JP3013998U - 星の自動追尾装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 星の自動追尾装置 【目的】 ＮＴＳＣ信号を利用し、天体望遠鏡用の赤道
儀の位置を自動的に補正することができる星の自動追尾
装置である。 【構成】 モーターで駆動する天体望遠鏡用の赤道儀
（１）にガイド用サブスコープ（２）および、ビデオカ
メラ（３）を取り付ける。サブスコープ（２）およびビ
デオカメラ（３）に任意のガイド星を導入し、星像のＮ
ＴＳＣ信号を得る。ＮＴＳＣ信号の中の星の信号が、水
平、垂直各々の定められた特定の範囲よりずれた場合、
その範囲よりどちらにずれたか検出し信号を出力する。
検出された位置ずれ信号で、赤道儀のコントロール釦
（４）を電気的に制御し、赤道儀を常に正しい位置に補
正する装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は天体望遠鏡用のモーター駆動赤道儀で正確に星を自動追尾する装 置である。

【０００２】

【従来の技術】

従来、専用の冷却ＣＣＤカメラとコンピュータを使用し、直接ＣＣＤイメー ジャーからコンピュータに信号を取り込んで演算処理した後、赤道儀を制御 するものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

これは次のような欠点があった。 （イ）ＣＣＤイメージャーから信号を取り込むのに数秒の時間を要した。 （ロ）リアルタイムで画像が監視できないのでピント合わせに時間がかかっ た。 （ハ）コンピュータを使用するため、操作が複雑であった。 （１）装置全体の値段が数十万円と高価であった。 本考案はこれらの欠点を除くためになされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

モーターで駆動する天体望遠鏡用の赤道儀（１）にガイド用サブスコープ（ ２）および、通常のＮＴＳＣ信号が得られるビデオカメラ（３）を取り付け る。そのビデオカメラより得られた星の信号をモニターテレビ（５）で直接 監視し、ピントを合わせられるようにした。さらに、そのＮＴＳＣ信号から ロジック回路で、位置ずれ信号を検出し、直接道儀を制御するよう構成され た装置のため、操作も簡単で値段も安価にするこてができた。

【０００５】

【作用】

（イ）ビデオカメラより入力されたＮＴＳＣの映像信号（７）は、映像バッ ファ回路（８）、映像出力回路（９）を通り、出力映像信号（１０） として出力される。 （ロ）入力された映像信号（７）の一方は、映像バッファ回路（８）を通り 、同期分離回路（１４）で同期信号が分離される。 （ハ）水平同期信号（２３）は垂直カウンタ（１５）に入り、１／１２８分 周さ垂直１／１２８信号（１６）となり、その後垂直反転回路（１７ ）で反転れて、垂直進み基準信号（１８）となって垂直進み位置検出 回路（１９）に入力される。 （ニ）水平同期信号（２３）は更に、垂直カウンタ（１５）に付けられた垂 直不感帯幅設定スイッチ（２８）により、１／１２８＋ｎ分周され垂 直遅れ基準信号（２４）として垂直遅れ位置検出回路（２５）に入力 される。 （ホ）水平の位置検出用には、４ＭＨｚの水晶発振回路（３０）で得られた ４ＭＨｚ信号（３９）が水平カウンタ（３１）に入り、１／１２８分 周され、水平１／１２８信号（３２）となり、その後水平反転回路（ ３３）で反転されて水平進み基準信号（３４）となって水平進み位置 検出回路（３５）に入力される。 （ヘ）４ＭＨｚ信号（３９）は更に、水平カウンタ（３１）に付けられた水 平不感帯幅設定スイッチ（４４）により、１／１２８＋ｎ分周され水 平遅れ基準信号（４０）として水平遅れ位置検出回路（４１）に入力 される。 （ト）一方、比較用の星の信号は、映像増幅回路（１１）で十分増幅された 後、波形整形回路（１２）を通り、垂直進み位置検出回路（１９）、 垂直遅れ位置検出回路（２５）、水平進み位置検出回路（３５）、水 平遅れ位置検出回路（４１）に各々入力される。 （チ）垂直進み位置検出回路（１９）、垂直遅れ位置検出回路（２５）、水 平進み位置検出回路（３５）、水平遅れ位置検出回路（４１）で検出 された位置ずれ信号は、それぞれ垂直進みフリップフロップ（２１） 、垂直遅れフリップフロップ（２６）、水平進みフリップフロップ（ ３７）、水平遅れフリップフロップ（４２）のセット信号として入力 される。 （リ）垂直進みフリップフロップ（２１）、垂直遅れフリップフロップ（２ ６）水平進みフリップフロップ（３７）、水平遅れフリップフロップ （４２）の位置ずれ信号は、それぞれ垂直進みフォトカプラ（２２） 、垂直遅れフォトカプラ（２７）、水平進みフォトカプラ（３８）、 水平遅れフォトカプラ（４３）に入力される。 （ヌ）ガイドオンスイッチ（４６）をＯＮにすることにより、それぞれの位 置補正信号がフォトカプラで伝達され、赤道儀のコントロール釦（４ ）を電気的に制御する。 （ル）一方、垂直１／１２８信号（１６）と垂直遅れ基準信号（２４）は、 垂直不感帯信号作成回路（２９）に入力され、垂直不感帯信号（２０ ）が作られ、垂直進みフリップフロップ（２１）と、垂直遅れフリッ プフロップ（２６）のリセット信号として供給され、その範囲に星が 入っている時は、位置ずれ信号はリセットされる。 同様に、水平１／１２８信号（３２）と水平遅れ基準信号（４０）は 、水平不感帯信号作成回路（４５）に入力され、水平不感帯信号（３ ６）が作られ、水平進みフリップフロップ（３７）と、水平遅れフリ ップフロップ（４２）のリセット信号として供給される。 （ヲ）垂直不感帯信号（２０）と水平不感帯信号（３６）は映像ＭＩＸ回路 （１３）にも入り映像出力回路（９）からの映像信号と混合され、映 像出力信号（１０）として出力される。 この垂直不感帯信号（２０）と水平不感帯信号（３６）をモニタ ー テレビ（５）で見ることにより、垂直、水平の基準位置および、不感 帯幅を知ることができる。 本考案は以上のような構成で動作する星の自動追尾装置である。

【０００６】

【実施例】

（イ）モーターで駆動する天体望遠鏡用の赤道儀（１）にガイド用サブスコ ープ（２）および、ビデオカメラ（３）を取り付ける。 （ロ）サブスコープ（２）およびビデオカメラ（３）に任意のガイド星を導 入し、モニターテレビ（５）を見てピントを合わせ、星像のＮＴＳＣ 信号を得る。 （ハ）垂直不感帯幅設定スイッチ（２８）と水平不感帯幅設定スイッチ（４ ４）で垂直、水平それぞれの不感帯の範囲を設定する。 （ニ）ガイドオンスイッチ（４６）をＯＮにすることにより、星の位置が、 設定された基準位置よりずれた場合、赤道儀のコントロール釦（４） を電気的に制御して、常に赤道儀（１）の位置を自動補正してくれる 。

【０００７】

【考案の効果】

本考案は、回路が単純なため価格的に安価であり、操作も簡単である。ま た、一般的なＮＴＳＣ信号を採用しているため、通常のテレビでリアルタ イムに映像を見ることができる。そのためピント合わせもすぐにできると いう効果がある。また、本考案は長時間露出を必要とする天体写真撮影の ための星の自動追尾、長時間天体観測の自動追尾、惑星や彗星ように恒星 と異なる動きをする天体の自動追尾、および赤道儀の機械的誤差の補正に 効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案装置全体の構成図である。

【図２】 本考案装置のブロックダイヤグラム図であ
る。

【図３】 本考案装置の回路図である。

【符号の説明】

１ 赤道儀 ２ ガイド用サブス
コープ３ ビデオカメラ ４ 赤道儀コ
ントロール釦５ モニターテレビ ６ 本
考案の自動追尾装置７ ＮＴＳＣ映像信号
８ 映像バッファ回路９ 映像出力回路
１０ 出力映像信号１１ 映像増幅回路
１２ 波形整形回路１３ 映像ＭＩＸ回路
１４ 同期分離回路１５ 垂直カウンタ
１６ 垂直１／１２８信号１７ 垂直反転回路
１８ 垂直進み基準信号１９ 垂直進み位置検出
回路 ２０ 垂直不感帯信号２１ 垂直進みフリッ
プフロップ ２２ 垂直進みフォトカプラ２３ 水平同
期信号 ２４ 垂直遅れ基準信号２５ 垂
直遅れ位置検出回路 ２６ 垂直遅れフリッププフ
ロップ２７ 垂直遅れフォトカプラ ２８ 垂直不
感帯幅設定スイッチ２９ 垂直不感帯信号作成回路
３０ ４ＭＨｚ発振回路３１ 水平カウンタ
３２ 水平１／１２８信号３３ 水平反転回路
３４ 水平進み基準信号３５ 水平進み位置
検出回路 ３６ 水平不感帯信号３７ 水平進みフ
リップフロップ ３８ 水平進みフォトカプラ３９ ４
ＭＨＺ信号 ４０ 水平遅れ基準信号４１
水平遅れ位置検出回路 ４２ 水平遅れフリップ
フロップ４３ 水平遅れフォトカプラ ４４ 水平
不感帯幅設定スイッチ４５ 水平不感帯信号作成回路
４６ ガイドオンスイッチ

【符号と回路図の主要部品との対比説明】８ 映像バッ
ファ回路 ＴＲ１９ 映像出力回路
ＴＲ３１１ 映像増幅回路 ＴＲ２１２ 波
形整形回路 ＩＣ７（１／３）１３ 映像Ｍ
ＩＸ回路 ＴＲ４、ＩＣ１２（１／２）１４
同期分離回路 ＩＣ１１５ 垂直カウンタ
ＩＣ３、ＩＣ５（１／２）、ＩＣ６（１／
２）１７ 垂直反転回路 ＩＣ７（１／６）
１９ 垂直進み位置検出回路 ＩＣ８（１／４）２１
垂直進みフリップフロップ ＩＣ１１（１／４）
２２ 垂直進みフォトカプラ ＰＨ２２５ 垂直遅れ
位置検出回路 ＩＣ８（１／４）２６ 垂直遅れフリ
ップフロップ ＩＣ１１（１／４）２７ 垂直遅れ
フォトカプラ ＰＨ１２８ 垂直不感帯幅設定スイッ
チ ＳＷ１２９ 垂直不感帯信号作成回路 ＩＣ９
（１／４）３０ ４ＭＨｚ発振回路 ＩＣ２（１
／３）３１ 水平カウンタ ＩＣ４、ＩＣ５
（１／２）、ＩＣ６（１／２）３３ 水平反転回路
ＩＣ７（１／６）３５ 水平進み位置検出回路
ＩＣ８（１／４）３７ 水平進みフリップフロップ
ＩＣ１１（１／４）３８ 水平進みフォトカプラ
ＰＨ３４１ 水平遅れ位置検出回路 ＩＣ８（１
／４）４２ 水平遅れフリップフロップ ＩＣ１１
（１／４）４３ 水平遅れフォトカプラ ＰＨ４４４
水平不感帯幅設定スイッチ ＳＷ２４５ 水平不感
帯信号作成回路 ＩＣ９（１／４）４６ ガイドオンス
イッチ ＳＷ３

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】（イ）モーターで駆動する天体望遠鏡用の
   赤道儀（１）にガイド用サブスコープ（２）および、ビ
   デオカメラ（３）を取り付ける。（ロ）サブスコープ
   （２）およびビデオカメラ（３）に任意のガイド星を導
   入し、星像のＮＴＳＣ信号を得る。（ハ）ＮＴＳＣ信号
   の中の星の信号が、水平、垂直各々の定められた特定の
   範囲よりずれた場合、その範囲よりどちらにずれたか検
   出し信号を出力する。（ニ）検出された位置ずれ信号
   で、赤道儀のコントロール釦（４）を電気的に制御し、
   赤道儀を常に正しい位置に補正する。以上のごとく構成
   された星の自動追尾装置。