JP3017507B2 - 積層不織布 - Google Patents

積層不織布

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JP3017507B2 JP33324489A JP33324489A JP3017507B2 JP 3017507 B2 JP3017507 B2 JP 3017507B2 JP 33324489 A JP33324489 A JP 33324489A JP 33324489 A JP33324489 A JP 33324489A JP 3017507 B2 JP3017507 B2 JP 3017507B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,単糸繊度が1デニール以下0.3デニール以
上のポリオレフイン系重合体からなる芯鞘型複合短繊維
から構成される流体絡合ウエブを構成要素とする積層に
関するものである。さらに詳しくは,単糸繊度が1デニ
ール以下0.3デニール以上のポリオレフイン系極細繊維
特有の柔らかな手触り,しなやかさ,滑らかさ等の優れ
た風合いを有するフランネル調の衣料用積層不織布に関
するものである。
(従来の技術) 従来から,合成繊維の短繊維からなる不織布の強力を
向上させることを目的とし,接着剤を用いたり,あるい
は繊維同士の自己接着性を利用することにより繊維間を
接合させることが行われている。これらの不織布は,接
着剤を用いたり,あるいは熱接着を行うことにより繊維
間を接合したものであるので,柔軟性に欠けるという問
題があった。
この問題を解決するため,不織布を構成する繊維間を
接合する方法として,従来の繊維間を接着させる方法に
代わり,繊維同士を絡合させる方法が提案されている。
すなわち,短繊維からなるシート状物にニードルパンチ
処理を施すことにより,構成繊維同士を機械的に絡合さ
せる方法である。ところが,このニードルパンチ法によ
り作成された不織布は,柔軟性に優れるが,一方,不織
布表面にニードルマークが残ったり,表面毛羽が多く平
滑性に劣る等の問題を有している。
また,このニードルパンチ法の問題を解決する方法と
して,水流絡合法が提案されている。例えば,特開昭56
−169899号及び特開昭59−94658号公報には,単糸繊度
が1デニール以下の極細短繊維を用い,水流絡合法によ
り不織布を作成することが開示されている。
しかしながら,特開昭56−169899号公報に記載された
方法は,繊維長が20mm以下の短繊維を湿式抄紙した後,
水流絡合処理を施すことにより不織布を得るものであ
る。この方法により得られた不織布は,本発明の不織布
と比較して繊維長が短く,しかも強力が低いものであ
る。
また,特開昭59−94658号に記載された方法は,水溶
性結合剤を用いて繊維を集束した後,切断してウエブと
し,次いでウエブに水流絡合処理を施すことにより不織
布を得るものである。この方法では,水溶性結合剤が水
流絡合処理時に水流中に溶出するため,ノズル詰まりを
生じたり,あるいは水質を悪化させたりするという問題
がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,前記問題を解決し,強力,柔軟性及び表面
平滑性に優れ,柔らかな手触り,しなやかさ,滑らかさ
等の風合いに優れたフランネル調の衣料用積層不織布及
びその製造方法を提供しようとするものである。さらに
詳しくは,単糸繊度が1デニール以下0.3デニール以上
のカード通過性に優れたポリプロピレン重合体とポリエ
チレン重合体とからなる芯鞘型複合短繊維をカードウエ
ブとなし,次いで,このカードウエブと他のウエブまた
はシート状物とを積層して,流体絡合法により,このカ
ードウエブの短繊維同士を三次元的に絡合させるととも
に,カードウエブと他のウエブまたはシート状物とを一
体化させることにより,単糸繊度が1デニール以下0.3
デニール以上の極細繊維特有の柔軟性と平滑な表面特性
とを兼ね備え,しかも他のウエブまたはシート状物の特
性をも備えたフランネル調の衣料用積層不織布及びその
製造方法を提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは,前記問題を解決すべく鋭意検討の結
果,本発明に到達した。すなわち,本発明は,積層不織
布であって,第1のウエブと第2のウエブまたはシート
状物とが積層されて,両者が流体絡合処理により一体化
され,前記第1のウエブの構成繊維は,芯成分がポリプ
ロピレン重合体,鞘成分がポリエチレン重合体にて構成
され,かつ単糸繊度が1デニール以下0.3デニール以
上,繊維長が25mm以上の芯鞘型複合短繊維からなるとと
もに,繊維相互が流体絡合処理によって三次元的に絡合
しており,前記積層不織布は,引張強力測定における20
%伸長時の強力が目付(g/m2)当り4.0g/3cm幅以上,圧
縮剛軟度が目付100g/m2当り150g以下,第1のウエブ側
の表面の摩擦係数が0.35以下,摩擦係数の平均偏差が0.
012以下であることを要旨とするものである。
次に,本発明を詳細に説明する。
本発明の不織布は,第1のウエブと第2のウエブまた
はシート状物とが積層されて,両者が流体絡合処理によ
り一体化されたものである。
本発明の積層不織布を構成する第1のウエブの第1の
特徴は,その構成繊維の芯成分がポリプロピレン重合
体,鞘成分がポリエチレン重合体にて構成され,かつ単
糸繊度が1デニール以下0.3デニール以上,繊維長が25m
m以上の芯鞘型複合短繊維からなることにある。
この芯鞘型複合短繊維は,芯成分及び鞘成分が融点を
異にする2種のポリオレフイン系重合体から構成される
ものであり,芯成分がポリプロピレン重合体、鞘成分が
ポリエチレン重合体から構成される。ポリプロピレン重
合体あるいはポリエチレン重合体は,市販あるいは工業
的に利用されている通常のポリプロピレン重合体あるい
はポリエチレン重合体の内,繊維用として市販,利用さ
れているものである。芯成分と鞘成分との複合比(重量
比)は,基本的には1対1とするが,特にこれに限定さ
れるものではない。また,その断面形状は,一般的な同
心円型以外に,偏心円型,異形断面型としてもよい。
この芯鞘型複合短繊維は,単糸繊度が1デニール以下
0.3デニール以上であることが必要であり,単糸繊度が
1デニールを超えると不織布としたときの柔軟性や外
観,平滑性が低下するため好ましくない。一方,単糸繊
度が0.3デニール未満であるとカードを使用してウエブ
を作成するに際し,カードの通過性が低下するため好ま
しくない。
この芯鞘型複合短繊維は,繊維長が25mm以上であるこ
とが必要であり,特に,繊維長が38mm以上であると不織
布としたとき,その強力が向上するので好ましい。
この芯鞘型複合短繊維は,従来から公知の芯鞘型複合
繊維紡糸装置を使用し,芯成分を構成する重合体と鞘成
分を構成する重合体を各々溶融した後,複合紡糸口金を
経て紡出し,冷却後,延伸工程,機械捲縮付与工程を経
て所定の繊維長に切断することにより得ることができ
る。
本発明の不織布は,前記のような繊維から構成される
ため,その表面が平滑で,凹凸感やざらつき感がなく,
柔らか手触り,しなやかさ,滑らかさ等の優れた風合い
を発現する。
本発明の積層不織布を構成する第1のウエブの第2の
特徴は,不織布を構成する前記芯鞘型複合短繊維相互が
三次元的に絡合していることにあり,この三次元的絡合
により高強力が発現する。
本発明の積層不織布を構成する第1のウエブの第3の
特徴は,引張強力測定における20%伸長時の強力が目付
(g/m2)当り4.0g/3cm幅以上であることにあり,この高
モジユラスにより,不織布を衣料用素材として使用した
とき型崩れを生じることがない。
本発明の積層不織布を構成する第1のウエブの第4の
特徴は,圧縮剛軟度が目付100g/m2当り150g以下である
ことにあり,前記圧縮剛軟度が目付100g/m2当り150g以
下,好ましくは100g以下であるため,不織布の柔軟性が
向上し,衣料用素材として好適に使用することができ
る。なお,本発明にいう圧縮剛軟度とは,不織布を5cm
×10cm角に裁断し,高さが5cmの円筒状に丸めて両端辺
を正確に合わせ,少なくとも1個所を粘着テープで止め
た円筒試料を準備し,圧縮剛軟度測定装置により測定し
た値である。この圧縮剛軟度測定装置とは,定速伸長型
引張試験機に圧縮応力を測定することができるように対
向する2枚の平板を取り付け,前記円筒試料を両平板間
の下側平板上に載置し,下側平板を一定速度(5cm/分)
で上方に移動させ,前記円筒試料が両平板間で圧縮変形
される時の変形応力を測定する装置である。従来の圧縮
剛軟度測定方法である45゜カンチレバ法やクラーク法が
不織布の目付や厚さにより測定値が大きく変動し,官能
試験評価との相関が良好でないのに対し,この圧縮剛軟
度測定方法は,官能試験評価との相関が良好であり,し
かも測定精度が高いものである。
本発明の積層不織布を構成する第1のウエブの第5の
特徴は,不織布表面の摩擦係数が0.35以下,摩擦係数の
平均偏差が0.012以下であることにあり,前記摩擦係数
が0.35以下,好ましくは0.25以下,摩擦係数の平均偏差
が0.012以下,好ましくは0.010以下であるため,その表
面が平滑で,凹凸感やざらつき感がなく,柔らか手触
り,しなやかさ,滑らかさ等の優れた風合いを発現する
ものである。なお,本発明にいう摩擦係数(MIUと略
す)及び摩擦係数の平均偏差(MMDと略す)とは,次の
式及びにより定義されるものである。
MIU=(1/X)∫μdx …… 〔積分範囲:0〜X〕 MMD=(1/X)∫|μ−|dx … 〔積分範囲:0〜X〕 〔μ:摩擦力/試料を圧する力,x:試料表面上の位置,X:
移動距離(2cm),:μの平均値〕 本発明の積層不織布を構成する第1のウエブは,芯成
分がポリプロピレン重合体、鞘成分がポリエチレン重合
体から構成され,かつ単糸繊度が1デニール以下0.3デ
ニール以上,繊維長が25mm以上の芯鞘型複合短繊維から
なるカードウエブを多孔性支持部材上に載置し,圧力が
30kg/cm2未満の流体噴流により前記ウエブに流体絡合処
理を施し,次いで圧力が50kg/cm2以上の流体噴流により
前記ウエブに流体絡合処理を施し,複合短繊維の芯部分
と鞘部分とを剥離させることなく短繊維相互を三次元的
に絡合させることにより製造することができる。
まず,芯成分がポリプロピレン重合体、鞘成分がポリ
エチレン重合体から構成され,かつ単糸繊度が1デニー
ル以下0.3デニール以上,繊維長が25mm以上の芯鞘型複
合短繊維を細繊度用カード機によりカーデイングしてウ
エブを得る。このウエブは,構成繊維の配列度合によっ
て,カード機の進行方向に配列したパラレルウエブ,ラ
ンダムに配列したランダムウエブ,あるいは両者の中程
度に配列したセミランダムウエブのいずれであってもよ
い。
次に,得られたカードウエブを所定の目付になるよう
に多孔性支持部材上に積層載置した後,流体噴流により
前記ウエブに流体絡合処理を施して短繊維相互を三次元
的に絡合させる。
本発明にいう流体絡合処理とは,孔径が0.05〜1.0mm
のオリフイスをオリフイス間距離0.5〜10mmで1列又は
複数列に複数個配設し,これらのオリフイスから高圧で
柱状に噴出される流体噴流によりウエブの構成繊維同士
を絡合させるものである。流体としては,常温の水ある
いは熱水を使用することができる。また,添加剤を混入
した水を使用することもできる。流体噴流を前記ウエブ
に衝突させるに際しては,前記オリフイスが1列又は複
数列に複数個配設されたオリフイスヘツドを,多孔性支
持部材上に積層載置された前記ウエブの進行方向と直角
の方向に,オリフイス間距離と同一距離の振幅で往復運
動させ,柱状流体噴流を均一に衝突させるとよい。
この流体絡合処理は,少なくとも2回に分けて施され
る。第1回目の流体絡合処理は,圧力が30kg/cm2未満の
流体噴流を使用し,同圧力の流体噴流を前記ウエブに衝
突させることにより,ウエブの構成繊維同士を予備絡合
させるものである。この圧力が30kg/cm2以上であると,
ウエブの構成繊維同士が絡合されず,しかも構成繊維が
水流により乱れてしまい,ウエブに目付斑が生じるので
好ましくない。次いで,第2回目の流体絡合処理を施
す。第2回目の流体絡合処理は,圧力が50kg/cm2以上の
流体噴流を使用し,同圧力の流体噴流を前記ウエブに衝
突させることにより,第1回目の流体絡合処理によりウ
エブに形成された構成繊維同士の予備絡合をより強固な
ものにするためのものである。この第2回目の処理で
は,第1回目の処理で使用したオリフイス径より大きな
径を有するオリフイスを使用するのが好ましい。圧力が
50kg/cm2未満であると,構成繊維同士の絡合がより強固
なものにならず,衣料用素材として使用するに十分な強
力を得ることができない。
なお,さらに強固な絡合を必要とする場合には,前記
第2回目の流体絡合処理を,同一条件で複数回施すとよ
い。
前記ウエブが積層載置される多孔性支持部材として
は,積層体を通過した流体噴流が抵抗なく除去されるも
のであればいかなるものであってもよいが,特に,金網
や合成繊維織物等からなる90メツシユ以上の多孔性部材
が好ましい。
また,第1の不織ウエブ中に残存する水を乾燥除去し
た後,熱カレンダあるいは熱エンボスローラにより乾熱
処理を施すこともできる。本発明の積層不織布を構成す
る第1のウエブは,前述したように,芯成分がポリプロ
ピレン重合体、鞘成分がポリエチレン重合体から構成さ
れる芯鞘型複合短繊維からなるものであるため,前記乾
熱処理を施すに際し,低い温度で処理することができ,
構成繊維が硬化することがなく,したがって,不織布の
強力が一層向上する。
本発明の積層不織布は,前記芯鞘型複合短繊維からな
る第1のウエブに,他のウエブまたはシート状物たとえ
ばコットンのカードウエブを重ねた積層ウエブに流体絡
合処理を施したものである。これにより,上述の第1の
ウエブの特性のほかに,これら他のウエブまたはシート
状物の特性をも兼ね備えたものになる。
(作用) 本発明の積層不織布は,第1のウエブと第2のウエブ
またはシート状物とが積層されて,両者が流体絡合処理
により一体化され,前記第1のウエブの構成繊維は,芯
成分がポリプロピレン重合体,鞘成分がポリエチレン重
合体にて構成され,かつ単糸繊度が1デニール以下0.3
デニール以上,繊維長が25mm以上の芯鞘型複合短繊維を
使用し,強力を発現し易い流体絡合法により構成繊維相
互に機械的な絡合を施して作成されるものであり,高強
力で,柔軟性及び表面平滑性に優れ,フランネル調の柔
らかな手触り,しなやかさ,滑らかさ等の風合いを有す
るものである。
また,本発明の不織布は,ポリエステル重合体等より
も融点が低い2種のポリオレフイン系重合体を使用して
いるため,低温乾熱処理を施すことにより強力や風合い
を容易に変化させることができ,従来の単一重合体型短
繊維では得ることができなかった前記のような優れた風
合いを発現する。
さらに,本発明の不織布は,従来の衣料用織物に比
べ,縫製工程を簡略化することができるという利点を有
する。すなわち,本発明の不織布は,超音波溶着機を使
用した不織布の連続溶着が可能となる。そして,第1の
ウエブが前記芯鞘型複合短繊維から構成されているた
め,超音波溶着機を使用し溶着加工して衣服を作成する
とき,従来の単一重合体型短繊維から構成される不織布
を溶着加工する場合に比べ,溶着部での繊維の変形が少
なく,溶着部が薄膜化したりすることがない。したがっ
て,衣服として着用したとき,溶着部が肌と接触して不
快感を生じるということがない。
(実施例) 次に,実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
なお,実施例における各種特性は次の方法により測定し
た。
メルトインデツクス:ASTM D1238E法により測定し
た。
メルトフローレート:ASTM D1238L法により測定し
た。
20%伸長時の強力:定速伸長型引張試験機を使用し,
試料幅を3cm,引張速度を10cm/分として引張試験を実施
し,伸度が20%時点の強力を目付け(g/m2)当りの力
(g)に換算して20%伸長時の強力とした。
圧縮剛軟度:不織布を5cm×10cm角に裁断し,高さが5
cmの円筒状に丸めて両端辺を正確に合わせ,1個所を粘着
テープで止めた円筒試料を準備した。次いで,定速伸長
型引張試験機に圧縮応力を測定することができるように
対向する2枚の平板を取り付け,前記円筒試料を両平板
間の下側平板上に載置し,下側平板を5cm/分の一定速度
で上方に移動させ,前記円筒試料が両平板間で圧縮変形
される時の変形応力を測定し,得られた値を目付け100g
/m2当りに換算して圧縮剛軟度とした。
MIU:摩擦感テスタ,KES−SE(カトーテツク製)を使用
し,0.5mm径のピアノ線をコの字型に曲げたものを10本並
べた接触子に重錘によって50gの力で接触面を試料不織
布に圧接させた。試料不織布を,0.1cm/秒の一定速度で
水平方向に2cm移動させ,移動領域の摩擦係数を経方向
と緯方向について各々5個測定し,平均値を求めてMIU
とした。
MMD:MIUの測定法と同様にして,移動領域の摩擦係数
を経方向と緯方向について各々5個測定し,平均偏差値
の平均値を求め,MMDとした。
実施例1 ASTM D1238L法によるメルトフローレートが30g/10分
のポリプロピレン重合体を芯成分とし,ASTM D1238E法
によるメルトインデツクスが25のポリエチレン重合体を
鞘成分とし,芯成分と鞘成分の複合比(重量比)が1対
1の芯鞘型複合フイラメント糸を紡糸温度を230℃とし
て溶融紡出し,紡出未延伸糸条を温度90℃で延伸し,得
られた延伸糸にスタツフアボツクスにより捲縮を付与し
た後,繊維長38mmに切断して単糸繊度が0.6デニールの
芯鞘型複合短繊維を得た。そして,この細繊度芯鞘型短
繊維をカード機に供給して目付が70g/m2のウエブとし,
このウエブを上層,コットンからなる目付が30g/m2のウ
エブを下層として積層し,積層体ウエブを得た。次に,
この積層体ウエブを,第1回目の流体絡合処理を施し
た。第1回目の流体絡合処理条件は,流体として水を採
用し,孔径が0.1mm,オリフイス間距離が1mmのオリフイ
スを横1列に配設したオリフイスヘツドを使用し,オリ
フイス面とウエブ間の距離を5cm,オリフイスヘツドの移
動振幅を横方向に1mm,周期を10往復/秒,水噴流の水圧
を20kg/cm2とした。
第1回目の流体絡合処理に引き続き,ウエブに第2回
目の流体絡合処理を施した。第2回目の流体絡合処理条
件は,流体として水を採用し,孔径が0.125mm,オリフイ
ス間距離が1mmのオリフイスを横2列に配設したオリフ
イスヘツドを使用し,オリフイス面とウエブ間の距離を
5cm,オリフイスヘツドの移動振幅を横方向に1mm,周期を
10往復/秒,水噴流の水圧を75kg/cm2とした。なお,前
記オリフイスヘツドにおいて,2列目のオリフイスは,1列
目の隣接する各オリフイス間の中点から縦方向に延長し
た各線上に存在し,1列目と2列目は幾何学的に平行に配
設されている。
前記第2回目の流体絡合処理の後,得られたウエブを
裏返し,第2回目の流体絡合処理と同一条件で第3回目
の流体絡合処理を施し,不織布を製造した。
得られた不織布の性能を第1表に示す。
実施例2 実施例1において使用したコツトンからなる目付が30
g/m2のウエブの代わりに,単糸繊度が2デニール,繊維
長が51mmのポリエチレンテレフタレート短繊維からなる
目付が30g/m2のウエブを使用した以外は,実施例1と同
様にして不織布を製造した。
得られた不織布の性能を第1表に示す。
実施例3 ポリプロピレン重合体を芯成分とし,ポリエチレン重
合体を鞘成分とし,芯成分と鞘成分の複合比(重量比)
が1対1の芯鞘型複合連続フイラメント糸を単糸繊度を
3デニールとして溶融紡出し,エアーサツカにより引取
るとともに空気圧により開繊した後,移動する90メツシ
ユのエンドレスの金網からなるコンベア上に捕集・堆積
させ,前記連続フイラメントがランダムに配列した目付
が30g/m2の長繊維シート状物を得た。また,実施例1の
単糸繊度が0.6デニール,繊維長が38mmの芯鞘型複合短
繊維をカード機に供給して目付が70g/m2のウエブを得
た。得られた長繊維シート状物とウエブとを積層して積
層体ウエブを得た。
次いで,この積層体ウエブに実施例1と同様にして流
体絡合処理を施し,不織布を製造した。
得られた不織布の性能を第1表に示す。
以上の結果から明らかなように,本発明の,単糸繊度
が1デニール以下0.3デニール以上のカード通過性に優
れたポリプロピレン重合体とポリエチレン重合体とから
なる芯鞘型複合短繊維からなるウエブと他の素材との積
層体ウエブを水流絡合法により短繊維同士を三次元的に
絡合させることにより作成した不織布は,前記芯鞘型複
合短繊維を構成する鞘成分がポリエチレン重合体からな
ること及びその単糸繊度が1デニール以下0.3デニール
以上と細いものであることにより優れた柔軟性及び表面
平滑性を発現し,しかも前記芯鞘型複合短繊維を構成す
る芯成分がポリプロピレン重合体からなるため高い強力
を有するものであった。
(発明の効果) 本発明の積層不織布は,第1のウエブと第2のウエブ
またはシート状物とが積層されて,両者が流体絡合処理
により一体化され,前記第1のウエブの構成繊維は,単
糸繊度が1デニール以下0.3デニール以上の芯成分がポ
リプロピレン重合体、鞘成分がポリエチレン重合体から
なる芯鞘型複合短繊維から構成されるものであり,前記
単糸繊度のポリオレフイン系極細繊維特有の柔らかな手
触り,しなやかさ,滑らかさ等の風合いに優れ,フラン
ネル調の衣料用不織布として好適に使用することがで
き,しかも,積層された他の素材である第2のウエブま
たはシート状物の特性をも兼ね備えたものになるばかり
か,第1のウエブの特性である表面の優れた風合いを損
なうことなく前記用途に使用することができる。
また,本発明の不織布は,その細繊度の特徴を活かし
て,前記衣料用用途以外にも,ワイピングクロス等の用
途にも好適である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−250278(JP,A) 特開 昭57−191374(JP,A) 特開 昭59−36757(JP,A) 実開 昭63−81887(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】積層不織布であって,第1のウエブと第2
    のウエブまたはシート状物とが積層されて,両者が流体
    絡合処理により一体化され,前記第1のウエブの構成繊
    維は,芯成分がポリプロピレン重合体,鞘成分がポリエ
    チレン重合体にて構成され,かつ単糸繊度が1デニール
    以下0.3デニール以上,繊維長が25mm以上の芯鞘型複合
    短繊維からなるとともに,繊維相互が流体絡合処理によ
    って三次元的に絡合しており,前記積層不織布は,引張
    強力測定における20%伸長時の強力が目付(g/m2)当り
    4.0g/3cm幅以上,圧縮剛軟度が目付100g/m2当り150g以
    下,第1のウエブ側の表面の摩擦係数が0.35以下,摩擦
    係数の平均偏差が0.012以下であることを特徴とする積
    層不織布。
  2. 【請求項2】第2のウエブがコットンウエブであること
    を特徴とする請求項1記載の積層不織布。
JP33324489A 1989-12-21 1989-12-21 積層不織布 Expired - Lifetime JP3017507B2 (ja)

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