JP3017141B2 - シールド掘進機のカッターヘッド - Google Patents

シールド掘進機のカッターヘッド

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JP3017141B2
JP3017141B2 JP25059297A JP25059297A JP3017141B2 JP 3017141 B2 JP3017141 B2 JP 3017141B2 JP 25059297 A JP25059297 A JP 25059297A JP 25059297 A JP25059297 A JP 25059297A JP 3017141 B2 JP3017141 B2 JP 3017141B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に係る発明は、地中を
掘削する手段としてシールド掘進機の前部に設けられた
カッターヘッドに関するもので、とくに、カッタービッ
トの摩耗について対策を施したものである。
【0002】
【従来の技術】シールド掘進機は、自身が搭載したシー
ルドジャッキ等によって推進力を得ながら、最前部のカ
ッターヘッドにより地中を掘削してトンネルを形成す
る。カッターヘッドは、シールド掘進機内のモータ等に
より駆動されて回転する掘削手段であり、回転中心の付
近から放射状に延びたスポーク(カッタースポーク)の
前面に、カッタービットと呼ばれる切削刃を多数配置し
ている。地中において切羽を削るのはこのカッタービッ
トの役目であり、切削性と耐摩耗性とを確保すべくカッ
タービットは、硬質の母材の先端に超硬チップを付ける
などの構成を有し、先端の部分(刃先)をカッターヘッ
ドの前面上に突出させた状態に取り付けられる。
【0003】その刃先が摩耗しないなら、シールド掘進
機は、どんなに長いトンネルでもカッタービットを交換
することなく連続して掘削を進めることができる。しか
し、ビットの耐摩耗性には限度があるため、掘削地盤の
性質や掘削距離によっては刃先の摩耗が激しくなり、ビ
ットの交換が必要になることがある。
【0004】カッタービットはカッターヘッド上に溶接
やボルトなどにて固定されるのが最も一般的であるが、
そうして取り付けられたビットの交換は簡単には行えな
い。切羽に面した部分でその交換作業を行わねばならな
いため、安全上、切羽が崩れないように十分な対策をと
る必要があるからである。一般的には、カッターディス
クの前面にあたる箇所に立坑を築き、固化剤等の薬液を
注入してその付近の地盤を改良したうえで交換作業を行
う。したがって、ビットの交換にはかなりの費用と時間
がかかることになる。
【0005】そのような作業を行わずにカッタービット
の切削性を回復させる手段として、図7および図8に示
す技術がすでに提案されている。図7の例は、カッター
ヘッド2’におけるスポーク2a’の内部に予備のカッ
タービット70を内蔵しておき、スポーク2a’の前面
に固定した通常のカッタービット60が摩耗したときは
その予備のビット70を前面に押し出して掘削に供する
ものである。図中の符号71は、予備のビット70を前
面に押し出すための油圧ジャッキである。
【0006】また図8の例は、カッタービット80とし
て図のような三角形のものを使用することとし、その三
角形の各頂点の位置にある三つの稜線(図の紙面と直角
に延びたもの)の上に刃先83を形成し、それら三つの
刃先83を順次に切り替えて使用できるようにしたもの
である。ビット83には刃先83と平行に軸体84を一
体化し、その軸体84を、カッターヘッド2”のスポー
ク2a”に対しスポーク2a”の長手方向とほぼ平行に
取り付けている。掘削中は、図のようにビット80を固
定して刃先83の一つを掘削に使用し、その刃先83が
摩耗すると、軸体84とともにビット80を回転させて
他の刃先83をスポーク2a”の前面上に突出させる。
この図8の例は、特開昭63−100595号公報に記
載されたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図7に示したカッター
ヘッドでは、カッタービットの切削性を回復できる機会
は基本的に1回のみである。スポーク2a’に沿って複
数配置された固定式のビット60の間には広いスペース
がないため、予備のビット70を何組も配置しておくこ
とは不可能だからである。一組しかない予備のビット7
0も使用中は摩耗するので、相当の長距離(または硬質
地盤)を掘る場合には掘削能力が十分に維持されない恐
れがある。また、その図7のカッターヘッド2’におい
ては、予備のビット70を押し出すために油圧シリンダ
71を多数(ビット70と同数)必要とし、カッターヘ
ッド2’の重量を増しコストを引き上げるという意味で
も好ましくない。
【0008】図8のカッターヘッドではカッタービット
を回転させることによりその切削性を二度にわたって回
復させることができるが、それ以上は無理である。その
回復の回数を増やすために三角形のビット80を四角形
・五角形等に変更する、という案も考えられるが、好ま
しくない。円滑な掘削を行うには刃先83の前面にすく
い角を設けたり切羽との間に逃げ角を設けたりするのが
よいが、ビット80を四角形以上の正多角形にするな
ら、刃先83の付近にそのような角度を確保することが
不可能だからである。また、図8の例では、軸体84を
中心にしてビット80を回転させる方向に掘削反力が作
用するので、刃先83の切り替えのための回転手段とと
もに、掘削中のビット80の回転を防止できる相当に強
力な停止手段(ストッパー)を用意しなければならず、
カッターヘッド2”の構成が簡単でなくなる。
【0009】請求項の発明は、カッタービットの切削性
を多数回にわたって回復させることができ、シールド掘
進機による長距離および硬質地盤の掘削を円滑に行える
カッターヘッドを提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載したシー
ルド掘進機のカッターヘッドは、 a) カッタービットの本体を、n重対称の正面形状を有
していてその周縁上に(周縁の全長上とは限らないが、
周縁に沿って存在するように)刃先を備えるものとした
こと、 b) その本体を、正面(の法線)をカッターヘッドの回
転方向に向けて(概ねその方向でよく、正確に一致させ
るには及ばない)刃先の一部をカッターヘッドの前面上
に突出させたこと、 c) さらにその本体を、上記n重対称の中心軸線上で本
体の背面に一体化された軸体をカッターヘッドのスポー
ク内に挿入し、かつその軸体を介して回転させ得る(そ
れにより周縁中のb)の突出部分を変更できる)状態で固
定したこと− を特徴とする。なお、n重対称とは、1点を中心に
360°/n (nは整数)だけ回転すればそれ自身に
重なる図形をいい、正多角形や円などが含まれる。ま
た、上にいう「正面」とは、カッタービットの正面であ
って周縁を全体的に含む面をいい、軸体が一体化された
「背面」と反対側の面をさす。
【0011】このように構成したカッターヘッドでは、
カッタービットの切削性を複数回にわたって容易に回復
させることができる。カッタービットは、上記a)のとお
り周縁上に有する刃先のうち上記b)のようにカッターヘ
ッドの前面上に突出させた部分によって地山を切削する
が、長距離の掘削等によってその部分が摩耗したときに
は、上記c)の軸体を介し適当角度(たとえば上記nに基
づいて 360°/n)だけ刃先を回転させれば、摩耗
した部分に代わって他の新たな部分がカッターヘッドの
前面上に突出し切削機能を発揮するからである。三角形
等の頂点の位置にのみ刃先を設ける図8の例とは異な
り、そのカッタービットは自身の周縁に沿って広い範囲
に刃先を有するため、特定の部分が摩耗したときにも、
まだ摩耗してない切削能力のある刃先が広く周縁上に存
在するのが一般である。したがって、カッタービットの
切削性を回復させ得る回数は図8の例と比べて少なくな
く、むしろ多くすることが可能である。
【0012】また、カッタービットは、上記b)のように
正面がカッターヘッドの回転方向を向いており、c)のよ
うにその中心軸線(正面の面とは直角)上に一体化され
た軸体によってスポークに支持されているため、掘削に
よる反力はカッタービットに対して軸体の長手方向に作
用する。つまり、掘削反力は、当該軸体まわりにカッタ
ービットを回転させる方向にはほとんど作用しない。し
たがって、c)のとおり固定しておくためには特別強力な
手段は必要でなく、カッターヘッドが全体として簡単に
構成される。
【0013】請求項2に記載のカッターヘッドは、上記
a)〜c)に加え、 d) 上記のカッタービットとして、正面において周縁か
ら中央部にかけて窪んでおり、周縁においては正面側か
ら背面側にかけて中心からの距離が漸減している皿状の
ものを使用したこと− を特徴とする。
【0014】このd)のようなカッタービットを使用した
請求項2のカッターヘッドでは、カッタービットにおけ
る刃先の付近にすくい角と逃げ角とをともに確保してお
くことが容易である。カッターヘッドの回転方向に対し
て本体正面および軸体を大きくは傾けないようにカッタ
ービットを取り付けるなら、d)のとおり周縁から正面中
央部にかけて窪んだ面がすくい面となり、かつ、正面側
から背面側にかけて中心からの距離が漸減している周縁
上の面が逃げ面となって、それぞれ切羽との間ですくい
角(図1では角度α)および逃げ角(図1では角度β)
を形成するからである。このような角度は、本体の正面
形状にかかわらず正面と直角な断面上に表れるように形
成されるものであるため、カッタービットの周縁(つま
り刃先)上に広く全周的に形成され得る。したがって、
切削性の回復のため上記のように刃先の位置を変更する
としても、使用するすべての刃先部分において同様のす
くい角および逃げ角が確保されることになる。
【0015】請求項3のカッターヘッドは、請求項1ま
たは2のカッターヘッドにつき、 e) カッタービットの本体を、正面形状が円形のものに
したこと− をも特徴とする。
【0016】このような円形のカッタービットは、形状
が単純であるゆえに正多角形または他のn重対称形状の
カッタービットに比べて製作が容易であるほか、上述し
た切削性の回復のための刃先位置の変更が容易である。
刃先位置の変更は、中心軸線上にある軸体を中心にして
カッタービットを回転させることにより行うが、正面形
状が円形のカッタービットなら円周上に回転半径の異な
る部分がないため、その回転が切羽付近の土砂等に力を
及ぼすことがなく、したがってその回転が妨げられるこ
ともないからである。このような理由でカッタービット
が軽く回転する以上、刃先位置の変更を簡単な手段にて
スムーズに行うことができる。刃先を、もし周縁の全長
に形成しておくなら、新たな刃先の位置(停止位置)を
厳密に定める必要もなく、刃先位置の変更が極めて簡単
になる。
【0017】請求項4のカッターヘッドは、請求項1・
2または3のカッターヘッドについて、 f) カッタービットのうちに、本体の正面をカッターヘ
ッドの正回転方向に向けて配置されたものとその逆に向
けて配置されたものとを含めたこと、 g) それら各カッタービットの軸体を、スポークの長手
方向と直角な方向に延ばしてスポークの内部に挿入し、
正面の向きが互いに逆である他のカッタービットの軸体
とスポーク内で結合し、チェーンを介し回転駆動手段と
接続したこと− を特徴とする。
【0018】シールド掘進機は、回転するカッターヘッ
ドが受ける掘削反力に基づいてトンネルの軸心まわりに
回転変位(いわゆるローリング変位)することがあるた
め、その変位を修正する目的でカッターヘッドの回転向
きをしばしば逆転させる(それにより掘削反力の向きを
変える)のが一般である。請求項4のこのカッターヘッ
ドでは、上記f)のように正・逆の回転向きにカッタービ
ットが配置されているため、そのように回転向きを逆転
させる場合にも、各回転向きに正面を向けた一部のカッ
タービットによって切羽を円滑に掘削できる。そして、
いずれの向きのカッタービットにおいて刃先が摩耗した
場合にも、刃先位置を変更することにより複数回にわた
って切削性を回復させることができる。
【0019】請求項4のカッターヘッドにおいては、さ
らに、カッタービットの軸体に関して上記g)の構成をと
っているため、つぎのような作用がある。すなわち、イ ) 上記のように結合したカッタービットの軸体をチェ
ーンを介して回転駆動手段に接続しているため、刃先位
置を変更する際にカッタービットを回転させるのが容易
である。その回転駆動手段を起動すれば、チェーンを介
してカッタービットを回し、遠隔操作によって刃先位置
を交換することができるからである。なお、回転駆動手
段に制動手段を付設するとともにチェーンとして高強度
のものを適切に使用すれば、掘削中、そのチェーンを介
してカッタービットの刃先の回転を停止させておくこと
も可能になる。
【0020】ロ) 二つのカッタービットについて軸体同
士が結合されたうえチェーンにて回転駆動手段に接続さ
れており、一組のチェーンにより少なくとも二つのカッ
タービットを同時に回転させることができるため、構成
を簡単化できる。なお、上記f)・g)のように配置された
複数組のカッタービットの軸体を一組の連続したチェー
ンによって接続するなら、さらに少ないチェーンで多く
のカッタービットの刃先変更を同時に行うことが可能に
なる。
【0021】ハ) 相反する回転方向に正面を向けた二つ
のカッタービットについて、それらの軸体をスポーク内
に挿入するとともに互いに結合しているため、スポーク
に対するそれらカッタービットの取付け剛性が高い。そ
れら二つのカッタービットは結合して一体になり、広い
間隔をおいた二箇所(つまり各軸体がスポークに挿入さ
れた箇所)にてスポークに支持されるからである。間隔
をおいた二箇所で支持されておれば、周縁(刃先)の一
部に掘削反力が作用することにより生じる負荷のモーメ
ントに対し十分な剛性をもって抗することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜図5に、発明の実施につい
て一形態を紹介する。図1は、カッターヘッド2につい
て要部を示す図であり図4(a)におけるI−I断面図、
図2は、図1におけるII−II矢視図、図3は、図1・図
2に示すカッタービット10について使用態様を示す説
明図である。図4は、図1に示したカッターヘッド2を
有するシールド掘進機1の全体図で、図4(a)は正面
図、同(b)は同(a)におけるb−b断面図である。そし
て図5は、図4(a)におけるV部の詳細図である。
【0023】図4(b)に示すとおり、シールド掘進機1
は円筒状の外板3の最前部にカッターヘッド2を有して
おり、やや後方に装備したモータ4等の駆動手段により
それを回転して地中を掘削する。カッターヘッド2は図
4(a)のように、回転中心から放射状に延びたスポーク
2aと、その両脇に設けられた土砂の取込み口2b、お
よび平らな面板2cの各部分を含むが、スポーク2aに
は切羽を切削する手段であるカッタービット10が多数
取り付けられている。
【0024】カッタービット10は、カッターヘッド2
の前面上に一部を突出させた状態に取り付けられること
により切羽を削るものであるが、それを交換することな
く長距離のトンネル掘削が行えるよう、このシールド掘
進機1では、図1および図2等に示す新規なカッタービ
ット10を使用している。このビット10は下記1)〜4)
のように構成したものである。すなわち、 1) カッタービット10の本体11は、図2のように正
面形状が円形である盤状のものとし、図1のとおりその
周縁12のうち最大外径の部分の全周に超硬チップを埋
設して刃先13としている。
【0025】2) 本体11の背面(刃先13を有する正
面とは反対側の面)の中央には、図1のように正面と直
角に軸体14を一体化し、その軸体14を、カッターヘ
ッド2の回転方向(つまりスポーク2aの長手方向と直
角な方向。図1中に白抜き矢印で示す向きまたはその
逆)に向けてスポーク2a内に挿入する。これによりビ
ット10の本体11の正面(の法線)もカッターヘッド
の回転方向に向くことになる。なお、こうして取り付け
たビット10の刃先13の一部は前述のようにカッター
ヘッド2の前面上に突出するが、軸体14は、スポーク
2aごとに位置を異ならせて多数配置するため、カッタ
ーヘッド2が回転するときの各刃先13の軌跡は図2
(仮想線を参照)のようにカッターヘッド2の前面全域
に分散し、切羽を削り残すことがない。そのほか、ビッ
ト10の本体11とスポーク2aとの間には図1のよう
にシール部材16・17を装着し、スポーク2aの内部
に土砂や泥水が入らないようにしている。
【0026】3) 本体11の形状は、図1のとおり正面
において周縁12上の刃先13から中央部にかけて窪ん
でおり、周縁12においては正面側から背面側にかけて
半径が漸減している皿状のものとした。これにより、カ
ッターヘッド2の回転中には図のように刃先13と切羽
Aとの間にすくい角αおよび逃げ角βとが形成され、ビ
ット10は切羽Aを円滑に切削する。
【0027】4) 各スポーク2aにおいては、正逆両回
転方向に面する各面に、回転中心からの距離を等しくし
て図1のように二つのビット10を取り付けることと
し、それらビット10の軸体14を、スポーク2aの内
部においてチェーンスプロケット20の胴部20aによ
り一体に結合した。上記2)に述べた多数の軸体14はす
べてこのように二つずつ結合するので、スポーク2aの
内部には、結合された軸体14が平行に多数存在するこ
とになる。そして、各組の軸体14を結合するスプロケ
ット20は、図5のように、スポーク2aごとに一連に
つながったチェーン21によって連結し、さらにチェー
ン22によって回転駆動手段23に接続している。
【0028】以上のように構成したカッタービット10
については、図3(a)のように刃先13のうちカッター
ヘッド2の前面上に突出した部分Xが摩耗したとき、軸
体14を中心にビット10を多少回転させ刃先13の突
出箇所を変更することによって、その切削性を回復する
ことができる。ビット10を回転させるには、図5の駆
動手段23を起動してチェーン21・22を適当量だけ
回せばよいので、作業員の負担は軽微である。チェーン
21等を回すとスプロケット20が回転するため、それ
にともなってビット10の角度も変わるのである。そう
して新たに突出させた部分Yが図3(b)のように摩耗す
れば、図3(c)のようにさらに別の部分Zを突出させる
べくビット10を回転させる。ビット10の本体11が
円形であれば、図3のように少なくとも3〜4回はその
切削性を回復させることができるため、このシールド掘
進機1(図4)は、ビット10そのものを取り替えるこ
となく、かなりの長距離を掘進することができる。
【0029】図6(a)・(b)・(c)は、図2に代わる図
面であり、発明の実施について別の形態を示すものであ
る。すなわちそれぞれは、カッターヘッド2に対して他
の形状のカッタービット30・40・50を配置した例
である。
【0030】まず図6(a)では、正面形状が正五角形
(つまり5重対称の図形)であって周縁の5辺に刃先3
3を有するビット30(の本体31)を、その正面をカ
ッターヘッド2の回転方向に向けてカッターヘッド2上
に取り付けている。刃先33のうちカッターヘッド2の
前面上に突出させた部分(5辺のうちの1辺)が摩耗し
たときには、ビット30を72°(=360°/5)ず
つ回転させて、刃先33のうち未使用の部分を突出させ
る。
【0031】図6(b)のカッタービット40は、本体4
1の正面形状のうちに図のように矩形状の舌片が放射状
に四つ含まれるもので、各舌片の先端部(つまり外周縁
の一部)に刃先43が形成されている。図示の正面形状
は4重対称であって、90°(=360°/4)ずつ中
心まわりに回転させることにより元の形状に重なる。こ
のようなビット40を、やはりカッターヘッド2上に、
カッターヘッド2の回転方向に向けて取り付けるのであ
る。カッターヘッド2の前面上に突出した部分の刃先4
3が摩耗したときは、ビット40を90°ずつ回転させ
ることにより、刃先43の未使用部分を突出させて切削
性を回復させることができる。
【0032】図6(c)は、先行ビットなどとも呼ばれる
カッタービット50をカッターヘッド2上に配置した例
である。先行ビットとは、かなりの切削幅を有する本来
のカッタービット(上に説明したビット10・30・4
0など。ティースビットとも呼ばれる)に先行して切羽
にスジ状の切れ目を入れるためのビットであり、そのよ
うに切れ目を入れることにより本来の掘削の能率を向上
させる。切れ目を入れるためこのビット50の周縁上に
は鋭い突起状の刃先53が16箇所に形成されており、
図のように正面から見たビット50の本体51は16重
対称の図形をなしている。この例ではそのようなビット
50を、図のように正面をカッターヘッド2の回転方向
に向けて取り付けている。ビット50のうちの約4片を
同時にカッターヘッド2の前面上に突出させて先行掘削
に用いるため、それらが摩耗した場合には約90°(=
360°×4/16)ずつ回転させることにより、未使
用の刃先53を突出させて効率的な先行掘削に供するこ
とができる。
【0033】
【発明の効果】請求項1に記載したシールド掘進機のカ
ッターヘッドでは、刃先のうち地山を掘削していた部分
が摩耗したとき、適当角度だけ刃先を回転させることに
よって刃先中の新たな部分を掘削に供することができ
る。そのため、長距離のトンネルを形成する場合や硬質
地盤を掘削する場合等に、カッタービットの切削性を多
数回にわたって容易に回復させ、高い掘削効率を維持す
ることが可能になる。カッターヘッドに対してカッター
ビットを付け替える必要がないので、カッターヘッドの
前方に作業空間を設ける必要も作業員がその空間内で作
業する必要もなく、したがって、トンネルの掘削工事を
迅速かつ安全に進めることができる。
【0034】また、この請求項1のカッターヘッドで
は、カッタービットを回転させる方向には掘削反力がほ
とんど作用しないため、カッタービットを固定しておく
ための強力な手段は必要でなく、カッターヘッドが全体
として簡単に構成される。
【0035】請求項2に記載のカッターヘッドでは、カ
ッタービットにおける刃先の付近にすくい角と逃げ角と
をともに確保しておくことが容易であり、したがって常
に円滑な掘削を行うことができる。
【0036】請求項3のカッターヘッドでは、カッター
ビットの製作が容易であるほか、切削性を回復させるた
めの刃先位置の変更が容易であり、そのための手段(刃
先位置の変更手段)を簡単なものにすることができる。
【0037】請求項4のカッターヘッドによると、回転
向きを逆転させても切羽を円滑に掘削でき、またいずれ
の向きのカッタービットにおいて刃先が摩耗した場合に
も、上記のとおり多数回にわたって切削性を回復させる
ことができる。
【0038】この請求項4のカッターヘッドにはさら
に、イ)回転駆動手段を起動することにより、遠隔操作に
よって容易にカッタービットの刃先位置を交換すること
ができる、ロ)一組のチェーンにより複数のカッタービッ
トについて同時に刃先の変更を行えるため構成を簡単化
できる、ハ)スポークに対するカッタービットの取付け剛
性が高い−といった利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施について一形態を示す図面であり、
カッターヘッド2の要部を示す断面図(図4(a)におけ
るI−I断面図)である。
【図2】やはり上記カッターヘッド2の要部を示す図面
であり、図1におけるII−II矢視図である。
【図3】図1・図2中のカッタービット10について使
用態様を示す説明図である。
【図4】図1に示したカッターヘッド2を有するシール
ド掘進機1の全体図であり、図4(a)は正面図、同(b)
は同(a)におけるb−b断面図である。
【図5】図4(a)におけるV部の詳細図である。
【図6】図6(a)・(b)・(c)のそれぞれは、発明の他
の実施形態を図2に代えて示すもので、カッタービット
30・40・50の各正面から見てカッターヘッド2の
要部を示す図面である。
【図7】従来のカッターヘッド2’について要部を示す
断面図である。
【図8】図7のとは別の従来のカッターヘッド2”につ
いて要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シールド掘進機 2 カッターヘッド 2a スポーク 10・30・40・50 カッタービット 11・31・41・51 本体 12 周縁 13・33・43・53 刃先 14 軸体 20 スプロケット 21・22 チェーン 23 回転駆動手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 安美 兵庫県神戸市中央区東川崎町1丁目1番 3号 川崎重工業株式会社 神戸本社内 (72)発明者 小田 誠 兵庫県神戸市中央区東川崎町1丁目1番 3号 川崎重工業株式会社 神戸本社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド掘進機の前部に設けられてい
    て、放射状のスポークの上に複数のカッタービットが配
    置された回転式のカッターヘッドであって、 カッタービットの本体が、a)n重対称の正面形状を有し
    ていてその周縁上に刃先を備え、b)正面をカッターヘッ
    ドの回転方向に向けて刃先の一部をカッターヘッドの前
    面上に突出させ、c)上記n重対称の中心軸線上で本体の
    背面に一体化した軸体を上記スポークの内部に挿入し、
    かつその軸体を介して回転させ得る状態で固定されてい
    ることを特徴とするシールド掘進機のカッターヘッド。
  2. 【請求項2】 カッタービットの本体が、正面において
    周縁から中央部にかけて窪んでおり、周縁においては正
    面側から背面側にかけて中心からの距離が漸減している
    皿状のものであることを特徴とする請求項1に記載のシ
    ールド掘進機のカッターヘッド。
  3. 【請求項3】 カッタービットの本体の正面形状が円形
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のシー
    ルド掘進機のカッターヘッド。
  4. 【請求項4】 カッタービットのうちに、本体の正面を
    カッターヘッドの正回転方向に向けて配置されたものと
    その逆に向けて配置されたものとがあり、それら各カッ
    タービットの軸体が、スポークの長手方向と直角な方向
    に延びてスポークの内部に挿入されたうえ、正面の向き
    が互いに逆である他のカッタービットの軸体とスポーク
    内で結合され、チェーンを介して回転駆動手段と接続さ
    れていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のシールド掘進機のカッターヘッド。
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