JP3015808B2 - 防水シート - Google Patents

防水シート

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JP3015808B2
JP3015808B2 JP2319356A JP31935690A JP3015808B2 JP 3015808 B2 JP3015808 B2 JP 3015808B2 JP 2319356 A JP2319356 A JP 2319356A JP 31935690 A JP31935690 A JP 31935690A JP 3015808 B2 JP3015808 B2 JP 3015808B2
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尚 櫛田
達郎 浜中
浩昭 妻鳥
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は防水シートに関する。更に詳しくは,各種性
質及び施工性などの点ですぐれた防水シートに関する。
<従来の技術> 池,ダム,トンネルなどの土木工事における防水施工
法としては,一般に,モルタル防水法,アスファルト防
水法,シート防水法等が知られている。
モルタル防水法は,セメントモルタルに防水剤を混合
して,モルタル自体に防水性を付与し,施工現場で塗布
する工法であるが,塗布条件等により防水効果に差を生
じたり,防水層自体に亀裂を生じ易いなどの欠点があ
る。
アスファルト防水法は,加熱溶融したアスファルト
を,フェルト,ルーフィングなどと交互に積層して防水
層を作くる工法であるが,熱工法の為,火災の危険や,
アスファルト自体が耐候性,耐熱性,下地追随性に劣る
などの欠点がある。
また,シート防水法は,加硫ゴム等のシートを,主に
接着剤で貼り付けて防水層を形成する工法であり,耐候
性,耐薬品性,下地追随性など防水シートとして要求さ
れる多くの性質を満足させる反面,接着剤に溶剤が使用
される場合は作業者の安全衛生上の問題があり,また,
シート間の接着が不完全になり易いという施工面での欠
点を持っている。
このシート防水法の欠点を改良する方法として,近年
は,熱融着可能な熱可塑性エラストマーの防水シートが
用いられるようになってきている。(例えば特開昭59−
18741号公報)。しかしながら,これまでのシートで
は,充分な融着強度を得る為には熱融着時に大きな面圧
を必要とする。したがって,構造物のコーナーや立上り
部などでの手操作による熱融着にたよる箇所では熱融着
時の面圧を大きくとることができない為,剪断ハクリ変
形等が生じやすく,その結果防水効果が減じられる恐れ
があり,より低い面圧で大きな融着強度が得られる熱可
塑性エラストマーの防水シートが必要とされていた。
また,これまでのシートでは融着強度の融着温度依存
性が大きく,施工現場での外気温や,融着温度条件の影
響を受けやすいという問題もあった。すなわち融着温度
が低目だと融着強度のバラツキが大きく漏水の原因とな
り,逆に融着剥離力を高めるために融着温度を高目にす
ると,シートの表面が焼けこげて,融着強度は逆に低く
なる。従って,融着温度依存性の少ない防水シートが望
まれていた。
<発明が解決しようとする課題> 斯かる現状において,本願発明が解決すべき課題は,J
IS A−6008で規定される合成高分子ルーフィングの加硫
ゴム系の規格に合格し,更にシート同士間の接着には熱
融着法が加納というこれまでの特徴に加え,数kg/cm2
いう低い面圧でも大きな融着強度が得られ,かつ,融着
強度の融着温度依存性が小さい防水シートを提供するこ
とにある。
<課題を解決するための手段> 本発明者等は,上記従来法の欠点を克服する為に鋭意
研究を重ねた結果,架橋タイプのオレフィン系熱可塑性
エラストマーと,特定の密度および融解特性を有するエ
チレン−α−オレフィン共重合体樹脂及び結晶性ポリプ
ロピレン系共重合体樹脂からなる組成物を成形加工して
なることを特徴とする防水シートが,JIS A−6008(198
6)で規定される合成高分子ルーフィングの加硫ゴム系
の規格に合格し,シート同士間は熱融着可能という従来
の特徴を有したうえで,低い面圧で熱融着しても大きな
融着剥離強度が得られることを見出し,本発明を完成す
るに到った。
即ち本発明は,架橋タイプのオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー25〜50重量部,及び密度:0.870g/cm3〜0.910
g/cm3であり,DSCでの最高融解ピーク温度が100℃以上か
つ110℃以上の融解熱量が10ジュール/g以上のエチレン
−α−オレフィン共重合体樹脂20〜50重量部,及び結晶
性ポリプロピレン系共重合体樹脂20〜50重量部の組成物
から成形されるシートであり,次のような好ましい性質
を兼備えている。
(1) シートが押出し成形法,カレンダー成形法など
の従来の加工法によって容易に成形可能。
(2) シートはJISA−6008(1986)合成高分子ルーフ
ィングの加硫ゴム系の規格に合格する。
(3) シート間の接着は熱融着が可能であり,低面圧
での融着でも,融着部の剥離強度がきわめて大きく,か
つ融着強度の温度依存性が小さい。
以下,本発明につき,具体的に詳述する。
A 本発明で使用される架橋型オレフィン系熱可塑性エ
ラストマーは,特開昭48−26838号公報,特開昭52−135
41号公報および特開昭53−149240号公報などに記載され
ている。このうちエチレン含有量が65〜90重量%であ
り,ヨウ素価20以下,ML1+4100℃が70以上のエチレン−
プロピレン−非共役ジエン系ゴム(EPDM)50〜90重量%
と,プロピレン系重合体10〜50重量%を有機過酸化物の
存在下でバンバリーミキサー,一軸混練機,二軸混練機
などを用いて動的加硫して得た架橋型オレフィン系熱可
塑性エラストマーが好ましい。
更に好ましくは,エチレン含有量が70〜85重量%,ヨ
ウ素価が5〜10,ML1+4100℃が70以上のEPDM70〜85重量
%とプロピレン系重合体15〜30重量%を有機過酸化物の
存在下でバンバリーミキサー,一軸混練機,二軸混練機
などを用いて,180℃以上で動的加硫して得た部分架橋型
オレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。なお架
橋効率をたかめる為に用いる架橋助剤や,流動性向上を
目的として鉱物油系軟化剤を2重量%以上25重量%未満
架橋反応の前又は後で添加することが好ましい。
B 密度が0.870g/cm3〜0.910g/cm3でDSCでの最高融解
ピーク温度が100℃以上であり,かつ,DSCによる110℃以
上の融解熱量が10ジュール/g以上であるエチレン系共重
合体としては,エチレンとα−オレフィンとの共重合体
が用いられ,特に,エチレンと炭素数4以上のα−オレ
フィン,例えば1−ブテン,1−ペンテン,1−ヘキセン,4
−メチル−1−ペンテン,1−オクテンなどの少なくとも
1種,好ましくは炭素数4〜8のこれらα−オレフィン
との共重合体が用いられる。密度が0.870g/cm3より小さ
いと60℃での引張り強度の低下が大きく,0.910g/cm3
り大きいと融着剥離力が低下する。なお,これら共重合
体のMFR(濃度:190℃,荷重:2.16kg)は0.1g/10分〜20g
/10分であることが望ましく,MFRが0.1g/10分より低いと
融着剥離強度が低下し,20g/10分より大きいと,−20℃
での破断伸びが低下し耐寒性に問題を生じる。なおDSC
での最高溶解ピーク温度が100℃未満では,引張り強さ
の温度依存性が大きくなり,高温(60℃)での強度低下
や低温(−20℃)での強度増大が起こりJIS A−6008の
合成高分子ルーフィングの加硫ゴム規格を満足しない。
(4) 結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂として
は,プロピレンとエチレンまたは炭素数4以上のα−オ
レフィン,例えば1−ブテン,1−ペンテン,1−ヘキセ
ン,4−メチル−1−ペンテン,1−オクテンなどの少なく
とも1種,好ましくはエチレンと1−ブテン共重合体,
またはエチレンとプロピレンの共重合体が用いられる。
これら架橋型熱可塑性エラストマーとエチレン−α−
オレフィン共重合体樹脂及び結晶性ポリプロピレン系共
重合体樹脂は,それぞれ,25〜50重量部,20〜50重量部,2
0〜50重量部の割合で用いられる。
熱可塑性エラストマーが25重量部より少ないと,シー
トの柔軟性が失われ,また,50重量部より多いと,シー
トの引張り特性の温度依存性が大きくなり,高温での物
性が低下する。
エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂が20重量部よ
り少ないと,低い面圧での融着剥離強度が低下し,50重
量部より多いと,シートの引張り強度の温度依存性が大
きくなる。
結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂が20重量部より
少ないと,シートの引張り特性の温度依存性が大きくな
り,50重量部を超えると,シートの柔軟性が失われ,下
地追随性が悪化するとともに,低温での破断伸びの低下
による耐寒性の低下が認められるようになる。
シート成形材料としての組成物の調製は,架橋タイプ
のオレフィン系熱可塑性エラストマー,エチレン重合
体,プロピレン重合体及び必要に応じて。オイル,カー
ボンブラック,あるいは炭酸カルシウムなどの充填剤,
(A),(B),(C)の合計100重量部あたり70重量
部以下,好ましくは40重量部以下)耐候剤,加工助剤,
顔料などを,バンバリーミキサー,1軸押出機,2軸押出機
などの混練装置を用いて,約150℃〜250℃,好ましくは
190℃〜220℃の温度で1〜30分間溶融混練することによ
り行われる。混合の順序については特に制限はない。
これらの組成物からのシート成形は,一般的なシート
成形法で可能である。即ち160℃〜250℃の温度で,Tダイ
から溶融樹脂組成物を押出す方法,あるいはバンバリー
ミキサーやニーダー等で軟化温度以上に加熱溶融させた
樹脂組成物をカレンダーロール等でシート状に成形する
方法である。なお,Tダイシート成形時の押出機は真空ベ
ント機構を備えた装置が好ましい。また,シートの厚み
は0.2〜5mm,好ましくは0.5〜3mmである。
本発明における防水シートは熱可塑性という特徴を活
かして例えば次のような用い方ができる。
約25m×2m×1.5mmのシートを施工現場において,熱風
機,自走式熱風溶着機などを用いて互いに端部を熱融着
させ,一体シートを作ったり,場合によっては,シート
を成形した工場内で熱風機,ヒートシーラーなどを用い
て端部を熱融着させた巾広シートを作製して,ゴルフ場
の池,ダム,トンネル,用水路などの各種土木用防水工
事や,建物の屋上防水など従来の各種防水シート用途対
象物の全てに有効に適用される。
次に実施例により具体的に本発明の実施態様を明らか
にする。
<実施例> 以下,実施例によって本発明の内容を具体的に説明す
るが,本発明は,これら実施例によって限定されるもの
ではない。
尚,これらの実施例における物性測定は,JIS A−6008
(1986)に従って評価した。また熱融着剥離強度につい
ては,Tダイ押出しによって得た1mm厚みのシートを2枚
重ね,更にシート上面に0.1mm厚みのテフロンシート,
シート下面に3mm厚みのシリコンゴムシートを重ねヒー
トシールテスター(テスター産業(株)製)を用い,
温度が140℃,荷重が1kg/cm2,加圧時間が30秒間で熱融
着させ,24時間後に20mm巾のタンザク状試験片を,引張
り速度:50mm/minで180度剥離テストを行ない剥離強度を
測定した。
融着温度依存性は手動式熱風融着機“ハンドライスタ
ー”(Leister社)を用いて,熱風温度を280,350,480℃
の三段階に変えて熱融着し,融着剥離強度(180度剥
離)を測定した。融着は1.5mm厚のシートを上下に2枚
重ね,その間に熱風を送り込みながらロールで圧着し,
融着速度約60cm/分で行なった。
〔実施例1〕 架橋系オレフィン系熱可塑性エラストマー〔EPDM
(エチレン:81重量%,I2V:10,ML1+4100℃:75)80重量%
とポリプロピレン20重量%の組成物を有機過酸化物(2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン)の存在下バンバリーミキサーを用いて,200℃で動的
架橋を行なった。この動的架橋組成物100重量部あた
り,鉱物油系軟化剤(出光プロセスオイルPW−380)5
重量部を添加することにより得た。〕33重量部,エチレ
ン−α−オレフィン共重合体樹脂〔エチレン・ブテン
−1共重合体(密度:0.900g/cm3,MFR:2.0g/10分,DSCで
の最高融解ピーク温度:107℃,110℃以上の融解熱量:14.
5ジュール/g)〕40重量部,結晶性ポリプロピレン系共
重合体樹脂〔プロピレン・エチレンランダム共重合体
(エチレン:4.4重量%)〕27重量部の合計100重量部に
対し,炭酸カルシウム(三協製粉,エスロン200)27
重量部を加え,二軸混練機(神戸製鋼所4FCM)で溶融混
練し,ペレット状組成物とした。
ベント孔を有する115mmφ押出機の先端に幅2.5mのT
ダイを有するシート成形機を用いて,上記ペレットを18
0〜200℃で溶融し,80℃の表面温度を有するキャスティ
ングドラム上に押出し,厚さ1.0,1.5mm,幅2mのシートを
成形した。シートの各種物性を測定すると共にヒートシ
ールテスターにより熱融着させ,剥離強度を測定した。
結果を表2に示した。
〔実施例2〕 実施例1において二軸混練機で溶融混練する際,カー
ボンマスターバッチ7重量部を追加してペレット状組成
物とした。
以下,実施例1と同じ。
〔実施例3〕 実施例1で使用した,架橋型オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー,エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂
と結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂をそれぞれ
33重量部,27重量部,27重量部,及び結晶性ポリプロピレ
ン系共重合体樹脂〔プロピレン・ブテン−1ランダム
共重合体(ブテン−1:23重量%)〕13重量部の合計100
重量部に対し,炭酸カルシウム27重量部及びカーボンマ
スターバッチ7重量部を加えて,バンバリーミキサー
(神戸製鋼所BB−16)で溶融混練後,押出機によってペ
レット状組成物とした。
上記組成物を用いて実施例1と同様にシート状とし
た。
〔実施例4〕 実施例3で使用したエチレン−α−オレフィン共重合
体樹脂の代わりに,エチレン−α−オレフィン共重合
体樹脂〔エチレン・ブテン−1共重合体(密度:0.905
g/cm3,MFR:10g/10分,DSCでの最高融解ピーク温度:109
℃,110℃以上の融解熱量:30ジュール/g)〕を使用した
他は実施例3に同じ。
〔実施例5〕 架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー〔EPDM
(エチレン:80重量%,I2V:9,ML1+4100℃:73)82重量%
と,ポリプロピレン18重量%の組成物を有機過酸化物
(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン)の存在下,バンバリーミキサーを用いて,200℃
で動的架橋を行なった。この動的架橋組成物100重量部
あたり,鉱物油系軟化剤(出光プロセスオイルPW−38
0)20重量部を添加して得た。〕33重量部,実施例1で
使用したエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂27重
量部,及び結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂〔プ
ロピレン・エチレンランダム共重合体(エチレン:5.5重
量%)〕40重量部の合計100重量部に対し,炭酸カルシ
ウム27重量部,及びカーボンマスターバッチ7重量部を
加え実施例1と同様に処理しペレット状組成物を得た。
上記組成物を用いて実施例1と同様にシート状とし
た。
〔比較例1〕 実施例1で用いた架橋型オレフィン系熱可塑性エラス
トマー53重量部とエチレン−α−オレフィン共重合体
樹脂〔エチレン・ブテン−1共重合体(密度:0.925g/
cm3,MFR:0.8g/10分,DSCの最高融解ピーク温度:120℃,11
0℃以上の融解熱量:105ジュール/g)〕47重量部の合計1
00重量部に対し,炭酸カルシウム20重量部,カーボンマ
スターバッチ13重量部を加え実施例3と同様に処理し,
シート状とした。表−2の結果から明らかなように,−
20℃での引張り強さの変化が大きすぎること,及び,融
着シートの剥離強さが低く,実用に耐えるものはなかっ
た。
〔比較例2〕 実施例2において,結晶性ポリプロピレン系共重合体
樹脂の代わりとして結晶性ポリプロピレン系樹脂
(プロピレンホモポリマー)を用いた他は実施例2と同
じ。結果は,シートの剛性が高く,柔軟性に欠け,施工
時の取扱いが悪く,下地追随性が劣るものであった。
〔比較例3〕 実施例1で使用した架橋型オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー,結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂を
それぞれ53重量部,20重量部と,比較例1で使用したエ
チレン−α−オレフィン共重合体樹脂27重量部の合計
100重量部に対し,炭酸カルシウム20重量部,カーボン
マスターバッチ13重量部を加え実施例3と同様に処理
し,シート状とした。
結果は,融着シートの剥離強さが低く,実用に耐える
ものではなかった。
〔比較例4〕 オレフィン系熱可塑性エラストマー〔EPDM(エチレ
ン:70重量%,I2V:1.5,ML1+4100℃:96)70重量%及びプ
ロピレン系共重合体(プロピレン・エチレンランダム共
重合体,エチレン:3.2重量%)30重量%の割合でバンバ
リーミキサーを用いて溶融混練した非架橋型オレフィン
系熱可塑性エラストマー〕60重量部,及び実施例1で用
いたエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂40重量部
の合計100重量部に対し,炭酸カルシウム27重量部,カ
ーボンマスターバッチ7重量部を用いた他は実施例3に
同じ。非架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマーを用
いたこと,及び結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂を
使用していないので,−20℃での引張り強さが大きく,
逆に60℃での引張り強さが小さく,温度依存性の大きな
シートであった。
〔比較例5〕 実施例2で使用した架橋型オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー,及びエチレン−α−オレフィン共重合体樹
脂をそれぞれ33重量部,27重量部と比較例2で使用し
た結晶性ポリプロピレン系樹脂40重量部の合計100重
量部に対し炭酸カルシウム27重量部,カーボンマスター
バッチ7重量部を加え以下実施例3と同様に処理し,シ
ートを得た。
結晶性ポリプロピレン系樹脂が本発明の範囲外のプロ
ピレンホモポリマーなので,シートの柔軟性に欠け,−
20℃での破断時の伸びが小さく,かつ熱融着性も悪く,
実用に供する事は出来なかった。
〔実施例6〕 実施例2,5および比較例1のシートを用いて融着剥離
強度の融着温度依存性を調べた。
結果は表3に示す。
本発明品は剥離強度が高く,かつ温度依存性が小さい
が,比較例1は剥離強度が低く,温度依存性も大きいも
のであった。
〔実施例7〕 実施例5の1.5mm厚のシートを用いて,冬期(外気温
5℃)に幅4mの排水路の防水施工を行なった。
現場で,幅2mのシートを展張し,端部を約10cm重ね合
わせ,融着幅25mmで自走式熱風溶着機(熱風340℃,融
着速度1m/分)を用いて融着した。
コーナー部などの局部融着には“ハンドライスター”
(熱風350℃,融着速度60cm/分)を用いた。
融着剥離強度を調べた結果,自走式熱風溶着機を用い
た部分は7.0kg/cm,“ハンドライスター”を用いた部分
は6.7kg/cmといずれも良好であった。
本実施例より明らかな通り,比較例に比べて,実施例
はJIS A−6008(1986)高分子ルーフィングの加硫ゴム
系の規格に合格する物性を有していると同時に,柔軟性
があり,熱融着シートの剥離強度が大きく改良されてい
ることが,明らかである。
<発明の効果> 本発明により,池,ダム,トンネル,用水路などの土
木工事や,建物の屋上防水における防水施工において,J
IS A−6008(1986)高分子ルーフィングの加硫ゴム系の
規格を満足し,施工コーナー部等で大きな面圧をかける
ことが不可能な箇所においても,大きな熱融着強度が得
られる。かつ融着温度依存性の少ない防水シートの提供
が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 7:00 C08L 23:02 (72)発明者 櫛田 尚 埼玉県上尾市愛宕3丁目1番22号 シー アイ化成株式会社内 (72)発明者 浜中 達郎 千葉県市原市姉崎海岸5―1 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 妻鳥 浩昭 千葉県市原市姉崎海岸5―1 住友化学 工業株式会社内

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)架橋型オレフィン系熱可塑性エラス
    トマー25〜50重量部及び(B)密度が0.870〜0.910g/cm
    3であり,示差走査熱量計(DSC)による最高融解ピーク
    温度が100℃以上であり,かつ,DSCによる110℃以上の融
    解熱量が10ジュール/g以上であるエチレン−α−オレフ
    ィン共重合体樹脂20〜50重量部,及び(C)結晶性ポリ
    プロピレン系共重合体樹脂20〜50重量部(A+B+C=
    100になるようにとる)からなる組成物を成形加工して
    なることを特徴とする防水シート。
  2. 【請求項2】(A)架橋型オレフィン系熱可塑性エラス
    トマーが,エチレン−プロピレン−非共役ジエン系ゴム
    とポリプロピレンからなる混合物を有機過酸化物存在下
    で動的部分架橋してなるエラストマーである請求項1記
    載の防水シート。
  3. 【請求項3】エチレン−プロピレン−非共役ジエン系ゴ
    ムが,エチレン含有量が65〜90重量%であり,ML1+4100
    ℃が70以上である請求項2記載の防水シート。
  4. 【請求項4】(A)架橋型オレフィン系熱可塑性エラス
    トマーが,鉱物油系軟化剤を2重量%以上25重量%未満
    含有する請求項1記載の防水シート。
  5. 【請求項5】(B)エチレン−α−オレフィン共重合体
    樹脂が,エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの
    共重合体樹脂である請求項1記載の防水シート。
  6. 【請求項6】(C)結晶性ポリプロピレン系共重合体樹
    脂が,ポリプロピレンとエチレンまたは炭素数4以上の
    α−オレフィンからなるランダムまたはブロック共重合
    体樹脂である請求項1記載の防水シート。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の組成物に対し,(A),
    (B),(C)の合計100重量部あたり,70重量部以下の
    充填剤が添加された組成物を成形加工してなることを特
    徴とする防水シート。
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