JP3015189U - 家庭用ごみ処理機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高周波電流が流される誘導コイルの作用に基
づき、生ごみを含む可燃ごみを、殆ど粉末状態とするよ
うな脱水乾燥化を成すようにした新規の家庭用ごみ処理
機の提供を図ったものである。 【構成】 ごみ収容用容体１の内壁寄りに收装した誘導
コイル３の内部に、絶縁材料で製した内部容体４を位置
させ、更に、当該内部容器４の中心部に、高速で回転し
かつ金属材料で製した回転スクリュー５を立設すると共
に、当該回転スクリュー５を前記誘導コイル３に依る誘
導加熱がなされるように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、高周波電流が流される誘導コイルの作用に基づき、生ごみを含む可 燃ごみを、殆ど粉末状態とするような脱水乾燥化を成すようにした家庭用ごみ処 理機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、生ごみを含む可燃ごみを家庭内で処理する場合、穴を掘って火による燃 焼化を図るか、或いは、土中に埋めて腐敗化を図ること通例とした。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記したように火で燃やす場合、生ごみは約９０％は水分であり、従って、こ れの燃焼は著しく困難であり、紙等の可燃物質と一緒に燃やさない限り、これの 燃焼を図ることは困難とされた。そして、このような形態での燃焼を図っても、 粉末状とするような完全燃焼を図ることは殆ど不可能とした。

【０００４】 また、重油等に基づく焼却炉の利用も考えられるが、これは極めて大規模な物 とされ、大型レストランの業務用、または、団地等の共同使用としては良いが、 その管理の煩雑性、並びに、燃焼に伴う煙や悪臭の発生と言う点から、一般家庭 で個々に使用するものとしては、極めて不適当である。

【０００５】 更に、前記した、土中に埋めて腐敗化を図る場合は、その処理に長期間を要す るばかりでなく、埋めるための広い庭を所有していなければならないと言うよう な制約性が伴うものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ごみ収容用容体１の内壁寄りに收装した誘導コイル３の内部に、絶 縁材料で製した内部容体４を位置させることによって、当該誘導コイル３を絶縁 状態で隠蔽し、更に、当該内部容器４の中心部に、高速で回転しかつ金属材料で 製した回転スクリュー５を立設すると共に、当該回転スクリュー５を前記誘導コ イル３に依る誘導加熱がなされるように構成し、これに依り、上記のような従来 の問題点を解消したものである。

【０００７】

【作用】

容体１内に収容された家庭用ごみは、高速で回転するスクリュー５により撹拌 されることと成る。 そして、高周波電流発生装置を介して誘導コイル３に対し て高周波電流を流せば、当該誘導コイル３に磁力線が発生され、回転スクリュー ５を発熱させる。 これに依り、容体１内に収容されたごみは、当該スクリュー ５に依る高速撹拌に伴い、粉砕化されると同時に加熱させられ、その含有水分に 対する蒸発除去処理が奏され、当該処理後のごみは殆ど粉末状に転化させること となる。

【０００８】

【実施例】

図１乃至図３において、１は断熱性材料で製したごみ収容用容体であって、そ の上面開口部は開閉自在な蓋体２に依って閉蓋してある。そして、当該容体内１ に対するごみ収容は蓋体２を開蓋して行うようになっている。 なお、当該蓋は 密閉蓋ではなく、燃焼のための空気の流入が妨げられないような形態に構成して ある。

【０００９】 ３は上記した容体１の内壁寄りに收装した誘導コイルであって、高周波発生装 置（図示してない）を介して高周波電流を流すことに依り、その内部に位置する 金属物体である後記回転スクリュー に誘導加熱作用を奏させるためのものであ る。 なお、当該誘導コイル３に流す高周波であるが、これは１キロヘルツから ４００キロヘルツと言うように、乾燥対象物の量に基づき適宜設定される。

【００１０】 ４は絶縁材料で製した内部容体であって、上記した誘導コイル３の内部に位置 させることによって、当該誘導コイル３の絶縁状態での隠蔽化が図られている。

【００１１】 ５は上記した内部容器４の中心部に回転自在に立設した高速回転スクリューで あって、金属材料に依って形成してある。 そして、当該回転スクリュー５は、 ごみに対する粉砕処理を行うと同時に、上記したように誘導コイル３に依って誘 導加熱されるように構成してある。 換言すると、当該回転スクリュー５は、こ れを高周波に基づく誘導加熱の対象、すなわち、被加熱物とするものであり、従 って、これを金属材料で形成することは必須要件とする。 ６は回転スクリュー ５を高速回転させるための駆動用モータである。

【００１２】 ところで、高周波に依る誘導加熱であるが、これの大きな特徴は被加熱物自身 が自ら発熱することにある。 すなわち、金属材料で製した適宜被加熱金属物体 を誘導コイル内に位置させると共に、当該コイルに高周波電流を流した場合、誘 導コイルに依って発生した磁力線が被加熱金属物体中を貫通する。 この際、被 加熱金属物体中にはその磁力線変化を阻止しようとする電気的力が作用し、被加 熱金属物体中にコイル電流と逆方向の電流が誘起される。 このような作用を電 磁誘導作用と言い、当該電磁誘導作用時に誘起した誘導電流が被加熱金属物体中 を流れ、その抵抗損失のために発熱作用を起こすことと成る。 そして、このように電気的エネルギを熱エネルギーに返還し利用する方法を誘 導加熱と称されている。 本考案はこのような高周波に依る誘導加熱を利用した ものである。

【００１３】 ７はごみ収容用容体１の胴部中央位置に設けた排気筒であって、これに付設し たファン８により加熱されたごみから発生する水蒸気の排出を行なうためのもの である。 なお、当該排気に基づき、蓋体２部分からの空気流入の促進化も図ら れる。

【００１４】 ９はごみ収容用容体１の胴部下方位置に設けた排水筒であって、生ごみ等から 生じる水分を排出するためのものである。

【００１５】 図１に示す状態において、容体１内に収容された家庭用ごみは、高速で回転す るスクリュー５により撹拌粉砕されることと成る。

【００１６】 一方、高周波電流発生装置を介して誘導コイル３に対して高周波電流を流せば 、当該誘導コイル３に磁力線が発生され、従って回転スクリュー５が発熱するこ ととなる。 従って、容体１内に収容されたごみは、当該スクリュー５に依る高 速撹拌に伴い、粉砕化と同時に加熱させられ、その含有水分に対する蒸発除去作 用が奏されることとなる。 また、スクリュー５とごみとはその接触の良性（接 触面積が広い）に基づき、ごみに対する極めて良好なる加熱脱水作用が奏される 。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は、断熱性材料で製したごみ収容用容体１の内壁寄りに收装した誘導コ イル３の内部に、絶縁材料で製した内部容体４を位置させることによって、当該 誘導コイル３を絶縁状態で隠蔽し、更に、当該内部容器４の中心部に、高速で回 転しかつ金属材料で製した回転スクリュー５を立設すると共に、当該回転スクリ ュー５を前記誘導コイル３に依る誘導加熱がなされるように構成したから、容体 １内に収容した家庭用ごみに対する極めて良好なる乾燥処理が施されることと成 る。

【００１８】 すなわち、回転スクリュー５が発熱面とされるため、乾燥対象物は発熱面に直 接接触かつ包まれた状態となり、当該回転スクリュー５は高速で回転するもので あるから、温度むらが生じることなく極めて均一なる乾燥処理が施されることと 成る。

【００１９】 請求項２に記載のように、ごみ収容用容体１の胴部中央位置に、ファン８を具 えた排気筒７を設けるように構成することに依って、加熱に伴い発生する水蒸気 の積極的排出が図られる。 従って、乾燥処理作用が極めて促進されることと成 る。

【００２０】 請求項３に記載にように、ごみ収容用容体１の胴部下方位置に排水筒９を設け るように構成することに依り、生ごみから発生する水分を蒸発させる前に除去す ることが出来る。 従って、乾燥の迅速化に大きく貢献することと成る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の縦断正面図である。

【図２】図１におけるＸ−Ｘ線断面図である。

【図３】本考案の平面図である。

【符号の説明】

１ ごみ収容用容体 ２ 蓋体 ３ 誘導コイル ４ 内部容体 ５ 回転スクリュー ６ 駆動用モータ ７ 排気筒 ８ ファン ９ 排水筒

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ごみ収容用容体(１)の内壁寄りに收装し
   た誘導コイル(３)の内部に、絶縁材料で製した内部容体
   (４)を位置させることによって、当該誘導コイル(３)を
   絶縁状態で隠蔽し、更に、当該内部容器(４)の中心部
   に、高速で回転しかつ金属材料で製した回転スクリュー
   (５)を立設すると共に、当該回転スクリュー(５)を前記
   誘導コイル(３)に依る誘導加熱がなされるように構成し
   たことを特徴とする家庭用ごみ処理機。
2. 【請求項２】 ごみ収容用容体(１)の胴部中央位置に、
   ファン(８)を具えた排気筒(７)を設けて成る請求項１に
   記載の家庭用ごみ処理機。
3. 【請求項３】 ごみ収容用容体(１)の胴部下方位置に排
   水筒(９)を設けて成る請求項１または請求項２に記載の
   家庭用ごみ処理機。