜30個の芳香族基を含有する4
    価の有機基を表わす)で表わされるテトラカルボン酸二
    無水物と一般式(II): 【化2】 (式中、R1 は炭素数2〜20個の炭素- 炭素二重結合含
    有有機基を表わす)で表わされる炭素- 炭素二重結合含
    有有機基を含有する1級アミンとを有機極性溶媒中で反
    応させてアミド酸の溶液をえ、(b) ついでこれをイミド
    化することにより、1分子中に2つの炭素- 炭素二重結
    合含有有機基を有するイミド化合物とし、(c) (b) でえ
    られたイミド化合物を、ヒドロシリル化触媒の存在下
    で、一般式(III) : 【化3】 (式中、R2 は炭素数1〜20個の1価の有機基または一
    般式(IV): 【化4】 (式中、R3 は炭素数1〜10個の1価の炭化水素基を表
    わし、3個のR3 は同一でも異なっていてもよい)で表
    わされる基を表わし、Xは水酸基または加水分解性基を
    表わし、aは1、2または3であり、R2 、Xが2個以
    上存在するとき、それらは同一であってもよく、また異
    なっていてもよい)で表わされる反応性基を有するヒド
    ロシランでヒドロシリル化することを特徴とする1分子
    中に2つの反応性ケイ素基を含有するイミド化合物の製
    法。
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