JPH061795A - 反応性ケイ素基含有イミド化合物、それを含む硬化性組成物および反応性ケイ素基含有イミド化合物の製法 - Google Patents

反応性ケイ素基含有イミド化合物、それを含む硬化性組成物および反応性ケイ素基含有イミド化合物の製法

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JPH061795A
JPH061795A JP4156706A JP15670692A JPH061795A JP H061795 A JPH061795 A JP H061795A JP 4156706 A JP4156706 A JP 4156706A JP 15670692 A JP15670692 A JP 15670692A JP H061795 A JPH061795 A JP H061795A
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Japan
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carbon atoms
formula
organic group
imide compound
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Application number
JP4156706A
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English (en)
Inventor
Yasuhisa Kishimoto
恭尚 岸本
Renichi Akahori
廉一 赤堀
Katsuya Ouchi
克哉 大内
Kazuya Yonezawa
和弥 米沢
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 芳香族基をもつテトラカルボン酸二無水物お
よびジアミンならびにモノアミンからイミド化合物を
得、該化合物をさらにヒドロシランと反応させてヒドロ
シリル化してえられる式(I)の反応性ケイ素基含有イ
ミド化合物およびその製造法、ならびに該イミド化合物
およびシラノール触媒を含む硬化性組成物。 (例えば、 ) 【効果】 このイミド化合物は、それ自身優れた耐熱性
を有する硬化物となる。また該イミド化合物とシラノー
ル縮合触媒とからなる組成物はきわめて優れた耐熱性を
有する硬化物とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な反応性ケイ素含有
イミド化合物、該イミド化合物の製法、および該イミド
化合物を含んでなる硬化性組成物に関する。さらに詳し
くは、硬化後に優れた耐熱性、耐薬品性、機械的特性を
有する硬化物を与えるイミド化合物、および該イミド化
合物を含んでなる硬化性組成物ならびに芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物、ジアミン、炭素−炭素二重結合含有
有機基を有するアミンから1分子中に2つの炭素−炭素
二重結合含有有機基を有するイミド化合物をえ、引続い
て該イミド化合物を反応性基を有するヒドロシランでヒ
ドロシリル化することを特徴とする反応性ケイ素基含有
イミド化合物の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、室温硬化性樹脂組成物としては、
各種のものが開発されているが、硬化後に耐熱性、耐薬
品性、機械的特性に優れた硬化物を与える硬化性樹脂組
成物はほとんど開発されていない。
【0003】室温硬化性樹脂組成物として、シリルエー
テル基末端ポリエーテルを含有する組成物が開示されて
いる(特開昭52−73998号公報)。この組成物か
らえられる硬化物は室温でゴム状であり、機械的特性、
とくに低温における機械的特性に優れているものの、1
00℃以上の温度では機械的強度が著しく低下するため
に、事実上使用は不可能である。また、主鎖がポリエス
テルからなる室温硬化性樹脂組成物が開示されている
(特公昭49−32673号公報)が、この組成物にお
いてもえられる硬化物の耐熱性は充分でない。一般にポ
リエステルはポリエーテルと比較して耐熱性は優れてい
るが、満足なものはまだえられていない。
【0004】また、硬化後に表面硬度、耐衝撃性、耐薬
品性、接着性などに優れた硬化物を与える硬化性樹脂組
成物として、同一分子内に芳香族イミド基と多官能シリ
ル基を有する化合物を含有してなる組成物が開示されて
いる(特開昭64−45481号公報、および特開昭6
4−54478号公報)。この組成物においては骨格に
イミド基を有するためにポリエーテル主鎖やポリエステ
ル主鎖の硬化性組成物よりも耐熱性は優れるものの、硬
化物内のイミド含有率が低く、従って耐熱性もまだ充分
とは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、触媒の作用
により低温度で縮合し、耐熱性の優れた硬化物となるイ
ミド化合物および該イミド化合物の製法、ならびに該イ
ミド化合物と硬化触媒とからなる硬化性組成物を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題をについて鋭意検討を重ねた結果、同一分子内にイミ
ド骨格と反応性ケイ素基を有する化合物が、硬化後に優
れた耐熱性を有する硬化物を与えることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0007】本発明は、一般式(I):
【0008】
【化8】
【0009】(式中、R1 は芳香族基を含有する炭素数
6〜30の4価の有機基、R2 は芳香族基を含有する炭
素数6〜30の2価の有機基、または一般式(II):
【0010】
【化9】
【0011】(R5 は炭素数1〜20の2価の有機基、
6 は炭素数1〜20の1価の有機基で、2つのR5
6 はそれぞれ同一であっても、また異なっていてもよ
く、kは1〜20の正の整数を表わす)で表わされる2
価の有機基、R3 は炭素数1〜20の2価の有機基、R
4 は炭素数1〜20の1価の有機基または (R7 3 Si−O− (式中、R7 は炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表
わし、3個のR7 は同一でも異なっていてもよい)、X
は水酸基または加水分解性基、aは1、2または3であ
り、2つのR3 同一であってもまた異なっていてもよ
く、R4 およびXが2個以上存在するとき、それらはそ
れぞれ同一であってよく、また異なっていてもよく、n
は1〜20の整数を表わす)で表わされる反応性ケイ素
基含有イミド化合物に関する。
【0012】本発明は、また前記イミド化合物およびシ
ラノール縮合触媒を含有してなる硬化性組成物に関す
る。
【0013】本発明はまた、(a)一般式(III) :
【0014】
【化10】
【0015】(式中、R1 は前記に同じ)で表されるテ
トラカルボン酸に無水物と一般式(IV): H2 N−R2 −NH2 (IV) (式中、R2 は前記に同じ)で表されるジアミンと一般
式(V): R8 −NH2 (V) (式中、R8 は炭素数2〜20の炭素−炭素二重結合含
有基を表す)で表される炭素−炭素二重結合含有基を有
する1級アミンとを有機極性溶媒中で反応させてポリア
ミド酸の溶液をえ、(b)ついでこれをイミド化するこ
とにより、1分子中に2つの炭素−炭素二重結合含有基
を有するイミド化合物とし、(c)(b)でえられたイ
ミド化合物と、ヒドロシリル化触媒の存在下で、一般式
(VI):
【0016】
【化11】
【0017】(式中、R4 、X、aは前記に同じ)で表
わされる反応性基を有するヒドロシランでヒドロシリル
化することを特徴とする反応性ケイ素基含有イミド化合
物の製法に関する。
【0018】
【作用および実施例】本発明のイミド化合物は一般式
(I):
【0019】
【化12】
【0020】で表わされる新規な化合物である。
【0021】一般式(I)において、R1 は芳香族基を
含有する炭素数6〜30の4価の有機基であって、とり
わけ炭素数が6〜30の、4価の芳香族基または2価の
基を介して結合した芳香族環からなる4価の基が硬化後
に耐熱性に優れた硬化物を与えるという点から好まし
く、その中でもとくに好ましい具体例としては以下の構
造式で表わされる有機基を挙げることができる。それら
を単独もしくは2種以上の混合物として用いることがで
きる。
【0022】
【化13】
【0023】
【化14】
【0024】また、一般式(I)で表されるイミド化合
物において、R2 は芳香族基を含有する炭素数6〜30
の2価の有機基、または一般式(II):
【0025】
【化15】
【0026】で表わされる2価の基である。
【0027】前記一般式(II)においてR5 は炭素数
1〜20の2価の有機基、たとえばメチレン基、エチレ
ン基、プロピレン基などの脂肪族アルキレン基、フェニ
レン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などを表わ
し、R6 は炭素数1〜20の1価の有機基、たとえばメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基などの脂肪族アルキル基、フェニル基、
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メ
チルフェニル基などを表わす。2つのR5 、R6はそれ
ぞれ同一であっても、また異なっていてもよい。kは1
〜20の正の整数を表す。
【0028】前記R2 で表わされる2価の基の具体例と
しては、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,
4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミ
ノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニル
スルフィド、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)
ビフェニル、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、
3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジ
アミノベンゾフェノン、ビス{4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(2−アミ
ノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,4−ビス(4
−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ
フェニル)ベンゼン、ビス{4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル}エーテル、4,4´−ジアミノジフェニ
ルメタン、ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)メ
タン、ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)メタ
ン、ビス(3−クロロ−4−アミノフェニル)メタン、
4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノオ
クタフルオロビフェニル、3,3´−ジメトキシ−4,
4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,
4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−4,
4´−ジアミノビフェニル、2,2´,5,5´−テト
ラクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−
ジカルボキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3
´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、
2,4−ジアミノトルエン、1,3−ジアミノベンゼ
ン、1,4−ジアミノベンゼン、2,2´−ビス{4−
(4−アミノフェニキシ)フェニル}プロパン、2,2
´−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘ
キサフルオロプロパン、2,2´−ビス(4−アミノフ
ェニル)プロパン、2,2´−ビス(4−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2´−ビス(3−ヒ
ドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、2,2´−
ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)
−10−ヒドロアントラセン、9,9−ビス(4−アミ
ノフェニル)フルオレン、オルトトリジンスルホン、
1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシ
ロキサン、1,5−ビス(3−アミノプロピル)ヘキサ
メチルトリシロキサン、および一般式:
【0029】
【化16】
【0030】(式中、R6 、kは前記に同じ)で表され
るアミノ基末端ポリシロキサンなどのシロキサンジアミ
ンからアミノ基を除いた残基などが挙げられ、これらを
単独もしくは2種以上の混合物として用いることができ
る。
【0031】R3 で表わされる2価の有機基は炭素数1
〜20の2価の有機基である。炭素数が20をこえるも
のは入手が困難で実用的ではない。具体的にはメチレン
基、エチレン基、プロピレン基、などの脂肪族アルキレ
ン基、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン
基などを挙げることができる。
【0032】R4 は、炭素数1〜20のアルキル基、炭
素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキ
ル基または (R7 3 Si−O− (式中、R7 は前記に同じ)で示されるトリオルガノシ
ロキシ基であって、R4が分子中に2個以上存在すると
き、それらは同一であってもよく、異なっていてもよ
い。
【0033】R4 の具体例としては、たとえばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、ドデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソ
オクチル基などのアルキル基、シクロペンチル基、メチ
ルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロ
ヘキシル基などのシクロアルキル基、ベンジル基、フェ
ネチル基、クミル基などのアラルキル基やトリメチルシ
ロキシ基、トリエチルシロキシ基、t−ブチルジメチル
シロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、メチルジフ
ェニルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基などがあげ
られる。
【0034】R7 の例としてはメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、
イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、フェニ
ル基などがあげられる。
【0035】Xは水酸基または加水分解性基を表わす。
加水分解性基はとくに限定されず、従来公知の加水分解
性基が含まれ、具体的には、たとえば水素原子、ハロゲ
ン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメー
ト基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ
基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などがあげられ
る。これらの中では、水素原子、アルコキシ基、アシル
オキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、ア
ミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基
が好ましく、加水分解性がマイルドで取扱いやすいとい
う観点からアルコキシ基がとくに好ましい。Xが2個以
上存在するとき、それらは同一であってもよく、また異
なっていてもよい。
【0036】aは1、2または3を表す。すなわちXで
表される基は1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合
することができる。
【0037】aの値が2または3のばあいXで表わされ
る基は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0038】本発明の、反応性ケイ素基含有イミド化合
物の代表例を以下に記す。
【0039】
【化17】
【0040】
【化18】
【0041】本発明のイミド化合物の製造方法としては
いくつかの方法があるが、それらの中で、まず相当す
る、同一分子内に2つの炭素−炭素二重結合含有基を有
するポリイミド化合物を合成し、そののち、
【0042】
【化19】
【0043】を導入する方法が材料入手の容易さ、収率
などの点からとくに好ましい。
【0044】同一分子内に2つの炭素−炭素二重結合含
有基を有するイミド化合物は以下の方法により製造する
ことができる。すなわちその製造方法としては、(1)
まず芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有
機極性溶媒中で反応させ、続いて炭素−炭素二重結合含
有基を有する1級アミンを反応させてポリアミド酸の溶
液をえ、ついでこれを加熱することにより熱的にイミ
ド化する方法、これに無水酢酸などの脱水剤を作用さ
せ、化学的にイミド化する方法、この溶液を水、炭化
水素のようなアミド酸に対する貧溶媒と接触させてポリ
アミド酸を沈殿として析出させ、これを加熱する方法、
(2)芳香族テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン
とを有機極性溶媒中でまず反応させ、続いて前記反応生
成物を炭素−炭素二重結合含有イソシアネートと有機溶
媒中で反応させて直接イミド化合物をえる方法などをあ
げることができる。
【0045】前記のいずれの方法によっても同一分子内
に2つの炭素−炭素二重結合含有基を有するイミド化合
物をえることができ、とくに制約を受けるものではない
が、製造装置や製造工程がより簡便あるいは容易である
ことや、使用する原料の入手が容易であることから、
(1)の方法、すなわち芳香族テトラカルボン酸二無
水物とジアミンとを有機極性溶媒中で予め反応させて酸
無水物末端ポリアミド酸の溶液をえ、続いて炭素−炭素
二重結合含有基を有するアミンを添加して反応させたの
ちこれを加熱することによる方法、すなわち、一般式(I
II) :
【0046】
【化20】
【0047】(式中、R1 は前記に同じ)で表わさせる
テトラカルボン酸二無水物と一般式(IV): H2 N−R2 −NH2 (IV) (式中、R2 は前記に同じ)で表わされるジアミンと一
般式(V): R8 −NH2 (V) (式中、R8 は前記に同じ)で表わされる炭素−炭素二
重結合含有基を有する1級アミンとを有機極性溶媒中で
反応させてポリアミド酸の溶液をえ、ついでこれをイミ
ド化する方法が好ましい。
【0048】前記一般式(V)において、R8 は炭素数
2〜20の炭素−炭素二重結合含有基であり、炭素数が
20をこえるものは入手が困難で実用的ではない。
【0049】前記炭素−炭素二重結合含有基の具体例と
してはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル
基、ヘキセニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニ
ル基、ウンデセニル基、イソプロペニル基、2−メチル
−2−プロペニル基、o−ビニルフェニル基、m−ビニ
ルフェニル基、p−ビニルフェニル基などをあげること
ができる。
【0050】テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの
反応は有機極性溶媒中で80℃、より好ましくは50℃
以下の温度で0.1〜3時間保存することにより進行さ
せることができる。
【0051】芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミ
ンとの使用割合にはとくに制限はないが、両者の割合に
よってイミドオリゴマーの大きさが変るので必要に応じ
て適宜選択する。
【0052】さらに、えられたアミド酸を熱的にイミド
化するには、アミド酸を含む有機溶液を100〜250
℃、好ましくは100〜200℃に加熱し、0.5〜1
5時間、好ましくは0.5〜10時間保持することによ
りえられる。
【0053】えられた酸無水物末端ポリイミド化合物と
炭素−炭素二重結合含有基を有する1級アミンとの反応
は両者を有機極性溶媒中で80℃、より好ましくは50
℃以下の温度で0.1〜3時間保存することにより進行
させることができる。
【0054】このとき炭素−炭素二重結合含有基を有す
る1級アミンは酸無水物末端に対して2〜5倍量(モル
比、以下同様)、好ましくは2〜3倍量、より好ましく
は2〜2.5倍量用いられる。炭素−炭素二重結合含有
基を有する1級アミンの量が2倍量より少ないと、当
然、未反応の酸無水物基が残存し、目的の炭素−炭素二
重結合含有基を有するイミド化合物の収率は低下するの
で好ましくない。また、5倍量以上用いると残存する未
反応の酸無水物の量は減少するが、過剰に用いた炭素−
炭素二重結合含有基を有する1級アミンの除去が困難に
なるので好ましくない。
【0055】前記の反応で用いられる有機溶媒の例とし
ては、酸無水物やアミン類と反応しないものであれば特
に制限はされないが、たとえばジメチルスルホキシド、
ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムア
ミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセト
アミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセ
チル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンな
どのピロリドン系溶媒、フェノール、o−クレゾール、
m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、ハロ
ゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶
媒、あるいはピリジン、ヘキサメチルホスホルアミド、
γ−ブチロラクトンおよびこれら2種以上の混合物をあ
げることができる。
【0056】前記炭素−炭素二重結合含有基を有するイ
ミド化合物への反応性ケイ素基の導入は、ヒドロシリル
化触媒を用いて、前記炭素−炭素二重結合含有基を有す
るイミド化合物に、反応性基を有するヒドロシランを反
応させる方法が収率、操作の簡便さなどの点から好まし
い。
【0057】本発明に用いられる反応性基を有するヒド
ロシランは一般式(VI):
【0058】
【化21】
【0059】(式中、R4 は、X、aは前記と同じ)で
表わされる。
【0060】ヒドロシリル化反応は、一般に0〜150
℃の温度範囲で行なわれ、必要に応じて、たとえばヘキ
サン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの
炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチル
エーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、アニ
ソールなどのエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、安息
香酸エチルなどのエステル系溶媒、塩化メチレン、クロ
ロホルム、塩化エチレン、クロロベンゼンなどのハロゲ
ン化炭化水素系溶媒の単独もしくは2種以上の混合物な
どの適当な有機溶媒を用いてもよい。
【0061】ヒドロシリル化反応においては、ヒドロシ
ランは炭素−炭素二重結合含有基を有するイミド化合物
の炭素−炭素二重結合に対してモル比で1〜10倍量、
好ましくは1〜5倍量、より好ましくは1〜3倍量の範
囲で用いることが必要である。反応に用いるヒドロシラ
ンの量が炭素−炭素二重結合に対して1倍量より少ない
と目的とする化合物を収率よくえることが困難になるの
で好ましくない。また、ヒドロシランは一般に高価であ
るため、10倍量より多く用いるのは製造コストが高く
なり、かつ過剰に用いたヒドロシランの除去が困難にな
るので好ましくない。
【0062】ヒドロシリル化触媒としては、白金の担
体、アルミナ、シリカ、カーボンブラックなどの担体に
固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸と
アルコール、アルデヒド、ケトンなどとの錯体、白金−
オレフィン錯体たとえばPt(CH2 =CH2 2 (P
Ph3 2 、Pt(CH2 =CH2 2 Cl2 、白金−
ビニルシロキサン錯体たとえばPt(ViMe2 Si
OSiMe2 Vi)、Pt[MeViSi
O)4 、白金−ホスフィン錯体たとえばPt(PP
34 、Pt(PBu)4 、白金−ホスファイト錯体
たとえばPt[P(OPh)3 4 (式中、Meはメチ
ル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニ
ル基を表わし、m、nは整数を表す)、ジカルボニルジ
クロロ白金、また、アシュビー(Ashby)の米国特
許第3159601号明細書および3159662号明
細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラ
モロー(Lamoreaux)の米国特許第32209
72号明細書中に記載された白金アルコラート触媒があ
げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特
許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−
オレフィン複合体も本発明において有用である。
【0063】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、RhCl(PPh3 3 、RhCl3 、RhAl2
3 、RuCl3 、IrCl3 、FeCl3 、AlCl
3 、PdCl2 ・2H2 O、NiCl2 、TiCl4
どがあげられる。これらの触媒は単独で使用してもよ
く、また2種以上併用しても構わない。触媒活性の点か
ら、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニル
シロキサン錯体が好ましい。
【0064】触媒量としては特に制限はないが、炭素−
炭素二重結合1molに対して、10-1〜10-8mol
の範囲で用いるのがよい。好ましくは10-3〜10-6
olの範囲で用いるのがよい。10-8molより少ない
と硬化が充分に進行しない。また、ヒドロシリル化触媒
は一般に高価で腐食性であり、また、水素ガスが大量に
発生して、硬化物が発泡してしまうばあいがあるので1
-1mol以上用いるないほうがよい。
【0065】炭素−炭素二重結合含有基を有するイミド
化合物、ヒドロシラン、ヒドロシリル化触媒の3成分の
添加方法や添加順序は目的とする反応生成物の収率を低
下させない範囲であれば特に限定はされず、炭素−炭素
二重結合含有基を有するイミド化合物とヒドロシランの
混合物またはそれを有機溶媒に溶解した有機溶媒にヒド
ロシリル化触媒を添加してもよく、またあらかじめヒド
ロシリル化触媒を炭素−炭素二重結合含有基を有するイ
ミド化合物またはヒドロシランとを混合しておき、そこ
に残る1成分を添加する方法を用いてもよい。
【0066】本発明のイミド化合物は250℃以下の融
点を示し、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、
キシレンなどの炭化水素系溶媒、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、エチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエー
テル、エチレングリコールジエチルエーテル、アニソー
ルなどのエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エ
チルなどのエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホル
ム、塩化エチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭
化水素系溶媒に可溶である。
【0067】本発明のイミド化合物は無触媒でも200
℃以下の温度で硬化し、縮合触媒を使用すると80℃以
下という低い温度でも硬化する。これら異なる2つの方
法により硬化してえられる樹脂は、本質的に同じ諸特性
を有し、いずれも耐熱性、耐薬品性、機械的特性に優れ
たものである。
【0068】本発明のイミド化合物を硬化させるには、
該イミド化合物をその融点以上350℃以下、好ましく
は250℃以下の温度範囲で5分〜24時間処理すれば
よい。
【0069】本発明の組成物は前記一般式(I)で表わ
されるイミド化合物の1種または2種以上とシラノール
縮合触媒の1種または2種以上とからなる。
【0070】本発明の組成物におけるシラノール縮合触
媒の具体例としては、たとえばテトラブチルチタネー
ト、テトラプロピルチタネートなどのチタン酸エステル
類;ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエー
ト、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフ
テン酸スズなどのスズカルボン酸塩類;ジブチルスズオ
キサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチルスズ
ジアセチルアセトナート;アルミニウムトリスアセチル
アセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテ
ート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセ
テートなどの有機アルミニウム化合物類;ジルコニウム
テトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルア
セトナートなどのキレート化合物類;オクチル酸鉛;ブ
チルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジル
アミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジ
アミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニ
ルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメ
チル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリ
ン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジ
アザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)
などのアミン系化合物あるいはそれらのカルボン酸など
との塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とからえられる低
分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化
合物との反応生成物;アミノ基を有するシランカップリ
ング剤、たとえばγ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジ
メトキシシランなどのシラノール縮合触媒、さらには他
の酸性触媒、塩基性触媒などの公知のシラノール縮合触
媒などがあげられる。これらの触媒は単独で使用しても
よく、2種以上併用してもよい。
【0071】組成物中のシラノール縮合触媒の量は、前
記イミド化合物100重量部に対して0.01〜20重
量部が好ましく、0.1〜10重量部がさらに好まし
い。硬化触媒の使用量が少なすぎると、縮合速度が遅く
なり、また硬化反応が充分に進行しにくくなって良好な
硬化物がえられにくく好ましくない。一方、硬化触媒量
が多すぎると、硬化時に局部的に発熱や発泡が生じ、良
好な硬化物がえられにくくなるので、好ましくない。
【0072】本発明の組成物は前記イミド化合物を適当
な有機溶媒、たとえばヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、
トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、
1,4−ブタンジオールなどのアルコール系溶媒、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレング
リコールジエチルエーテル、アニソールなどのエーテル
系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸
ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチルなどのエステ
ル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレ
ン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒の
単独もしくは2種以上の混合物などに溶解したのち、そ
の溶液にシラノール縮合触媒を加えてえられる。
【0073】本発明の組成物には更に必要に応じて接着
性改良剤、物性調整剤、保存安定性改良剤、可塑剤、重
点剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、オ
ゾン劣化防止剤、光安定剤、アミン系ラジカル連鎖禁止
剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤などの
各種添加剤を適宜添加することが可能である。添加剤の
総量は硬化物の諸特性を著しく低下させない範囲ならば
とくに限定はされないが、好ましくは前記イミド化合物
100重量部に対して1〜100重量部である。
【0074】本発明の組成物を硬化させるには、該組成
物を0〜200℃、好ましくは0〜100℃の温度範囲
で1分〜24時間処理すればよい。処理温度が高すぎる
ばあいには硬化時に局部的な発熱や発泡が生じ、良好な
硬化部つがえられにくくなるので、好ましくない。組成
物が有機溶剤溶液のばあいには、常圧または減圧下に有
機溶媒が揮発可能な温度(沸点以下でもよい)に加熱し
て該有機溶媒を留去しながら硬化させることができる。
【0075】本発明の組成物を硬化させてえられる樹脂
は優れた耐熱性、耐薬品性、機械的特性を有し、種々の
用途、たとえば樹脂改質剤、高温に曝され易い部位への
コーティング材、繊維強化複合材料用マトリクス樹脂な
どに好適に用いられる。
【0076】以下に、実施例によって本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
【0077】実施例1 窒素気流下、メカニカルスターラー、玉型冷却管、温度
計つきの200ml三つ口フラスコに3,3´4,4
´,ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(O
DPA)7.55g(0.024mol)、N−メチル
−2−ピロリドン(NMP)72.3gを入れ、均一な
溶液を調製した。ここに2,2−ビス[4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル]プロパン5.0g(0.01
2mol)をNMP31.0gに溶解させた溶液を室温
でロートを用いて添加し、室温で1時間撹拌を続けた。
ついでこの反応溶液に、室温でアリルアミン1.39g
(0.024mol)を滴下し、更に30分間撹拌を続
けたのち、200℃のオイルバスで内温が165〜17
0℃になるまで加熱した。この温度で更に5時間加熱を
続けた。
【0078】放冷後、反応溶液に全量を1900mlの
メタノールにそそぎ込んだ。生成した沈殿をろ過し、メ
タノールで洗浄後、80℃で減圧乾燥して、炭素−炭素
二重結合含有基を有するイミド化合物9.4gをえた。
【0079】えられたイミド化合物5gをクロロホルム
35gに溶解し、それにH2 PtCl6 ・6H2 O 1
0%エタノール溶液を0.17ml加えた。室温におい
てメチルジメトキシシラン0.95gを滴下ロートによ
り加え、60℃で15時間反応させた。反応後、反応溶
液をメタノール中に注ぎ込み、再沈殿させたのち濾過
し、メタノールで洗浄、室温で数時間乾燥し、目的とす
る反応性ケイ素基を有するイミド化合物(VII)5.
2gをえた。
【0080】
【化22】
【0081】実施例2 実施例1でえらえたイミド化合物(VII)2gをクロ
ロホルム6gに溶解してイミド化合物のクロロホルム溶
液を調製し、それに硬化触媒としてオクチル酸スズ0.
06gとラウリルアミン0.015gを配合して熱硬化
性組成物をえた。該組成物を50℃、相体湿度60%で
4日間保存し、この後250℃で5時間、更に350℃
で1時間加熱した。
【0082】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて窒素気流下TGA測定
を行なった。そこでえられた10%重量損失温度を表1
に示す。また、レオメトリクス社製RSA−IIを用いて
硬化物の動的粘弾性を測定した。えられたガラス転移温
度(Tg)を表1に示す。
【0083】実施例3 実施例1でえられたイミド化合物(VII)5gを、縮
合触媒を加えることなくクロロホルム8gに溶解させ、
テフロンシート上にキャストした。クロロホルムを除去
したのち、250℃に保ったパーフェクトオープン内に
6時間保存し、このあと350℃に保ったパーフェクト
オープン内に1時間保存した。この処理によってえられ
た固体はクロロホルムに不溶であった。
【0084】えられた硬化物に対して実施例2と同様に
してTGAの測定および硬化物の動的粘弾性を測定し
た。えられた10%重量損失温度およびTgを表1に示
す。
【0085】実施例4 実施例1においてアリルアミン0.46g(0.008
mol)、メチルジメトキシシラン0.32g(0.0
030mol)を用いた以外は実施例1と同様にして、
反応性ケイ素基を有するイミド化合物(VIII)4.
8gをえた。
【0086】
【化23】
【0087】実施例5 実施例4でえられたイミド化合物(VIII)2gを用
い、実施例2と同様にして加熱した。
【0088】えられた硬化物に対して実施例2と同様に
してTGAの測定および硬化物の動的粘弾性を測定し
た。えられた10%重量損失温度およびTgを表1に示
す。
【0089】実施例6 実施例1においてアリルアミン0.17g(0.003
mol)、メチルジメトキシシラン0.12g(0.0
011mol)を用いた以外は実施例1と同様にして、
反応性ケイ素基を有するイミド化合物(IX)4.7g
をえた。
【0090】
【化24】
【0091】実施例7 実施例6でえられたイミド化合物(IX)2gを用い、
実施例2と同様に加熱した。
【0092】えられた硬化物に対して実施例2と同様に
してTGAの測定および硬化物の動的粘弾性を測定し
た。えられた10%重量損失温度およびTgを表1に示
す。
【0093】実施例8 窒素気流下、メカニカルスターラー、玉型冷却管、温度
計つきの200ml3つ口フラスコにODPA20.0
g(0.065mol)、NMP147gをいれ、均一
な溶液を調製した。ここに9,9−ビス(4−アミノフ
ェニル)フルオレン11.2g(0.032mol)を
NMP41.3gに溶解させた溶液を室温でロートを用
いて添加し、室温で1時間撹拌を続けた。ついでこの反
応溶液に、室温でアリルアミン3.7g(0.065m
ol)を滴下し、更に30分間撹拌を続けたのち、20
0℃のオイルバスで内温が165〜170℃になるまで
加熱した。この温度で更に5時間加熱を続けた。
【0094】放冷後、反応溶液の全量を1900mlの
メタノールにそそぎ込んだ。生成した沈殿をろ過し、メ
タノールで洗浄したのち、80℃で減圧乾燥して、イミ
ド化合物25.8gをえた。
【0095】えられたイミド化合物10gをクロロホル
ム200mlに溶解し、そこにH2PtCl6 ・6H2
O 10%エタノール溶液を0.41g加えた。室温に
おいてメチルジメトキシシラン2.6gを滴下ロートに
より加え、60℃で15時間反応させた。反応後、反応
溶液をメタノール中に注ぎ込み、再沈殿させたのち濾過
し、メタノールで洗浄、室温で数時間乾燥し、目的とす
る反応性ケイ素基を有するイミド化合物(X)10.7
gをえた。
【0096】
【化25】
【0097】実施例9 実施例8でえられたイミド化合物(X)2gを用い、実
施例2と同様にして加熱した。
【0098】えられた硬化物に対して実施例2と同様に
してTGAの測定および硬化物の動的粘弾性を測定し
た。えられた10%重量損失温度およびTgを表1に示
す。
【0099】実施例10 実施例8でえられたイミド化合物(X)5gを用い、実
施例3と同様にして加熱した。この処理によってえられ
た固体はクロロホルムに不溶であった。
【0100】えられた硬化物に対して実施例2と同様に
してTGAの測定および硬化物の動的粘弾性を測定し
た。えられた10%重量損失温度およびTgを表1に示
す。
【0101】実施例11 窒素気流下、メカニカルスターラー、玉型冷却管、温度
計つきの200ml3つ口フラスコに3,3´4,4´
−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物21.
5g(0.060mol)、NMP93.0gをいれ、
均一な溶液を調製した。ここに1,3−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン14.6g(0.050mo
l)をNMP70.2gに溶解させた溶液を室温でロー
トを用いて添加し、室温で1時間撹拌を続けた。ついで
この反応液に、室温でアリルアミン1.1g(0.02
0mol)を滴下し、更に30分間撹拌を続けたのち、
200℃のオイルバスで内温が165〜170℃になる
まで加熱した。この温度で更に5時間加熱を続けた。
【0102】放冷後、反応溶液の全量を1900mlの
メタノールにそそぎ込んだ。生成した沈殿をろ過し、メ
タノールで洗浄したのち、80℃で減圧乾燥して、イミ
ド化合物34.5gをえた。
【0103】えられたイミド化合物20gをクロロホル
ム200mlに溶解させ、そこにH2 PtCl6 ・6H
2 O 10%エタノール溶液を0.0024ml加え
た。室温においてメチルジアセトキシシラン2.4gを
滴下ロートにより加え、60℃で15時間反応させた。
反応後、反応溶液をメタノール中に注ぎ込み、再沈殿さ
せたのち濾過し、メタノールで洗浄、室温で数時間乾燥
し、目的とする反応性ケイ素基を有するイミド化合物
(XI)19.1gをえた。
【0104】
【化26】
【0105】実施例12 実施例11でえられたイミド化合物(XI)2gを用
い、実施例3と全く同様に加熱した。
【0106】えられた硬化物に対して実施例2と同様に
してTGAの測定および硬化物の動的粘弾性を測定し
た。えられた10%重量損失温度およびTgを表1に示
す。
【0107】比較例1 式(XII):
【0108】
【化27】
【0109】で表わされるアルコキシシリル基含有イミ
ド化合物(XII)2gを用い、実施例3と同様に加熱
した。
【0110】えられた硬化物に対して実施例2と同様に
してTGAの測定および硬化物の動的粘弾性を測定し
た。えられた10%重量損失温度およびTgを表1に示
す。
【0111】
【表1】
【0112】表1から本発明のイミド化合物および組成
物を硬化してえられた樹脂は非常に耐熱製に優れたもの
であることがわかる。また、比較例1と比べてオリゴマ
ーのイミド含有率をあげることにより、熱分解性および
ガラス転移温度が大きく向上していることがわかる。
【0113】
【発明の効果】本発明のイミド化合物は、それ自身容易
に優れた耐熱性を有する硬化物を与え、また比較的低分
子量であるために、有機溶媒への溶解性に優れている。
また該イミド化合物とシラノール縮合触媒とからなる本
発明の硬化性組成物は容易に様々な形状の硬化物をとす
ることができ、えられた硬化物はきわめて優れた耐熱性
を有している。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 (式中、R1 は芳香族基を含有する炭素数6〜30の4
    価の有機基、R2 は芳香族基を含有する炭素数6〜30
    の2価の有機基、または一般式(II): 【化2】 (R5 は炭素数1〜20の2価の有機基、R6 は炭素数
    1〜20の1価の有機基で、2つのR5 、R6 はそれぞ
    れ同一であっても、また異なっていてもよく、kは1〜
    20の正の整数を表わす)で表わされる2価の有機基、
    3 は炭素数1〜20の2価の有機基、R4 は炭素数1
    〜20の1価の有機基または (R7 3 Si−O− (式中、R7 は炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表
    わし、3個のR7 は同一でも異なっていてもよい)、X
    は水酸基または加水分解性基、aは1、2または3であ
    り、2つのR3 同一であってもまた異なっていてもよ
    く、R4 およびXが2個以上存在するとき、それらはそ
    れぞれ同一であってよく、また異なっていてもよく、n
    は1〜20の整数を表わす)で表わされる反応性ケイ素
    基含有イミド化合物。
  2. 【請求項2】 式(I): 【化3】 (式中、R1 は芳香族基を含有する炭素数6〜30の4
    価の有機基、R2 は芳香族基を含有する炭素数6〜30
    の2価の有機基、または一般式(II): 【化4】 (R5 は炭素数1〜20の2価の有機基、R6 は炭素数
    1〜20の1価の有機基で、2つのR5 、R6 はそれぞ
    れ同一であっても、また異なっていてもよく、kは1〜
    20の正の整数を表わす)で表される2価の有機基、R
    3 は炭素数1〜20の2価の有機基、R4 は炭素数1〜
    20の1価の有機基または (R7 3 Si−O− (式中、R7 は炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表
    わし、3個のR7 は同一でも異なっていてもよい)、X
    は水酸基または加水分解性基、aは1、2または3であ
    り、2つのR3 同一であってもまた異なっていてもよ
    く、R4 およびXが2個以上存在するとき、それらはそ
    れぞれ同一であってよく、また異なっていてもよく、n
    は1〜20の整数を表わす)で表わされる反応性ケイ素
    基含有イミド化合物およびシラノール縮合触媒を含有し
    てなる硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 (a)一般式(III) : 【化5】 (式中、R1 は芳香族基を含有する炭素数6〜30個の
    4価の有機基を表わす)で表わされるテトラカルボン酸
    二無水物と一般式(IV): H2 N−R2 −NH2 (IV) (式中、R2 は芳香族基を含有する炭素数6〜30の2
    価の有機基、または一般式(II): 【化6】 (R5 は炭素数1〜20の2価の有機基、R6 は炭素数
    1〜20の1価の有機基で、2つのR5 、R6 はそれぞ
    れ同一であっても、また異なっていてもよく、kは1〜
    20の正の整数を表す)で表される2価の有機基を表わ
    す)で表わされるジアミンと一般式(V): R8 −NH2 (V) (式中、R8 は炭素数2〜20の炭素−炭素二重結合含
    有基を表わす)で表わされる炭素−炭素二重結合含有基
    を有する1級アミンとを有機極性溶媒中で反応させてポ
    リアミド酸の溶液をえ、(b)ついでこれをイミド化す
    ることにより、1分子中に2つの炭素−炭素二重結合含
    有基を有するイミド化合物とし、(c)(b)でえられ
    たイミド化合物を、ヒドロシリル化触媒の存在化で、一
    般式(VI): 【化7】 (式中、R4 は炭素数1〜20の1価の有機基または (R7 3 Si−O− (式中、R7 は炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表
    わし、3個のR7 は同一でも異なっていてもよい)、X
    は水酸基または加水分解性基、aは1、2または3であ
    り、R4 およびXが2個以上存在するとき、それらはそ
    れぞれ同一であってよく、また異なっていてもよい)で
    表わされる反応性基を有するヒドロシランと反応せしめ
    てヒドロシリル化することを特徴とする請求項1または
    2記載の反応性ケイ素基含有イミド化合物の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008266416A (ja) * 2007-04-18 2008-11-06 Ube Ind Ltd ポリイミドフィルムの製造方法およびポリイミドフィルム

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