JP3016911B2 - 多層延伸フィルム及びその製造方法 - Google Patents

多層延伸フィルム及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低密度ポリエチレン、リ
ニア低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等の樹脂あるいはフ
ィルムと、ドライラミネートや押出ラミネート等の方法
により積層することにより、食品、雑貨等の袋包装用フ
ィルム、レトルト用コンテナー、深絞り包装等の蓋材用
フィルム等に用いる、透明性、機械的強度、耐ピンホー
ル性、ガスバリヤー性、ラミネート適性、及び印刷適性
等が優れた多層延伸フィルム及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】食品や雑貨等の包装について、近年、各
メーカーにおいては、生産工程上、人員・設備両面から
合理化を計る動きがあり、包装機械においては高速化、
自動化を目的としてピロー型包装機等の製袋充填包装機
が多く用いられるようになってきた。このような包装機
にはOPP/PEのようなヒートシール可能なものが通
常用いられている。ところが、内容物や流通方法によっ
ては、これらのフィルムに要求される特性として機械的
強度やガスバリヤー性など複数の機能を満足しているこ
とが必要であり、フィルムを何層かの積層構造にし、各
層に種々の機能を分散させ、総合的に多くの機能を有す
るものとすることが考えられる。
【0003】例えば、食品業界においては、流通過程に
おける温度、水分、酸素、光線等や、細菌、カビなどの
微生物によって形、色、味、香気の損失などの多種多様
の変質により品質低下をおこしやすく、消費者の口に入
るまで品質の劣化をおこさせることなく保存する方法と
して、従来は保存料や酸化防止材などの添加剤を直接食
品に添加する方法がとられてきた。ところが近年、食品
加工業界、取分け畜肉加工、魚肉加工分野においては食
品への添加剤規制が厳しくなり、添加剤の使用量を減少
するか或は、ほとんど使用しなくなりつつあり、内容物
の長期保存性、新鮮度を確保するために、包装材料に酸
素ガスバリヤー性等の機能性を付与したフィルムの開発
が必要である。また、食品流通過程における輸送段階に
おいて、輸送方法によってはピンホールが発生するなど
の問題があり、耐ピンホール性及び機械的強度の優れた
フィルムが必要である。
【0004】以上のような点から用いられるフィルムの
構成としては、機械的強度付与層/バリヤー層/シーラ
ント層等の構造が必要であり、例えば、OPP/EVO
H/PE、ONY/PVDC/EVAなどが従来から用
いられてきた。これらのフィルムの積層方法としては、
ドライラミネート、押出ラミネートが用いられている。
ところがこれらの方法だと一層々々ラミネートを行わな
ければならないため、層数が増えて構成が複雑になれば
なるほど製造工程が増え、コストがかかるという欠点が
あった。また各層のフィルムの最低厚みに限界があるた
め多層でかつ極薄のフィルムの製造は不可能である。
【0005】フィルムの二軸延伸方法としてテンター方
式による逐次二軸延伸法、及び同時二軸延伸法が知られ
ている。これら両方法を比較すると逐次二軸延伸法は、
装置の構造が簡単な上、生産性も同時二軸延伸法よりも
優れている。ところが、従来より用いられているナイロ
ン6やナイロン6−6に代表される脂肪族ポリアミド樹
脂は逐次二軸延伸における縦延伸において分子間水素結
合が横延伸の方向に配向するため横延伸が極めて困難で
ある。これらを解決する方法として、脂肪族ポリアミド
に、メタキシリレン基を含有するポリアミドをブレンド
する方法が、特公昭51−29193号公報等に記載さ
れている。本公報に記載されているのはポリアミドの単
層フィルムについてであり、この方法から得られるフイ
ルムは透明性が不十分であり、包装用フイルムとしての
要求を満足出来ているものではない。
【0006】また、特開昭55−82650公報には、
メタキシリレン基を含有するポリアミドフィルムとエチ
レン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂フィルムとを積
層延伸し、さらにヒートシール樹脂を積層した構造のフ
ィルムについて記載されているが、本公報の製造方法に
よるとエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂層
は、必ずしも延伸されているとは限らない。また、同時
二軸延伸法の一つとしてインフレーション法も知られて
いるが本発明のような複雑な構成を有するフィルムの延
伸には不向きである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの欠点
を解決するため、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化
物樹脂はもともとガスバリヤー性の優れた樹脂であり、
延伸することによりさらにガスバリヤー性を向上するこ
とができることを利用し、単層では逐次二軸延伸が困難
であるが、ポリアミド層としてメタキシリレン基を含有
するポリアミドを用いることにより共押出等により予め
積層したものが延伸できることを見いだしたものであ
る。その目的とするところは、逐次二軸延伸適性に優
れ、また透明性、機械的強度、耐ピンホール性、ガスバ
リヤー性、ラミネート適性、及び印刷適性等が優れた多
層延伸フィルム及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリアミド樹
脂層(A)、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹
脂層(B)が、A−B−A−B−Aの順で積層された多
層延伸フィルムにおいて、ポリアミド樹脂層(A)が、
メタキシリレンジアミンとアジピン酸との縮重合により
得られるナイロンMXD6の単独層、あるいはナイロン
MXD6とその他のナイロンとのブレンド物からなる層
を用いることを特徴とする多層延伸フィルム及びその製
造方法に関するものである。即ち機械的強度付与層とし
てポリアミド樹脂層、ガスバリヤー性付与層としてエチ
レン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂層を用い、共押
出法により積層構造にしたフィルムを逐次二軸延伸した
ものである。
【0009】本発明において用いられるポリアミド(以
下、PAと略記する。)樹脂(A)は、メタキシリレン
ジアミンとアジピン酸との縮重合により得られるナイロ
ンMXD6の単独層、あるいはナイロンMXD6とその
他のナイロンとのブレンド物からなる層である。ナイロ
ンMXD6は、メタキシレンをアンモ酸化後、還元して
得られるメタキシレンジアミン(MXDA)とアジピン
酸との重縮合反応より製造される。ブレンドされるその
他のナイロンとしては、ω−アミノカルボキシ酸の重縮
合反応や、二塩基性酸とジジカルボン酸アミンの重縮合
反応等により製造される、ナイロン6、ナイロン12、
ナイロン11、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナ
イロン6−12、およびこれらの共重合体、またはブレ
ンド物等が用いられる。
【0010】エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹
脂(EVOH)層(B)は、軟化温度(フローテスタ−
法)が、150℃〜175℃で、エチレン含有率が25
〜75モル%、共重合体中の酢酸ビニルに対するけん化
度が90%以上のものがよい。
【0011】本発明の多層延伸フィルムの総厚みは、特
に限定しないが、他のフィルムや樹脂と積層して食品包
装等の用途に用いる場合は、10〜30μm位の厚さが
最適である。
【0012】本発明の多層延伸フィルムは、A−B−A
−B−Aの順で隣接した積層構造をとる。なお、外層と
なるPA樹脂層(A)には印刷機、ラミネート機、およ
び包装機等との機械適性を上げるため適当な滑剤を適量
添加してもよい。また、PA樹脂層(A)とEVOH樹
脂層(B)との間に接着用樹脂層(C)を積層してA−
C−B−A−B−A、A−C−B−C−A−C−B−C
−A等の構成にし、PA、EVOH間の接着強度を上げ
ることもできる。用いられる接着用樹脂としては、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、またはエチレン−プロピレ
ンエラストーに、アクリル酸、メタクリル酸などの一塩
基性不飽和脂肪酸、あるいはマレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸などの二塩基性不飽和脂肪酸の無水物、すなわ
ち無水マレイン酸等を、化学的に結合させて得られる酸
変性オレフィン系樹脂等が挙げられる。
【0013】フィルムの製造方法としては、複数の押出
機による共押出方法にて積層ダイから溶融押出しを行
い、冷却固化を行う方法が最適である。延伸方法として
はテンター方式による逐次二軸延伸方法により行い、そ
の延伸温度としては50℃〜200℃、延伸倍率として
は2〜6倍の範囲内の条件が適している。さらに延伸の
後続けて、延伸温度よりも5℃以上高い温度でヒートセ
ットを行う。あるいは、ヒートセットを行わず、熱収縮
性フィルムとすることもできる。
【0014】
【実施例】Tダイ押出し法により、多層共押出ダイから
溶融押出しし、PA/EVOH/PA/EVOH/PA
の層構成のフィルム(厚み170μm)を作製した。各
層の厚み比率は25/10/30/10/25%とし
た。各層構成樹脂の原料としては、 PA 三菱瓦斯化学製 MXナイロン6007
(ナイロン MXD6)と、宇部興産製 1030B(6-N
y)とのブレンド物 EVOH クラレ製 エバールEP−F101 を用いた。得られた多層フィルムを、テンター方式逐次
二軸延伸製造装置にかけ、下記条件で延伸を行い、厚さ
15μmのフィルムを作製した。 延伸温度 縦 95℃ 横 110℃ 延伸倍率 縦 3.3倍 横 3.3倍 ヒートセット温度 190℃ ライン速度 100M/分 表1にPA層のブレンド比率を変えた場合の逐次二軸延
伸適性を示した。
【0015】
【表1】
【0016】比較例1に示すように6−Ny単独のもの
については、横延伸時にフィルムの破断や延伸斑が生じ
良好なフィルムは得られなかった。これに対し本発明に
よる実施例1〜3のフィルムについては特に問題なく延
伸でき良好なフィルムが得られた。実施例2のフィルム
の物性を表2に示した。
【0017】
【表2】
【0018】表2に示すように、本発明による実施例2
のフィルムの機械的強度や透明性は、上市されている延
伸ナイロン(ONy)フィルム(15μm)とほぼ同等
である。そのうえ、酸素ガスバリア性が非常に優れてい
る。これらの特性を合わせ持つフィルムを、ONyフィ
ルムと延伸EVOHフィルム(クラレ 製エバールEF
−XL)とのドライラミネートにより得ようとしても、
各フィルムの厚みに限界があるため、本発明の様に15
μm厚のフィルムを得ることは不可能である。実施例2
のフィルムの片面をコロナ処理し、図柄を印刷し、さら
に厚み50μmのリニア低密度ポリエチレン(LLDP
E)フィルムをウレタン系接着剤を介してドライラミネ
ート法で貼合わせ厚み65μmのフィルムを作製した。
コロナ処理、印刷、ドライラミネートの各工程での機械
適性等の問題は特になかった。このフィルムを用いて、
3方シール製袋機、横ピロー包装機で適当な大きさの袋
を作製し、外観、破袋強度等の試験を行ったが特に問題
は無かった。
【0019】
【発明の効果】本発明による多層延伸フィルムは、逐次
二軸延伸適性が優れている上、透明性、機械的強度、耐
ピンホール性、ガスバリヤー性、ラミネート適性、及び
印刷適性等が優れており、食品、その他の包装用フィル
ムのラミネート用原反として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 7:00 9:00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド樹脂層(A)、エチレン−酢
    酸ビニル共重合体けん化物樹脂層(B)が、A−B−A
    −B−Aの順で積層された多層延伸フィルムにおいて、
    ポリアミド樹脂層(A)が、メタキシリレンジアミンと
    アジピン酸との縮重合により得られるナイロンMXD6
    の単独層、あるいはナイロンMXD6とその他のナイロ
    ンとのブレンド物からなる層を用いることを特徴とする
    多層延伸フィルム。
  2. 【請求項2】 延伸温度が50〜200℃、延伸倍率が
    2〜6倍の範囲で逐次二軸延伸を行うことを特徴とする
    請求項1記載の多層延伸フィルムの製造方法。
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