JP3015358B1 - 箱形構造体および車両用端梁 - Google Patents

箱形構造体および車両用端梁

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JP3015358B1
JP3015358B1 JP10345005A JP34500598A JP3015358B1 JP 3015358 B1 JP3015358 B1 JP 3015358B1 JP 10345005 A JP10345005 A JP 10345005A JP 34500598 A JP34500598 A JP 34500598A JP 3015358 B1 JP3015358 B1 JP 3015358B1
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    • B61D15/06Buffer cars; Arrangements or construction of railway vehicles for protecting them in case of collisions
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Abstract

【要約】 【課題】 片側溶接の重ね継手を有していながらも、そ
の継手が簡単には変形または破断することのない車両用
端梁などを提供する。 【解決手段】 端梁1は、外側のみから片側溶接される
重ね継手W1を含み、その継手W1における主たる溶接
線の方向が荷重の作用方向と直角になる箱形構造体であ
る。その継手W1において外側に重ねる面板12・13
の縁部を櫛歯形に形成し、その櫛歯形の縁部に沿って溶
接(外側のみからの片側溶接)を施している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に係る発明は、内側か
ら溶接の行えない重ね継手を含む箱形構造体、およびそ
のような箱形構造体に相当する車両用端梁に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両(通勤用)の先頭部における構
体構造を図4に示す。図の例において車両Aの前端(ま
たは後端)の部分にある車両幅方向の骨部材を「端梁」
と呼んでいる。端梁1は、車両Aが他の車両や物に衝突
したときの荷重に耐え得るように設けられるもので、側
方から見た断面がたとえば図5(a)のようになった箱
形の構造体である(車両の用途や使用地域などによって
は、かかる端梁が存在しない場合もある)。
【0003】図5に示す端梁1’は、車両Aの前端とな
る部分にチャンネル材などの梁状の端部材11が幅方向
にかけわたされ、図5(a)のようにその上下の各面に
上および下の面板(板)12・13が接合されて箱形に
なっている。箱形の、つまり閉じた(または概ね閉じ
た)構造体であるうえ、人や溶接機が入れるほどの空間
を内部に有するわけでもないので、端部材11と上下の
面板12・13との間の重ね継手W’は外側のみから溶
接され、内側からは溶接されていない。そして、そのよ
うな継手W’における溶接線Wa’は、図5(b)のよ
うに直線状になっていて、車両Aが衝突したとき図の左
方から作用する荷重の方向と直角である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図5(a)〜(c)に
示す端梁1’における面板12・13は、小さな荷重に
よって面外に変形し、それにともない継手W’に曲げモ
ーメントがはたらいて破断することがある。衝突による
荷重が図5(a)の左方から加わって継手W’に曲げモ
ーメントが作用したとき(図5(d)の矢印を参照)、
溶接線Wa’が一本の直線状のものであるためにその溶
接線Wa’のビードののど厚のみによってモーメントを
受けもたねばならず、したがって継手W’が図5(d)
のように変形しやすく、また図5(e)のように破断し
やすいからである。このように継手W’が変形・破断し
やすいと、面板12・13等を含む端梁1’によっては
衝突エネルギーを十分に吸収できないことになる。
【0005】図5(f)は、図5(a)〜(e)に示す
従来の端梁1’における継手W’について、荷重を受け
て時間とともに増大していく変形量δと、その変形を受
けたときの継手W’の反力Pとの間の典型的な関係を示
す線図である。その継手W’は、反力Pが大きくなった
xの時点で図5(e)のように破断するため、それ以降
の反力Pが急激に減少する。その継手W’が吸収する衝
突エネルギーの量は図5(f)中の斜線の面積(つまり
∫Pdδ)によって表されるが、図のようにそれは決し
て大きいとはいえない。継手W’による吸収エネルギー
が小さいと、端梁1’が吸収し得るエネルギーも小さい
ことになり、残りの衝突エネルギーがその車両A中の他
の部分に及び、車両Aの損壊が甚だしくなりがちであ
る。
【0006】なお、以上には車両用端梁を例にとって説
明したが、同様の課題は他の箱形構造体においても発生
する。すなわち、構造上外側のみから直線状に溶接(片
側溶接)される重ね継手を含み、その継手における溶接
線の方向が荷重の作用方向と直角に(またはそれに近
く)なるような箱形構造体であれば、荷重を受けたとき
比較的容易に継手が破断してしまう。なお、図5と同様
の従来の端梁1’や箱形構造体においては、以上のほ
か、図5(d)・(e)のようには変形せずに、端部材
11と面板12等の間が重ね面と平行にずれることによ
って溶接ビードが剪断破壊を起こす、といった破断の態
様も考えられる。
【0007】請求項に係る発明は、上記のような片側溶
接の重ね継手(その主たる溶接線と直角な方向に荷重が
作用するもの)を有していながらも、その継手が簡単に
は破断することのない箱形構造体および車両用端梁を提
供しようというものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の箱形構
造体は、外側のみからの片側溶接の重ね継手を含み、そ
の継手における主たる溶接線の方向(つまり下記「縁
部」の方向)が荷重の作用方向と直角(またはそれに近
い角度)になる箱形構造体であるが、上記の継手におい
て外側に重ねる部材の縁部を櫛歯形に形成し、その櫛歯
形の縁部に沿って溶接(たとえば隅肉溶接や開先隅肉溶
接。ただし上記のとおり外側のみからの片側溶接)を施
したことを特徴とする。
【0009】このような箱形構造体なら、上記のとおり
主たる溶接線の方向と直角の方向に荷重を受けた場合に
も、図5の例と違って簡単には継手が破断することがな
い。重ね継手における溶接線(片側のみ)が櫛歯形であ
るため、上記の方向に荷重を受けた場合、図5の例とは
違って溶接ビードののど部のみで曲げモーメントに抗す
るのではないからである。すなわちこの箱形構造体で
は、溶接ビードは、全長の増大にともなって断面積も増
大しているため剪断荷重に抗しやすいうえ、櫛歯の深さ
方向に長さを有するため、図5(d)と同様に曲げモー
メントが発生する場合にも低い応力でそれに抗すること
ができる。継手が容易には変形・破断しないため、この
箱形構造体が吸収できるエネルギーは相当に高いことに
なる。
【0010】請求項2に記載の箱形構造体は、とくに、
上記の荷重によって上記継手における一方の部材(先に
全塑性状態になる変形しやすい側の部材)の全塑性曲げ
モーメントが主たる溶接線の方向(つまり縁部の方向)
と直角な面内で発生するときにも、溶接ビードに生じる
応力が降伏点に達しないように、上記縁部における櫛歯
の深さとピッチとを定めたことを特徴とする。
【0011】このように櫛歯の寸法が定められている場
合、荷重によって上記のような曲げモーメントが生じた
場合にも、継手の溶接ビードは、継手の一方の部材が全
塑性の変形状態になるまで塑性変形を起こすことがな
い。つまり、継手がそれだけ大きな曲げモーメントに抗
することができるため、各部材の材料選択を適切に行っ
ている限りは、この箱形構造体による吸収エネルギーを
増大できることになる。
【0012】請求項3に記載した車両用端梁は、車両
(鉄道車両など)の前方または後方の端部に幅方向にか
けわたされる端部材と、その端部材の上下面に重ねられ
る板とを外側のみからの片側溶接によってなる重ね継手
を介して一体化した車両用端梁であって、端部材に重ね
る各板の縁部を櫛歯形に形成し、その櫛歯形の縁部に沿
って溶接(たとえば隅肉溶接や開先隅肉溶接。ただし上
記のとおり外側のみからの片側溶接)を施したことを特
徴とする。
【0013】このような端梁は、車両が衝突したとき、
前方(または後方)から、つまり上記の継手における主
たる溶接線の方向と直角の方向(すなわち車両の前後方
向)から衝撃的に荷重を受ける。そして、そのような荷
重を受けて端部材が変形するとき、この端梁では、継手
が櫛歯形の縁部に沿って溶接されているため簡単には破
断することなく、その変形を上下の面板等に伝える。し
たがって、車両の衝突時には、端梁が全体として吸収エ
ネルギーを大きくでき、端梁以外の部分に及ぶエネルギ
ーが小さくなる結果、車両の損壊範囲が縮小される。
【0014】請求項4に記載の車両用端梁はとくに、上
記の端部材について、車両の幅方向にいう両端付近に比
べて中央付近を前方(車両の後方端部に設けられる端梁
については、前方でなく後方)に出したことを特徴とす
る。
【0015】このような端梁なら、上記のように吸収エ
ネルギーを大きくし得ることに加えて、衝突時の衝撃を
穏やかにすることができる。端部材のうち車両の中央付
近が前方に出ているため、衝突時にはまずその中央付近
のみが相手方に当たり、そののち徐々に接触部分(相手
方と当たる部分)が幅方向に広がるからである。
【0016】請求項5に記載の車両用端梁はさらに、車
両上の一定の高さに(その端梁を)設けたうえ、上記端
部材の前面(車両の後方端部に設けられる端梁について
は、前面でなく後ろの面)に2枚以上の水平な(厳密な
水平である必要はない)突出片を形成したことを特徴と
する。
【0017】端梁が一定の高さにあって端部材の前面に
このような突出片を有するなら、車両同士が衝突したと
き双方の車両は端部材のみで当たることになり、一方の
車両の端梁が相手方の車両における端梁以外の部分に乗
り上げることが防止される。なぜなら、同様の端梁を有
する車両同士が衝突したとき、一方の車両(の端梁)に
設けた水平な突出片のうち少なくとも1枚が、相手方の
車両(の端梁)における2枚以上の水平な突出片の間に
入ることにより上下への変位を拘束され、そのために端
梁同士の接触が上下に外れることがないからである。一
方の車両の端梁が、こうして相手方の車両の端梁と当た
って外れることがなければ、その端梁が相手方の車両の
床上などに乗り上げることがない。したがって、双方の
車両において端梁は、衝突のエネルギーを適切に吸収し
ながら、相手方車両における他の部分の損壊を最小限に
抑え得ることになる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1〜図2に、発明の実施につい
ての一形態を紹介する。図1は、図4に示す車両Aに取
り付けた端梁1に関する図であって、図1(a)は平面
図、同(b)は同(a)におけるb部詳細図、同(c)
は同(a)におけるc−c断面図である。図2は、図1
の端梁1における継手W1の詳細図であって、図2
(a)は平面図、同(b)は同(a)におけるb−b断
面図、同(c)はその継手W1が矢印の向きに曲げモー
メントを受けた場合の変形を示す断面図、そして、同
(d)は、継手W1についての変形量δ(横軸)と、そ
の変形を受けたときの継手W1の反力P(縦軸)との関
係を示す線図である。
【0019】図4に基づいて先に説明したように、端梁
1は、通勤用の鉄道車両Aにおける前端(または後端。
以下には車両の前方における構成等を示すが、後方にお
ける構成も同様である)に設けられ、床面の高さで他の
部分よりも前方に突出している。端梁1は、図1(c)
のように、車両Aの最も前方の部分に車幅方向に梁状の
端部材(形鋼)11がかけわたされ、その上下の各面に
それぞれ水平な面板(鋼板)12・13が接合され、さ
らに各面板12・13が後方の部分においてフレーム1
5に接続されることにより箱形の構造体とされたもので
ある。この端梁1の中ほどの部分には、図1(a)のよ
うに前後・左右に延びたフレーム16・17も配置され
ている。端梁1の後方は、側梁2や中梁3を介して枕梁
4につながり、それらがさらに後方の構体に接続されて
いる。
【0020】端部材11と上の面板12との間および端
部材11と下の面板13との間は、いずれも外側のみか
らの溶接によりなる重ね継手W1によって接合されてい
る。外側のみからの片側溶接であるのは、端梁1が上記
のように閉じた箱形のものであるうえ、端部材11の背
面(後方の面。面板12・13の間)に取り付けられた
補強板14が、箱形に組み合わされる以前にも面板12
・13の内側からの溶接作業を困難にしているからであ
る。
【0021】前記したように、この端梁1は、車両A
(図4)が他の車両等に衝突したときのエネルギー(衝
突エネルギー)の吸収を目的としたものである。端梁1
が吸収し得るエネルギーが多いほど、端梁1以外の部分
に及ぶエネルギーが小さくなって車両Aの損壊が軽減さ
れることから、端梁1については、吸収エネルギーを大
きくすべく下記のような構成を採用している。
【0022】a) 上記した重ね継手W1として端部材1
1の上下各面に接合される面板12および13の各縁部
を、図1(b)のように櫛歯形に形成し、その櫛歯形の
縁部に沿って外側から、図2(a)のように溶接線Wa
が矩形鋸歯状に延びる隅肉溶接を施している。このよう
に櫛形にした継手W1なら、まず、図5に示した継手
W’に比べて溶接ビードの全長および断面積が増大して
いるため、剪断による破断を起こしにくい。さらに、衝
突時の変形により図1(c)の右方へ端部材11が変位
するのにともなって図2(c)のように曲げモーメント
(溶接線Waの主たる方向と直角な面内で発生するも
の)が生じても、溶接ビードは、櫛歯の深さdに相当す
る長さによってその曲げモーメントに抗するため破断し
にくい。継手W1の溶接ビードがこのように破断しにく
いと、端部材11と面板12・13との間が図5(e)
のように破断する事態は生じがたく、したがって端梁1
は、面板12・13の面外変形等によってかなりの衝突
エネルギーを吸収できる。図2(d)は、荷重を受けた
ときの継手W1における変形量δと反力Pとの間の関係
を示している。溶接ビードが破断しがたいので大きな反
力Pを発揮し続け、継手W1によって吸収される衝突エ
ネルギー(∫Pdδ に相当する図2(d)の斜線部分の
面積)がきわめて大きい。
【0023】b) 重ね継手W1における上記の櫛歯の寸
法は、とくに、上記のように曲げモーメントが生じた場
合にも、面板12・13(つまり、継手W1をはさむ他
方の部材である端部材11よりも変形しやすい側の部
材)が全塑性の変形状態になるまで継手W1の溶接ビー
ドが塑性変形を起こさないよう、強度設計をして定めて
いる。具体的には、図2(a)に示す櫛歯の深さdとピ
ッチpとについて、つぎの条件を満たすように定めてい
る。すなわち、継手W1のうち櫛歯の1ピッチ分の幅に
ついて強度を検討することとし、面板12・13につい
て厚さをt、降伏応力をσy1とすると、その全塑性曲げ
モーメントMpは、 Mp=p×t2×σy1/4 である。継手W1における溶接線Wa(ビード)の断面
係数Zは、 Z={(d+t/21/23p−(d−t/21/23(p
−t/21/2)}÷{6×(d+t/21/2)} である。面板12・13が全塑性状態になっても溶接ビ
ードが塑性変形しないためには、上記MpとZとによっ
て求められる溶接線Waの応力が溶接ビード固有の降伏
応力σy2に達しないことである。つまり、継手W1にお
ける櫛歯の寸法dおよびpは、 Mp/Z < σy2 となるように定めている。このようにすれば、継手W1
は面板12・13に劣らない耐曲げ強度を発揮し、端梁
1は、端部材1や面板12・13の強度を生かして十分
な衝突エネルギーを吸収できることになる。ただし、溶
接線Waの全長があまりに長くなると溶接工数が増して
コスト状の不利が生じるため、櫛歯の深さdとそのピッ
チpとについて、 p/d > 1 という条件も満たすようにしている。
【0024】c) 図1(a)のように前後・左右に延ば
したフレーム16・17は、前方の端部材11や後方の
フレーム15に接続していることは言うまでもないが、
上下の面板12・13との間も、溶接によって接続して
いる。フレーム16・17に対しても面板12・13を
一体化する方が、車両Aの衝突時に受ける荷重に対する
反力が増し、端梁1による衝突エネルギーの吸収量が増
大するからである。ただし、端梁1が箱形構造物であっ
て面板12・13とフレーム16または17との間の内
側からの溶接が困難であることから、図1(a)のよう
に面板12・13に複数の穴をあけ、それら穴の内周縁
と各フレーム15・17との間を外側から溶接する、い
わゆる栓継手(プラグ継手)をその部分に採用してい
る。
【0025】d) 端梁1の前端にかけわたした端部材1
1は、車両Aの幅方向にいう両端付近に比べて中央付近
を前方に出すような湾曲した形にしている。このように
すると、衝突したとき車両Aに伝わる衝撃を穏やかにす
ることが可能である。衝突時には、端部材11のうち中
央付近のみがまず相手方に当たり、その後、端部材11
や面板12・13等の変形にともなって接触部分がしだ
いに幅方向に広がるため、端梁1は、時間をかけてソフ
トに衝突エネルギーを吸収するからである。
【0026】e) 車両A上の床面に合わせた一定の高さ
位置に端梁1を設けることに加え、図1(c)のよう
に、端部材11の前面に3枚の水平な突出片11aを形
成している。端部材11には溝形鋼を使用しているので
元もと2枚の突出片11a(フランジ)があるが、それ
らの間に1枚を追加して合計3枚にしている。一定の高
さに設けた端梁1の前面にこのように複数の突出片11
aを形成しておけば、車両A同士が衝突したとき、それ
ら突出片11aがいわゆるアンチクライマーとなり、一
方の車両Aが相手方の床面上に乗り上げるのを防止す
る。なぜなら、衝突時には双方の車両Aの突出片11a
が互いに係合することにより、相手方の車両Aにおける
端梁1の上下変位を拘束し合うからである。車両Aの端
梁1同士がこうして衝突し合い、変形中に外れることが
ないとなると、端梁1の変形によって衝突エネルギーの
多くが吸収されることになり、端梁1以外の部分の損壊
を最小限に抑えることが可能になる。
【0027】以上、実施の形態を一つ紹介したが、発明
の実施形態が以上のものに限られるわけでないことはも
ちろんである。たとえば、端梁1における端部材11と
面板12(または面板13)との間は、図3(a)〜
(c)に示す継手W2〜W4によって接続することも可
能である。どの継手W2〜W4も面板12の縁部を櫛歯
形にし、その縁部に沿って外側のみから隅肉溶接を施し
たものではあるが、それぞれの溶接線は、図3(a)の
継手W2においては三角歯状、同(b)の継手W3にお
いては台形歯状、同(c)の継手W4においては円弧歯
状である。いずれの場合にも、従来の直線状の継手W’
(図5を参照)に比べて強度が高く、衝突エネルギーを
多く吸収することができる。なお、以上に紹介した発明
は、車両用端梁以外の箱形構造体として実施することも
可能である。
【0028】
【発明の効果】請求項1に記載した箱形構造体による
と、主たる溶接線の方向と直角の方向に荷重を受けたと
き継手が容易には変形しがたく、破断しにくい。したが
って、変形の際には、この構造体に大きなエネルギーが
吸収される。
【0029】請求項2に記載の箱形構造体によると、継
手の溶接ビードは、継手の両側の部材が全塑性の変形状
態になるまで塑性変形を起こさない。つまり、継手部分
が相当に大きな曲げモーメントに抗し得ることになるの
で、この構造体は、各部材の強度を生かしてとくに高い
エネルギーを吸収し得ることになる。
【0030】請求項3に記載した車両用端梁では、車両
の衝突の際の荷重によって端部材が変形する場合、継手
が簡単には変形や破断を起こさないために端梁が大きな
衝突エネルギーを吸収できる。そしてそのために、端梁
以外の部分に及ぶエネルギーが小さくなって車両の損壊
が軽減される。
【0031】請求項4に記載の車両用端梁を使用する
と、上記のように高い衝突エネルギーを吸収できること
に加え、衝突時の衝撃が穏やかになる請求項5に記載の
車両用端梁ならさらに、車両同士の衝突の際、端梁が相
手方の車両の床上などに乗り上げることがないので、相
手方車両の損壊を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施についての一形態に関する図であっ
て、図4に示す車両Aに取り付けた端梁1などを示すも
のである。図1(a)は平面図、同(b)は同(a)に
おけるb部詳細図、同(c)は同(a)におけるc−c
断面図である。
【図2】図1の端梁1における継手W1の詳細図であ
る。図2(a)は平面図、同(b)は同(a)における
b−b断面図、同(c)はその継手W1が曲げモーメン
トを受けた場合の変形状態を示す断面図、そして同
(d)は、継手W1についての変形量δと、その変形を
受けたときの継手W1の反力Pとの関係を示す線図であ
る。
【図3】図3(a)・(b)・(c)のそれぞれは、発
明の他の実施形態における継手W2・W3・W4を示す
図である。
【図4】鉄道車両の先頭部における構体構造を示す斜視
図である。
【図5】従来の端梁1’と継手W’とを示す図であっ
て、図5(a)はその端梁1’の鉛直断面図、同(b)
は同(a)におけるb−b矢視図、同(c)は同(a)
におけるc部詳細図、同(d)は継手W’が曲げモーメ
ントを受けた場合の変形状態を示す断面図、同(e)は
継手W’が破断した状態の端梁1’を示す断面図、そし
て同(f)は、継手W’についての変形量δと反力Pと
の関係を示す線図である。
【符号の説明】
1 端梁(箱形構造体) 11 端部材 12・13 面板(板、部材) A 車両 W1・W2・W3・W4 継手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−292258(JP,A) 特開 平7−335169(JP,A) 特公 昭53−30119(JP,B2) 実公 昭45−30172(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61F 5/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側のみからの片側溶接の重ね継手を含
    み、その継手における主たる溶接線の方向が荷重の作用
    方向と直角になる箱形構造体であって、 上記の継手において外側に重ねられる部材の縁部が櫛歯
    形に形成され、その櫛歯形の縁部に沿って溶接が施され
    ていることを特徴とする箱形構造体。
  2. 【請求項2】 上記の荷重によって上記継手における一
    方の部材の全塑性曲げモーメントが主たる溶接線の方向
    と直角な面内で発生するときも、溶接ビードに生じる応
    力が降伏点に達しないように、上記縁部における櫛歯の
    深さとピッチとが定められていることを特徴とする請求
    項1に記載の箱形構造体。
  3. 【請求項3】 車両の前方または後方の端部に幅方向に
    かけわたされる端部材と、その端部材の上下面に重ねら
    れる板とが、外側のみから片側溶接された重ね継手を介
    して一体化された車両用端梁であって、 端部材に重ねられる各板の縁部が櫛歯形に形成され、そ
    の櫛歯形の縁部に沿って溶接が施されていることを特徴
    とする車両用端梁。
  4. 【請求項4】 上記の端部材について、車両の幅方向に
    いう両端付近に比べて中央付近が前方に出ていることを
    特徴とする請求項3に記載の車両用端梁。
  5. 【請求項5】 車両上の一定の高さに設けられていて、
    上記端部材の前面に2枚以上の水平な突出片が形成され
    ていることを特徴とする請求項3または4に記載の車両
    用端梁。
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