JP3889125B2 - ガス分離方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス分離方法に関し、詳しくは、酸素と窒素とを含む原料ガス、特に空気を原料ガスとして窒素を吸着分離することにより、酸素に富むガスを製品ガスとして得る方法に好適に適用できるガス分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
圧力変動吸着式ガス分離方法(PSA法)による酸素に富むガスの製造は、例えば、空気等の酸素含有ガスから、酸素以外の成分を優先的に吸着する吸着剤を用いて、酸素を濃縮分離する方法であって、工業的に広く行われている。
【0003】
PSA法は、酸素を含有する原料ガスを相対的に高い圧力で吸着剤と接触させ、主として酸素以外の成分を優先的に吸着させて、比較的吸着し難いガスである酸素を製品ガスとして取出す吸着工程と、主として酸素以外の成分を吸着した吸着剤の雰囲気を吸着圧力より相対的に低い圧力(大気圧あるいは大気圧以下)に減圧し、酸素以外の成分を吸着剤から脱着させて吸着剤を再生する再生工程とを主要な工程として繰返す方法である。一般的には、この吸着工程及び再生工程に、低い圧力にある吸着塔内の圧力を吸着圧力近くまで回復させる加圧工程が追加される。PSA法における操作は、このように、2乃至3の主要な工程で成立っているため、複数の吸着塔を用いて製品ガスを連続的に発生することが普通である。
【0004】
また、PSA法により酸素を発生させる場合は、窒素を優先的に吸着する吸着剤として、Ca−A型,Na−X型,Ca−X型、あるいはモルデナイト等のゼオライトが広く使用されている。
【0005】
上述のようなPSA法の性能を向上させるため、従来から様々な提案がなされている。例えば、その一つとして、吸着工程終了時の吸着塔内に残る比較的濃縮された製品ガスを、再生工程を終了した吸着塔に回収して製品回収率を向上させる均圧操作がある。特開平5−192527号公報には、均圧操作を2段階に分け、吸着塔の上部同士を連結して行う均圧と、吸着塔の上部と他の吸着塔の下部とを連結して行う均圧とを連続的に行う方法が開示されている。しかし、そこで示された実施例は、いずれも再生を大気圧で行う、いわゆる大気圧再生法であって、近年広く行われるようになった、いわゆる真空再生法については述べられていない。
【0006】
また、特開平1−236914号公報は、真空再生方法に関するものであり、吸着工程終了時に塔内に残留したガスを、主として他の吸着塔の再生工程時にパージガスとして用いる方法を開示している。この方法では、他の吸着塔からのガス回収を短時間行った後、原料ガスの供給と製品ガスの逆戻しとにより再加圧を行うようにしている。しかし、製品ガスを再加圧に使用する場合は、製品ガスの圧力が変動するので、それを防ぐために製品槽の大型化を招くものと推察される。また、原料空気による加圧は、比較的低い圧力にある吸着塔に対して行われるため、空気が急激に流入して不純物成分である窒素が吸着塔の製品出口端方向に流れ込むおそれがある。このような操作は、吸着装置の性能を低下させる要因となる。
【0007】
PSA法の性能を向上させるために、様々な工夫がなされており、それなりの効果はあるが、それらは必ずしも十分に満足できるものではなく、なお一層の改善が強く望まれている。
【0008】
そこで本発明は、上記事情に鑑み、PSA法のプロセスを改善し、ガス分離の効率を向上させること、なかでも、空気を分離して酸素に富むガスを効率よく発生させるのに好適なガス分離方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のガス分離方法における第1の構成は、酸素と窒素とを含む原料ガス中の窒素を優先的に吸着する吸着剤を充填した2塔の吸着塔を用いて圧力変動吸着分離法により酸素富化ガスを製品ガスとして回収するガス分離方法であって、原料供給端から原料ガスが供給されて吸着工程を行っている第1の塔の製品出口端から製品ガスを導出して製品ガス貯槽に供給しながら、該製品ガスの一部を第2の塔の製品出口端から第2の塔内に導入しつつ原料供給端から第2の塔内のガスを放出するパージ排気を行うことにより吸着剤の再生工程を行う第1の工程と、上記第1の工程終了後の第1の塔と第2の塔とを製品出口端で連通させ、吸着工程を終了して塔内に圧力を保持した第1の塔から再生工程を終了して低い圧力にある第2の塔へガスを回収するとともに、第1の塔の原料供給端から系外へガスを放出する第2の工程と、上記第2の工程終了後の第1の塔から引続きガスを系外に放出して第1の塔内の圧力を下げることにより、窒素を吸着した吸着剤から窒素ガスを脱着させるとともに、第2の塔においては、製品ガス貯槽に貯えられた製品ガスを第2の塔の製品出口端から導入しながら、同時に原料供給端から原料ガスを供給して塔内の圧力を上昇させる第3の工程と、上記第3の工程終了後の第1の塔から引続きガスを系外に放出して第1の塔内の圧力を更に下げることにより、窒素を吸着した吸着剤から窒素ガスを脱着させるとともに、第2の塔においては、原料供給端から原料ガスを供給して塔内の圧力を上昇させる第4の工程と、の各工程を、第1及び第2の吸着塔を順次切換えて連続的に行うことにより、製品ガスを継続して発生することを特徴としている。
【0010】
また、第2の構成は、酸素と窒素とを含む原料ガス中の窒素を優先的に吸着する吸着剤を充填した2塔の吸着塔を用いて圧力変動吸着分離法により酸素富化ガスを製品ガスとして回収するガス分離方法であって、原料供給端から原料ガスが供給されて吸着工程を行っている第1の塔の製品出口端から製品ガスを導出して製品ガス貯槽に供給しながら、該製品ガスの一部を第2の塔の製品出口端から第2の塔内に導入しつつ原料供給端から第2の塔内のガスを放出するパージ排気を行うことにより吸着剤の再生工程を行う第1の工程と、上記第1の工程終了後の第1の塔と第2の塔とを製品出口端で連通させ、吸着工程を終了して塔内に圧力を保持した第1の塔から再生工程を終了して低い圧力にある第2の塔へガスを回収した後、第1の塔の原料供給端から系外へガスを放出する第2の工程と、上記第2の工程終了後の第1の塔から引続きガスを系外に放出して第1の塔内の圧力を下げることにより、窒素を吸着した吸着剤から窒素ガスを脱着させるとともに、第2の塔においては、製品ガス貯槽に貯えられた製品ガスを第2の塔の製品出口端から導入しながら、同時に原料供給端から原料ガスを供給して塔内の圧力を上昇させる第3の工程と、上記第3の工程終了後の第1の塔から引続きガスを系外に放出して第1の塔内の圧力を更に下げることにより、窒素を吸着した吸着剤から窒素ガスを脱着させるとともに、第2の塔においては、原料供給端から原料ガスを供給して塔内の圧力を上昇させる第4の工程と、の各工程を、第1及び第2の吸着塔を順次切換えて連続的に行うことにより、製品ガスを継続して発生することを特徴としている。
【0011】
また、第3の構成は、上記第1,第2の構成において、前記吸着塔への原料ガスの供給量を流量制御手段により制御することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のガス分離方法を実施するための圧力変動吸着式ガス分離装置(PSA装置)の一例を示す系統図、図2は、本発明の各工程におけるガスの流れを説明するための概念図で、各機器間を接続する矢印線は、矢印の方向にガスが流れていることを示している。
【0013】
本形態例に示すPSA装置は、窒素を優先的に吸着する吸着剤を使用し、酸素を含有する混合ガス、具体的には、空気を原料として酸素に富んだガスを製品として得るためのものであって、2塔の吸着塔A,Bを所定の工程に従って運転することにより、高い酸素回収率と酸素発生量とを得るものである。各吸着塔A,Bには、原料空気中の酸素以外の成分、特に窒素を優先的に吸着する吸着剤として、Ca−A型,Na−X型,Ca−X型,モルデナイト、あるいはこれらに他のイオンを単独又は複数組み合わせて導入したゼオライトが充填されている。両吸着塔の原料供給端には、原料空気圧縮機1から原料空気流量調整弁2を経て供給される原料空気を導入するための入口弁3a,3bと、塔内のガスを排気するための排気弁4a,4bとが設けられ、製品出口端には、製品ガスを導出する出口弁5a,5bと、均圧及びパージの際に塔内にガスを導入するためのパージガス導入弁6a,6bとが設けられている。
【0014】
さらに、前記排気弁4a,4bには、真空ポンプ7と放出弁8とが接続されており、出口弁5a,5bには、製品ガス貯槽9が接続されるとともに、吸着塔にパージガスを供給するためのパージガス供給弁10,パージガス流量調整弁11及び流量計12を有するパージライン13が接続されている。また、原料空気圧縮機1にバイパス弁1aが、製品貯槽9には製品供給弁9aが設けられており、原料空気流量調整弁2には、制御器14との間に弁開度制御信号14aが接続されている。
【0015】
次に図2を参照しながら、上記PSA装置による本発明方法の第1形態例を説明する。なお、各工程において、記載の無い弁は基本的に閉じた状態になっており、流量調整弁は、特に説明が無い限り所定の開度に開いた状態になっているものとする。また、図2では弁の位置を黒丸で略記する。
【0016】
まず、工程1は、吸着塔A(第1の塔)が吸着工程を行っており、吸着塔B(第2の塔)が再生工程最終段階のパージ操作を行っている工程である。吸着工程中の吸着塔Aでは、原料空気圧縮機1で所定圧力に圧縮された原料空気が原料空気流量調整弁2及び入口弁3aを経て原料供給端から吸着塔A内に供給され、塔内に充填された吸着剤により原料空気中の窒素が優先的に吸着除去され、製品出口端に向かって酸素が濃縮される。濃縮した酸素は、出口弁5aから製品ガス貯槽9に供給されて該製品ガス貯槽9を充圧するとともに、その一部が製品供給弁9aを経て使用先に送られる。
【0017】
一方、吸着塔Bでは、原料供給端から排気弁4bを介して塔内のガス(脱着ガス)が真空ポンプ7に吸引されて大気に放出されるとともに、製品ガスの一部が、パージガス供給弁10及びパージガス導入弁6bを経て吸着塔Bの製品出口端から塔内に逆方向に導入される。このように、酸素に富んだガス、すなわち、窒素分が少ないガスを製品出口端から塔内に導入しつつ原料供給端から塔内のガスを放出するパージ排気を行うことにより、吸着剤に吸着されている窒素の脱着が促進され、この工程を行うことにより吸着塔B内の吸着剤の再生が完了する。
【0018】
前記吸着塔Aの吸着工程において、窒素の吸着前線が製品出口端に向かって進行し、製品ガス濃度が決められた値より低下し始めると、工程1から工程2に切換えられる。この工程2は、吸着塔Aが減圧操作を行い、吸着塔Bが加圧操作を開始する工程である。この工程2では、吸着工程を終了して塔内に圧力を保持した吸着塔Aの製品出口端と、再生工程を終了して低い圧力にある吸着塔Bの製品出口端とをパージガス導入弁6a,6bを介して連通させ、吸着塔A内のガスを吸着塔B内に回収していわゆる上部均圧操作を行うとともに、吸着塔Aの排気弁4aから塔内のガスを系外に放出する。これにより、吸着塔Bは加圧され、吸着塔Aは減圧される。このように上部均圧を行うと同時に、吸着塔Aの原料供給端から塔内のガスを放出することにより、原料供給端側の窒素分に富むガスが、吸着塔Aから回収側の吸着塔Bに流入することを防止でき、酸素の回収率や発生量が向上する。
【0019】
なお、排気弁4aから吸着塔A内のガスを排気する際、排気の初期においては、塔内の圧力が大気圧以上であるから、そのまま真空ポンプ7に吸引させることは、真空ポンプ7に過大な負荷を与えることとなるため、弁8を開いてガスを大気へ直接放出する。この工程2において、製品ガスは製品ガス貯槽9から製品供給弁9aを経て供給される。また、原料空気圧縮機1では、バイパス弁1aが開いた状態となる。
【0020】
前記上部均圧操作におけるガスの回収が所定量となると、工程2から工程3に切換えられる。この工程3では、吸着塔Aは、排気弁4aから真空ポンプ7を経て塔内の排気が継続され、圧力の低下とともに吸着剤に吸着されていた窒素が脱着し、吸着剤が再生される(減圧再生操作)。吸着塔Bにおいては、製品ガスと原料空気とによる再加圧が開始される。製品ガスは、製品ガス貯槽9からパージガス供給弁10,パージガス導入弁6bを経て製品出口端から吸着塔B内へ供給され、原料空気は、原料空気圧縮機1から入口弁3bを経て原料供給端から吸着塔B内へ供給される。この原料空気の供給の初期において、吸着塔B内の圧力が大気圧より低い間は、原料空気圧縮機1のバイパス弁1aが開かれ、原料空気圧縮機1の吐出圧力が吸入圧力より低くならないようにして原料空気圧縮機1を保護する。また、製品ガスは、前記同様に製品ガス貯槽9から製品供給弁9aを経て供給される。
【0021】
吸着塔Bの圧力が所定圧力に高まると、工程3から工程4に切換えられる。この工程4では、吸着塔Aは、排気弁4aからの真空ポンプ7による排気が継続して行われ、吸着剤の再生が進む。吸着塔Bは、製品出口端からの製品ガスの供給が停止し、原料空気圧縮機1で圧縮された原料空気が入口弁3bから吸着塔B内に供給され,吸着塔Bの最終的な加圧が行われる。また、製品ガスは、前記同様に製品ガス貯槽9から製品供給弁9aを経て供給される。
【0022】
吸着塔Bの圧力が吸着工程の圧力まで高まると工程4が終了し、吸着塔Bが吸着工程、吸着塔Aがパージ操作となる。すなわち、前記工程1における吸着塔Aと吸着塔Bとが入換った状態となり、以後、前記各工程における吸着塔Aが吸着塔Bの状態、吸着塔Bが吸着塔Aの状態となって工程4まで行われ、以降、吸着塔A,Bを切換えて、工程1から工程4を繰返し行うことで、連続して製品ガスである酸素富化ガスが得られる。
【0023】
また、前記工程2を二つの工程に分割して行うこともできる。すなわち、工程2の初期では、吸着塔A及び吸着塔Bの製品出口端同士をパージガス導入弁6a,6bを介して連通させることによる上部均圧操作のみを行い、この上部均圧操作を行った後、吸着塔Aの排気弁4aを開いて塔内ガスの排気を開始する。これにより、吸着塔Aの製品出口側に濃縮されている酸素の回収量を多くすることができ、酸素の回収率や発生量が向上する。
【0024】
さらに、各吸着塔A,Bに原料空気を供給する際には、塔内の窒素の吸着帯(物質移動帯、MTZ)が、吸着塔の製品出口端に向かって延びることを防止するため、原料空気の供給速度を調整することが好ましい。例えば、前記工程3が始まる段階で、加圧工程にある吸着塔Bは、工程2の均圧操作による加圧を行った状態にあるので、その圧力は大気圧よりも低いから、何らの制限もなく大気圧以上の原料空気を供給すると、同時に行う製品ガスによる加圧のガス量に比較して大幅に多い原料空気が流入するので、窒素の吸着帯はすぐに製品出口端に延びてしまう。また、吸着塔に成り行きで空気を供給すると、受入側の吸着塔の圧力次第で好ましくない過大な流速になることがある。窒素吸着に好ましい条件は、適切な流速で空気が流れることであり、その条件は、吸着塔の空気流入速度を調整することにより達成される。
【0025】
空気流入速度の調整は、PSA装置全体の制御を行う操作の制御器14からの弁開度制御信号14aにより、原料空気ラインに設置した原料空気流量調整弁2の開度を調整することにより行うことができる。この開度調整は、例えば、工程の切換えを制御する制御器14からの信号により、調整弁2に送られる制御空気圧を変えて弁開度を変えることで行える。最も流速が大きくなると思われる工程3においては、最も小さい弁開度とし、次の工程4では弁開度を大きくする。また、特に流れを制御する必要のない工程1においては調整弁2は全開とする。この空気流入速度の調整の方法は、調整弁による方法以外、原料空気圧縮機1の回転数を制御する方法等によっても行うことができる。このように空気流入速度を制御することにより、分離性能の向上とともに、吸着剤の流動化を防ぎ、吸着剤の粉化を防止するという効果も得られる。
【0026】
上述のように、真空再生を行った吸着塔の再加圧を、均圧操作によって回収されるガス、すなわち、酸素分に富むガスを用いて原料空気の流れに対して向流方向に加圧することにより、原料空気による加圧を実施する時点での塔内圧力をある程度まで上昇させておくことができるので、原料空気による加圧の際の空気の流速が過大になることを防ぐことができる。
【0027】
また、工程2の均圧操作で酸素分に富むガスで加圧した後、工程3において、製品出口端からは製品ガスを、原料供給端からは原料空気を同時に送って加圧することにより、空気中の窒素が製品出口端に向かって前進することを防ぐことができる。さらに、工程4では、工程2及び工程3で既に塔内の圧力がかなり上昇しているため、原料空気のみを供給して最終的な加圧を行えるので、製品ガスを用いることなく、吸着工程に移行するための準備を終了することができる。
【0028】
以上の各工程を組合わせることにより、極めて高い酸素回収率と、吸着剤当たりの高い酸素発生量を達成することができる。
【0029】
【実施例】
図1に示す系統のPSA装置を使用して、▲1▼図2に示す工程1〜4を行った場合(第1の構成に相当)、▲2▼工程2を分割した場合(第2の構成に相当)、▲3▼工程2を分割するとともに原料空気の流入速度を調整した場合(第2の構成に相当)の3通りの実験を行った。主な操作条件は、次の通りである。
吸着圧力 800Torr
再生圧力 200Torr
原料空気温度 25℃
サイクルタイム 60秒
窒素吸着剤 Ca−A型ゼオライト
【0030】
その結果、▲1▼では酸素回収率が43%、吸着剤1トン当たりの酸素発生量が24Nm/hであった。▲2▼では酸素回収率が45%、吸着剤1トン当たりの酸素発生量が25Nm/hに向上し、▲3▼では酸素回収率が46%、吸着剤1トン当たりの酸素発生量が27Nm/hに更に向上した。なお、酸素発生量は2塔合計の吸着剤を基準にした値である。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のガス分離方法によれば、製品回収率、吸着剤当たりの製品発生量を共に向上させることができる。これに加えて、吸着剤の流動による粉化も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 PSA装置の一例を示す系統図である。
【図2】 各工程におけるガスの流れを説明する概念図である。
【符号の説明】
A,B…吸着塔、1…原料空気圧縮機、1a…バイパス弁、2…原料空気流量調整弁、3a,3b…入口弁、4a,4b…排気弁、5a,5b…出口弁、6a,6b…パージガス導入弁、7…真空ポンプ、8…放出弁、9…製品ガス貯槽、9a…製品供給弁、10…パージガス供給弁、11…パージガス流量調整弁、12…流量計、13…パージライン、14…制御器、14a…弁開度制御信号

Claims (3)

  1. 酸素と窒素とを含む原料ガス中の窒素を優先的に吸着する吸着剤を充填した2塔の吸着塔を用いて圧力変動吸着分離法により酸素富化ガスを製品ガスとして回収するガス分離方法であって、
    原料供給端から原料ガスが供給されて吸着工程を行っている第1の塔の製品出口端から製品ガスを導出して製品ガス貯槽に供給しながら、該製品ガスの一部を第2の塔の製品出口端から第2の塔内に導入しつつ原料供給端から第2の塔内のガスを放出するパージ排気を行うことにより吸着剤の再生工程を行う第1の工程と、
    上記第1の工程終了後の第1の塔と第2の塔とを製品出口端で連通させ、吸着工程を終了して塔内に圧力を保持した第1の塔から再生工程を終了して低い圧力にある第2の塔へガスを回収するとともに、第1の塔の原料供給端から系外へガスを放出する第2の工程と、
    上記第2の工程終了後の第1の塔から引続きガスを系外に放出して第1の塔内の圧力を下げることにより、窒素を吸着した吸着剤から窒素ガスを脱着させるとともに、第2の塔においては、製品ガス貯槽に貯えられた製品ガスを第2の塔の製品出口端から導入しながら、同時に原料供給端から原料ガスを供給して塔内の圧力を上昇させる第3の工程と、
    上記第3の工程終了後の第1の塔から引続きガスを系外に放出して第1の塔内の圧力を更に下げることにより、窒素を吸着した吸着剤から窒素ガスを脱着させるとともに、第2の塔においては、原料供給端から原料ガスを供給して塔内の圧力を上昇させる第4の工程と、
    の各工程を、第1及び第2の吸着塔を順次切換えて連続的に行うことにより、製品ガスを継続して発生することを特徴とするガス分離方法。
  2. 酸素と窒素とを含む原料ガス中の窒素を優先的に吸着する吸着剤を充填した2塔の吸着塔を用いて圧力変動吸着分離法により酸素富化ガスを製品ガスとして回収するガス分離方法であって、
    原料供給端から原料ガスが供給されて吸着工程を行っている第1の塔の製品出口端から製品ガスを導出して製品ガス貯槽に供給しながら、該製品ガスの一部を第2の塔の製品出口端から第2の塔内に導入しつつ原料供給端から第2の塔内のガスを放出するパージ排気を行うことにより吸着剤の再生工程を行う第1の工程と、
    上記第1の工程終了後の第1の塔と第2の塔とを製品出口端で連通させ、吸着工程を終了して塔内に圧力を保持した第1の塔から再生工程を終了して低い圧力にある第2の塔へガスを回収した後、第1の塔の原料供給端から系外へガスを放出する第2の工程と、
    上記第2の工程終了後の第1の塔から引続きガスを系外に放出して第1の塔内の圧力を下げることにより、窒素を吸着した吸着剤から窒素ガスを脱着させるとともに、第2の塔においては、製品ガス貯槽に貯えられた製品ガスを第2の塔の製品出口端から導入しながら、同時に原料供給端から原料ガスを供給して塔内の圧力を上昇させる第3の工程と、
    上記第3の工程終了後の第1の塔から引続きガスを系外に放出して第1の塔内の圧力を更に下げることにより、窒素を吸着した吸着剤から窒素ガスを脱着させるとともに、第2の塔においては、原料供給端から原料ガスを供給して塔内の圧力を上昇させる第4の工程と、
    の各工程を、第1及び第2の吸着塔を順次切換えて連続的に行うことにより、製品ガスを継続して発生することを特徴とするガス分離方法。
  3. 前記吸着塔への原料ガスの供給量を流量制御手段により制御することを特徴とする請求項1又は2記載のガス分離方法。
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