JP3016686B2 - 抗菌性成形物および抗菌性パック材 - Google Patents
抗菌性成形物および抗菌性パック材Info
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- JP3016686B2 JP3016686B2 JP6059688A JP5968894A JP3016686B2 JP 3016686 B2 JP3016686 B2 JP 3016686B2 JP 6059688 A JP6059688 A JP 6059688A JP 5968894 A JP5968894 A JP 5968894A JP 3016686 B2 JP3016686 B2 JP 3016686B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として弁当、惣菜、
加工食品等、食品の保存や流通時に使用される食品向け
の抗菌性包装材料として、また包装容器あるいは包装袋
の中に食品と共に入れて使用される抗菌性封入物、等と
して好適な抗菌性成形物および抗菌性パック材に関する
ものである。
加工食品等、食品の保存や流通時に使用される食品向け
の抗菌性包装材料として、また包装容器あるいは包装袋
の中に食品と共に入れて使用される抗菌性封入物、等と
して好適な抗菌性成形物および抗菌性パック材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】例えば弁当、惣菜、加工食品等、食品に
付着している微生物等は、短時間で莫大な数に繁殖する
ので食中毒の原因になる場合が多く、数々の工夫の抗菌
対策がなされているが、最近では、ワサビやカラシ等の
主成分であるイソチオシアネート化合物の優れた抗菌性
を利用した抗菌対策が試みられている。
付着している微生物等は、短時間で莫大な数に繁殖する
ので食中毒の原因になる場合が多く、数々の工夫の抗菌
対策がなされているが、最近では、ワサビやカラシ等の
主成分であるイソチオシアネート化合物の優れた抗菌性
を利用した抗菌対策が試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記イソチオシ
アネート化合物は揮発性を有する液体であり、且つ光、
熱、空気、水等により徐々に変質する性質があるため、
そのままでは不安定で取扱が困難であった。そこでこれ
らの欠点を解決する手段として、イソチオシアネート化
合物をサイクロデキストリンに包接して安定化させた
後、食品の保存に使用する事が開示されている。つまり
在庫時等、通常の乾燥状態ではイソチオシアネート化合
物がサイクロデキストリンの空洞内に保持され、使用時
においては、食品の持つ湿気や水分に触れることにより
徐々に揮散して、食品表面全体に抗菌効果をもたらすよ
うにしたものである。
アネート化合物は揮発性を有する液体であり、且つ光、
熱、空気、水等により徐々に変質する性質があるため、
そのままでは不安定で取扱が困難であった。そこでこれ
らの欠点を解決する手段として、イソチオシアネート化
合物をサイクロデキストリンに包接して安定化させた
後、食品の保存に使用する事が開示されている。つまり
在庫時等、通常の乾燥状態ではイソチオシアネート化合
物がサイクロデキストリンの空洞内に保持され、使用時
においては、食品の持つ湿気や水分に触れることにより
徐々に揮散して、食品表面全体に抗菌効果をもたらすよ
うにしたものである。
【0004】さらに上記の如き特徴を生かして、イソチ
オシアネート化合物のサイクロデキストリン包接化合物
を使用した食品向け抗菌性包装材料、すなわち包装フイ
ルムやシート、あるいは包装内に食品と共に封入する抗
菌性封入物等も開示されている。
オシアネート化合物のサイクロデキストリン包接化合物
を使用した食品向け抗菌性包装材料、すなわち包装フイ
ルムやシート、あるいは包装内に食品と共に封入する抗
菌性封入物等も開示されている。
【0005】これら抗菌性包装材料や抗菌性封入物等
は、上記の如く在庫時、すなわち通常の乾燥状態ではイ
ソチオシアネート化合物は揮散しないが、なんらかの原
因で万一在庫中あるいは使用前であっても高湿度雰囲気
中に曝された場合は、そのイソチオシアネート化合物が
逸散される恐れがある。しかしその逸散されているかど
うかについては外観上変化がなく判別もできないため、
その逸散されたものを知らずにそのまま使用すると、使
用時に十分な抗菌効果が期待できず非常に危険であっ
た。
は、上記の如く在庫時、すなわち通常の乾燥状態ではイ
ソチオシアネート化合物は揮散しないが、なんらかの原
因で万一在庫中あるいは使用前であっても高湿度雰囲気
中に曝された場合は、そのイソチオシアネート化合物が
逸散される恐れがある。しかしその逸散されているかど
うかについては外観上変化がなく判別もできないため、
その逸散されたものを知らずにそのまま使用すると、使
用時に十分な抗菌効果が期待できず非常に危険であっ
た。
【0006】そこで本発明は、イソチオシアネート化合
物のサイクロデキストリン包接化合物を使用することに
よる上記の如き問題点を解消し、抗菌成分であるイソチ
オシアネート化合物が逸散されているかどうかを外観上
判別できるようにした抗菌性成形物および抗菌性パック
材を提供せんとするものである。
物のサイクロデキストリン包接化合物を使用することに
よる上記の如き問題点を解消し、抗菌成分であるイソチ
オシアネート化合物が逸散されているかどうかを外観上
判別できるようにした抗菌性成形物および抗菌性パック
材を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、如何にして
抗菌成分であるイソチオシアネート化合物が逸散してい
るかどうかを外観上判別できるようにするかについて鋭
意研究した結果、上記の如く抗菌成分であるイソチオシ
アネート化合物の逸散は、雰囲気の湿度あるいは水分で
あり、また水分のコントロールには一般にシリカゲルが
用いられていること、シリカゲルにコバルトイオンを吸
着させたものは、乾燥状態では青色を呈し、吸湿および
吸水状態では赤色を呈すること等から、イソチオシアネ
ート化合物のサイクロデキストリン包接化合物と共にこ
のコバルトイオン吸着シリカゲルを存在させれば、その
コバルトイオン吸着シリカゲルの乾燥、吸湿による色の
変化を観察するだけで、在庫保管時等に高湿度雰囲気中
に曝されたかどうか、すなわち高湿度雰囲気中に曝され
てイソチオシアネート化合物が逸散されているかどうか
が判別できることを知見し、本発明を完成するに至っ
た。
抗菌成分であるイソチオシアネート化合物が逸散してい
るかどうかを外観上判別できるようにするかについて鋭
意研究した結果、上記の如く抗菌成分であるイソチオシ
アネート化合物の逸散は、雰囲気の湿度あるいは水分で
あり、また水分のコントロールには一般にシリカゲルが
用いられていること、シリカゲルにコバルトイオンを吸
着させたものは、乾燥状態では青色を呈し、吸湿および
吸水状態では赤色を呈すること等から、イソチオシアネ
ート化合物のサイクロデキストリン包接化合物と共にこ
のコバルトイオン吸着シリカゲルを存在させれば、その
コバルトイオン吸着シリカゲルの乾燥、吸湿による色の
変化を観察するだけで、在庫保管時等に高湿度雰囲気中
に曝されたかどうか、すなわち高湿度雰囲気中に曝され
てイソチオシアネート化合物が逸散されているかどうか
が判別できることを知見し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち本発明に係る抗菌性成形物は、イ
ソチオシアネート化合物のサイクロデキストリン包接化
合物と、コバルトイオン吸着シリカゲルとが分散含有さ
れたことを特徴とするものである。
ソチオシアネート化合物のサイクロデキストリン包接化
合物と、コバルトイオン吸着シリカゲルとが分散含有さ
れたことを特徴とするものである。
【0009】本発明に使用されるイソチオシアネート化
合物は、上記の如く、ワサビやカラシ等の主成分であ
り、食品に発生する細菌や黴の繁殖を抑制する優れた抗
菌性能を有しているものであるが、揮発性を有してお
り、またそのままでは不安定で、光、熱、空気、水等に
より徐々に変質して抗菌性能が低下するものである。
合物は、上記の如く、ワサビやカラシ等の主成分であ
り、食品に発生する細菌や黴の繁殖を抑制する優れた抗
菌性能を有しているものであるが、揮発性を有してお
り、またそのままでは不安定で、光、熱、空気、水等に
より徐々に変質して抗菌性能が低下するものである。
【0010】そこで前記イソチオシアネート化合物の揮
発、変質を抑制するために本発明では、イソチオシアネ
ート化合物をサイクロデキストリンに包接させて、安定
化を図ると共に徐々に揮散させることにより抗菌性能が
長期間持続するようになされている。
発、変質を抑制するために本発明では、イソチオシアネ
ート化合物をサイクロデキストリンに包接させて、安定
化を図ると共に徐々に揮散させることにより抗菌性能が
長期間持続するようになされている。
【0011】本発明に使用されるイソチオシアネート化
合物としては、イソチオシアン酸アリル、イソチオシア
ン酸イソアミル、イソチオシアン酸イソブチル、イソチ
オシアン酸イソプロピル、イソチオシアン酸エチル、イ
ソチオシアン酸ニトロフェニル、イソチオシアン酸フェ
ニル、イソチオシアン酸ブチル、イソチオシアン酸プロ
ピル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸メ
チル等が好適に使用され、とくにイソチオシアン酸アリ
ルが明確な抗菌効果を発揮することからより好適に使用
される。
合物としては、イソチオシアン酸アリル、イソチオシア
ン酸イソアミル、イソチオシアン酸イソブチル、イソチ
オシアン酸イソプロピル、イソチオシアン酸エチル、イ
ソチオシアン酸ニトロフェニル、イソチオシアン酸フェ
ニル、イソチオシアン酸ブチル、イソチオシアン酸プロ
ピル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸メ
チル等が好適に使用され、とくにイソチオシアン酸アリ
ルが明確な抗菌効果を発揮することからより好適に使用
される。
【0012】またイソチオシアネート化合物が包接され
るサイクロデキストリンは、内部に空洞が形成されたオ
リゴ糖であって、その空洞内に油溶性の物質を中心とし
た各種の分子、あるいは置換基等を包み込む優れた包接
機能を有するものであり、本発明においては、グルコー
ス残基の数が6個のα型、7個のβ型、8個のγ型のサ
イクロデキストリンが一般に使用されるが、その他マル
トシルサイクロデキストリン、ジメチルサイクロデキス
トリンの如き分岐サイクロデキストリンや修飾サイクロ
デキストリン、又はサイクロデキストリンポリマー等も
使用される。またこれらのサイクロデキストリンは上記
のものが単独でも使用されるが、これらの混合物や、こ
れらの混合物とデキストリン等との混合物等も使用され
る。
るサイクロデキストリンは、内部に空洞が形成されたオ
リゴ糖であって、その空洞内に油溶性の物質を中心とし
た各種の分子、あるいは置換基等を包み込む優れた包接
機能を有するものであり、本発明においては、グルコー
ス残基の数が6個のα型、7個のβ型、8個のγ型のサ
イクロデキストリンが一般に使用されるが、その他マル
トシルサイクロデキストリン、ジメチルサイクロデキス
トリンの如き分岐サイクロデキストリンや修飾サイクロ
デキストリン、又はサイクロデキストリンポリマー等も
使用される。またこれらのサイクロデキストリンは上記
のものが単独でも使用されるが、これらの混合物や、こ
れらの混合物とデキストリン等との混合物等も使用され
る。
【0013】前記成形物は、一般には合成樹脂、紙、不
織布、繊維、およびそれらの組合せ等、適宜材料から形
成され、その形態は、特に限定されるものではなく、フ
イルム、シート、マット、板等、適宜形態のものが使用
され、またその平面形状も単純な丸形、三角形、四角形
等であってもよいし、ハラシ、菊花等に似せた如く装飾
的な形状であってもよい。なお本発明抗菌性成形物が食
品向けの抗菌性包装材料として使用される場合は、上記
例示の合成樹脂、紙、不織布、繊維、およびそれらを組
合せて作成されたフイルムやシート状のものが好適であ
り、また包装容器あるいは包装袋の中に食品と共に入れ
て使用される抗菌性封入物として使用される場合は、例
えば成形物を軟質の合成樹脂、紙、不織布、繊維等から
任意の大きさのマット状に形成してクッション性を持た
せてやれば、輸送時の振動や衝撃に対しても破損するこ
とがなく、またその上に食品を載置することができる程
度の大きさにして食品を載置すれば、輸送時の振動や衝
撃から食品を保護できるので好ましい。
織布、繊維、およびそれらの組合せ等、適宜材料から形
成され、その形態は、特に限定されるものではなく、フ
イルム、シート、マット、板等、適宜形態のものが使用
され、またその平面形状も単純な丸形、三角形、四角形
等であってもよいし、ハラシ、菊花等に似せた如く装飾
的な形状であってもよい。なお本発明抗菌性成形物が食
品向けの抗菌性包装材料として使用される場合は、上記
例示の合成樹脂、紙、不織布、繊維、およびそれらを組
合せて作成されたフイルムやシート状のものが好適であ
り、また包装容器あるいは包装袋の中に食品と共に入れ
て使用される抗菌性封入物として使用される場合は、例
えば成形物を軟質の合成樹脂、紙、不織布、繊維等から
任意の大きさのマット状に形成してクッション性を持た
せてやれば、輸送時の振動や衝撃に対しても破損するこ
とがなく、またその上に食品を載置することができる程
度の大きさにして食品を載置すれば、輸送時の振動や衝
撃から食品を保護できるので好ましい。
【0014】またイソチオシアネート化合物のサイクロ
デキストリン包接化合物と、コバルトイオン吸着シリカ
ゲルとは、成形物を構成する上記例示の合成樹脂、紙、
不織布、繊維等の材料の表面、内部、あるいは表面と内
部の双方に、直接、または接着剤や結合材を介して分散
含有されていてもよく、また該サイクロデキストリン包
接化合物とコバルトイオン吸着シリカゲルとが一層に分
散されて単層構造であってもよいし、別々の層に分散さ
れて多層構造となっていてもよく、またその上に他の合
成樹脂、紙、不織布、繊維等が積層されていてもよい。
なお成形物に複数の透孔を穿設していてもよく、かよう
になされていると、該透孔より水分や湿度の透過を促
し、且つ揮散面積を増加させることができるため、特に
厚みの厚い成形物で本発明を構成する場合は、抗菌効果
の低下を防止できる。
デキストリン包接化合物と、コバルトイオン吸着シリカ
ゲルとは、成形物を構成する上記例示の合成樹脂、紙、
不織布、繊維等の材料の表面、内部、あるいは表面と内
部の双方に、直接、または接着剤や結合材を介して分散
含有されていてもよく、また該サイクロデキストリン包
接化合物とコバルトイオン吸着シリカゲルとが一層に分
散されて単層構造であってもよいし、別々の層に分散さ
れて多層構造となっていてもよく、またその上に他の合
成樹脂、紙、不織布、繊維等が積層されていてもよい。
なお成形物に複数の透孔を穿設していてもよく、かよう
になされていると、該透孔より水分や湿度の透過を促
し、且つ揮散面積を増加させることができるため、特に
厚みの厚い成形物で本発明を構成する場合は、抗菌効果
の低下を防止できる。
【0015】なお前記イソチオシアネート化合物のサイ
クロデキストリン包接化合物と、コバルトイオン吸着シ
リカゲルとは、共存させた状態で上記の如く成形物に分
散して含有されていれば、別々の状態で分散されていて
もよいが、予め該サイクロデキストリン包接化合物をコ
バルトイオン吸着シリカゲル表面に付着させた状態に
し、該付着物を成形物に分散含有させるようにすれば、
粉状のサイクロデキストリン包接化合物と粒状のコバル
トイオン吸着シリカゲルとを別々に分散させるよりも、
全体が粒状となって取扱やすく、また均一に分散させる
ことができるので好ましい。
クロデキストリン包接化合物と、コバルトイオン吸着シ
リカゲルとは、共存させた状態で上記の如く成形物に分
散して含有されていれば、別々の状態で分散されていて
もよいが、予め該サイクロデキストリン包接化合物をコ
バルトイオン吸着シリカゲル表面に付着させた状態に
し、該付着物を成形物に分散含有させるようにすれば、
粉状のサイクロデキストリン包接化合物と粒状のコバル
トイオン吸着シリカゲルとを別々に分散させるよりも、
全体が粒状となって取扱やすく、また均一に分散させる
ことができるので好ましい。
【0016】また前記成形物を合成樹脂で形成する場合
には、一般に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレンテレ
フタレート、エチレンー酢酸ビニル共重合体等の合成樹
脂が一般に使用され、また結合材としてはデンプン、デ
キストリン、タンパク質等が使用され、接着剤として
は、ウレタン系、アクリル系等が一般に使用される。
には、一般に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレンテレ
フタレート、エチレンー酢酸ビニル共重合体等の合成樹
脂が一般に使用され、また結合材としてはデンプン、デ
キストリン、タンパク質等が使用され、接着剤として
は、ウレタン系、アクリル系等が一般に使用される。
【0017】次に本発明に係る抗菌性パック材は、イソ
チオシアネート化合物のサイクロデキストリン包接化合
物が封入された袋状体に、コバルトイオン吸着シリカゲ
ルを封入または分散含有せしめたことを特徴とするもの
である。
チオシアネート化合物のサイクロデキストリン包接化合
物が封入された袋状体に、コバルトイオン吸着シリカゲ
ルを封入または分散含有せしめたことを特徴とするもの
である。
【0018】なおイソチオシアネート化合物のサイクロ
デキストリン包接化合物が封入された袋状体に、コバル
トイオン吸着シリカゲルを封入または分散含有せしめる
には、該袋状体の内面や外面にコバルトイオン吸着シリ
カゲルを印刷や塗装等により分散付着させてもよいし、
コバルトイオン吸着シリカゲルが分散含有された材料
で、袋状体自体を形成してもよく、またサイクロデキス
トリン包接化合物と、コバルトイオン吸着シリカゲルと
を、そのまま袋状体内に封入してもよく、さらに上記し
たイソチオシアネート化合物のサイクロデキストリン包
接化合物と、コバルトイオン吸着シリカゲルとが分散含
有された本発明抗菌性成形物にして袋状体内に封入して
もよい。なおサイクロデキストリン包接化合物と、コバ
ルトイオン吸着シリカゲルとを、袋状体内にそのまま封
入するには、該サイクロデキストリン包接化合物をコバ
ルトイオン吸着シリカゲル表面に付着させた状態で、袋
状体内に封入させてやれば、粉状のサイクロデキストリ
ン包接化合物と粒状のコバルトイオン吸着シリカゲルと
を別々に封入させるよりも、全体が粒状となって取扱や
すく、また均一に分散させて封入させることができるの
で好ましい。
デキストリン包接化合物が封入された袋状体に、コバル
トイオン吸着シリカゲルを封入または分散含有せしめる
には、該袋状体の内面や外面にコバルトイオン吸着シリ
カゲルを印刷や塗装等により分散付着させてもよいし、
コバルトイオン吸着シリカゲルが分散含有された材料
で、袋状体自体を形成してもよく、またサイクロデキス
トリン包接化合物と、コバルトイオン吸着シリカゲルと
を、そのまま袋状体内に封入してもよく、さらに上記し
たイソチオシアネート化合物のサイクロデキストリン包
接化合物と、コバルトイオン吸着シリカゲルとが分散含
有された本発明抗菌性成形物にして袋状体内に封入して
もよい。なおサイクロデキストリン包接化合物と、コバ
ルトイオン吸着シリカゲルとを、袋状体内にそのまま封
入するには、該サイクロデキストリン包接化合物をコバ
ルトイオン吸着シリカゲル表面に付着させた状態で、袋
状体内に封入させてやれば、粉状のサイクロデキストリ
ン包接化合物と粒状のコバルトイオン吸着シリカゲルと
を別々に封入させるよりも、全体が粒状となって取扱や
すく、また均一に分散させて封入させることができるの
で好ましい。
【0019】なお前記袋状体は、サイクロデキストリン
包接化合物のイソチオシアネート化合物が高湿度下で揮
散されるように、少なくとも、通気性及び透湿性を有す
るものであれば、形成される材料は特に限定されるもの
ではなく、合成樹脂、紙、不織布等が使用されるが、コ
バルトイオン吸着シリカゲルを袋状体内に封入するもの
にあっては、外部よりその内部が視認できるように、透
明、半透明のものが好ましい。
包接化合物のイソチオシアネート化合物が高湿度下で揮
散されるように、少なくとも、通気性及び透湿性を有す
るものであれば、形成される材料は特に限定されるもの
ではなく、合成樹脂、紙、不織布等が使用されるが、コ
バルトイオン吸着シリカゲルを袋状体内に封入するもの
にあっては、外部よりその内部が視認できるように、透
明、半透明のものが好ましい。
【0020】
【作用】本発明に係る抗菌性成形物および抗菌性パック
材材によれば、イソチオシアネート化合物のサイクロデ
キストリン包接化合物とコバルトイオン吸着シリカゲル
とが共存されているので、在庫保管時に高湿度雰囲気中
に曝されてイソチオシアネート化合物が逸散されている
かどうかを、コバルトイオン吸着シリカゲルの乾燥、吸
湿による色の変化で判別できる。すなわち青色を呈して
いれば、乾燥状態で保管されて、イソチオシアネート化
合物が逸散されておらず、本来の抗菌効果が期待でき
る。また赤色を呈していれば、高湿度雰囲気中に曝され
た状態で保管されて、イソチオシアネート化合物が逸散
されており、抗菌効果が低下していることが判る。従っ
て、抗菌効果が低下しているかどうかを外観上判別でき
るので、その逸散されたものを知らずにそのまま使用す
る等の危険性がなくなる。
材材によれば、イソチオシアネート化合物のサイクロデ
キストリン包接化合物とコバルトイオン吸着シリカゲル
とが共存されているので、在庫保管時に高湿度雰囲気中
に曝されてイソチオシアネート化合物が逸散されている
かどうかを、コバルトイオン吸着シリカゲルの乾燥、吸
湿による色の変化で判別できる。すなわち青色を呈して
いれば、乾燥状態で保管されて、イソチオシアネート化
合物が逸散されておらず、本来の抗菌効果が期待でき
る。また赤色を呈していれば、高湿度雰囲気中に曝され
た状態で保管されて、イソチオシアネート化合物が逸散
されており、抗菌効果が低下していることが判る。従っ
て、抗菌効果が低下しているかどうかを外観上判別でき
るので、その逸散されたものを知らずにそのまま使用す
る等の危険性がなくなる。
【0021】また副次的効果として、水分活性値の比較
的低い食品等に使用する場合は、シリカゲル自体は吸湿
性があるので、その吸湿性によりイソチオシアネート化
合物の揮散するスピードが速くなり、抗菌効果を的確に
作用させることができる。
的低い食品等に使用する場合は、シリカゲル自体は吸湿
性があるので、その吸湿性によりイソチオシアネート化
合物の揮散するスピードが速くなり、抗菌効果を的確に
作用させることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき具体的
に説明する。なお本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
に説明する。なお本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0023】図1は、本発明抗菌性成形物の第1の実施
例を示す断面図であり、イソチオシアネート化合物のサ
イクロデキストリン包接化合物1と、コバルトイオン吸
着シリカゲル2とが、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレ
ンテレフタレート、エチレンー酢酸ビニル共重合体等の
合成樹脂3中に直接分散含有され、成形物とされたもの
である。本実施例はフイルム等の比較的薄物に適してお
り、特に野菜や果物等の通気性を必要とするような包装
袋用フイルムに適すると共に、イソチオシアネート化合
物のサイクロデキストリン包接化合物1が直接分散含有
されているので、徐放性に優れ、且つ工程が煩雑でな
く、また安価に作成できる。なお成形方法としては、押
出成形、射出成形、圧縮成形等が適用される。
例を示す断面図であり、イソチオシアネート化合物のサ
イクロデキストリン包接化合物1と、コバルトイオン吸
着シリカゲル2とが、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレ
ンテレフタレート、エチレンー酢酸ビニル共重合体等の
合成樹脂3中に直接分散含有され、成形物とされたもの
である。本実施例はフイルム等の比較的薄物に適してお
り、特に野菜や果物等の通気性を必要とするような包装
袋用フイルムに適すると共に、イソチオシアネート化合
物のサイクロデキストリン包接化合物1が直接分散含有
されているので、徐放性に優れ、且つ工程が煩雑でな
く、また安価に作成できる。なお成形方法としては、押
出成形、射出成形、圧縮成形等が適用される。
【0024】図2は、本発明抗菌性成形物の第2の実施
例を示す断面図であり、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエ
チレンテレフタレート、エチレンー酢酸ビニル共重合体
等の合成樹脂3中に、イソチオシアネート化合物のサイ
クロデキストリン包接化合物1を分散させた層と、コバ
ルトイオン吸着シリカゲル2を分散させた層とが積層さ
れ、成形物としたものである。成形方法としては、押出
成形、射出成形、圧縮成形等により予め各層を成形した
後、図2の如く接着剤4を介して積層してもよいし、ヒ
ートシール強度を向上させるために熱融着で直接積層し
てもよく、また同時に2層を押出成形してもよい。本実
施例では、各層において、イソチオシアネート化合物の
揮散に対してバリヤ性の異なる合成樹脂3(ただしイソ
チオシアネート化合物のサイクロデキストリン包接化合
物1を分散させた層は非バリヤ性のものに限る)を用い
たり、厚みを変化させることにより、揮散面を選択で
き、また成形物の厚みを厚くしても、コバルトイオン吸
着シリカゲル2の層を薄くすることにより、必要最低限
のシリカゲルで作成できる利点がある。
例を示す断面図であり、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエ
チレンテレフタレート、エチレンー酢酸ビニル共重合体
等の合成樹脂3中に、イソチオシアネート化合物のサイ
クロデキストリン包接化合物1を分散させた層と、コバ
ルトイオン吸着シリカゲル2を分散させた層とが積層さ
れ、成形物としたものである。成形方法としては、押出
成形、射出成形、圧縮成形等により予め各層を成形した
後、図2の如く接着剤4を介して積層してもよいし、ヒ
ートシール強度を向上させるために熱融着で直接積層し
てもよく、また同時に2層を押出成形してもよい。本実
施例では、各層において、イソチオシアネート化合物の
揮散に対してバリヤ性の異なる合成樹脂3(ただしイソ
チオシアネート化合物のサイクロデキストリン包接化合
物1を分散させた層は非バリヤ性のものに限る)を用い
たり、厚みを変化させることにより、揮散面を選択で
き、また成形物の厚みを厚くしても、コバルトイオン吸
着シリカゲル2の層を薄くすることにより、必要最低限
のシリカゲルで作成できる利点がある。
【0025】図3は、本発明抗菌性成形物の第3の実施
例を示す断面図であり、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエ
チレンテレフタレート、エチレンー酢酸ビニル共重合体
等の合成樹脂3中に、イソチオシアネート化合物のサイ
クロデキストリン包接化合物1を分散含有させた成形体
2個を、コバルトイオン吸着シリカゲル2を分散させた
接着剤4を介して積層し、成形物としたものである。本
実施例では、表裏両面からイソチオシアネート化合物が
揮散される。
例を示す断面図であり、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエ
チレンテレフタレート、エチレンー酢酸ビニル共重合体
等の合成樹脂3中に、イソチオシアネート化合物のサイ
クロデキストリン包接化合物1を分散含有させた成形体
2個を、コバルトイオン吸着シリカゲル2を分散させた
接着剤4を介して積層し、成形物としたものである。本
実施例では、表裏両面からイソチオシアネート化合物が
揮散される。
【0026】図4は、本発明抗菌性成形物の第4の実施
例を示す断面図であり、図3とは逆に、前記合成樹脂3
中にコバルトイオン吸着シリカゲル2を分散含有させた
成形体2個を、イソチオシアネート化合物のサイクロデ
キストリン包接化合物1を分散させた接着剤4を介して
積層し、成形物としたものである。本実施例では、表裏
両面からコバルトイオン吸着シリカゲル2の色変化が視
認される。
例を示す断面図であり、図3とは逆に、前記合成樹脂3
中にコバルトイオン吸着シリカゲル2を分散含有させた
成形体2個を、イソチオシアネート化合物のサイクロデ
キストリン包接化合物1を分散させた接着剤4を介して
積層し、成形物としたものである。本実施例では、表裏
両面からコバルトイオン吸着シリカゲル2の色変化が視
認される。
【0027】図5は、本発明抗菌性成形物の第5の実施
例を示す断面図であり、イソチオシアネート化合物のサ
イクロデキストリン包接化合物1と、コバルトイオン吸
着シリカゲル2とを接着剤4に分散含有せしめ、該接着
剤4を介して、合成樹脂フイルムやシート等からなるバ
リヤ性材5と非バリヤ性材6とを積層し、成形物とした
ものである。前記バリヤ性材5とはイソチオシアネート
化合物に対して透過性を有しないものであり、非バリヤ
性材6とは透過性を有するものである。なお少なくとも
一方の面に透明ないし半透明な部分を有する材料を使用
すれば、他方の面に不透明な不織布や紙等が使用でき
る。加えて本実施例では、少なくとも一方の面を形成す
る材料は、ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合
体、不織布、紙等、イソチオシアネート化合物を透過す
る非バリヤ性材6を使用する必要がある。また使用され
る接着剤4としては、ウレタン系、アクリル系等が使用
され、積層手段としては、ドライラミネート方式、ウエ
ットラミネート方式等が採用される。なお本実施例は、
一方の面にバリヤ性の材料を使用すると共に該バリヤ性
の材料を外側にして袋状に成形すれば、袋状内面のみイ
ソチオシアネート化合物を揮散させるようにできる。ま
た一方の面にさらにバリヤ性の高い塩化ビニリデンコー
トナイロン等を使用すれば、抗菌性を有する真空パック
用の袋として好適に使用できる。
例を示す断面図であり、イソチオシアネート化合物のサ
イクロデキストリン包接化合物1と、コバルトイオン吸
着シリカゲル2とを接着剤4に分散含有せしめ、該接着
剤4を介して、合成樹脂フイルムやシート等からなるバ
リヤ性材5と非バリヤ性材6とを積層し、成形物とした
ものである。前記バリヤ性材5とはイソチオシアネート
化合物に対して透過性を有しないものであり、非バリヤ
性材6とは透過性を有するものである。なお少なくとも
一方の面に透明ないし半透明な部分を有する材料を使用
すれば、他方の面に不透明な不織布や紙等が使用でき
る。加えて本実施例では、少なくとも一方の面を形成す
る材料は、ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合
体、不織布、紙等、イソチオシアネート化合物を透過す
る非バリヤ性材6を使用する必要がある。また使用され
る接着剤4としては、ウレタン系、アクリル系等が使用
され、積層手段としては、ドライラミネート方式、ウエ
ットラミネート方式等が採用される。なお本実施例は、
一方の面にバリヤ性の材料を使用すると共に該バリヤ性
の材料を外側にして袋状に成形すれば、袋状内面のみイ
ソチオシアネート化合物を揮散させるようにできる。ま
た一方の面にさらにバリヤ性の高い塩化ビニリデンコー
トナイロン等を使用すれば、抗菌性を有する真空パック
用の袋として好適に使用できる。
【0028】図6は、本発明抗菌性成形物の第6の実施
例を示す断面図であり、図5の実施例と異なり、イソチ
オシアネート化合物のサイクロデキストリン包接化合物
1を分散した接着剤4と、コバルトイオン吸着シリカゲ
ル2を分散した接着剤4とを介して、合成樹脂フイル
ム、シート、不織布、紙等からなるバリヤ性材5と非バ
リヤ性材6とを適宜積層し、成形物としたものであり、
その他は図5の実施例と同様である。
例を示す断面図であり、図5の実施例と異なり、イソチ
オシアネート化合物のサイクロデキストリン包接化合物
1を分散した接着剤4と、コバルトイオン吸着シリカゲ
ル2を分散した接着剤4とを介して、合成樹脂フイル
ム、シート、不織布、紙等からなるバリヤ性材5と非バ
リヤ性材6とを適宜積層し、成形物としたものであり、
その他は図5の実施例と同様である。
【0029】図7は、本発明抗菌性成形物の第7の実施
例を示す断面図であり、合成樹脂フイルム、シート、不
織布、紙等の基材7表面に、イソチオシアネート化合物
のサイクロデキストリン包接化合物1と、コバルトイオ
ン吸着シリカゲル2とを分散含有せしめた印刷インク、
にて印刷層8を形成した成形物である。前記基材7はバ
リヤ性を有していてもよく、非バリヤ性であってもよ
い。なお前記印刷インクのバインダー樹脂は、ウレタン
系、アクリル系等が使用される。また印刷層8は、前記
基材7の表面全面でもよいし、一部であってもよく、ま
た柄物印刷であってもよく、その印刷方法は、グラビア
印刷、シルク印刷等でなされる。本実施例はイソチオシ
アネート化合物の揮散スピードに優れる利点がある。
例を示す断面図であり、合成樹脂フイルム、シート、不
織布、紙等の基材7表面に、イソチオシアネート化合物
のサイクロデキストリン包接化合物1と、コバルトイオ
ン吸着シリカゲル2とを分散含有せしめた印刷インク、
にて印刷層8を形成した成形物である。前記基材7はバ
リヤ性を有していてもよく、非バリヤ性であってもよ
い。なお前記印刷インクのバインダー樹脂は、ウレタン
系、アクリル系等が使用される。また印刷層8は、前記
基材7の表面全面でもよいし、一部であってもよく、ま
た柄物印刷であってもよく、その印刷方法は、グラビア
印刷、シルク印刷等でなされる。本実施例はイソチオシ
アネート化合物の揮散スピードに優れる利点がある。
【0030】図8は、本発明抗菌性成形物の第8の実施
例を示す断面図であり、図7の実施例とは異なり、合成
樹脂フイルム、シート、不織布、紙等の基材7表面に、
イソチオシアネート化合物のサイクロデキストリン包接
化合物1を分散含有せしめた印刷インクにて形成した印
刷層8と、コバルトイオン吸着シリカゲル2を分散含有
せしめた印刷層8とが別々に存在しており、その他は図
7の実施例と同様である。なお両印刷層8はどちらが表
面側であってもよく、また印刷手段としては、多色刷り
のグラビア印刷やシルク印刷が好ましい。
例を示す断面図であり、図7の実施例とは異なり、合成
樹脂フイルム、シート、不織布、紙等の基材7表面に、
イソチオシアネート化合物のサイクロデキストリン包接
化合物1を分散含有せしめた印刷インクにて形成した印
刷層8と、コバルトイオン吸着シリカゲル2を分散含有
せしめた印刷層8とが別々に存在しており、その他は図
7の実施例と同様である。なお両印刷層8はどちらが表
面側であってもよく、また印刷手段としては、多色刷り
のグラビア印刷やシルク印刷が好ましい。
【0031】図9は、本発明抗菌性成形物の第9の実施
例を示す断面図であり、予めイソチオシアネート化合物
のサイクロデキストリン包接化合物を、コバルトイオン
吸着シリカゲルの表面に均一に付着させ、該付着物9を
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビ
ニル、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、エ
チレンー酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂3中に、分散
含有させて成形物としたものであり、成形方法として
は、押出成形、射出成形、圧縮成形等が適用される。こ
のように予め付着物9とする理由は、コバルトイオン吸
着シリカゲルとイソチオシアネート化合物のサイクロデ
キストリン包接化合物とは、通常、粒径、形状が異な
り、そのまま合成樹脂にそれぞれ練り込んだ場合、合成
樹脂によっては双方の分散性が悪くなる場合があり、従
って予めイソチオシアネート化合物のサイクロデキスト
リン包接化合物を、コバルトイオン吸着シリカゲルの表
面に付着させ、該付着物9を合成樹脂に練り込んだ方が
分散性が改善されるためである。
例を示す断面図であり、予めイソチオシアネート化合物
のサイクロデキストリン包接化合物を、コバルトイオン
吸着シリカゲルの表面に均一に付着させ、該付着物9を
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビ
ニル、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、エ
チレンー酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂3中に、分散
含有させて成形物としたものであり、成形方法として
は、押出成形、射出成形、圧縮成形等が適用される。こ
のように予め付着物9とする理由は、コバルトイオン吸
着シリカゲルとイソチオシアネート化合物のサイクロデ
キストリン包接化合物とは、通常、粒径、形状が異な
り、そのまま合成樹脂にそれぞれ練り込んだ場合、合成
樹脂によっては双方の分散性が悪くなる場合があり、従
って予めイソチオシアネート化合物のサイクロデキスト
リン包接化合物を、コバルトイオン吸着シリカゲルの表
面に付着させ、該付着物9を合成樹脂に練り込んだ方が
分散性が改善されるためである。
【0032】図10は、本発明抗菌性成形物の第10の
実施例を示す断面図であり、予めイソチオシアネート化
合物のサイクロデキストリン包接化合物を、コバルトイ
オン吸着シリカゲルの表面に均一に付着させ、該付着物
9を分散含有せしめた接着剤4を介して、合成樹脂フイ
ルム、シート、不織布、紙等からなるバリヤ性材5と非
バリヤ性材6とを適宜積層し、成形物としたものであ
り、その他は図5の実施例と同様である。
実施例を示す断面図であり、予めイソチオシアネート化
合物のサイクロデキストリン包接化合物を、コバルトイ
オン吸着シリカゲルの表面に均一に付着させ、該付着物
9を分散含有せしめた接着剤4を介して、合成樹脂フイ
ルム、シート、不織布、紙等からなるバリヤ性材5と非
バリヤ性材6とを適宜積層し、成形物としたものであ
り、その他は図5の実施例と同様である。
【0033】図11は、本発明抗菌性成形物の第11の
実施例を示す断面図であり、予めイソチオシアネート化
合物のサイクロデキストリン包接化合物をコバルトイオ
ン吸着シリカゲルの表面に均一に付着させ、得られた付
着物9を分散含有せしめた印刷インクにて、合成樹脂フ
イルム、シート、不織布、紙等の基材7表面に、印刷層
8を形成した成形物であり、その他は図6の実施例と同
様である。
実施例を示す断面図であり、予めイソチオシアネート化
合物のサイクロデキストリン包接化合物をコバルトイオ
ン吸着シリカゲルの表面に均一に付着させ、得られた付
着物9を分散含有せしめた印刷インクにて、合成樹脂フ
イルム、シート、不織布、紙等の基材7表面に、印刷層
8を形成した成形物であり、その他は図6の実施例と同
様である。
【0034】次に図12は、本発明抗菌性パック材の第
1の実施例を示す断面図であり、袋状体10内に、イソ
チオシアネート化合物のサイクロデキストリン包接化合
物1と、コバルトイオン吸着シリカゲル2とがそのまま
封入されたものである。なお前記袋状体10は、少なく
とも、通気性及び透湿性を有するものであれば、形成さ
れる材料は特に限定されるものではなく、合成樹脂、
紙、不織布等が使用されるが、袋状体10内のコバルト
イオン吸着シリカゲル2が外部より視認できるように、
透明、半透明のものが好ましい。
1の実施例を示す断面図であり、袋状体10内に、イソ
チオシアネート化合物のサイクロデキストリン包接化合
物1と、コバルトイオン吸着シリカゲル2とがそのまま
封入されたものである。なお前記袋状体10は、少なく
とも、通気性及び透湿性を有するものであれば、形成さ
れる材料は特に限定されるものではなく、合成樹脂、
紙、不織布等が使用されるが、袋状体10内のコバルト
イオン吸着シリカゲル2が外部より視認できるように、
透明、半透明のものが好ましい。
【0035】図13は、本発明抗菌性パック材の第2の
実施例を示す断面図であり、予めイソチオシアネート化
合物のサイクロデキストリン包接化合物をコバルトイオ
ン吸着シリカゲルの表面に均一に付着させ、得られた付
着物9を、袋状体10に封入させたものである。本実施
例では、粒状の付着物9にして封入しているので、通気
性の良好な開孔フイルムを用いても、サイクロデキスト
リン包接化合物がその孔からもれ出る心配がない。
実施例を示す断面図であり、予めイソチオシアネート化
合物のサイクロデキストリン包接化合物をコバルトイオ
ン吸着シリカゲルの表面に均一に付着させ、得られた付
着物9を、袋状体10に封入させたものである。本実施
例では、粒状の付着物9にして封入しているので、通気
性の良好な開孔フイルムを用いても、サイクロデキスト
リン包接化合物がその孔からもれ出る心配がない。
【0036】図14は、本発明抗菌性パック材の第3の
実施例を示す断面図であり、図1に示した如き本発明抗
菌性成形物が、袋状体10に封入されたものである。な
お図1の本発明抗菌性成形物以外でも、上記図2〜11
に示した本発明抗菌性成形物を、袋状体に封入させても
よい。
実施例を示す断面図であり、図1に示した如き本発明抗
菌性成形物が、袋状体10に封入されたものである。な
お図1の本発明抗菌性成形物以外でも、上記図2〜11
に示した本発明抗菌性成形物を、袋状体に封入させても
よい。
【0037】図15は、本発明抗菌性パック材の第4の
実施例を示す断面図であり、イソチオシアネート化合物
のサイクロデキストリン包接化合物1が封入された袋状
体10の内面に、コバルトイオン吸着シリカゲル2を分
散含有せしめた印刷インクにて印刷層8を形成して、袋
状体10にコバルトイオン吸着シリカゲル2を分散含有
せしめたものであり、該印刷層8は、袋状体10の外面
に形成されていてもよい。なお封入される前記イソチオ
シアネート化合物のサイクロデキストリン包接化合物1
は粉状のままであってもよいし、図15の如く粒状に加
工されたものであってもよい。
実施例を示す断面図であり、イソチオシアネート化合物
のサイクロデキストリン包接化合物1が封入された袋状
体10の内面に、コバルトイオン吸着シリカゲル2を分
散含有せしめた印刷インクにて印刷層8を形成して、袋
状体10にコバルトイオン吸着シリカゲル2を分散含有
せしめたものであり、該印刷層8は、袋状体10の外面
に形成されていてもよい。なお封入される前記イソチオ
シアネート化合物のサイクロデキストリン包接化合物1
は粉状のままであってもよいし、図15の如く粒状に加
工されたものであってもよい。
【0038】図16は、本発明抗菌性パック材の第5の
実施例を示す断面図であり、袋状体10の内部空間が隔
壁で区分され、一方の空間部にコバルトイオン吸着シリ
カゲル2が封入され、他方の空間部にイソチオシアネー
ト化合物のサイクロデキストリン包接化合物1が封入さ
れたものである。
実施例を示す断面図であり、袋状体10の内部空間が隔
壁で区分され、一方の空間部にコバルトイオン吸着シリ
カゲル2が封入され、他方の空間部にイソチオシアネー
ト化合物のサイクロデキストリン包接化合物1が封入さ
れたものである。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る抗菌性
成形物および抗菌性パック材によれば、サイクロデキス
トリンに包接されたイソチオシアネート化合物が、通常
の乾燥状態ではサイクロデキストリンの空洞内に固定さ
れて揮発されず、黴や細菌等の増殖に適した高湿度下で
はイソチオシアネート化合物が徐々に揮散されて抗菌性
能を発揮するため、在庫保管性が優れると共に、食品の
細菌繁殖を長期間にわたって抑制される。またコバルト
イオン吸着シリカゲルの乾燥、吸湿による色の変化を観
察することにより、在庫保管時等において、イソチオシ
アネート化合物が逸散されて抗菌効果が低下しているか
どうかを判別できるため、抗菌効果が低下しているもの
を知らずにそのまま使用する等の危険性がなくなる。
成形物および抗菌性パック材によれば、サイクロデキス
トリンに包接されたイソチオシアネート化合物が、通常
の乾燥状態ではサイクロデキストリンの空洞内に固定さ
れて揮発されず、黴や細菌等の増殖に適した高湿度下で
はイソチオシアネート化合物が徐々に揮散されて抗菌性
能を発揮するため、在庫保管性が優れると共に、食品の
細菌繁殖を長期間にわたって抑制される。またコバルト
イオン吸着シリカゲルの乾燥、吸湿による色の変化を観
察することにより、在庫保管時等において、イソチオシ
アネート化合物が逸散されて抗菌効果が低下しているか
どうかを判別できるため、抗菌効果が低下しているもの
を知らずにそのまま使用する等の危険性がなくなる。
【図1】本発明抗菌性成形物の第1の実施例を示す断面
図である。
図である。
【図2】本発明抗菌性成形物の第2の実施例を示す断面
図である。
図である。
【図3】本発明抗菌性成形物の第3の実施例を示す断面
図である。
図である。
【図4】本発明抗菌性成形物の第4の実施例を示す断面
図である。
図である。
【図5】本発明抗菌性成形物の第5の実施例を示す断面
図である。
図である。
【図6】本発明抗菌性成形物の第6の実施例を示す断面
図である。
図である。
【図7】本発明抗菌性成形物の第7の実施例を示す断面
図である。
図である。
【図8】本発明抗菌性成形物の第8の実施例を示す断面
図である。
図である。
【図9】本発明抗菌性成形物の第9の実施例を示す断面
図である。
図である。
【図10】本発明抗菌性成形物の第10の実施例を示す
断面図である。
断面図である。
【図11】本発明抗菌性成形物の第11の実施例を示す
断面図である。
断面図である。
【図12】本発明抗菌性パック材の第1の実施例を示す
断面図である。
断面図である。
【図13】本発明抗菌性パック材の第2の実施例を示す
断面図である。
断面図である。
【図14】本発明抗菌性パック材の第3の実施例を示す
断面図である。
断面図である。
【図15】本発明抗菌性パック材の第4の実施例を示す
断面図である。
断面図である。
【図16】本発明抗菌性パック材の第5の実施例を示す
断面図である。
断面図である。
1 イソチオシアネート化合物のサイクロデキストリ
ン包接化合物 2 コバルトイオン吸着シリカゲル 3 合成樹脂 4 接着剤 5 バリヤ性材 6 非バリヤ性材 7 基材 8 印刷層 9 付着物 10 袋状体
ン包接化合物 2 コバルトイオン吸着シリカゲル 3 合成樹脂 4 接着剤 5 バリヤ性材 6 非バリヤ性材 7 基材 8 印刷層 9 付着物 10 袋状体
Claims (4)
- 【請求項1】 イソチオシアネート化合物のサイクロデ
キストリン包接化合物と、コバルトイオン吸着シリカゲ
ルとが分散含有された抗菌性成形物。 - 【請求項2】 イソチオシアネート化合物のサイクロデ
キストリン包接化合物がコバルトイオン吸着シリカゲル
表面に付着された状態で、イソチオシアネート化合物の
サイクロデキストリン包接化合物と、コバルトイオン吸
着シリカゲルとが分散含有された請求項1記載の抗菌性
成形物。 - 【請求項3】 イソチオシアネート化合物のサイクロデ
キストリン包接化合物が封入された袋状体に、コバルト
イオン吸着シリカゲルを封入または分散含有せしめた抗
菌性パック材。 - 【請求項4】 イソチオシアネート化合物のサイクロデ
キストリン包接化合物がコバルトイオン吸着シリカゲル
表面に付着された状態で、イソチオシアネート化合物の
サイクロデキストリン包接化合物と、コバルトイオン吸
着シリカゲルとが、袋状体に封入された請求項3記載の
抗菌性パック材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6059688A JP3016686B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 抗菌性成形物および抗菌性パック材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6059688A JP3016686B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 抗菌性成形物および抗菌性パック材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07265027A JPH07265027A (ja) | 1995-10-17 |
JP3016686B2 true JP3016686B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=13120406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6059688A Expired - Lifetime JP3016686B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 抗菌性成形物および抗菌性パック材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3016686B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09299458A (ja) * | 1996-05-16 | 1997-11-25 | Sekisui Plastics Co Ltd | 感染防御方法および感染防御用シート |
JP2001248852A (ja) * | 2000-03-06 | 2001-09-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 空調装置 |
JP4686817B2 (ja) * | 2000-06-02 | 2011-05-25 | Dic株式会社 | 平版印刷インキ用ドライヤー及びそれを含有する印刷インキ組成物 |
JP4686818B2 (ja) * | 2000-06-02 | 2011-05-25 | Dic株式会社 | 印刷インキ用カプセル化ドライヤー及びそれを含有する印刷インキ |
-
1994
- 1994-03-30 JP JP6059688A patent/JP3016686B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07265027A (ja) | 1995-10-17 |
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