JP3017201U - 農業用フィルム - Google Patents

農業用フィルム

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JP3017201U
JP3017201U JP1994013599U JP1359994U JP3017201U JP 3017201 U JP3017201 U JP 3017201U JP 1994013599 U JP1994013599 U JP 1994013599U JP 1359994 U JP1359994 U JP 1359994U JP 3017201 U JP3017201 U JP 3017201U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光線の透過率を悪化させることなく、フィル
ムの密着を低減でき、しかも汚れ防止効果も有する農業
用フィルムを提供する。 【構成】 塩化ビニル系樹脂を主成分とし、片面に微細
凹凸を設けた微細凹凸部12と微細凹凸を設けない非微
細凹凸部11を有するフィルム10の微細凹凸を設けて
いない側の面に、水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗
料からなる塗膜13を設けた農業用フィルムであって、
少なくともフィルム端部のいずれか1つに沿った1m幅
の範囲内においては、微細凹凸部12および/または非
微細凹凸部11が不連続で、かつ微細凹凸部12の形成
比率が10〜90%になるように微細凹凸を形成した農
業用フィルム。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、農業用フィルムに関し、さらに詳しくは光線の透過率を悪化させる ことなく、フィルムの密着性を抑制し、しかも塵埃の付着防止効果も有する農業 用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばビニルハウスは、所定形状に屈曲された鉄製あるいはステンレス 製のパイプを連結して骨組を造り、所定箇所に天窓や出入り口を設けて、その表 面を透明な塩化ビニル系樹脂フィルムにより被っている。
【0003】 上記のようなビニルハウスでは、夏期の暑い日には、日差しが強くてハウス内 の温度が高くなり過ぎるので、出入り口を開けるのはもちろん、ビニルハウスの 側面をロール状に巻き上げたり、天窓を押し上げたりして換気を良くすることに より室内温度の調整が行われている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、従来のビニルハウスを被っているフィルムには、表面がベタつき易 い一般の塩化ビニル系樹脂フィルムが使用されているので、例えば側面をロール 状に巻き上げた際に接触している部分が互いに密着してしまい、巻き上げや巻き 戻し時に大変な手間がかかっていた。
【0005】 そこで、フィルムの全表面に梨地加工したり、無機質微粉末を添加してフィル ムの全表面を荒らしたりして、フィルムどうしが密着するのを防止することも提 案されているが、このようなフィルムでは、ハウス内で栽培される作物に必要な 日光の透過率が不充分で、日光をハウス内に取り入れて温室栽培を行うビニルハ ウス本来の機能を充分に果たせないという、別の問題が発生していた。
【0006】 本考案は、このような従来技術を背景になされたもので、光線の透過率を悪化 させることなく、フィルムの密着を低減でき、しかも汚れ防止効果も有する農業 用フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案は、塩化ビニル系樹脂を主成分とし、片面に微細凹凸を設けた微細凹凸 部と微細凹凸を設けない非微細凹凸部を有するフィルムの微細凹凸を設けていな い側の面に、水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗料からなる塗膜を設けた農業 用フィルムであって、少なくともフィルム端部のいずれか1つに沿った1m幅の 範囲内においては、微細凹凸部および/または非微細凹凸部が不連続で、かつ微 細凹凸部の形成比率が10〜90%になるように微細凹凸を形成したことを特徴 とする農業用フィルムを提供するものである。
【0008】 また、上記の微細凹凸部は、500〜600nmの波長の平行光線平均透過率 が40%以下、全光線平均透過率が75%以上とし、微細凹凸を設けない非微細 凹凸部は、500〜600nmの波長の平行光線平均透過率が60%以上、全光 線平均透過率が80%以上とすることが好ましい。
【0009】
【作用】
本考案の農業用フィルムにおいては、フィルムの少なくとも一端部から1m幅 の範囲内で、微細凹凸を設けた微細凹凸部を形成比率が10〜90%となるよう に形成しているので、フィルムを巻き上げたり重ねたりした場合でも、少なくと も一端部から1m幅の範囲内ではフィルムどうしが密着するのを防止でき、また 微細凹凸を設けない非微細凹凸部を微細凹凸部を有する領域内では90〜10% とすることにより、農業用フィルムに要求される透光性をも確保することができ る。 しかも、本考案の農業用フィルムは、上記の微細凹凸を設けていない側の面に 水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗料からなる塗膜を設けたことにより、塵埃 などの付着が防止される。
【0010】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。本実施例ではビニ ルハウス用の農業用フィルムを例とする。
【0011】 図1は本考案の一実施例の農業用フィルムの一部平面図、図2は実施例の農業 用フィルムの一部拡大断面図であり、図中10はビニルハウスの外装材である、 塩化ビニル系樹脂を主成分とする農業用フィルムである。農業用フィルム10の フィルム片面には、斜めに真っ直ぐ延びる非微細凹凸部11と梨地加工の微細凹 凸部12とが一定間隔で交互に配置されており、非微細凹凸部11側の面には、 水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗料からなるベタつき防止および汚れ防止用 の塗膜13が設けられている。
【0012】 農業用フィルム10の主成分である塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニ ルのほか、塩化ビニルと他の樹脂のモノマー、例えばエチレン、プロピレン、塩 化ビニリデン、アクリロニトリル、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸、酢 酸ビニル、マレイン酸エステル、メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸アルキ ルエステル、アクリル酸メチルなどのアクリル酸アルキルエステル、高級ビニル エーテルなどとの共重合樹脂、もしくはこれらのブレンド物などが使用できる。
【0013】 この塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、0.5〜6重量部の防滴剤を添加 することができる。0.5重量部未満では防滴性が悪く、一方6重量部を超える とフィルム表面へのふき出しが多くなり好ましくない。
【0014】 この防滴剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステ ル、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪 酸・二塩基酸エステル、ソルビトール脂肪酸・二塩基酸エステル、ジグリセリン 脂肪酸・二塩基酸エステル、グリセリン脂肪酸・二塩基酸エステルなどの多価ア ルコールと脂肪酸とのエステル、多価アルコールと脂肪酸および二塩基酸とのエ ステル、あるいはこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレ ンオキサイドなどのアルキレンオキサイドが付加された化合物などが挙げられ、 具体的にはソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンステ アレート・エチレンオキサイド2モル付加物、ソルビタンステアレート・プロピ レンオキサイド3モル付加物、ソルビトールステアレート、ソルビトールステア レート・エチレンオキサイド3モル付加物、ジグリセリンパルミテート、ジグリ セリンステアレート、グリセリンステアレート、グリセリンパルミテート・エチ レンオキサイド2モル付加物、ソルビタンステアレートアジペート・エチレンオ キサイド3モル付加物、ソルビトールステアレートアジペート・エチレンオキサ イド2モル付加物、ジグリセリンパルミテートセバケート・プロピレンオキサイ ド3モル付加物、ソルビトールパルミテートアジペート・エチレンオキサイド3 モル付加物などが挙げられる。これらの防滴剤は、単独または2種以上を組み合 わせて使用することができる。
【0015】 本考案の農業用フィルムには、この防滴剤とともに、塩化ビニル系樹脂100 重量部当たり0.01〜1.0重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部の含 フッ素系化合物を添加することができる。
【0016】 含フッ素系化合物としては、1分子中に含フッ素基と水酸基またはアルキレン オキサイド基の少なくとも1種を有する含フッ素系化合物であり、含フッ素基と しては、パーフルオロアルキル基(Cn 2n+1基)、パーフルオロアルコキシ基 (Cn 2n+1O基)、ポリフルオロアルキル基(Hm n 2n+1-m基)、パーフ ルオロアルケニル基(Cn 2n-1基)、ポリフルオロアルケニル基(Hm n 2n-1-m 基)、パーフルオロアルキレン基(Cn 2n基)などがあり、式中m=1 〜3、n=3〜20の整数である。アルキレンオキサイド基としては、(C2H4O) n 、(C3H4O)n などがあり、式中n=1〜30である。
【0017】 含フッ素系化合物の具体例としては、 C8F17C2H4O(C2H4O)8CH3 、 C8F17CH2CH2OHCH2O(C2H4O)10CH3 、 C14F21CH2CH(OCH3)CH2O(C2H4O)10CH3 、 C14F21CH2CH(OH)CH2O(C2H6O)10H 、 C8F17CH2CH(OCOH3)CH2O(C3H6O)8CH3、 C8F17SO2N(C2H5)(C2H4O)12、 C6F13CON(C2H5)(C2H4O)8H 、 C8F17SO2N[CH2CH(OH)CH2CH]2、 HCF2C5F10CH2O(C2H4O)10H 、 C3F7OC3F6CH2CH2SCH(COOH)CH2COO(C2H4O)10H、 C3F7OC3F10CH2CH2SCH(CH2COOH)CH2COO(C2H4O)15H、 H(CH−CH2 ) 2 −(CH-CH2)2H COOC2 H4C8F17 COO(C2 H4O)8H、 H[C(CH3)CH2]2 −〔C(CH3)CH22 −[C(CH3)CH2]H COOC2H4C10F21 COO(C3H6O)2H COO(C2H4O)8H などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】 また、本考案の農業用フィルムには、必要に応じて可塑剤、安定剤、滑剤また は粘着防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、光安定剤、無機質充填剤などを添加す ることができる。 塩化ビニル系樹脂に添加される可塑剤としては、一般可塑剤、リン酸エステル 系可塑剤、エポキシ系可塑剤が使用できる。
【0019】 一般可塑剤としては、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシル フタレート、ジイソノニルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフ タレート、ジラウリルフタレート、ジデシルフタレート、ジウナデシルフタレー ト、ジトリデシルフタレートなどのフタル酸エステル系可塑剤、ジオクチルアジ ペート、ジトリノニルアジペート、ジイソデシルアジペートなどのアジピン酸エ ステル系可塑剤のほか、ポリエステル系可塑剤、セバチン酸系可塑剤、トリメリ ット酸系可塑剤なども使用できる。
【0020】 リン酸エステル系可塑剤としては、トリクレジルホスフェート、トリキシリル ホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリブチルホス フェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリエチルフ ェニルホスフェートなどが使用できる。
【0021】 エポキシ系可塑剤としては、植物油のエポキシ化物、エポキシ樹脂が使用でき る。 植物油のエポキシ化物としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油など が使用できる。
【0022】 エポキシ樹脂としては、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシステアリン酸メ チル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸エチルヘキシル、ト リス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、3−(2−キセノキシ)−1,2 −エポキシプロパン、ビスフェノールA、ジグリシジルエーテル、ビニルジシク ロヘキセンジエポキシサイド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ ンとエピクロルヒドリンの重縮合物が挙げられる。 前記可塑剤は、1種または2種以上混合して用いられるが、好ましい添加量は 、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、フタル酸エステル系可塑剤30〜70 重量部、リン酸エステル系可塑剤1〜7重量部、エポキシ系可塑剤0.5〜7重 量部である。
【0023】 安定剤としては、金属セッケン、有機ホスファイト系安定剤などの通常使用さ れる安定剤が使用できる。 金属セッケンとしては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリ ン酸カルシウム、リシノール酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸カ ルシウム、オクトイン酸亜鉛などが挙げられる。
【0024】 有機ホスファイト系安定剤としては、ジフェニルデシルホスファイト、トリフ ェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホス ファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリステアリルホスフ ァイト、オクチルジフェニルホスファイトなどが挙げられる。 これらの安定剤は、1種または2種以上を用いることができる。
【0025】 滑剤または粘着防止剤としては、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチ ン酸などの脂肪酸系滑剤、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、 エチレンビスステアロアミドなどの脂肪酸アミド系滑剤、ブチルパルミテート、 ブチルステアレートなどのエステル系滑剤、バリウムイソデシルホスフェート、 カルシウムオクタデシルホスフェートなどの有機リン酸金属塩系滑剤、ポリエチ レンワックス、流動パラフィンなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を 用いることができる。
【0026】 紫外線吸収剤としては、一般に使用されているベンゾフェノン系、ベンゾトリ アゾール系、サリチル酸エステル系、シアノアクリレート系などの紫外線吸収剤 が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0027】 抗酸化剤としては、フェノール系、チオジプロピオン酸エステル系、脂肪族サ ルファイド系などの抗酸化剤を1種または2種以上を用いることができる。 光安定剤としては、ヒンダードアミンなどの一般に使用されている光安定剤を 1種または2種以上を用いることができる。
【0028】 無機質微粉末は、フィルム表面のベタツキ防止や保温性を向上させる目的で使 用することができる。このような無機質微粉末としては、炭酸マグネシウム、マ グネシウムケイ酸塩、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水 酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト類の少なくとも1種以上を用いることが でき、微粉末の粒径は20μm以下が好ましい。
【0029】 農業用フィルム10のフィルムに形成された微細凹凸部12は、フィルム片面 にエンボス加工などにより微細凹凸が形成されている。 また、上記の微細凹凸部12は、500〜600nmの波長の平行光線平均透 過率が40%以下、全光線平均透過率が75%以上とするのが好ましく、本実施 例における上記平行光線平均透過率は約7%、全光線平均透過率は約80%にな っている。微細凹凸部12の光線平均透過率を上記のようにすることで、フィル ム全体としての光線透過が良好となり、ハウス内の環境を作物の成育により適し たものとすることができる。
【0030】 上記の微細凹凸部12の形成比率は、フィルムの少なくとも一端部から1m幅 の範囲内で10〜90%、好ましくは20〜70%とする。本実施例では、フィ ルム全表面に略均一に微細凹凸部12が形成されており、形成比率は25%程度 となっている。微細凹凸部12の形成比率が高すぎると、農業用フィルムに要求 される光線透過が確保できず、作物の成育に悪影響を及ぼす恐れがあり、逆に微 細凹凸部12の形成比率が低すぎると、フィルムどうしが密着し、巻き上げ作業 などが困難になる。
【0031】 また、微細凹凸部12は、該微細凹凸部12または微細凹凸を設けない非微細 凹凸部11の少なくとも一方が不連続となるように設けることが肝要である。例 えば、一端部から80cm幅の範囲内全域に微細凹凸を設け、その他の部分を非 微細凹凸部11としても、微細凹凸部12の形成比率は、フィルムの少なくとも 一端部から1m幅の範囲内で10〜90%の範囲内となるが、このようにしては 、ハウス内で日光の透過率が他に比較して低い部分が生じてしまうため、その部 分に栽培された作物の成育に悪影響を及ぼす。 従って、微細凹凸部12は、本実施例のように、フィルムの少なくとも一端部 から1m幅の範囲内の任意の箇所に選定した1m四方の正方形内では、どの箇所 においても形成比率が10〜90%の範囲内に入り、微細凹凸部12および非微 細凹凸部11が略均一に分散しているように設けるのが望ましい。
【0032】 微細な凹凸が設けられていない非微細凹凸部11は、フィルムの全表面中の1 0%以上とするのが好ましく、さらに好ましくは30%以上である。本実施例で は、フィルムの全表面の約75%となっている。非微細凹凸部11の形成比率が 小さいと、充分な光線透過が得られず、栽培された作物の成育に悪影響を及ぼす 。 また、非微細凹凸部11は、500〜600nmの波長の平行光線平均透過率 が60%以上、全光線平均透過率が80%以上とするのが好ましく、本実施例に おける上記平行光線平均透過率は約85%、全光線平均透過率は約90%となっ ている。このようにすることで、フィルム全体としての光線透過が良好となり、 ハウス内の環境を作物の成育により適したものとするとともに、ハウス内外の様 子がフィルムを通して判別することができ、農作業の効率化につながる。
【0033】 本実施例では、微細凹凸部12と非微細凹凸部11を、斜めのストライプ状に 交互に配置してなるが、これに限定されず、フィルムの少なくとも一端部から1 m幅の範囲内で、微細凹凸を設けた微細凹凸部12の形成比率が10〜90%で 、かつ微細凹凸部12または非微細凹凸部11の少なくとも一方が不連続であれ ば、いかなる配置をとってもよく、たとえば微細凹凸部12または非微細凹凸部 11を縦あるいは横のストライプ状、格子状、水玉状に配置してもよい。
【0034】 また、本実施例においては、フィルム全表面を微細凹凸部12の形成領域とし たが、本考案の農業用フィルムは、必ずしもフィルム全面を微細凹凸部12の形 成領域とする必要はなく、フィルムの少なくとも一端部から1m幅の範囲内を上 記の微細凹凸部12の形成領域とすれば、本考案の目的とする光線透過率を悪化 させることなく、巻き上げ作業なども容易である農業用フィルムを得ることがで きる。 なお、微細凹凸部12の形成領域以外の部分については、いかなる状態であっ てよく、例えば全域にわたって微細凹凸を設けてもよいし、全く微細凹凸を設け なくてもよいが、充分な光線を透過させるためには、全域にわたって微細凹凸を 設けないか、本実施例のように微細凹凸部12と非微細凹凸部11が混然となる ように微細凹凸を設けるのが望ましい。
【0035】 また、本考案の農業用フィルムは、微細凹凸が設けられていない面に、水系、 溶剤系または紫外線硬化系の塗料からなる塗膜13が設けられている。この塗膜 13により、塵埃などの付着が抑止され、またフィルムに防滴剤を配合した場合 には、防滴持続性も良好になるという効果が得られる。
【0036】 水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗料として、具体的には下記のようなもの が挙げられる。 水系としては、アクリル樹脂系、ポリエステル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、 エポキシ樹脂系などが使用できる。 また、溶剤系としては、アクリル樹脂系、セルロース樹脂系、塩化ビニル樹脂 系、フッ素樹脂系、ポリアミド樹脂系、ポリウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、 シリコーン樹脂系などが挙げられる。 さらに、紫外線硬化系としては、ポリエステルアクリレート系、エポキシアク リレート系、ポリウレタンアクリレート系などが挙げられる。
【0037】 本実施例の農業用フィルムの使用にあっては、図外のビニルハウスの骨組を外 方から被うように微細凹凸部12が形成された面を内側にし、かつ微細凹凸部1 2の形成領域が巻き上げる部分となるようにして取りつける。このようにして取 り付け、例えば夏期の日差しが強い日に、ビニルハウス内の換気を良くするため に、ハウスの側面を被う農業用フィルム10を外側に巻き上げれば、密着しにく い微細凹凸部12が、密着し易い非微細凹凸部11の表面に点接着状態で巻き上 げられる。このような点接着は、面接着に比べて剥がし易いので、フィルム10 を巻き戻してビニルハウスの開口された側面を閉じる際に、フィルムどうしが密 着することなく、スムーズに巻き戻しの作業が行える。 また、塵埃などの付着し易い外側には、水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗 料からなる塗膜が設けてあるので、塵埃が付着し難く、塵埃付着による光線透過 率の低下を抑制することができる。 なお、本考案の農業用フィルムをビニルハウスの天窓に使用する場合にも、同 様である。
【0038】 以上、本考案の実施例を具体的に説明したが、本考案はこの実施例に限定され るものではなく、要旨を逸脱しない範囲での設計変更などがあっても本考案に含 まれる。 例えば、本考案の農業用フィルムは、ビニルハウスの外装材としてのみでなく 、例えばカーテン、トンネルなどにも適用できる。
【0039】
【考案の効果】
本考案の農業用フィルムは、農業用フィルムに要求される透光性を確保しつつ 、フィルムどうしの密着を防止することができる。従って、ビニルハウス内など で栽培する作物の成育に適した環境を作り、かつ巻き上げ作業なども容易に行え るという効果を奏するものである。しかも、一方の面に、水系、溶剤系または紫 外線硬化系の塗料からなる塗膜が設けてあるので、塵埃が付着し難く、長期にわ たって使用しても塵埃付着による光線透過率の低下が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る農業用フィルムの平面
図である。
【図2】実施例の農業用フィルムの一部拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
10 農業用フィルム 11 非微細凹凸部 12 微細凹凸部 13 塗膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 7/02 103 9268−4F 27/08 8413−4F 27/30 101 8115−4F

Claims (15)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂を主成分とし、片面に
    微細凹凸を設けた微細凹凸部と微細凹凸を設けない非微
    細凹凸部を有するフィルムの微細凹凸を設けていない側
    の面に、水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗料からな
    る塗膜を設けた農業用フィルムであって、少なくともフ
    ィルム端部のいずれか1つに沿った1m幅の範囲内にお
    いては、微細凹凸部および/または非微細凹凸部が不連
    続で、かつ微細凹凸部の形成比率が10〜90%になる
    ように微細凹凸を形成したことを特徴とする農業用フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂を主成分とし、片面に
    微細凹凸を設けた微細凹凸部と微細凹凸を設けない非微
    細凹凸部を有するフィルムの微細凹凸を設けていない側
    の面に、水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗料からな
    る塗膜を設けた農業用フィルムであって、少なくともフ
    ィルム端部のいずれか1つに沿った1m幅の範囲内にお
    いては、微細凹凸部および/または非微細凹凸部が不連
    続で、かつ微細凹凸部の形成比率が20〜70%になる
    ように微細凹凸を形成したことを特徴とする農業用フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 塩化ビニル系樹脂を主成分とし、片面に
    微細凹凸を設けた微細凹凸部と微細凹凸を設けない非微
    細凹凸部を有するフィルムの微細凹凸を設けていない側
    の面に、水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗料からな
    る塗膜を設けた農業用フィルムであって、少なくともフ
    ィルム端部のいずれか1つに沿った1m幅の範囲内にお
    いては、微細凹凸部および/または非微細凹凸部が不連
    続で、かつ微細凹凸部の形成比率が10〜90%になる
    とともに、該フィルム端部のいずれか1つに沿った1m
    幅の範囲内で任意の箇所に選定した1m四方の正方形内
    における微細凹凸部の形成比率が10〜90%となるよ
    うに微細凹凸を形成したことを特徴とする農業用フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 塩化ビニル系樹脂を主成分とし、片面に
    微細凹凸を設けた微細凹凸部と微細凹凸を設けない非微
    細凹凸部を有するフィルムの微細凹凸を設けていない側
    の面に、水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗料からな
    る塗膜を設けた農業用フィルムであって、少なくともフ
    ィルム端部のいずれか1つに沿った1m幅の範囲内にお
    いては、微細凹凸部および/または非微細凹凸部が不連
    続で、かつ微細凹凸部の形成比率が20〜70%になる
    とともに、該フィルム端部のいずれか1つに沿った1m
    幅の範囲内で任意の箇所に選定した1m四方の正方形内
    における微細凹凸部の形成比率が20〜70%となるよ
    うに微細凹凸を形成したことを特徴とする農業用フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 塩化ビニル系樹脂を主成分とし、片面に
    微細凹凸を設けた微細凹凸部と微細凹凸を設けない非微
    細凹凸部を有するフィルムの微細凹凸を設けていない側
    の面に、水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗料からな
    る塗膜を設けた農業用フィルムであって、少なくともフ
    ィルム端部のいずれか1つに沿った1m幅の範囲内にお
    いては、微細凹凸部および/または非微細凹凸部が不連
    続で、かつ微細凹凸部の形成比率が10〜90%になる
    とともに、該フィルム端部のいずれか1つに沿った1m
    幅の範囲外には微細凹凸が設けられていないことを特徴
    とする農業用フィルム。
  6. 【請求項6】 塩化ビニル系樹脂を主成分とし、片面に
    微細凹凸を設けた微細凹凸部と微細凹凸を設けない非微
    細凹凸部を有するフィルムの微細凹凸を設けていない側
    の面に、水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗料からな
    る塗膜を設けた農業用フィルムであって、少なくともフ
    ィルム端部のいずれか1つに沿った1m幅の範囲内にお
    いては、微細凹凸部および/または非微細凹凸部が不連
    続で、かつ微細凹凸部の形成比率が20〜70%になる
    とともに、該フィルム端部のいずれか1つに沿った1m
    幅の範囲外には微細凹凸が設けられていないことを特徴
    とする農業用フィルム。
  7. 【請求項7】 塩化ビニル系樹脂を主成分とし、片面に
    微細凹凸を設けた微細凹凸部と微細凹凸を設けない非微
    細凹凸部を有するフィルムの微細凹凸を設けていない側
    の面に、水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗料からな
    る塗膜を設けた農業用フィルムであって、フィルム表面
    全域にわたって微細凹凸部と非微細凹凸部が混然とな
    り、かつ少なくともフィルム端部のいずれか1つに沿っ
    た1m幅の範囲内においては、微細凹凸部および/また
    は非微細凹凸部が不連続で、かつ微細凹凸部の形成比率
    が10〜90%になるように微細凹凸を形成したことを
    特徴とする農業用フィルム。
  8. 【請求項8】 塩化ビニル系樹脂を主成分とし、片面に
    微細凹凸を設けた微細凹凸部と微細凹凸を設けない非微
    細凹凸部を有するフィルムの微細凹凸を設けていない側
    の面に、水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗料からな
    る塗膜を設けた農業用フィルムであって、フィルム表面
    全域にわたって微細凹凸部と非微細凹凸部が混然とな
    り、かつ少なくともフィルム端部のいずれか1つに沿っ
    た1m幅の範囲内においては、微細凹凸部および/また
    は非微細凹凸部が不連続で、かつ微細凹凸部の形成比率
    が20〜70%になるように微細凹凸を形成したことを
    特徴とする農業用フィルム。
  9. 【請求項9】 微細な凹凸を設けられていない非微細凹
    凸部が、フィルム表面中の10%以上である請求項1〜
    8いずれか1項記載の農業用フィルム。
  10. 【請求項10】 微細な凹凸を設けられていない非微細
    凹凸部が、フィルム表面中の30%以上である請求項1
    〜8いずれか1項記載の農業用フィルム。
  11. 【請求項11】 塩化ビニル系樹脂を主成分とし、片面
    に微細凹凸を設けた微細凹凸部と微細凹凸を設けない非
    微細凹凸部を有するフィルムの微細凹凸を設けていない
    側の面に、水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗料から
    なる塗膜を設けた農業用フィルムであって、フィルム全
    表面に、縦のストライプ状、横のストライプ状、斜めの
    ストライプ状、格子状、あるいは水玉状の微細凹凸部を
    略一定間隔に形成し、かつ微細凹凸部の形成比率が10
    〜90%になるように微細凹凸を形成したことを特徴と
    する農業用フィルム。
  12. 【請求項12】 塩化ビニル系樹脂を主成分とし、片面
    に微細凹凸を設けた微細凹凸部と微細凹凸を設けない非
    微細凹凸部を有するフィルムの微細凹凸を設けていない
    側の面に、水系、溶剤系または紫外線硬化系の塗料から
    なる塗膜を設けた農業用フィルムであって、フィルム全
    表面に、縦のストライプ状、横のストライプ状、斜めの
    ストライプ状、格子状、あるいは水玉状の微細凹凸部を
    略一定間隔に形成し、かつ微細凹凸部の形成比率が20
    〜70%になるように微細凹凸を形成したことを特徴と
    する農業用フィルム。
  13. 【請求項13】 微細凹凸部が500〜600nmの波
    長の平行光線平均透過率が40%以下、全光線平均透過
    率が75%以上で、非微細凹凸部が500〜600nm
    の波長の平行光線平均透過率が60%以上、全光線平均
    透過率が80%以上である請求項1〜12いずれか1項
    記載の農業用フィルム。
  14. 【請求項14】 微細な凹凸が、梨地加工により設けら
    れている請求項1〜13いずれか1項記載の農業用フィ
    ルム。
  15. 【請求項15】 塩化ビニル系樹脂フィルムに防滴剤が
    配合されていることを特徴とする請求項1〜14いずれ
    か1項記載の農業用フィルム。
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