JP2557370B2 - 浄水器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は水をフィルタに通して浄化する浄水器に関す
る。

（従来の技術） 従来より、この種浄水器としては、第５図に示すもの
が供されている。このものは、主として、本体ケース１
の内部に、フィルタケース２の内部に不織布３を幾重か
に敷設しその上に粒状活性炭４を詰めて成る第１のフィ
ルタ５を配設し、且つ該第１のフィルタ５の内部に、筒
状の隔壁６により隔てて中空糸繊維７を多数集めて成る
第２のフィルタ８を配設した構成にて、図示しない水道
の蛇口等に接続したホース９から図中矢印で示す如く継
手10及び逆流防止弁11部等を経て本体ケース１内にその
下部より給水し、次いでその供給した水を第１のフィル
タ５のフィルタケース２上部に形成した流入口12から該
フィルタケース２内従って粒状活性炭４中に通し、更に
上記フィルタケース２の内下部に形成した流出口13から
隔壁６内に入れて、その後第２のフィルタ８の中空糸繊
維７群に通し、そして蓋14中の通水路15から導出パイプ
16を通し器外へと導出するようになっており、その途
中、第１のフィルタ５（粒状活性炭４）により水に含ま
れた専ら塩素を取除き、第２のフィルタ８（中空糸繊維
７）により塩素で殺し得なかった種類の細菌を取除くよ
うになっている。

（発明が解決しようとする問題点） 然しながら上記従来のものの場合、第１のフィルタ５
に対しては、水がフィルタケース２上部の流入口12から
流入されて軸方向に通される構造であるため、通る距離
が長くて抵抗が大きい。このため、水道に直結するな
ど、流入水圧が高い場合には良いが、低い場合には水が
第１のフィルタ５をなかなか通り切れない。ことに、電
気温水器では、流出水圧は使用者の安全のため１［kgf/
cm²］以下とするように定められており、又、ガス給湯
器では管径が小さいため、流出水圧は同様に小さくなる
事情にある。よって、これらに浄水器を接続して使用す
る場合には、導出パイプ16からの水の出が通常でも少な
く、第１のフィルタ５が目詰まり気味になったりすれ
ば、一層水の出が少なくなって使用できなくなるという
問題点を有していた。

本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従
ってその目的は、流入水圧が高い場合だけでなく低い場
合にも水の出を良好に確保し得る浄水器を提供するにあ
る。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） 本発明の浄水器は、本体ケースの内部に内ケースを配
設すると共に、該内ケースの内部に第１のフィルタをそ
の外周に隙間を置いて配設し、且つ該第１のフィルタの
内部に第２のフィルタを配設して、水を前記本体ケース
内から前記内ケースと第１のフィルタ外周との間の隙間
に入れ、該隙間から第１のフィルタを通して、更に第２
のフィルタを通し器外に導出するようにして成るところ
に特徴を有する。

（作用） 上記手段によれば、水は第１のフィルタに対しその外
周から径方向に通されるから、通る距離が短くて抵抗が
小さい。よって、流入水圧が低い場合にも、水は第１の
フィルタを通り切る。

（実施例） 以下本発明の一実施例につき第１図乃至第３図を参照
して説明する。

先ず第１図に於いて、21は全体ケースであり、第２図
にも示すように外壁22と内壁23との二重壁状を成してい
て、その内壁23の内下部にＬ字状のリブ24を例えば４個
形成し、底部略中央に流入口25を形成して、ここに逆流
防止弁26を内挿した継手27を水密に挿着している。28は
流入口25を内壁23の底部と面一な状態で覆った多孔板で
あり、他方、29は継手27に接続した給水ホースである。
又、30は内壁23の底部の一側（図中右側）に寄せて形成
した残水抜き口で、これには内部に例えばシリコンゴム
薄板を内蔵した残水抜き弁ユニット31を水密に挿着し、
該ユニット31にドレンホース32を接続している。そして
更に33は外壁22の下面に突設したボス34にねじ35により
ゴム脚36と共に取着した底板で、これを通して上記給水
ホース29及びドレンホース32を器外に導出させている。

一方、37は内ケースで、これを前記本体ケース21の内
壁23内部に収容し、その折りリブ24に載置せしめること
により、該内ケース37を内壁23の底部及び周側部の各内
面との間に夫々隙間38,39を確保するようにして該内壁2
3の内部に配設している。40は第１のフィルタで、詳細
には第３図に示すように多孔筒状のコア41の外周に不織
布42を巻装して、その外周に殺菌用として銀を添着した
活性炭素繊維43を例えば四重に巻装し、更にその外周に
不織布44を巻装して、その全体の上部にシール45を有す
る上リング46を装着し、下部に第１図に示す如くシール
47を有する下リング48を装着して成るもので、全体に上
記内ケース37の内部に収容している。49は前記本体ケー
ス21の外壁22上端に水密に螺着した上枠で、中央部にリ
ング部50を有し、このリング部50を上記第１のフィルタ
40の上リング46に嵌合することによって、該第１のフィ
ルタ40をその外周面が内ケース37の内周面から隙間51を
置いて離間するように保持しており、同時にその上枠49
の本体ケース21への螺着によってシール45,47を圧し、
第１のフィルタ40の上端及び下端を水密に封じている。
52は第１のフィルタ40の内部に配設した第２のフィルタ
で、これも詳細には中空糸繊維53をＵ字状にして多数集
め樹脂ブロック54により保持して成るもので、その樹脂
ブロック54により筒状の隔壁55の内部に固着保持し、そ
してその隔壁55を上記上枠49のリング部50に水密に螺着
することによって、該隔壁55を介し第１のフィルタ40の
内部に配設されている。尚、その配設状態で、隔壁55と
第１のフィルタ40との間には充分な隙間56が確保され、
隔壁55と第２のフィルタ52との間にも充分な隙間57が確
保されるようになっている。

そして58は蓋であり、外蓋59及びこれに内挿した内蓋
60から成っていて、その内蓋60の取付部61を前記上枠49
中央の取付孔62に水密に弾性挿着している。又、内蓋60
には、上記取付部61から内蓋60の全体を貫通する通水路
63を形成しており、而してその通水路63には先端が外蓋
59外に突出する吐出パイプ64を接続している。

さて、上述の如く構成したものの場合、その使用に当
たっては給水ホース29の図示しない基端部を被浄化水の
水源例えば水道の蛇口に接続し、その上で該給水ホース
29を通し給水をする。すると、第１図中矢印で示すよう
に給水ホース29から継手27及び多孔板28を通して本体ケ
ース21の内壁23内部に水が供給され、その供給された水
は内壁23内部で水位を高めて内ケース37の上端を越え該
内ケース37と第１のフィルタ40外周との間の隙間51に流
入される。そしてその隙間51を満たし、この隙間51従っ
て第１のフィルタ40の外周部から該第１のフィルタ40を
径方向に通され、次いで隙間56を経て隔壁55内に入り、
この隔壁55内で隙間57から第２のフィルタ52を通って、
更に内蓋60中の通水路63及び吐出パイプ64を経て器外に
導出される。

このように本実施例によれば、水を第１のフィルタ40
にはその外周から径方向に通すことができるもので、こ
のように通る水に対して第１のフィルタ40は、通る距離
が短くて抵抗が小さい。よって、電気温水器やガス給湯
器を接続して使用する場合など、流入水圧が低い場合に
も、水は第１のフィルタ40を通り切る。かくして、本実
施例のものの場合、水の出を良好に確保できるもので、
たとえ第１のフィルタ40が目詰まり気味になったとして
も、水の出は良く、問題なく使用することができる。

尚、特に上記実施例にあっては、第１のフィルタ40に
活性炭素繊維43を使用したことにより、従来の粒状活性
炭４を使用したものに比し、浄水性能を向上させること
ができ、又、活性炭粉粒の水への混入並びにそれによる
第２のフィルタ52の寿命の低下といった問題の発生も防
止できるという一層の効果を奏する。

但し、第１のフィルタ40は従来と同様の粒状活性炭を
使用したものであっても良く、又、第２のフィルタ52も
中空糸繊維53以外のものを使用したものであっても良
い。

而して、第４図は本発明の異なる実施例を示したもの
であり、このものは、前述の内ケース37に代え略矩形状
の内ケース65を使用するようにしたもので、その各コー
ナー部は曲率の比較的大なる曲面状として本体ケース21
の内壁23内面に当て、直線状なる各辺部の略中央に第１
のフィルタ40を当てている。この結果、内ケース65の各
辺部外面と本体ケース21の内壁23内面との間に前述の隙
間39に相当する隙間66が確保されており、内ケース21の
各コーナー部内面と第１のフィルタ40の外面との間に前
述の隙間51に相当する隙間67が確保されている。従って
このものの場合、前述の内壁23内面のリブ24や上枠49の
リング部50等といった位置決め手段を別途要することな
く内ケース65及び第１のフィルタ40の位置決めができる
もので、それにより構造の簡略化を図り得るばかりでな
く、特には内壁23の内面をリブ24に邪魔されずに容易且
つ充分に掃除できるようになり、併せて内壁23の内面と
第１のフィルタ40の外面との間隔を狭くしても上記隙間
66,67を確保できることから、全体の小形化を達成でき
るようになる。

この他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例にの
み限定されるものではなく、殊に上記内ケース65は矩形
以外三角形や五角形，六角形といった形状への変更が可
能なもので、他の細部も種々変更可能である。

［発明の効果］ 以上の記述にて明らかなように本発明の浄水器によれ
ば、本体ケースの内部に内ケースを配設すると共に、該
内ケースの内部に第１のフィルタをその外周に隙間を置
いて配設し、且つ該第１のフィルタの内部に第２のフィ
ルタを配設して、水を前記本体ケース内から前記内ケー
スと第１のフィルタ外周との間の隙間に入れ、該隙間か
ら第１のフィルタを通して、更に第２のフィルタを通し
器外に導出するようにして成るのであるから、流入水圧
が高い場合だけでなく低い場合にも水の出を良好に確保
できるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１乃至第３図は本発明の一実施例を示したものにて、
第１図は全体の縦断側面図、第２図は同横断平面図、第
３図は主要部分の拡大縦断側面図である。又、第４図は
本発明の異なる実施例を示した第２図相当図であり、そ
して第５図は従来のものの構造を示した第１図相当図で
ある。 図面中、21は本体ケース、29は給水ホース、37は内ケー
ス、40は第１のフィルタ、51は隙間、52は第２のフィル
タ、64は吐出パイプ、65は内ケース、67は隙間を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体ケースの内部に内ケースを配設すると
   共に、該内ケースの内部に第１のフィルタをその外周に
   隙間を置いて配設し、且つ該第１のフィルタの内部に第
   ２のフィルタを配設して、水を前記本体ケース内から前
   記内ケースと第１のフィルタ外周との間の隙間に入れ、
   該隙間から第１のフィルタを通して、更に第２のフィル
   タを通し器外に導出するようにして成ることを特徴とす
   る浄水器。