JP3380756B2 - ハウス栽培用被覆材 - Google Patents

ハウス栽培用被覆材

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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
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    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

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  • Greenhouses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハウス栽培用被覆材に
関し、さらに詳しくは風等により、被覆材がハウス外側
に膨らんで膨出し、破れたりするのを防ぐことができ、
しかもリサイクルする際に、分別する必要のないハウス
栽培用被覆材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、農作物の栽培に際し、農業用
ハウスが広く使用されている。このような農業用ハウス
としては、ハウス骨組みを塩化ビニル系樹脂フィルムな
どのハウス栽培用被覆材により被覆したものが一般的で
ある。
【0003】ところで、農業用ハウス内で農作物を栽培
する場合、風の強い地域では、ハウス外側に強い風が吹
くと、ハウス内部とハウス外部との気圧差により、ハウ
ス骨組みに被覆した被覆材(塩化ビニルフィルム等)が
ハウス外部に膨出して膨らみ、破裂したり、損傷するこ
とがあった。このハウス栽培用被覆材が強風下の環境に
おいても、ハウス外部に膨出するのを防止するために、
ハウス骨組みに展張したハウス栽培用被覆材をハウス外
側からハウス長手方向に、紐を張り渡しハウス用被覆材
を押さえる方法や、ハウス栽培用被覆材自体の伸びを抑
えるために、2枚の合成樹脂フィルムを、合成樹脂性紐
状物からなる織物や網状物を介在させてラミネートした
被覆材を使用する方法などが提案されているー。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ハウス骨組み
に展張したハウス栽培用被覆材をハウス外側からハウス
長手方向に、ネット(網状物)を張り渡しハウス栽培用
被覆材を押さえる方法では、通常のハウス展張作業に加
えて、更にハウスにネットを張り渡す作業が余分にかか
るという不具合がある。
【0005】また、ハウス栽培用被覆材自体の伸びを抑
えるために、2枚の合成樹脂フィルムを、合成樹脂性紐
状物からなる織物や網状物を介在させてラミネートした
被覆材を使用する方法では、強風下においても、ハウス
栽培用被覆材のハウス外側への膨出を効果的の防ぐこと
ができるものであるが、3層構造となるためハウス栽培
用被覆材の厚みが厚くなり、柔軟性に欠けるため、ハウ
ス栽培用被覆材の展張作業に時間がかかるばかりでな
く、ハウス栽培用被覆材の重量が重くなるので、ハウス
骨組みの強度を強くする必要があり、展張作業およびコ
スト的に問題のあるものであった。
【0006】本発明は、以上の問題を解決するためにな
されたものであって、強風下においても、ハウス栽培用
被覆材がハウス外部へ膨出して膨らむのを効果的に防止
し、しかも、ハウス用被覆材をハウス骨組みに展張する
作業も容易にでき、ハウス骨組みの強度を強くする必要
のない、しかもハウス骨組みより外せばそのまま(分別
することなく)リサイクルできるハウス栽培用被覆材を
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のハウス栽培用の
被覆材は、農業用フィルムと該農業用フィルムと混練相
溶性を有する素材からなる紐状物とからなり、農業用フ
ィルムの表面には、該農業用フィルムの長手方向に帯状
の紐挿通部が形成され、紐挿通部は、農業用フィルムと
混練相溶性を有する素材からなるフィルムの帯状物を、
農業用フィルムの表面に紐状物を挿通する空間を形成す
るように接着して形成され、該紐挿通部に前記農業用フ
ィルムと混練相溶性を有する素材からなる紐状物を挿通
してなる、ことを特徴とするものである。
【0008】本発明のハウス栽培用被覆材に使用される
農業用フィルムについては、従来より使用されているポ
リ塩化ビニル、塩化ビニルと他のモノマー、例えば塩化
ビニリデン、アクリロニトリル、マレイン酸、イタコン
酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、エチレン、プロピレ
ン、マレイン酸エステル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エステル、アクリル酸エステル、高級ビニルエー
テルなどとの共重合体、あるいはこれらのブレンド物な
どからなる塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリエチレンフ
ィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂フィルム、ポ
リエステルフィルムなど、いずれのものであっても使用
できる。また、上記のフィルムは、防曇剤としての非イ
オン系界面活性剤、防霧剤としてのフッ素系界面活性剤
および/またはシリコン系界面活性剤、可塑剤、熱安定
剤、紫外線吸収剤、滑剤、抗酸化剤、光安定剤、充填
剤、着色剤、防黴剤、防藻剤、有機リン酸金属塩、など
の各種添加剤を含むこともでき、また、表面に架橋もし
くは非架橋のアクリル系被膜などの防塵性被膜を設けた
ものであってもよい。
【0009】上記の塩化ビニル系樹脂フィルムに添加さ
れる可塑剤は、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ
−n−オクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、
ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジラ
ウリルフタレート、ジデシルフタレート、ジウンデシル
フタレート、ジトリデシルフタレート等のフタル酸エス
テル系可塑剤;トリクレジルホスフェート、トリキシリ
ルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホス
フェート、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフ
ェート、トリフェニルホスフェート、トリエチルフェニ
ルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤;エポキシ
化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等のエポキシ化油やビス
フェノールA・ジグリシジルエーテル等のエポキシ系樹
脂などのエポキシ系可塑剤;ジ−2−エチルヘキシルア
ジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジ−2
−エチルヘキシルアゼレート等の脂肪酸エステル系可塑
剤;トリメリット酸エステル系可塑剤;ポリエステル系
可塑剤;等が挙げられる。
【0010】上記の可塑剤は、一種又は二種以上を併用
して用いることができる。また、その添加量は、塩化ビ
ニル系樹脂製フィルムの用途によって異なり一概には決
められないが、ハウス栽培用被覆材として使用する場合
には、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり30〜70
重量部程度である。
【0011】上記お熱安定剤としては、従来より一般的
に使用されている安定剤、具体的には、ステアリン酸バ
リウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、
ラウリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、リシノー
ル酸バリウム、リシノール酸カルシウム、オレイン酸バ
リウム、オレイン酸カルシウム、オクタン酸バリウム、
オクタン酸カルシウム、オクタン酸亜鉛等の金属石鹸;
ジフェニルデシルホスファイト、トリフェニルホスファ
イト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデ
シルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホス
ファイト、トリステアリルホスファイト、オクチルジフ
ェニルホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイ
ト、ジオクチルアシッドホスファイト等の有機ホスファ
イト系安定剤;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マ
レエート、有機錫メルカプチド、有機錫スルホンアミド
等の錫系安定剤;化1(a)、(b)に示す一般式で表
される有機リン酸金属塩;アルキル安息香酸の金属塩等
から選ばれる一種或いは二種以上の安定剤、或いは、市
販されている金属系の複合液状安定剤を併用することも
できる。安定剤の添加量は、塩化ビニル系樹脂100重
量部当たり1〜10重量部程度である。
【0012】
【化1】
【0013】塩化ビニル系樹脂製フィルムを得るための
塩化ビニル系樹脂組成物中には、上記した可塑剤及び安
定剤の他、必要に応じて、防滴剤、防霧剤、滑剤又は粘
着防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗酸化剤、充填剤
(保温剤)、着色剤等の各種添加剤を添加することがで
きる。
【0014】防滴剤としては、ソルビタン、ソルビトー
ル、グリセリン、ジグリセリン等の多価アルコールと脂
肪酸のエステル、多価アルコールと脂肪酸及び二塩基酸
とのエステル、或いはこれらにエチレンオキサイド、プ
ロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレ
ンオキサイドを付加した化合物等が使用でき、具体的に
は、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレー
ト、ソルビタンステアレート・エチレンオキサイド2モ
ル付加物、ソルビタンステアレート・プロピレンオキサ
イド3モル付加物、ソルビトールステアレート、ソルビ
トールステアレート・エチレンオキサイド3モル付加
物、ジグリセリンパルミテート、ジグリセリンステアレ
ート、グリセリンステアレート、グリセリンパルミテー
ト・エチレンオキサイド2モル付加物、ソルビタンステ
アレートアジペート・エチレンオキサイド3モル付加
物、ソルビトールソテアレートアジペート・エチレンオ
キサイド2モル付加物、ジグリセリンパルミテートセバ
ケート・プロピレンオキサイド3モル付加物、ソルビト
ールパルミテートアジペート・エチレンオキサイド3モ
ル付加物、等が挙げられる。これらの防滴剤は、一種或
いは二種以上を併用して添加することができ、その添加
量は、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.5〜
5.0重量部程度である。
【0015】防霧剤としては、分子中に含フッ素基とア
ルキレンオキサイド基を有する含フッ素化合物等が使用
できる。上記の含フッ素基としては、パーフルオロアル
キル基(Cn 2n+1基)、パーフルオロアルコキシ基
(Cn 2n+1O基)、ポリフルオロアルキル基(Hm
n2n+1-m基)、パーフルオロアルケニル基(Cn
2n-1基)、ポリフルオロアルケニル基(Hm n
2n-1-m基)、パーフルオロアルキレン基(Cn 2n基)
等が挙げられ(式中mは1〜3の整数、nは3〜20の
整数)、アルキレンオキサイド基としては、(C2 4
O)n 、(C3 6 O)n 等が挙げられる(式中nは1
〜30の整数)。
【0016】上記の含フッ素化合物として具体的には、
化2(1)〜(13)に示す化合物が例示されるが、こ
れらに限定されるものではない。また、含フッ素化合物
は、一種又は二種以上を併用して添加することができ、
その添加量は、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり
0.01〜1.0重量部程度である。
【0017】
【化2】
【0018】滑剤又は粘着防止剤としては、ステアリン
酸、イソステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸系滑
剤;ステアリン酸アミド、メチレンビスステアロアミ
ド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸アミド系滑
剤;ブチルパルミテート、ブチルステアレート等のエス
テル系滑剤;バリウムイソデシルホスフェート、カルシ
ウムオクタデシルホスフェート等の有機リン酸金属塩系
滑剤;ポリエチレンワックス、流動パラフィン等が使用
できる。これらの滑剤又は粘着防止剤は、一種又は二種
以上を併用して添加することができる。
【0019】紫外線吸収剤としては、一般に使用されて
いるベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチ
ル酸エステル系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収
剤が使用できる。これらの紫外線吸収剤は、一種或いは
二種以上を併用して添加することができる。
【0020】光安定剤としては、化3に示す構造単位を
一以上有するヒンダードアミン系化合物から選ばれる一
種或いは二種以上を併用して添加することができる。
【0021】
【化3】
【0022】充填剤(保温剤)としては、炭酸カルシウ
ム、シリカ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、長石粉、タルク、雲母粉、ハイドロタルサイト類等
が使用できる。
【0023】塩化ビニル系樹脂製フィルムを得るための
塩化ビニル系樹脂組成物には、上記の通常使用される各
種添加剤に加え、化4に示す一般式で表されるような有
機リン酸化合物を添加してもよい。
【0024】
【化4】
【0025】塩化ビニル系樹脂に、上記した可塑剤、安
定剤及び必要に応じて添加される各種添加剤を添加した
塩化ビニル系樹脂組成物は、カレンダー法、押出法、イ
ンフレーション法等の適宜の手段により、所望厚さのフ
ィルムに成形される。フィルムの厚さについては、用途
によって異なり一概には決められないが、農業用施設の
被覆材として使用する場合であれば、0.05〜0.2
mm程度が一般的である。
【0026】上記のようにして得られた塩化ビニル系樹
脂製フィルムは、一方の面或いは両面に、適宜の塗料に
よる塗膜を形成することもできる。例えば、農業用施設
の被覆材として使用する場合であれば、展張したときに
外側となる面に、溶剤系、水系或いは紫外線硬化型塗料
による防塵性塗膜を形成したり、展張したときに内側と
なる面に、溶剤系、水系或いは紫外線硬化型塗料中にコ
ロイダルシリカ等の親水化物質を添加して得た塗料をよ
る防滴性塗膜を形成したりすることができる。
【0027】溶剤系塗料としては、例えば、アクリル樹
脂系、塩化ビニル樹脂系、セルロース樹脂系、フッ素樹
脂系、ポリアミド系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂
系、シリコーン樹脂系等の塗料が使用できる。水系塗料
としては、例えば、アクリル樹脂系、ポリエステル系、
ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系等の塗料が使用でき
る。紫外線硬化型塗料としては、例えば、アクリル樹脂
系、アクリル変性ウレタン樹脂系、アクリル変性エポキ
シ樹脂系、メルカプト誘導体系、エポキシ樹脂系等の塗
料が使用できる。
【0028】本発明のハウス栽培用被覆材に使用される
農業用フィルムと混練相溶性を有する素材からなる紐状
物は、上記農業用フィルムに使用されるのと同じ塩化ビ
ニル系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体などが使用できる。農業用フ
ィルムとして塩化ビニル系樹脂を使用した場合には、ポ
リエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体を紐状物の
素材としては使用することはできないものである(塩化
ビニル系樹脂と混練相溶性を有しないため)。また、逆
に農業用フィルムとしてポリエチレンやエチレン−酢酸
ビニル共重合体を使用した場合には塩化ビニル系樹脂や
塩化ビニリデン樹脂を紐状物の素材としては使用できな
いものである。
【0029】農業用フィルムと混練相溶性を有する素材
から紐状物を形成するには、前記素材からフィラメント
を溶融紡糸し、該フィラメントの複数本をチューブ状に
編み上げて編紐としたものや、平坦状に編み上げて平編
紐としたものなど、紐状に形成されたものであれば、い
ずれのものでも使用できる。フィラメントの太さは50
〜1000μm、好ましくは100〜500μmのもの
が使用できる。このフィラメントの10〜100本をチ
ューブ状もしくは平坦状に編み上げて紐状物を得る。フ
ィラメントは1本づつ編み上げてもよいし、複数本を1
単位として複数単位を編み上げてもよい。例えばフィラ
メント4本を1単位として16単位を交互に編み上げて
64本のフィラメントからなる紐状物としたものなどが
使用できる。複数本を1単位として、複数単位を交互に
編み上げる方が、編み上げが効率的に、かつフィラメン
トが切れたりすることがなく好ましいものである。
【0030】農業用フィルム内表面および/または外表
面に、帯状の紐挿通部を形成するには、農業用フィルム
と高周波融着、超音波接着もしくは熱融着が可能な農業
用フィルムの帯状体(以下「帯状体」ということがあ
る)を載置し、帯状体の幅方向両端部近傍を高周波融
着、超音波融着もしくは熱融着することにより行われ
る。もちろん、接着剤により接着してもよいが、作業性
など点から高周波融着もしくは超音波接着もしくは熱融
着するのが好ましい。また、帯状の紐挿通部は、農業用
フィルムのハウス外表面側に形成するのが好ましい。ハ
ウス内表面側に形成した場合には、ハウス天井部に位置
する農業用フィルム内表面に結露した水がハウス両サイ
ドに流れる際に、紐挿通部で流れを止められ、栽培植物
に滴下することがあるからである。
【0031】帯状の紐挿通部は、農業用フィルムの長手
方向の全長にわたって連続するように形成してもよい
し、断続的に形成してもよいものである。断続的に形成
する場合には少なくとも、農業用フィルムの全長の30
%以上の部分に帯状の紐挿通部を形成するのが望まし
く、全長の50%以上の部分に形成するのが好ましい。
帯状の紐挿通部が農業用フィルムの全長の30%未満に
なると、風によって紐状物に張力がかかったときに紐挿
通部が破損する可能性があるためである。帯状体の両端
部近傍を農業用フィルムに高周波融着、超音波接着もし
くは熱融着する場合、図3(a)に示すように、帯状体
をそのまま農業用フィルム表面に載置し、帯状体の両端
部近傍の2ヵ所で行ってもよいし、図3(b)に示すよ
うに帯状体を幅方向に折り畳んで(帯状体の幅方向の一
方の端部を他方の端部に重ね)農業用フィルム表面に載
置し、帯状体の幅方向の端部が重なった部分の1ヵ所で
行ってもよいものである。帯状体を幅方向に折り畳んで
(帯状体の幅方向の一方の端部を他方の端部に重ね)農
業用フィルム表面に載置し、帯状体の幅方向の端部が重
なった部分の1ヵ所を高周波融着、超音波接着もしくは
熱融着するのが、設備的にも、作業的にも、エネルギー
的にも好ましいものである。
【0032】農業用フィルムと混練相溶性を有する素材
からなる紐状物を、帯状の紐挿通部に挿通するのは、帯
状の紐挿通部を形成したのちに挿通してもよいし、帯状
の紐挿通部を形成するときに紐状物を帯状体と農業用フ
ィルムの間に介在させ、帯状物の両端部近傍を高周波融
着、超音波接着もしくは熱融着してもよい。
【0033】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を図面に基づ
き説明するが、本発明は以下に説明する実施例に限定さ
れるものではない。図1は本発明のハウス栽培用被覆材
の一実施例を示す一部欠截斜視図であり、図2はそのハ
ウス栽培用被覆材をハウス骨組みに被覆した農業用ハウ
スの一部欠截斜視図である。
【0034】〔実施例1〕図1に示すハウス栽培用被覆
材1は、厚さ100μmの塩化ビニル農業用フィルム2
の表面に、同じく100μmの塩化ビニルフィルムから
なる帯状の紐挿通部3が形成する一方、塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合体を溶融紡糸して得られた300μ
mφの塩化ビニリデンフィラメント4本を集束した集束
繊維16本を編み上げて塩化ビニリデン製の紐状物(編
み紐)4を製造し、この塩化ビニリデン製編み紐を、前
記帯状の紐挿通部3に挿通してハウス栽培用被覆材を得
た。得られたハウス栽培用フィルムを、宮崎県の強風地
区の試験用ハウスに展張した(展張期間は平成10年7
月〜9月末の3ヵ月間)。展張に際して前記塩化ビニリ
デン製編み紐の端部を、ハウス両サイドの妻面のハウス
骨組みに固定した。展張作業は、塩化ビニル農業用フィ
ルムの柔軟性が損なわれておらず、きわめて容易に展張
することができた。
【0035】〔比較例1〕厚さ100μmの塩化ビニル
農業用フィルムを宮崎県の強風地区の試験用ハウスに展
張した(展張期間は平成10年7月〜9月末の3ヵ月
間)。展張に際しては、強風により塩化ビニル農業用フ
ィルムがハウス外側に膨出して膨らむのを防止するた
め、ポリエステル繊維製のねっとを、ハウス長手方向の
全長にわたって塩化ビニル農業用フィルムの外側に張
り、ハウス両サイドの妻面のハウス骨組みに固定した。
【0036】〔比較例2〕太さ300μmφの塩化ビニ
リデンフィラメント20本を集束し、これを塩化ビニリ
デン樹脂エマルジョン中に浸せきし、次いで乾燥炉で乾
燥して塩化ビニリデン集束繊維を得た。この集束繊維を
各集束繊維の間隔が50mmになるように織成して網状
の織布を得た。一方、厚さ100μmの塩化ビニル農業
用フィルム2枚を準備し、塩化ビニル農業用フィルム−
塩化ビニリデン集束繊維からなる網状織布−塩化ビニル
農業用フィルムの3層構造になるようにラミネートして
3層構造の農業用塩化ビニルフィルムを得た。この農業
用塩化ビニルフィルムを宮崎県の強風地区の試験用ハウ
スに展張した(展張期間は平成10年7月〜9月末の3
ヵ月間)。
【0037】〔比較例3〕実施例1で使用した塩化ビニ
リデン製編み紐に代えて、比較例1で使用したポリプロ
ピレン製平紐を使用する以外は、実施例1と同様にして
ハウス栽培用被覆材を得た。このハウス栽培用被覆材を
実施例1と同じ場所で同じ期間ハウス骨組みに展張し
た。
【0038】上記展張期間の間には、台風の接近等があ
り、宮崎地区においても強風が吹いたが、展張結果は表
1に示す通りであり、また、リサイクルに際しての分別
の手間についても表1に示すとおりであった。
【0039】
【表1】
【0040】実施例及び比較例からも明らかなように、
強風下でも被覆材がハウス外側へ膨出することなく、膨
出による破れがなく、また展張作業性に優れ、しかもリ
サイクル性にも優れるのは、本発明のハウス栽培用被覆
材のみである。
【0041】
【発明の効果】本発明のハウス栽培用被覆材は、上述し
たとおり、農業用フィルムと該農業用フィルムと混練相
溶性を有する素材の紐状物とから構成されているため、
ハウス骨組みより外せばそのまま(分別することなく)
リサイクルできるものである。また前記紐状物は、農業
用フィルム表面に形成された帯状の紐挿通部に挿通され
ているので、強風下においても、紐状物がズレたりする
ことなく、ハウス栽培用被覆材がハウス外部へ膨出して
膨らむのを確実に防止し、ハウス栽培用被覆材の損傷が
ないものである。また、紐状物を設ける部分だけが3層
構造になっているため、ハウス栽培用被覆材は柔軟性を
保持しハウス用被覆材をハウス骨組みに展張する作業も
容易にでき、ハウス骨組みの強度を強くする必要のない
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハウス栽培用被覆材の一実施例の一部
を示す斜視図である。
【図2】本発明のハウス栽培用被覆材を使用した農業用
ハウスの一部を示す部分斜視図である。
【図3】本発明のハウス栽培用被覆材における帯状の紐
挿通部の構造の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・・・ハウス栽培用被覆材 2・・・・・農業用フィルム 3・・・・・帯状の紐挿通部 4・・・・・紐状物

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウス栽培用ハウスのハウス骨組みを被
    覆する被覆材であって、 被覆材は、農業用フィルムと該農業用フィルムと混練相
    溶性を有する素材からなる紐状物とからなり、 農業用フィルムのハウス外表面には、該農業用フィルム
    の長手方向に帯状の紐挿通部が形成され、紐挿通部は、
    農業用フィルムと混練相溶性を有する素材からなるフィ
    ルムの帯状物を、農業用フィルムの表面に紐状物を挿通
    する空間を形成するように接着して形成され、該紐挿通
    部に前記農業用フィルムと混練相溶性を有する素材から
    なる紐状物を挿通してなる、 ことを特徴とするハウス栽培用被覆材。
  2. 【請求項2】 フィルム帯状物の幅方向両端部が、高周
    波融着にて農業用フィルム表面に接着されてなる請求項
    1に記載のハウス栽培用被覆材。
  3. 【請求項3】 フィルム帯状物の幅方向両端部が重ね合
    わされ、重ね合わされた部分が、高周波融着にて農業用
    フィルム表面に接着されてなる請求項1に記載のハウス
    栽培用被覆材。
JP29881798A 1998-10-20 1998-10-20 ハウス栽培用被覆材 Expired - Lifetime JP3380756B2 (ja)

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