JP6255554B2 - 農業用被覆材 - Google Patents

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田畑の畝等の耕作地を被覆するシート及びネット等の被覆材に関する。
トンネル被覆資材で特に保温用(防寒用)シートを用いた固定の為の施工方法として、従来は、ゴムやロープなど、ひも状のモノで支柱の上へ被った被覆材のその上を、ジグザグに縫う様にして固定、もしくは、トンネル支柱を用い、被覆材で被ったトンネルのその上から、はさむ様に支柱でその被覆材を、固定をしていた。
保温用トンネル被覆材を用いた栽培方法で常に密閉した場合、トンネル内の温度等が上昇し過ぎ、栽培作物へ悪影響をあたえる。その為、トンネル内温度を上昇させ過ぎない様にする為、トンネルのすそをめくりあげ、換気をし、温度や湿度調整を行わなければならない。 その為、防虫トンネルの様に、谷の土を掘り、縁を土へ埋め込み固定する事が出来ず、温度や湿度調整の為、開閉出来る様にひも状のモノやトンネル支柱を用い被覆材を固定している。
ひも状のゴムベルト等で固定する場合、トンネルの両側の谷部分のフック等にベルトを掛けながらトンネル状の被覆材の上をジグザグ左右に縫う様にベルトで被覆材を押えこみ固定しなければならず、一人での固定作業は困難であるだけでなく、ひも状のベルトで被覆材を押えこみ固定する為、トンネル支柱間隔を狭く設置しなければ、トンネル形状が保てなくなる事や、めくりあげた時に被覆材の固定が出来なくなる事から、狭い間隔で多くのトンネル支柱の設置を必要とする。
谷のフックにゴムベルト等を掛ける為のそのフックを、地面に打込むなど設置固定しなければならず、また、掛けたベルトで引き抜かれない様に、しっかりと設置する必要がある。また、このペグ等のフックは、トンネル支柱の各間で畝の左右のそれぞれに設置する必要がある為、トンネル支柱の約2倍の数量が必要となるなど、多くの資材と労力を必要とする。
トンネル支柱での固定の場合、畝をまたぎトンネル支柱をたて、その上に被覆材を被せ、その後、被覆材の下にある支柱と支柱の間に、被覆材の上から別のトンネル支柱で被覆材をはさみこみ、押えこむ様に固定する。この場合、トンネル支柱の必要数量(本数)も、被覆材を支える支柱とほぼ同数のおよそ2倍必要となる。その為、トンネル支柱の初期購入費用は、ベルト等で固定する場合の約2倍必要となる。
被覆材の固定方法でトンネル支柱又は、ひも状のベルト等で被覆材を押えこみ固定する場合、トンネル支柱を狭いの間隔で、設置しなければ、トンネル形状が保てなくなる事や、温度や湿度調整の為、すその開閉をおこなった時に被覆材を固定しにくくなくなる事から、狭い間隔で多くのトンネル支柱の設置が必要とされる。その為、トンネル支柱の必要数量や、設置に関する労力が必然的に多くなるだけでなく、使用後の清掃や運搬及び保管にも、多くの労力とスペースが必要となる。
追肥や間引き、草取りなどの作業の為、トンネル内に手を入れるが、狭い間隔で、トンネル支柱等が存在する為、そのトンネル支柱等が支障となり、一度に広い範囲の作業が行えず、頻繁に手の出し入れが必要となるが為、心身共々、苦痛となるばかりか、作業効率が落ちる。
谷を掘り、縁を土へ埋め込み固定する場合、一人での作業も可能であり、トンネル支柱の必要数量が少なくてもよく、その為、トンネル支柱の設置労力も少なくなり、支柱購入費や使用後の清掃労力及び保管スペースが少なくてよいが、畝の周囲を掘り、被覆材を被せ、その縁を土で押え込む事で固定される為、温度や湿度調整の為に、縁をめくり上げれば、固定する部分がなくなる為、風が吹くと被覆材が、風に飛ばされ形状が保てなくなる。
上記課題を解決するためになされた本発明は、帯体の縁を除く、帯体に設けられた挿通部を備えた農業用被覆材であり、その帯状被覆材は、好ましくは、シート樹脂であり、あるいは、不織布、織布であってもよく、あるいは、ネット等で、作られた被覆材で、又、それらの複合材であってもよい。また、そのネットの材質は金属、化学繊維、天然繊維もしくは、樹脂又は、その複合材であってもよい。
保温用シート等トンネル被覆材をゴムベルト等のひも状のモノで、ジグザグ縫う様に被覆材の上から押えこみ固定する必要が無い為、そのひも状のモノを引っ掛ける為のフック等を打込み設置する必要がない。その為、その労力が不要となっただけでなく、トンネル支柱の間隔が広く数量が少ない状態であってもトンネル形状を保つ事が出来る。
保温用シート等トンネル被覆材をトンネル支柱を用い、被覆材の上から押えこみ、固定する必要が無い為、従来と同じ狭い間隔で支えのトンネル支柱を設置した場合でも、トンネル支柱の必要数量が約半数と大幅に削減できる。
トンネル支柱等の必要資材及び数量も少なくてよい事から、それら設置に必要な労力や資材購入費の削減となる。又、トンネル支柱の絶対的使用数量が少なくてよい事から、設置時や使用後の運搬や、使用後の清掃の労力や保管スペース等が少なくてよい。
従来と同じピッチで支え用のトンネル支柱を設置した場合、被覆材固定に用いるトンネル支柱及び、ひも状のモノが存在しないため、支柱の間が約2倍に広がる。その為、トンネル内へ手を入れて行う追肥や間引き等の作業の支障になりづらく、一度に広い範囲の作業が可能となる。
温度や湿度調整の為、被覆材のすそをめくり上げても、中心側ある挿通部に通した挿通物(ワイヤ等)を、トンネル両端の杭に固定している事で、被覆材全体を固定している為、トンネル形状を崩す事無く換気が出来るだけでなく、縁側にある挿通部は、すその固定が可能なだけでなく、支柱やひも状のモノで固定した場合では、不可能であった簡便な開閉作業が可能となった。
トンネルの両端で杭に固定する事で、トンネル被覆材全体の固定が出来る為、従来よりもトンネル支柱の間隔が広く、少ない状態であっても、トンネル形状を保つ事が可能な為、トンネル内に手を入れての追肥や間引き、草取り等の作業を行っても、トンネル支柱が少ない為、支障になりにくく、苦痛無く、一度により広い範囲の作業が妨げなく行える。
被覆材の設置において、挿通部に通された挿通物(ワイヤ等)を畝の両端の杭に結束線や結束バンド等でしっかりと固定するれば、被覆材全体が固定される。その為、従来の方法では重労働と、多くの資材が必要であったが為、使用を控えていた場合や、多くの人達が、手軽に使用出来る様になる。
強風が予想され、補強固定が必要となれば、地面へ縁側の挿通物をペグ等で押える事で、補強固定が簡単に出来きる為、めくれあがり冷気等にさらされる事など、従来の設置方法では、被覆材が飛ばされる事など、不安定になる場合もあったが、不安定になる事無く、使用し続けられ、作物が無防備になる事無く被覆が行え、安定して使用し続ける事が可能。
トンネル両端の杭で、トンネル被覆材全体の固定が出来る為、一度に複数枚の被覆材の各々を個別に固定して使用が可能となった。その為、例えば、秋から春にかけて栽培される作物の場合、防虫と防寒が必要となるが、これらを必要な時期に単独又は、同時使用ができ、掛け替えせず、重ね掛けの為、途切れる事無く被覆が可能となる。又、遮光用や育成用カラーシート等を防虫や防寒用被覆材の上に、必要な時期のみ重ね使用も可能となる。
挿通部が支柱と交差する為、その中に通された挿通物と支柱が、容易に結束ができ固定が行える、それにより被覆材の固定が、よりしっかりと行えるが、挿通部だけに切り込みを行う為、被覆材は傷つく事なく、無傷な状態を保て、被覆材の機能は損なわれない。
本発明の実施形態に係る被覆材が示された平面図である。 図1の被覆材が示された正面図である。 本発明の他の実施形態に係る被覆材が示された正面図である。 図1の被覆材の使用時の正面図(断面図)である。 図1の被覆材の使用時の側面図である。 従来の支柱固定方法での使用時の側面図である。 本発明の被覆材の挿通部の一部が示された拡大断面図である。 図1を他の実施形態に係る被覆材が示された使用時の正面図である。 本発明の他の実施形態に係る被覆材が示された平面図である。 本発明の他の実施形態に係る被覆材が示された正面図である。
トンネル栽培用保温用シート又は、ネットなどの被覆資材の、図1、図2に示す様に帯状形状(長手方向)に、沿う中心側と縁側に、挿通部2と挿通部3を2つづつ備えている。
図1に示す被覆資材の帯状形状(長手方向)の長さは0.5m以上300m程度のものであって、その幅は0.5mから6m位であるが、1.8m前後位のものが一般的である。
図2に示す挿通部2及び挿通部3へ挿通物(ワイヤ)4を通し、図5に示す、畝9の両端に杭8をしっかり打ち込み、それに挿通物(ワイヤ)4を引き留め固定するが、被覆材1の端を束ね結束帯もしくは、結束線等で、その杭8に固定する。それにより被覆材1のトンネル全体の固定が可能となった。その時には、図4、図5に示す様に、畝や谷の土に密着させ気密性を確保する。
図4は実施形態の正面図(断面図)である。この図4に示す挿通物(ワイヤ)4は、単線あるいは多芯のものでもよいが、好ましくは、シース(被覆)付硬質メッセンジャー(亜鉛めっき鋼線7本より線)で太さは5.5Sq〜38Sq程度のものを使用すればよいが、8Sq〜14Sqがより好ましく、引っ張り強度と、適度な弾力性を有するワイヤである為、施工性の向上と気密・密着性や復元性が得られ、トンネルの防虫や防寒への信頼が増す。
図4の使用例では、挿通物(ワイヤ)4と、しているが、これにかえて、パイプ等で代用してもよい。
図5に示すトンネル支柱6は、竹などで加工したもの、もしくは、市販のもので、その材質は、金属質・木質・樹脂やその他繊維質の一切を問わず、使いやすいものでよい。また、その支柱は0.5mから2m位間隔で畝をまたぐ様に立て、そこに本発明の被覆材1をそのトンネル支柱6に被う様にかぶせる。この作業は既存技術の従来製品と、ほぼ違いはないが、図6で示す様に従来は、被覆材1の上からトンネル支柱7で押えこむ様に被覆材を固定していた。しかし、本発明は、図5に示す様に、図6で示す固定用トンネル支柱7を使用する事無く、図5に示す挿通部2及び挿通部3に通された挿通物4で、図6で示す従来のトンネル支柱7を用いた固定方式と同等以上に気密性と、トンネル形状を保つ事が可能となっただけでなく、それに加え、被覆資材の開閉に要する労力及び時間は、従来の方法とは比べ物にならず少なく、極わずかな時間で、簡便に被覆資材の開閉が出来る。その為、収穫時もちろん、雑草取りや追肥・間引き等の管理時にも大きな効力を発揮する。
従来では、図6に示す様に、トンネル支柱7で被覆材1を押えこむ様に固定していた。そのため、トンネル内の作業をするためには、被覆材1のすそをたくりあげ、トンネル支柱6とトンネル支柱7の狭い隙間から手を入れて作業しなければならず、自ずと作業範囲が制限され、それら支柱が妨げになり、作業へ支障をきたす事となるが、本発明では、図5に示す様に、図6で示す固定用トンネル支柱7が存在しない。その為、図6で示すトンネル支柱6と同じ間隔で支柱を設置しても、その間隔空間は、2倍となり、広い範囲の作業が可能となるが、図5で示す様にトンネル支柱6の間隔は従来の支柱間隔図6で示すトンネル支柱6よりさらに広くする事が可能となり、トンネル支柱6の必要数の削減が可能となった。
栽培地の土に凹凸があり、密着しにくい場合や、風により被覆材1の縁が浮き上がる様な場合には、適宜、図5に示すペグ10など杭を打ち、挿通部3に通された挿通物4を押え固定する。これにより、図6で示す固定用トンネル支柱7で被覆材1を押さえつけ固定しているが、それがない為、図5で示す様にトンネル内容量を減少させることもない。また、風に対し強くなり、被覆材が風で、はがされにくくなるので、作物が無防備に露出する事が防げ、害虫や寒さなどから作物を守る事ができる。また、風でめくれた被覆材で近隣作物をたたき傷める事や、風でとび回る事で起こる他の事故も防げる。
図3は、図2に示す挿通部3を取り外し、挿通部2のみとした、正面図であり、図3に示す様に挿通部2を備えているが、中心線上に1本の挿通部を増やし3本とてもよく、その中心線上の挿通部を残し、挿通部2を取り外し、1本のみにしてもよい。又、図10の挿通部13の様に、挿通部2及び挿通部3の間に設けてもよく挿通部13は、被覆材のサイズや使用用途により適宜適切な位置と数量を設ければよい。
図6は、本発明がなされるまでの防寒用等の被覆材の一般的な使用例の側面図である。
図6で示す様に、トンネル支柱6とトンネル支柱7が狭い間隔で並んでいるが、トンネル形状を保ち、被覆材1固定する為に必要となる。その為、追肥や間引き等の作業を行う場合この支柱の隙間から手を差し込まなければならず、広い範囲の作業は不可能となる。
図7に示す様に、挿通部2の一部を切り込めば、挿通物4と被覆材1の間にトンネル支柱6を通す事が可能となる。これにより、トンネル支柱6と被覆材1が挿通物4で一体化する為、長さが長い畝のトンネル被覆を行った場合や、被覆材の縁をめくりあげ、作業を行った場合でも、トンネル形状及び、被覆材1がより安定し、トンネル支柱6間隔を広くする事が可能となり、トンネル支柱6の必要数が少なくなる。
図8は、同時に複数の被覆材1を使用した使用例の正面図であるが、各々の被覆材1は、図1、図2に示すものである。しかし、それぞれの被覆材は、同じ機能である必要性はなく、異なった機能を有した被覆材を使用する事が可能で望ましく、例えば、防虫ネットと防寒シートを重ねて設置し、冷え込むようであれば、さらにその上へ防寒シート等の被覆材や、他に遮光用や育成用カラーシート等も使用できる。
図9の挿通部11及び挿通部12は、図1の挿通部2及び挿通部3の様に連続していないが、機能的には同じであり、図9の挿通部11及び挿通部12は、断続した構造の挿通部である。したがって、各挿通部に通される挿通物4は図2と挿通物4と同じモノでよい。
従来の被覆材は、多くの場合、1人での作業は困難であった、その上、風が少しでも吹けば、よりいっそう困難さが増していたが、本発明品は、挿通部に挿通物を通し使用する為、その弾性と重みで、1人でも被覆作業が可能となる。
図1の被覆材では、4本の挿通部(挿通部2、挿通部3)が、設けられているが、その挿通部が1本であってもよく、図9の挿通部2、挿通部3、挿通部13の様に4本以上であってもよい。
図2の被覆材では、挿通部2及び挿通部3へ挿通物(ワイヤ)4が通されているが、挿通部3へ挿通物を使用せず直接被覆材に挿通物4を取付けてもよい。
1 被覆材
2 本体1(中心側挿通部)
3 本体2(縁側挿通部)
4 挿通物(ワイヤ)
5 中心線(図面上のみ)
6 トンネル支柱1(被覆材内側 支え用)
7 トンネル支柱2(被覆材外側 押え用)
8 杭
9 畝
10 ペグ
11 本体3(中心側非連続挿通部)
12 本体4(縁側非連続挿通部)
13 本体5(中間の挿通部)

Claims (6)

  1. 帯体と帯体の縁以外に形成された挿通部を備えた農業用被覆材であって、挿通部に切り込みが形成されており、挿通部に通された挿通物と被覆材との間に支柱が通せるようにされた被覆材。
  2. 上記帯体が、ネットである請求項1に記載の被覆材。
  3. 上記帯体が、シート樹脂である請求項1に記載の被覆材。
  4. 上記帯体が、不織布もしくは、織布である請求項1に記載の被覆材。
  5. 上記帯体が、ネットとシート樹脂との複合体、シート樹脂と不織布、織布との複合体、ネットと不織布、織布との複合体又は、ネットとシート樹脂と不織布、織布との複合体である請求項1に記載の被覆材。
  6. 請求項2のネットのその材質は金属、化学繊維、天然繊維もしくは、樹脂又は、その複合材である、請求項2に記載の被覆材。
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