JP3015460U - ドライクリーニング溶剤用フィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドライクリーニング溶剤の塵埃や酸，色（汚
れ）を除去するのみならず悪臭の発生源である雑菌をも
除去するフィルタを提供する。 【構成】 周壁２ａが濾紙等の濾過シート製の円筒形の
フィルタ容器２の中心に管壁が多孔の出液管３を挿通す
る。そして、フィルタ容器２と出液管３との間の空間
に、粒状の活性炭を主体とする濾材を充填すると共に、
この濾材にはゼオライトに銀を吸着させた抗菌剤を混合
しする。そしてフィルタ容器２の両端を環状の蓋体５で
閉鎖し、この蓋体５の中心孔６に前記出液管３の両端開
口３ｂ，３ｂを接続してフィルタ１を構成する。上記の
フィルタ１を濾過タンク１１に収納し、濾過タンク１１
に溶剤を供給して浄化し、同時に抗菌剤により除菌す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ドライクリーニング溶剤用のフィルタの改良に関するものであり、 特に除菌フィルタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ドライクリーニング溶剤は高価なのでフィルタを通して浄化し繰返し使用して いる。 従来のフィルタは、円筒状のフィルタ容器の中心に管壁が多孔の出液管を挿通 し、この出液管とフィルタ容器間に活性炭を充填した構造で、フィルタ容器の外 周は濾紙や金網などの濾過シートで構成されている。溶剤はフィルタ容器の外周 から入り出液管より出る。塵埃は濾過シートにより除去され、さらに活性炭によ り色（汚れ）が濾過される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のフィルタでは溶剤に含まれる塵埃や色（汚れ）は除去できるが、雑 菌を除去できなかった。このため雑菌による悪臭が発生し、クリーニングの品質 上好ましくないという問題があった。

【０００４】 本考案は上記の問題点を解消して、ドライクリーニング溶剤中の塵埃や酸，色 （汚れ）のほか雑菌をも除去できるフィルタを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために、本考案は以下のように構成した。

【０００６】 すなわち本考案のフィルタは、周壁が濾過シート製の円筒形のフィルタ容器の 中心に管壁が多孔の出液管を挿通し、 このフィルタ容器と出液管との間の空間に、粒状の活性炭を主体とする濾材を 充填すると共に、この濾材にはゼオライトに銀を吸着させた抗菌剤を混合し、 そしてフィルタ容器の両端を環状の蓋体で閉鎖し、この蓋体の中心孔に前記出 液管の両端開口を接続して構成する。

【０００７】

【作用】

クリーニングの結果洗濯物により汚染された溶剤は、フィルタ容器の外周より 内側へと浸透する。この際に濾過シート製の周壁により径の大きな塵埃が除去さ れる。次に、活性炭により色（汚れ）が除去され、さらに抗菌剤により酸や雑菌 が除去される。このように、塵埃、酸，色（汚れ）、雑菌が除去された溶剤は出 液管より吐出され再びクリーニング用に供される。

【０００８】

【実施例】

図１はドライクリーニング溶剤用フィルタの一部断面図であり、図２はその平 面図である。 フィルタ１は、円筒形のフィルタ容器２の中央部に出液管３を挿通し、フィル タ容器２の上面および下面には、環状の蓋体５，５を取付け、この蓋体５，５の 中心孔６，６と、出液管３の両端開口３ｂ，３ｂとをそれぞれ連結して構成する 。ここで、フィルタ容器２と出液管３の間の空間には濾材７を充填する。

【０００９】 フィルタ容器２の周壁２ａは、濾紙や目の非常に細かい金網などの濾過シート により形成する。この濾過シートとしては濾過能力の点で金網よりも濾紙がよい 。濾紙はそのまま張着してもよいが、蛇腹状にすると表面積が増して濾過能力が いっそう向上する。さらに、濾紙に撥水加工をほどこし水分による圧力の上昇を 軽減すると強度が増す。 出液管３の管壁３ａは、目の細かい（内容物である濾材が流出しない程度の大 きさの目をもつ）金網のような多孔材により形成する。 濾材７は、体積比で活性炭１に対し、抗菌剤を約０．１の割合で混合したもの で、抗菌剤は多孔質ゼオライトに銀を吸着させたものである。銀の吸着は、多孔 質ゼオライトに銀の水溶液を含浸させて行う。この際に吸着する銀の量は数ｐｐ ｍ以下の微量であっても充分抗菌効果を発揮する。

【００１０】 １１は円筒形の濾過タンクで、その一端を蓋２１により閉鎖し、蓋２１には給 液管１９及び吐液管２０の貫通すると共に、その中心に吐液管２０と連結する周 囲が金網製のフィルタ取付管２２を貫通する。 そしてフィルタ１を図３に示すようにパッキン８を介在して２本直列に並べ、 その出液管３内にフィルタ取付管２２を通して濾過タンク１１内に収容する。開 放している他方は、プレート９で押さえ、さらにプレート押え１０に設けた孔に ねじ２５を通し、ねじ２５をフィルタ取付管２２の先端に設けたねじ穴と螺合し て止め、蓋１２を被せる（図５）。 そして、図４に示すように吐液管２０に、流量計１７，バルブ２２を介してド ライクリーニングの洗浄槽１３を接続する。給液管１９には、圧力計１６，バル ブ２３，逆止弁１８，及びポンプ１５を順次介して溶剤タンク１４を接続する。

【００１１】 そして、洗浄槽１３から排出された汚れた溶剤を溶剤タンク１４に送る。溶媒 は洗浄槽１３からタンク１４に入り、ポンプ１５，逆止弁１８，バルブ２４，圧 力計１６を介して濾過タンク１１に入り浄化された後、吐液管２０から吐出し流 量計１７，バルブ２３を介し再び洗浄槽１３に流入する。

【００１２】 溶剤の浄化は、先ずフィルタ１の周壁２ａに張られた濾過シートにより比較的 大きな塵埃を除去する第１段階の濾過が行われる。次に濾材７中の活性炭により 色（溶出した染料などの汚れ）が吸着され、抗菌剤中の多孔質ゼオライトの触媒 作用により酸化が防止される。またこの多孔質ゼオライトのイオン交換作用によ りアンモニアが除去される。さらに、抗菌剤中の銀が雑菌の蛋白質と結合し代謝 機能を除去することにより抗菌作用が発揮される。 このフィルタ１は、抗菌剤の能力は活性炭の汚れの吸着能よりも永続するが、 活性炭による汚れの吸着能が従前と変わらないので、活性炭のみのフィルタと同 程度の期間で交換する。 なお、フィルタ１の形状は従前のものと同じにすると、従前と同様の濾過タン ク１１が使用でき、その他の設備も変更せずに使用でき、設備の無駄がない。

【００１３】

【考案の効果】

これを要するに本考案は、フィルタ容器と出液管との間の空間に、粒状の活性 炭を主体とする濾材を充填すると共に、この濾材にはゼオライトに銀を混練した 抗菌剤を混合したので、塵埃、酸，色（汚れ）のみならず雑菌も除去でき、クリ ーニングしたものに雑菌が付着せず悪臭もなく品質がいっそう向上するという効 果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を実施したドライクリーニング溶剤用フ
ィルタの一部断面図である。

【図２】

【図１】のドライクリーニング溶剤用フィルタの平面図
である。

【図３】濾過タンクの分解斜視図である。

【図４】洗浄槽とフィルタの配管図である。

【図５】濾過タンクの断面図である。

【符号の説明】

１ フィルタ ２ フィルタ容器 ２ａ フィルタ容器の周壁 ３ 出液管 ３ｂ 両端開口 ５ 蓋体 ６ 中心孔 ７ 濾材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 周壁が濾過シート製の円筒形のフィルタ
   容器の中心に管壁が多孔の出液管を挿通し、 このフィルタ容器と出液管との間の空間に、粒状の活性
   炭を主体とする濾材を充填すると共に、この濾材にはゼ
   オライトに銀を吸着させた抗菌剤を混合し、 そしてフィルタ容器の両端を環状の蓋体で閉鎖し、この
   蓋体の中心孔に前記出液管の両端開口を接続してなるド
   ライクリーニング溶剤用フィルタ。