JP3015176U - 物干し具用カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】物干し具をできるだけ屋外に置いて洗濯物を干
すことができるようにする物干し具用カバーを提供す
る。 【構成】洗濯ばさみが複数繋がれたフレームをフックで
吊るすようにしてなる物干し具に用いるカバーであっ
て、前記物干し具により干された洗濯物を底部が開放し
たスカート状にて包囲するシート状の側方包囲体と、こ
の側方包囲体を前記物干し具に取り付けるための取付手
段とを備える。また、前記取付手段を、前記側方包囲体
に連続して前記フレームの上方を前記フックを通すため
の開口を残して覆うシート状の上方被覆体とすることが
できる。更に、前記開口を前記フレームを通過させ得る
程度まで伸縮自在とすることができる。更にまた、前記
側方包囲体が非透水性を有する外皮材と通気性を有する
内皮材とを重ね合わせたものであってもよい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は物干し具用カバー、特に洗濯ばさみが複数繋がれたフレームをフック で吊るすようにしてなる物干し具に供するカバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、洗濯物を干す際、洗濯ばさみが複数繋がれたフレームを洗濯物と共 にフックで吊るすようにした物干し具が一般的に利用されている。かような物干 し具にて洗濯物をベランダ等の屋外に干す場合、屋内に干す場合に比べ風通しが 良く洗濯物が早く乾き、日光の紫外線により洗濯物が殺菌される等の利点が得ら れる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、洗濯物が雨に濡れる恐れがある場合は物干し具を屋内に置いて 洗濯物を干しているのが現況であり、それ以外にも例えば、女性用肌着の外部に 対する露出を防ぐ場合やスギ花粉の洗濯物への付着を防ぐ場合等において物干し 具は屋内に置かれる。この場合、上述した風や紫外線による利点が得られないば かりか、屋内の湿度が上昇したり洗濯物の量によっては甚だ邪魔になる等の弊害 がある。

【０００４】 本考案は以上の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、物干し具をでき るだけ屋外に置いて洗濯物を干すことができるようにする物干し具用カバーを提 供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るカバー（以下、本カバーと称する。）は、洗濯ばさみが複数繋が れたフレームをフックで吊るすようにしてなる物干し具に対して用いるものであ り、上記目的を達成する手段として、前記物干し具により干された洗濯物を底部 が開放したスカート状にて包囲するシート状の側方包囲体と、この側方包囲体を 前記物干し具に取り付けるための取付手段とを備える。

【０００６】 ここで、スカート状とは略筒形状を意味し、この筒形の水平断面は長円を含む 円形状若しくは矩形状とされるが、フレームの形状に応じて上記水平断面をフレ キシブルに変えられるものであってもよい。また、上記水平断面が上方から下方 にかけて次第に拡大していても略一定であってもよい。

【０００７】 また、シート状とは薄肉板状若しくは生地状を意味する。

【０００８】 本考案における側方包囲体は、非透水性を有するか若しくは通気性を有するよ う作製される。

【０００９】 ここで、非透水性とは雨を通過させない性質であり、この性質を具備すればス ギ花粉も通さない。材質例としては雨傘等に用いられるビニール等の合成樹脂や ナイロン等の合成繊維を挙げることができ、これを不透明なものとすれば洗濯物 を外部に対し遮蔽する目隠し機能も備わる。

【００１０】 また、通気性とは空気を通過させる性質であり、この性質は穿孔を設けたり所 望な繊維をレース編みにする等して得ることができる。なお、側方包囲体が通気 性を有する場合、雨やスギ花粉を避けることは期待できないものの、洗濯物の乾 きは遅くならない。なお、目隠し機能は併有可能である。

【００１１】 更に、取付手段はフレームに掛け止めるカギ状の部材やフレームをループ状に 巻いてボタンやマジックテープ等で止める帯片等の既知の多様な常套手段を含む が、この取付手段を、前記側方包囲体に連続して前記フレームの上方を前記フッ クを通すための開口を残して覆うシート状の上方被覆体とすることができる。

【００１２】 ここで、側方包囲体に連続してとは、側方包囲体が上方被覆体と一体不可分で なくとも本カバーの使用時に側方包囲体が上方被覆体に連結されていればよい趣 旨である。

【００１３】 また、上方被覆体と側方包囲体とは明確に区別される必要はなく、この場合、 フレームの上方に来る部分が上方被覆体となる。

【００１４】 更に、上方被覆体の材質は特に限定されるものではないが、側方包囲体が非透 水性を有するものである場合、上方被覆体も非透水性を有するものとして、雨避 けを確実にする。

【００１５】 本考案では、前記側方包囲体と前記上方被覆体とを連結手段を介在して分離可 能とすることができる。

【００１６】 ここで、連結手段の具体例としてジッパー、ホック、ボタン、マジックテープ 等を挙げることができ、側方包囲体と上方被覆体とを分離可能とすることにより 、不必要時における側方包囲体の取外しが容易となる。

【００１７】 また、本発明では、前記上方被覆体における前記開口を前記フレームを通過さ せ得る程度まで伸縮自在とすることができる。この具体的手段としては、開口を 規定する上方被覆体における縁部にゴム紐を通したり、この縁部を巾着状に紐で くくるようにする。このようにすれば、フックから吊り下げられている物干し具 をそのままにして広げた開口から本カバーを取り付けることができる。

【００１８】 更に、本考案では、前記側方包囲体の少なくとも一部を開閉自在とすることが できる。この具体的手段としては、側方包囲体の一部をジッパー、ホック、ボタ ン、マジックテープ等を介して所望により取り去ることができるようにする。こ れにより、非透水性を有する側方包囲体の一部に通気性を付与することができる 。

【００１９】 更にまた、本考案のカバーは、前記側方包囲体を非透水性を有する外皮材と通 気性を有する内皮材とを重ね合わせたものとすると共に前記上方被覆体の少なく とも一部を非透水性を有するものとし、且つ、前記外皮材の少なくとも一部を開 閉自在とすることができる。

【００２０】 ここで、外皮材と内皮材とはそれぞれ本考案に包含されるものであってもよく 、また、重ね合わせる態様としては、単に別個のものを重ね合わせる以外に、内 皮材上に外皮材を一部剥離自在にて一体的に貼着するようにしてもよい。

【００２１】 かような構成とした本カバーでは、非透水性とすることで失われる通気性を部 分的に獲得できる。よって、例えば物干し具にて洗濯物を軒下等に干す場合であ って、本カバーの一方には雨が当たるものの他方には全く雨が当たらないような 場合、後者側にて外皮材の一部を内皮材から取り去ることにより、雨避け及び風 通しの両方を享受することができる。

【００２２】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。

【００２３】 図１は物干し具１に用いる本考案に係るカバー１０を示す斜視図である。この カバー１０は、上方の開口１３からこの開口１３より大きく開放させた底部１４ へと緩やかに拡径するスカート状すなわち略筒形シート状のものであり、合成繊 維あるいは合成樹脂から非透水性を有するよう形成される。なお、物干し具１に は複数の洗濯ばさみ２、円形状のフレーム３及び懸吊用のフック４が備わる。

【００２４】 カバー１０の使用に際しては、まず、洗濯物（図示せず）を洗濯ばさみ２に挟 ませた物干し具１を底部１４からカバー１０内に導入し、次いで、フック４を開 口１３から露出させる。なお、フレーム３は破線３’で示される位置につっかえ て止まる。よって、カバー１０における破線３’から下方が洗濯物を側方から取 り囲む側方包囲体１１となり、破線１’より上がフレーム３を上方から覆う上方 被覆体１２となる。なお、上方被覆体１２は取付手段としてカバー１０（側方包 囲体１１）を物干し具１に取り付ける役割を果たす。カバー１０の取付け後、物 干し具１はフック４から通常通り吊り下げられ洗濯物が干される。この際、カバ ー１０は洗濯物に対する雨避け及びスギ花粉の付着防止として機能する。また、 カバー１０を不透明なものとすれば、洗濯物を外部から遮蔽することができるた め、女性用肌着の目隠しとなる。更に、カバー１０を紫外線を透過可能なものと すれば、紫外線による洗濯物の殺菌効果を損ねることはない。

【００２５】 また、開口１３を規定する縁部にゴム紐を通したりあるいは縁部を巾着状に紐 でくくり得るようにして、フレーム３を通過させ得る程度まで伸縮自在とするこ とができる。この場合、既にフック４から吊り下げられている物干し具１に対し 、開口１３を広げ、ここに洗濯物やフレーム３を通した後、開口１３をフック４ の基端に向かって狭めるようにしてカバー１０を簡易に取り付けることができる 。

【００２６】 なお、カバー１０はフレーム４が矩形状であっても、また、フレーム４の大き さに多少違いがあってもフレキシブルに対応するようしなやかに作製される。

【００２７】 図２は、本考案の第２実施例であるカバー２０を示す斜視図である。このカバ ー２０は上方被覆体を備えておらず、レース編みにて通気性を付与された側方包 囲体２１のみからなり、その上端辺２３に複数設けた取付手段としてのカギ部材 ２２を物干し具１のフレーム３に引っ掛けて使用する。なお、カバー２０はしな やかなものであり、図２においては円筒形状に表されるものの、フレーム３の形 状に合わせて角柱筒形状にしたり、不使用時には平坦状に折り畳むこともできる 。 カバー２０の利点は、目隠し機能の他、風通しが良い点である。

【００２８】 また、図３にて示すように、カバー２０を一枚の矩形シート状に展開できるよ うにすれば、大きさがまちまちなあらゆるフレーム３に一致する筒形状にして使 用することができる。この場合、余って重複する側方包囲体２１の一部をマジッ クテープ等で着脱自在に止めるようにしてもよい。

【００２９】 図４は本考案の第３実施例であるカバー３０を示す斜視図である。カバー３０ は、角柱筒形状の側方包囲体３１と角錐形状にて若干隆起した中央部に開口３３ を有する上方被覆体３２とからなり、例示的に矩形状のフレームを有する物干し 具（図示せず）に対応させたものである。また、側方包囲体３１と上方被覆体３ ２とは連結手段としてのファスナー３５を介在して分離可能となる非透水性のも のである。更に、側方包囲体３１は、水平断面コの字形状の左半部３１ａと同形 状の右半部３１ｂとがファスナー３６を介して分離可能とされる。

【００３０】 カバー３０の通常の使用態様はカバー１０と同様である。しかしながら、物干 し具にて洗濯物を軒下等に干す場合、側方包囲体３１の左半部３１ａには雨が当 たるかその恐れがあるが、右半部３１ｂには全く雨が当たる心配がない場合があ り得る。この際、図５の平面図における太実線及び破線にて示されるように、左 半部３１ａを残して右半部３１ｂを取り去ることにより、雨を左半部３１ａ及び 上方被覆体３２で防ぎつつ反対側（３１ｂ）にて風通しを良くすることができる 。

【００３１】 本考案の第４実施例として、カバー２０を下皮材とすると共にカバー３０を上 皮材として重なり合うような態様を挙げることができる。この態様でも一方の側 部（左半部３１ａ）のみ雨が当たるような場合、カバー３０の右半部３１ｂを取 り去って、雨避け及び風通しを共に享受するこができる。

【００３２】 なお、本考案は以上の実施例に限定されることはなく、登録請求の範囲内で種 々な変更や組合せが可能であることを理解されたい。

【００３３】

【発明の効果】

以上述べたように、本考案に係る物干し具用カバーでは、以下のような選択的 な諸効果を奏するため、物干し具を屋内に置いて洗濯物を干さざるおえない場合 が著しく少なくなる。

【００３４】 イ）洗濯物を側方包囲体が取り囲むため、女性用肌着を外部に対し遮蔽すること ができる。

【００３５】 ロ）側方包囲体及び上方被覆体を共に非透水性を有するものして、洗濯物を雨及 びスギ花粉から守ることができる。

【００３６】 ハ）側方包囲体を通気性を有するものとして、風をカバー内に通して洗濯物の乾 きが遅くならないようにすることができる。

【００３７】 ニ）側方包囲体を非透水性を有し一部取外し可能な外皮材と通気性を有する内皮 材との二重構造とし、雨が当たらない側にて外皮材の一部を取り外すことにより 、雨避け及び風通しの両方を享受することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る物干し具用カバーを示す斜視図で
ある。

【図２】本考案の第２実施例を示す斜視図である。

【図３】図２のカバーを展開した状態を示す正面図であ
る。

【図４】本考案の第３実施例を示す斜視図である。

【図５】図４を上から見た説明図である。

【符号の説明】

１ 物干し具 ２ 洗濯ばさみ ３ フレーム ４ フック １０，２０，３０ カバー １１，２１，３１ 側方包囲体 １２，３２ 上方被覆体 １３，３３ 開口 １４ 底部 ３１ａ 左半部 ３１ｂ 右半部 ３５，３６ ファスナー

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯ばさみが複数繋がれたフレームをフ
   ックで吊るすようにしてなる物干し具に用いるカバーで
   あって、前記物干し具により干された洗濯物を底部が開
   放したスカート状にて包囲するシート状の側方包囲体
   と、この側方包囲体を前記物干し具に取り付けるための
   取付手段とを備えることを特徴とする物干し具用カバ
   ー。
2. 【請求項２】 前記取付手段が、前記側方包囲体に連続
   して前記フレームの上方を前記フックを通すための開口
   を残して覆うシート状の上方被覆体である請求項１に記
   載の物干し具用カバー。
3. 【請求項３】 前記側方包囲体と前記上方被覆体とが連
   結手段を介在して分離可能となる請求項２に記載の物干
   し具用カバー。
4. 【請求項４】 前記開口が前記フレームを通過させ得る
   程度まで伸縮自在となる請求項２に記載の物干し具用カ
   バー。
5. 【請求項５】 前記側方包囲体及び前記上方被覆体が非
   透水性を有するものである請求項２乃至請求項４のいず
   れかに記載の物干し具用カバー。
6. 【請求項６】 前記側方包囲体の少なくとも一部が開閉
   自在となる請求項５に記載の物干し具用カバー。
7. 【請求項７】 前記側方包囲体が通気性を有するもので
   ある請求項１に記載の物干し具用カバー。
8. 【請求項８】 前記側方包囲体が非透水性を有する外皮
   材と通気性を有する内皮材とを重ね合わせたものである
   と共に前記上方被覆体の少なくとも一部が非透水性を有
   するものであり、前記外皮材の少なくとも一部が開閉自
   在となる請求項２に記載の物干し具用カバー。