JP3014739B2 - 走行体の離脱方法 - Google Patents

走行体の離脱方法

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JP3014739B2 JP2291105A JP29110590A JP3014739B2 JP 3014739 B2 JP3014739 B2 JP 3014739B2 JP 2291105 A JP2291105 A JP 2291105A JP 29110590 A JP29110590 A JP 29110590A JP 3014739 B2 JP3014739 B2 JP 3014739B2
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茂男 広瀬
石川島播磨重工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は磁気吸着車輪を備えた走行体の離脱方法に関
するものである。
[従来の技術] 例えば磁性体である鋼板により構成したタンク壁面等
の溶接検査を行うために、走行体に種々の機器を搭載し
た壁面移動ロボットが用いられるが、該壁面移動ロボッ
トは、壁面を自由に移動するため、壁面に吸着して転動
し得る磁気吸着車輪を備えている。
この壁面移動ロボットで所定の作業を行なったのち、
壁面移動ロボットを壁面から撤去するときには、壁面に
吸着している前記磁気吸着車輪を壁面から引き離す必要
がある。
第3図に走行体として壁面移動ロボット1が示されて
おり、該壁面移動ロボット1は、台車2の両側に台車2
前後方向へ所定の間隔を置き、かつ台車2前後方向へ転
動可能に設けた磁気吸着車輪3を備え、この磁気吸着車
輪3により磁性体である壁面4へ吸着して自由に移動で
きるように形成されている。
壁面移動ロボット1を壁面4から離脱させる場合に
は、作業員が台車2と前記壁面4との間のクリアランス
Sに、L字状に曲げた梃子棒5を、その先端5aが移動ロ
ボット1の台車2下面に当たり、かつ梃子棒5の屈曲部
5bが壁面4に当たるように挿入し、前記梃子棒5の先端
5aが屈曲部5bを中心に壁面4から離れる方向へ動くよ
う、梃子棒5を入力でこじることによって、磁気吸着車
輪3を壁面4から引き離し、他の作業員が台車2を手で
保持しつつ引張って壁面移動ロボット1を壁面4から離
脱させている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前述の壁面移動ロボット1を壁面4か
ら離脱させる方法では、全ての作業を人力に頼っている
ため、磁気吸着車輪3の吸着力が増加するのに伴い、離
脱作業が困難となり作業の危険性が増大するという問題
がある。
本発明は上述の実情に鑑み、走行体を壁面から容易且
つ安全に離脱させるようにすることを目的としてなした
ものである。
[課題を解決するための手段] 本発明の走行体の離脱方法は、磁性体の面に、一端が
該磁性体の面に連なり他端が磁性体の面から離れる傾斜
面を備えたくさび状の非磁性離脱治具をマグネットホル
ダを用いてセットし、磁気吸着車輪を備えた走行体の走
行方向前方に位置する磁気吸着車輪のうち少くとも左右
一側の車輪を前記非磁性離脱治具の傾斜面に沿い磁性体
の面から離れる方向へ転動させ、走行体走行方向前方の
磁気吸着車輪が前記磁性体の面から所定距離離れたら非
磁性離脱治具の傾斜面に支持されている前記磁気吸着車
輪を当該傾斜面から離脱させ、次いで前記走行体の走行
方向後方に位置する磁気吸着車輪のうち、走行体の走行
方向前方において非磁性離脱治具の傾斜面から離脱され
た磁気吸着車輪と左右同一側の磁気吸着車輪を、前記非
磁性離脱治具の傾斜面に沿い磁性体の面から離れる方向
へ転動させ、走行体走行方向後方の磁気吸着車輪が前記
磁性体の面から所定距離離れたら非磁性離脱治具の傾斜
面に支持されている走行体走行方向後方の磁気吸着車輪
を当該傾斜面から離脱させるものである。
[作用] 従って、本発明では、磁性体の面上の任意の場所に傾
斜面を備えた非磁性離脱治具をセットし、しかる後、前
記傾斜面上へ走行体の所定の磁気吸着車輪を導いて傾斜
面に沿い磁性体の面から離れる方向へ前記磁気吸着車輪
を転動させ、磁気吸着車輪を磁性体の面から所定の距離
だけ離し、磁気吸着車輪の磁性体に対する吸着力を弱め
る。従って、本発明では走行体を磁性体から容易且つ安
全に離脱させることができ、又磁性体の面から磁気吸着
車輪までの、磁性体の面に対して直交する方向の距離を
調整して磁気吸着車輪の磁性体面に対する吸着力を適正
な力に調整できるため、磁気吸着車輪を磁性体の面から
離脱させる作業を小人数による僅かな力で行うことがで
きて省人化が可能であり、しかも1種類の非磁性離脱治
具があれば、吸着力の異なる多種類の磁気吸着車輪に適
用でき、保守、管理が容易となるため経済的である。
更に、本発明では、非磁性離脱治具をマグネットホル
ダを用いて磁性体の面にセットできるうえ、必らずしも
全車輪を非磁性体の傾斜面に転動させる必要がないた
め、走行体の磁性体の面に対する離脱を更に容易且つ迅
速に行うことができる。
[実 施 例] 以下、本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明す
る。
なお、各実施例中、第5図に示すものと同一のものに
は同一の符号が付してある。
第1図および第2図は本発明の第1の実施例である。
本実施例においては、磁気吸着車輪3の幅よりも広い
所定の幅と磁気吸着車輪3の壁面移動ロボット1長手方
向車輪間隔よりも短い長さとを有し、かつ、鋭角状に形
成された一端部6bから所定の高さhを有する他端部6cま
で昇り勾配の傾斜面6aとなるくさび状の離脱治具6を、
非磁性体(例えばアルミニューム、ステンレス等)によ
り形成する。そして、該離脱治具6の高さhは、磁気吸
着車輪3が離脱治具6の傾斜面6aに乗った際に、磁気吸
着車輪3の壁面4に対する磁力(吸着力)が減少して作
業員が壁面移動ロボット1を壁面4から離脱させるに何
等支障の生じない高さとする。
前記離脱治具6を壁面4に着脱自在に取り付けるた
め、離脱治具6の所定の高さhを有する他端部6c近くの
幅方向両側に、マグネットホルダ7を小ネジ8により固
定する。そして、壁面4に接する前記マグネットホルダ
7の下面と離脱治具6下面とが略同一面となるよう形成
する。
壁面移動ロボット1を壁面4から離脱させるに際して
は、先ず2台の離脱治具6を、壁面4の任意の位置にマ
グネットホルダ7を吸着させることにより、壁面移動ロ
ボット1の左右の磁気吸着車輪3の幅方向間隔にあわ
せ、所定の間隔を置き互いに平行にセットする。
その後、壁面移動ロボット1を走行させて離脱治具6
を一端部6b側へ誘導し、壁面移動ロボット1の前面の磁
気吸着車輪3を離脱治具6の一端部6b側から傾斜面6aへ
乗り上げ、さらに所定高さhを有する他端部6c側へ転動
させると、該磁気吸着車輪3が壁面4から所定の距離を
隔てるようになり、磁気吸着車輪3の壁面4に対する吸
着力が弱まるので、作業員が壁面移動ロボット1の台車
2を手で持ち引張ることにより離脱治具6に乗り上げて
いる磁気吸着車輪を壁面4から離脱させる。
そして、台車2の前面を入力で保持しながら、壁面移
動ロボット1を前進させることにより、壁面移動ロボッ
ト1の後方の磁気吸着車輪3を離脱治具6の一端部6b側
から傾斜面6aへ乗り上げ、さらに所定高さhを有する他
端部6c側へ転動させ、前述の壁面移動ロボット1前面の
磁気吸着車輪3と同様に、壁面移動ロボット1の後方の
磁気吸着車輪3を壁面4から離脱させる。
本発明の実施例においては、壁面ロボット1を容易且
つ安全に壁面4から離脱させることができ、又壁面4か
ら磁気吸着車輪3までの高さh方向の距離を調整して磁
気吸着車輪3の吸着力を適正な力に調整できるため、磁
気吸着車輪3を壁面4から離脱させる作業を小人数によ
る僅かな力で行うことができて省人化が可能であり、し
かも1種類の離脱治具6があれば、吸着力の異なる多種
類の磁気吸着車輪3に適用でき、保守、管理が容易とな
るため経済的である。
更に、本発明の実施例では、離脱治具6をマグネット
ホルダ7を用いて壁面4にセットできるため、壁面移動
ロボット1の壁面4に対する離脱を且つ迅速に行うこと
ができる。
なお、本発明の実施例では、2台の離脱治具を所定の
間隔を置き平行にセットした場合について説明したが、
磁気吸着車輪が有する磁力の強さによっては、1台の離
脱治具のみでも壁面移動ロボットを壁面から離脱させる
ことができること(この場合には、離脱治具の壁面に対
する着脱を容易且つ迅速に行うことができると共に、1
台の離脱治具によって左右片側の磁気吸着車輪を離脱さ
せれば良いため移動ロボットの壁面からの離脱を更に容
易且つ迅速に行うことができる)、その他、本発明の要
旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るこ
と、等は勿論である。
[発明の効果] 以上説明したように本発明の走行体の離脱方法によれ
ば、下記のごとき種々の優れた効果を奏し得る。
(I) 磁性体面上に傾斜面を備えた非磁性離脱治具を
セットし、走行体の磁気吸着車輪を前記傾斜面に沿い転
動させることにより、磁気吸着車輪が磁性体面から次第
に離れるようにしたので磁気吸着車輪の吸着力を適正に
調整でき、従来の梃子棒で走行体をこじあげる方法に比
べ、僅かな力で容易に、磁気吸着車輪を磁性体面から離
脱させることができる。
(II) 従って、磁性体面から走行体を離脱させる作業
を、小人数で安全に行うことができ、省人化が可能とな
る。
(III) 1種類の非磁性離脱治具により吸着力の異な
る多種類の磁気吸着車輪に対応することができるため、
保守、管理が容易となって経済的である。
(IV) 非磁性離脱治具をマグネットホルダを用いて磁
性体の面にセットできるうえ、非磁性離脱治具を左右の
うち片側一方だけにし、必らずしも全車輪を非磁性体の
傾斜面に支持させるようにしなくても良いため、走行体
の磁性体の面に対する離脱を更に容易且つ迅速に行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の走行体の離脱方法の一実施例の側面
図、第2図は第1図のII−II方向矢視図、第3図は従来
の走行体の離脱方法の一例の側面図である。 図中、1は壁面移動ロボット(走行体)、3は磁気吸着
車輪、4は壁面(磁性体)、6は離脱治具(非磁性離脱
治具)、6aは傾斜面を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 外山 良成 東京都江東区豊洲3丁目1番15号 石川 島播磨重工業株式会社東京第二工場内 (72)発明者 小林 研吾 東京都江東区豊洲3丁目1番15号 石川 島播磨重工業株式会社東京第二工場内 (56)参考文献 実開 昭62−51001(JP,U) 特公 昭54−21637(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 57/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性体の面に、一端が該磁性体の面に連な
    り他端が磁性体の面から離れる傾斜面を備えたくさび状
    の非磁性離脱治具をマグネットホルダを用いてセット
    し、磁気吸着車輪を備えた走行体の走行方向前方に位置
    する磁気吸着車輪のうち少くとも左右一側の車輪を前記
    非磁性離脱治具の傾斜面に沿い磁性体の面から離れる方
    向へ転動させ、走行体走行方向前方の磁気吸着車輪が前
    記磁性体の面から所定距離離れたら非磁性離脱治具の傾
    斜面に支持されている前記磁気吸着車輪を当該傾斜面か
    ら離脱させ、次いで前記走行体の走行方向後方に位置す
    る磁気吸着車輪のうち、走行体の走行方向前方において
    非磁性離脱治具の傾斜面から離脱された磁気吸着車輪と
    左右同一側の磁気吸着車輪を、前記非磁性離脱治具の傾
    斜面に沿い磁性体の面から離れる方向へ転動させ、走行
    体走行方向後方の磁気吸着車輪が前記磁性体の面から所
    定距離離れたら非磁性離脱治具の傾斜面に支持されてい
    る走行体走行方向後方の磁気吸着車輪を当該傾斜面から
    離脱させることを特徴とする走行体の離脱方法。
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