JP3015839B2 - 一酸化炭素を含む混合ガスから一酸化炭素を分離回収する圧力スイング吸着方法 - Google Patents

一酸化炭素を含む混合ガスから一酸化炭素を分離回収する圧力スイング吸着方法

Info

Publication number
JP3015839B2
JP3015839B2 JP3181052A JP18105291A JP3015839B2 JP 3015839 B2 JP3015839 B2 JP 3015839B2 JP 3181052 A JP3181052 A JP 3181052A JP 18105291 A JP18105291 A JP 18105291A JP 3015839 B2 JP3015839 B2 JP 3015839B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorption tower
adsorption
pressure
carbon monoxide
outlet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3181052A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0523523A (ja
Inventor
利明 辻
邦夫 大坂
英二 皆川
文彦 糟谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd, Kansai Coke and Chemicals Co Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP3181052A priority Critical patent/JP3015839B2/ja
Publication of JPH0523523A publication Critical patent/JPH0523523A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3015839B2 publication Critical patent/JP3015839B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一酸化炭素(CO)を
含む混合ガスからCOを分離回収するための圧力スイン
グ吸着方法(PSA法)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、COを含む混合ガスからCOを分
離回収するためのPSA法としては、例えば特公昭61
−37970号公報に示すような方法が知られている。
この方法は、ゼオライト系吸着剤等を備えた2つ以上の
吸着塔を用いるもので、原料ガスで吸着塔内を昇圧する
昇圧工程と、原料ガスを吸着塔内に流して易吸着成分を
吸着剤に吸着させる第1吸着工程と、第1吸着工程終了
後の吸着塔を大気圧近傍まで減圧する減圧工程と、減圧
後の吸着塔に製品ガスを導入して難吸着成分をパージす
るパージ工程と、パージ後の吸着塔を大気圧以下に減圧
して易吸着成分を脱着させ、製品ガスを回収する脱着工
程等からなっている。
【0003】なお、このようなPSA法では一般に各工
程で特に温度管理はなされず、例えば洗浄工程において
はほぼ常温で操作が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、上記のようなゼ
オライト系吸着剤等に代え、活性アルミナ担体にCuC
lやCuCl2等の銅化合物を担持させた吸着剤を用い
る方法の開発が進められている。後者の吸着剤では、C
Oと銅イオンとの間で化学吸着が行われるために、CO
の吸着量がCO2やN2等の吸着量をはるかに上回り、従
ってCOだけを選択的に吸着することができる利点があ
る。
【0005】しかし、このように活性アルミナ担体に銅
化合物を担持した吸着剤では、COが吸着剤に強く吸着
されるためにCOが脱着しにくく、却って十分なCO回
収量が得られなくなるという問題点が新たに生じてい
る。
【0006】このような問題点を解決する手段として
は、脱着回収用の真空ポンプの能力を拡大して脱着時の
圧力を下げることが考えられる。しかしながら、吸着剤
の吸着力が強い場合には、脱着圧力を下げてもすぐには
脱着されず徐々に脱着されるので、脱着工程全体で得ら
れるCO脱着量を飛躍的に増加させることは困難であ
る。そればかりか、脱着圧力をあまり低くすると、難吸
着成分が容易に吸着平衡に達するために不純物の脱着量
も増加してしまい、CO純度が低下する問題が新たに生
じる。また、1サイクル時間を延長してその分脱着工程
の時間を長く取ることも考えられるが、上述の脱着反応
の特性によりCO脱着量は脱着時間に応じて比例的には
増加しないので、結果として単位時間当たりのCO脱着
量は低下することになる。
【0007】なお従来は、上記のようなPSA法のほ
か、吸着塔内の温度を操作することによって高回収率を
狙う温度スイング吸着方法(TSA法)も知られるに至
っているが、各工程において圧力と温度の双方を変動さ
せるには複雑な操作及び多大な設備投資が必要であり、
コスト高は免れ得ない。
【0008】本発明は、このような事情に鑑み、活性ア
ルミナ担体に銅化合物を担持させた吸着剤を用いて、よ
り多くの高純度COを容易かつ確実に脱着回収すること
ができるPSA法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者等は、脱着工程を行う前の洗浄工程におけ
る吸着塔内温度に着目し、研究を重ねた結果、この洗浄
工程温度を30℃乃至50℃に保つことにより、吸着容
量があまり減少せず、かつ、脱着性が効果的に向上し
て、総CO脱着量が向上することを突き止めた。
【0010】すなわち本発明は、活性アルミナ担体に銅
化合物を担持させた吸着剤を備えた吸着塔を用いて原料
ガス中から一酸化炭素を分離回収する圧力スイング吸着
方法であって、一酸化炭素を含む原料ガスを吸着塔の入
口から出口に流して吸着剤に易吸着成分を吸着させる吸
着工程と、吸着工程終了後に吸着塔内の圧力を大気圧近
傍の圧力まで減らし、この吸着塔から排ガスを導出する
減圧工程と、製品ガスの一部を吸着塔内に送り込んで難
吸着成分を除去し、吸着塔から排ガスを導出する洗浄工
程と、吸着塔内を大気圧以下に減圧し、易吸着成分を脱
着して製品ガスを回収する脱着工程と、脱着工程後の吸
着塔内圧力を所定の吸着圧力まで高める昇圧工程とを順
に繰り返すとともに、上記洗浄工程において洗浄工程時
の吸着塔内の温度を30℃以上50℃以下に保つもので
ある(請求項1)。
【0011】その具体的な態様としては、4つの吸着塔
を用い、各吸着塔について上記工程を互いに位相をずら
して繰り返すとともに、上記吸着工程として、吸着塔出
口における易吸着成分の濃度が吸着塔入口における易吸
着成分の濃度に達する手前の所定の時点まで、吸着塔出
口から導出した排ガスを系外へ放出する第1吸着工程
と、吸着塔出口における易吸着成分の濃度が吸着塔入口
における易吸着成分の濃度に達する手前の所定の時点に
達した後に上記排ガスを他の吸着塔内に導入してその昇
圧工程に使用する第2吸着工程とを行い、上記減圧工程
において吸着工程終了後の吸着塔の出口と脱着工程終了
後の吸着塔の入口とを接続することにより両塔の圧力を
大気圧近傍の圧力にし、上記洗浄工程において吸着塔出
口から導出された排ガスを他の吸着塔内に導入してその
昇圧工程に使用し、上記昇圧工程として、脱着工程が終
了した吸着塔の入口と吸着工程が終了した吸着塔の出口
とを接続して前者吸着塔を昇圧する第1昇圧工程と、第
1昇圧工程終了後の吸着塔の入口と洗浄工程にある他の
吸着塔の出口とを接続して後者吸着塔からのガスにより
前者吸着塔内を昇圧する第2昇圧工程と、第2昇圧工程
の終了した吸着塔入口と上記第1吸着工程の終了した吸
着塔出口とを接続して前者吸着塔内を昇圧する第3昇圧
工程とを行うものが好ましい(請求項2)。
【0012】さらに、上記方法において、上記減圧工程
と洗浄工程との間で、減圧した吸着塔の出口に送風手段
を連結して上記吸着塔内の圧力を所定の洗浄圧力に調整
する予備脱着工程を行うことにより、後述のようなより
優れた効果が得られる(請求項3)。
【0013】
【作用】上記方法によれば、後記図3でも説明するよう
に、脱着工程前の洗浄工程において吸着塔に導入される
洗浄ガスの温度及び洗浄工程時の吸着塔内の温度を常温
よりも高い30℃以上に設定することにより、吸着剤か
らのCO脱着性が高まる一方、上記温度を50℃以下に
抑えることにより、COの吸着容量は十分に保持され、
結果的にCOの総脱着回収量は従来に比べて確実に増大
することとなる。しかも、後記図4で説明するように、
吸着塔内温度が高いほど製品ガスのCO純度も上がるの
で、常温で操作する場合に比べて製品純度も高まる。
【0014】さらに、請求項3記載のような予備脱着工
程を洗浄工程の前に行うことにより、吸着塔内の圧力を
確実に所定の洗浄圧力にすることができ、この状態で洗
浄ガスをスムーズに導入することができる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明方法を実施するための装置の
一例を示したものである。
【0016】この装置は、4つの吸着塔A,B,C,D
と、原料ガスを圧縮するための単一の原料圧縮機11と
を備え、各吸着塔A〜Dには、原料ガス中の成分のうち
COを選択的に吸着する吸着剤、詳しくは、活性アルミ
ナ担体もしくはその表面にカーボンを添着したものにC
uClやCuCl2等の銅化合物が担持された吸着剤が
設けられている。上記原料圧縮機11は、共通の原料ガ
ス通路21と、各吸着塔A,B,C,Dについて設けら
れた弁31A,31B,31C,31Dをそれぞれ介し
て4つの吸着塔A,B,C,Dの上部(入口)に各々接
続されている。
【0017】各吸着塔A,B,C,Dの下部(出口)
は、各吸着塔A,B,C,Dについて設けられた弁33
A,33B,33C,33Dをそれぞれ介して共通のガ
ス還流通路23に接続され、このガス還流通路23は各
吸着塔A,B,C,Dについて設けられた弁36A,3
6B,36C,36Dをそれぞれ介して各吸着塔A,
B,C,Dの上部に接続されている。また、各吸着塔
A,B,C,Dの下部は、各吸着塔A,B,C,Dにつ
いて設けられた弁37A,37B,37C,37Dをそ
れぞれ介して共通のオフガス通路26に接続されるとと
もに、各吸着塔A,B,C,Dについて設けられた弁3
2A,32B,32C,32Dをそれぞれ介して共通の
ガス放出通路22に接続され、このガス放出通路22に
ブロア(送風手段)13が設けられている。さらに、各
吸着塔A,B,C,Dの下部は、各吸着塔A,B,C,
Dについて設けられた弁35A,35B,35C,35
D、及び共通の回収ガス通路25を介して真空ポンプ1
2の入口側に接続されており、この真空ポンプ12の出
口側にサージタンク4が接続されている。このサージタ
ンク4は、真空ポンプ12で回収された製品ガスを貯留
するためのものであり、このサージタンク4内に適宜製
品ガスが抽出されるようになっている。また、このサー
ジタンク4は共通の洗浄ガス通路24、及び各吸着塔
A,B,C,Dについて設けられた弁34A,34B,
34C,34Dをそれぞれ介して各吸着塔A,B,C,
Dの上部に接続されている。
【0018】さらに、上記原料ガス通路21において原
料圧縮機11の直下流側の位置には、弁16を介して適
宜スチームが導入される加熱器14が配設されるととも
に、上記弁16を開閉制御する温度調整計15が設けら
れている。この温度調整計15は、上記加熱器14の直
下流側のガス温度を検出し、この原料ガス温度が、後記
洗浄工程時に各吸着塔A〜Dに導入される洗浄ガス温度
が30℃以上50℃以下に保たれるような温度となるよ
うに、弁16の開閉を通じて加熱器14の加熱制御を行
うものである。
【0019】一方、各吸着塔A〜Dには、これら吸着塔
を加温するための温水管40が螺旋状に設けられている
(図1では便宜上吸着塔Aについてのみ図示)。この温
水管40の入口端部には温水循環ポンプ42を介して温
水タンク44が接続され、温水管40の出口端部は通路
43を通じて直接温水タンク44に接続されており、上
記温水循環ポンプ42の作動で温水タンク44内の温水
が温水管40を循環するようになっている。上記温水タ
ンク44には、弁46を通じて適宜スチームが供給さ
れ、上記弁46は、温水タンク44内の温度を検出する
温度調整計48によって開閉制御されるようになってい
る。温度調整計48は、上記温水管40によって加温さ
れる吸着塔内温度が洗浄工程において30℃以上50℃
以下となるように弁46の開閉制御を行うものである。
【0020】次に、この装置において行われるCOの分
離回収工程を説明する。ここでは、吸着塔Aに主眼をお
き、脱着工程が終了した状態から説明を始める。なお、
吸着塔Aにおける工程と他の吸着塔B,C,Dにおける
工程との関係は図2に示す。
【0021】1)昇圧工程 まず、第1昇圧工程として、弁33B及び弁36Aを開
くことにより、脱着工程終了後の吸着塔Aの上部と吸着
工程終了後の吸着塔Bの下部とを接続し、減圧工程にお
ける吸着塔Bからの排ガスを、弁33B、ガス循環通路
23、及び弁36Aを通じて吸着塔A内に導入して、吸
着塔A内を大気圧近傍(約0kg/cm2G)まで昇圧する。
【0022】次いで、第2昇圧工程として、サージタン
ク4から吸着塔Bに供給された洗浄ガスを弁33B,ガ
ス循環通路23、及び弁36Aを通じて吸着塔Aへ導入
するとともに、弁32Aを開き、吸着塔Aを通過した排
ガスをガス放出通路22を通じて外部へ排出する。
【0023】その後、第3昇圧工程として弁33B,3
2Aを閉じ、弁33D,36Aを開いて、吸着塔Dの吸
着工程後期における吸着排ガスを弁33D、ガス循環通
路23、及び弁36Aを通じて吸着塔Aに供給する。こ
れによって、吸着塔A内の圧力は大気圧近傍の圧力から
所定の吸着圧力(通常1.0〜5.0kg/cm2G程度)まで昇圧
される。
【0024】2)吸着工程 まず、第1吸着工程として、弁33D,36Aを閉じる
とともに弁31A,32Aを開き、原料ガス圧縮機11
で加圧した原料ガスを原料ガス通路21及び弁31Aを
通じて吸着塔Aに導き、吸着塔A内を通過した後の排ガ
スを弁37A及びオフガス通路26を通じて系外へ放出
する。ここで、上記原料ガスはCO,CO2,N2,H2
等からなる混合ガスであるが、これらの成分のうち易吸
着成分であるCOが吸着塔A内の吸着剤に加圧下で吸着
され、他の難吸着成分であるN2やH2がオフガス通路2
6及び弁37Aを通じて系外へ放出されることとなる。
【0025】このような第1吸着工程は、吸着塔Aから
の排ガス中のCO濃度が上記原料ガス中の一酸化炭素濃
度と等しくなる手前の所定の時点まで行い、この時点が
経過した後は第2吸着工程を行う。すなわち、弁32A
を閉じる一方で弁33A,36Cを開き、吸着塔Aから
の排ガスを弁33A、ガス循環通路23、及び弁36C
を通じて吸着塔Cへ導き、この吸着塔Cの昇圧に用い
る。
【0026】3)減圧工程 上記吸着工程を行った後、弁36Cを閉じるとともに弁
33A,36Bを開く。これにより、予定の吸着圧力ま
で昇圧されていた吸着塔A内の原料ガスが、弁33A、
ガス循環通路23、及び弁36Bを通じて吸着塔Bへ導
入され、吸着塔Aがほぼ大気圧まで減圧される一方、吸
着塔Bは真空状態からほぼ大気圧まで昇圧される。
【0027】4)予備脱着工程 上記減圧工程では、吸着塔A内の圧力と吸着塔B内の圧
力とを均等にするだけなので、吸着塔A内の圧力が洗浄
圧力(ここでは0kg/cm2G)まで完全に下がらない場合
がある。そこで、減圧工程終了後、この予備脱着工程に
おいて、弁33Aを閉じるとともに弁32Aを開き、か
つブロア13を作動させることにより、吸着塔A内のガ
スを積極的に系外に逃がし、これによって吸着塔A内の
圧力を確実に洗浄圧力まで降下させる。このような予備
脱着工程の実行によって、次の洗浄工程における洗浄ガ
スの導入が極めてスムーズに進行することとなる。
【0028】5)洗浄工程 この洗浄工程では、弁33A,36B,34A,32B
を開き、サージタンク4内に貯留されている製品ガスの
一部を洗浄ガス通路24及び弁34Aを通じて吸着塔A
内に導入する。これにより、この吸着塔A内に残存する
難吸着成分がパージされ、このとき吸着塔Aから導出さ
れた排ガスは、弁33A、ガス循環通路23、及び弁3
6Bを通じて吸着塔Bへ導入され、さらに吸着塔Bを通
過した後に弁32B及び排出通路22を通じて外部へ排
出される。
【0029】この洗浄工程では、上記加熱器14及び温
水管40による温度調節のために、吸着塔A内の温度が
30℃以上50℃以下に保たれた状態で運転されること
となる。
【0030】6)脱着工程 上記洗浄工程終了後、弁33A,34A,36Bを閉
じ、吸着塔Dの脱着工程が終了するまで吸着塔Aを休止
させておく。そして、吸着塔Dの脱着工程が終了すると
同時に弁35Aを開き、吸着塔Aにおいて脱着工程を開
始する。この脱着工程においては、真空ポンプ12の作
動により、吸着塔A内に吸着されている易吸着成分(C
O)が減圧脱着され、弁35A及び回収ガス通路25を
通じてサージタンク4内に回収される。この吸着塔Aで
の脱着工程は、他の吸着塔Bで吸着工程、吸着塔Cで減
圧工程、洗浄工程、及び休止工程、吸着塔Dで昇圧工程
がそれぞれ行われている間に引き続いて行うようにす
る。このような脱着工程により、吸着塔A内の圧力は最
終的に約−1kg/cm2Gまで減圧される。
【0031】以上、1)〜6)の工程を吸着塔Aについ
て順に繰り返すことにより、COの分離回収を行うこと
ができる。
【0032】このような方法によれば、洗浄工程時にお
ける吸着塔内温度を30℃以上50℃以下に保つことに
よって、COの脱着量を従来よりも向上させることが可
能である。
【0033】図3は、上記と同様の装置において同様の
工程を行った時の、洗浄工程時における吸着塔内温度と
吸着剤1cc当たりのCO脱気量との関係を示したもの
である。この図から、洗浄工程温度が約40℃の点でC
O脱気量がピークを迎えることがわかる。これは、洗浄
工程温度が低すぎるとCOが脱着しにくく、逆に洗浄工
程温度が高すぎるとCOの吸着容量が減り、両者のバラ
ンスのとれた温度が約40℃であるためであると考察で
きる。ここで、従来の常温下での運転において得られる
CO脱気量は最高で約9.5cc/ccであるので、上
記図3に示す結果から、洗浄工程温度を30℃以上50
℃以下に保つことにより、従来法と比べてより多くのC
O脱気量を確実に得ることができるという結論に達す
る。
【0034】図4は、上記装置における、各工程での吸
着塔内温度の平均温度と製品ガスにおけるCO純度との
関係を示したものである。吸着塔内の平均温度は洗浄温
度と略等しいので、この図4は洗浄温度とガス純度との
関係を近似的に示したものであるといえる。
【0035】この図4からわかるように、上記平均温度
が高いほど、製品ガスのCO純度は高くなる。これは、
平均温度の増大に伴って洗浄ガスによる塔内の洗浄効果
が高まり、難吸着成分がより確実に除去されることに起
因すると考察できる。従って、上記のように洗浄工程温
度を常温よりも高い30℃〜50℃に保つことにより、
製品ガス純度も向上することとなる。
【0036】なお、上記実施例では原料ガス及び吸着塔
の温度管理を行うことにより洗浄工程時の温度を一定に
保つようにしているが、本発明では温度制御のための手
段を問わない。また本発明では、上記のような4つの吸
着塔A〜Dを用いる方法に限らず、昇圧工程、吸着工
程、減圧工程、洗浄工程、及び脱着工程を順に行うPS
A法について適用できるものである。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明は、昇圧工程、吸着
工程、減圧工程、洗浄工程、及び脱着工程を順に行うと
ともに、上記洗浄工程において、吸着塔に導入される洗
浄ガスの温度及び洗浄工程時の吸着塔内の温度を30℃
以上50℃以下に保つようにしたものであるので、多大
な設備投資を行うことなく、従来法と比べてCOの脱着
回収量を容易にかつ確実に増大させることができる効果
がある。しかも、このような温度管理によって洗浄効果
が増大し、より純度の高いCOを常時安定して回収する
ことができる効果が得られる。
【0038】さらに、請求項3記載の方法のように、減
圧工程と洗浄工程との間で、減圧した吸着塔の出口に送
風手段を連結して上記吸着塔内の圧力を所定の洗浄圧力
に調整する予備脱着工程を行うことにより、吸着塔内の
圧力を確実に洗浄圧力まで下げることができ、これによ
って洗浄工程での洗浄ガスの導入をよりスムーズに行う
ことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための装置の一例を示す
フローシートである。
【図2】上記装置における各吸着塔での工程を示すタイ
ムチャートである。
【図3】上記方法における洗浄工程温度とCO脱気量と
の関係を示すグラフである。
【図4】上記方法における吸着塔内平均温度と製品ガス
のCO純度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
A,B,C,D 吸着塔 4 サージタンク 12 真空ポンプ 13 ブロア(送風手段) 14 加熱器 15,48 温度調節計 21 原料ガス通路 22 ガス放出通路 23 ガス循環通路 24 洗浄ガス通路 25 ガス吸引通路 26 オフガス通路 40 温水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 糟谷 文彦 兵庫県加古川市加古川町寺家町65−1 701号 (56)参考文献 特開 昭61−263635(JP,A) 特開 昭62−119106(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性アルミナ担体に銅化合物を担持させ
    た吸着剤を備えた吸着塔を用いて原料ガス中から一酸化
    炭素を分離回収する圧力スイング吸着方法であって、一
    酸化炭素を含む原料ガスを吸着塔の入口から出口に流し
    て吸着剤に易吸着成分を吸着させる吸着工程と、吸着工
    程終了後に吸着塔内の圧力を大気圧近傍の圧力まで減ら
    し、この吸着塔から排ガスを導出する減圧工程と、製品
    ガスの一部を吸着塔内に送り込んで難吸着成分を除去
    し、吸着塔から排ガスを導出する洗浄工程と、吸着塔内
    を大気圧以下に減圧し、易吸着成分を脱着して製品ガス
    を回収する脱着工程と、脱着工程後の吸着塔内圧力を所
    定の吸着圧力まで高める昇圧工程とを順に繰り返すとと
    もに、上記洗浄工程において洗浄工程時の吸着塔内の温
    度を30℃以上50℃以下に保つことを特徴とする一酸
    化炭素を含む混合ガスから一酸化炭素を分離回収する圧
    力スイング吸着方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一酸化炭素を含む混合ガ
    スから一酸化炭素を分離回収する圧力スイング吸着方法
    において、4つの吸着塔を用い、各吸着塔について上記
    工程を互いに位相をずらして繰り返すとともに、上記吸
    着工程として、吸着塔出口における易吸着成分の濃度が
    吸着塔入口における易吸着成分の濃度に達する手前の所
    定の時点まで、吸着塔出口から導出した排ガスを系外へ
    放出する第1吸着工程と、吸着塔出口における易吸着成
    分の濃度が吸着塔入口における易吸着成分の濃度に達す
    る手前の所定の時点に達した後に上記排ガスを他の吸着
    塔内に導入してその昇圧工程に使用する第2吸着工程と
    を行い、上記減圧工程において吸着工程終了後の吸着塔
    の出口と脱着工程終了後の吸着塔の入口とを接続するこ
    とにより両塔の圧力を大気圧近傍の圧力にし、上記洗浄
    工程において吸着塔出口から導出された排ガスを他の吸
    着塔内に導入してその昇圧工程に使用し、上記昇圧工程
    として、脱着工程が終了した吸着塔の入口と吸着工程が
    終了した吸着塔の出口とを接続して前者吸着塔を昇圧す
    る第1昇圧工程と、第1昇圧工程終了後の吸着塔の入口
    と洗浄工程にある他の吸着塔の出口とを接続して後者吸
    着塔からのガスにより前者吸着塔内を昇圧する第2昇圧
    工程と、第2昇圧工程の終了した吸着塔入口と上記第1
    吸着工程の終了した吸着塔出口とを接続して前者吸着塔
    内を昇圧する第3昇圧工程とを行うことを特徴とする一
    酸化炭素を含む混合ガスから一酸化炭素を分離回収する
    圧力スイング吸着方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の一酸化炭素を含
    む混合ガスから一酸化炭素を分離回収する圧力スイング
    吸着方法において、上記減圧工程と洗浄工程との間で、
    減圧した吸着塔の出口に送風手段を連結して上記吸着塔
    内の圧力を所定の洗浄圧力に調整する予備脱着工程を行
    うことを特徴とする一酸化炭素を含む混合ガスから一酸
    化炭素を分離回収する圧力スイング吸着方法。
JP3181052A 1991-07-22 1991-07-22 一酸化炭素を含む混合ガスから一酸化炭素を分離回収する圧力スイング吸着方法 Expired - Lifetime JP3015839B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3181052A JP3015839B2 (ja) 1991-07-22 1991-07-22 一酸化炭素を含む混合ガスから一酸化炭素を分離回収する圧力スイング吸着方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3181052A JP3015839B2 (ja) 1991-07-22 1991-07-22 一酸化炭素を含む混合ガスから一酸化炭素を分離回収する圧力スイング吸着方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0523523A JPH0523523A (ja) 1993-02-02
JP3015839B2 true JP3015839B2 (ja) 2000-03-06

Family

ID=16093937

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3181052A Expired - Lifetime JP3015839B2 (ja) 1991-07-22 1991-07-22 一酸化炭素を含む混合ガスから一酸化炭素を分離回収する圧力スイング吸着方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3015839B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101778412B1 (ko) 2015-12-24 2017-09-13 주식회사 포스코 일산화탄소의 선택적 흡착제 및 그 제조방법

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5529970A (en) * 1994-04-29 1996-06-25 Air Products And Chemicals, Inc. CO adsorbents with hysteresis
DE19519197A1 (de) * 1995-05-24 1996-11-28 Linde Ag Verfahren zum Rückgewinnen von Kohlenmonoxid aus einem wenigstens Kohlenmonoxid, Stickstoff und Wasserstoff enthaltenden Purgegas der Essigsäuresynthese
KR101594893B1 (ko) * 2014-12-04 2016-02-18 재단법인 포항산업과학연구원 일산화탄소 선택성 흡착제를 이용하는 압력변동흡착 공정
JP7312688B2 (ja) * 2019-12-13 2023-07-21 株式会社豊田中央研究所 炭化水素製造装置、炭化水素製造方法、および、コンピュータプログラム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101778412B1 (ko) 2015-12-24 2017-09-13 주식회사 포스코 일산화탄소의 선택적 흡착제 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0523523A (ja) 1993-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3232003B2 (ja) 圧力スイング式吸着法における還流
KR100288568B1 (ko) 공기로부터 산소를 회수하기 위한 단일층 압력 순환 흡착 방법
JP3215713B2 (ja) 窒素ガス分離方法
JPH0244569B2 (ja)
WO1989002309A1 (en) Adsorption-separation method
JP3464766B2 (ja) 吸着材床の頂部及び底部の同時排気を用いたpsa方法
JPH09239226A (ja) 改良真空圧力スイング吸着プロセス
JPS6132243B2 (ja)
JP3050881B2 (ja) 空気から酸素を分離する方法
JPH08239204A (ja) 濃縮酸素の回収方法
JP3015839B2 (ja) 一酸化炭素を含む混合ガスから一酸化炭素を分離回収する圧力スイング吸着方法
US5985003A (en) Oxygen production process by pressure swing adsorption separation
JP4895467B2 (ja) 酸素濃縮方法および酸素濃縮装置
JPH0810551A (ja) 原料ガスから炭酸ガスを除去する方法
TWI276459B (en) Method for separating oxygen gas
JP2529929B2 (ja) 一酸化炭素ガスの分離回収方法
JP3287607B2 (ja) 酸素富化生成物流の製造方法
JPH0459358B2 (ja)
JP2529928B2 (ja) 一酸化炭素ガスの分離回収方法
WO1995033681A1 (fr) Procede de production d'oxygene par separation apres adsorption par variation de pression
JP3889125B2 (ja) ガス分離方法
JP7502962B2 (ja) ガス精製装置及びガス精製方法
JP3015840B2 (ja) 一酸化炭素を含む混合ガスから一酸化炭素を分離回収する圧力スイング吸着方法
JPH0360524B2 (ja)
JPH11179133A (ja) 濃縮酸素の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071224

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101224

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101224

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111224

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111224

Year of fee payment: 12