JP3013429U - 立体駐車装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】小スペースにて設置でき、かつ入出庫の時間を
短縮することのできる立体式の駐車装置を提供する。 【構成】多層の格子状フレームを形成してその前部中央
部に、エレベーター昇降のための昇降路を設けるととも
に、エレベーターケージおよび各層の中央部の前部から
後部に向けてレールを併設し、フレーム前部上方にエレ
ベーターの昇降装置部を設け、左右移動可能なスライド
フレームを有するトラバーサＢをレール上に配置し、ス
ライドフレーム両側に、突起を有するチェーンを回動可
能に設け、レールにコントロールガイドを添設するとと
もに、コントロールガイドに接触しながら移動する複数
個のスライダー２４を設け、フレームで仕切られたスペ
ース内に、側面に凸状部を有するパレットをスライド可
能に設け、電力および制御信号を送るためのコントロー
ルユニットＤと機器とを接続し、コントロールユニット
は多重伝送方式可能な機器・回路にて構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、小スペースにて多数の自動車を収納でき、かつその出入り時間を 短縮することのできる立体式の駐車装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、車（自動車）を多層に収納する立体形式の駐車装置が使用されてい る。これは、車の移動装置部と収納装置部との組み合わせによって車を所定の位 置に出し入れするものであるが、車の移動および出入りは１台ずつ行なうものが 大半であり、本案にて示すように、複数台の車を制御指令によって連続的に移動 可能なものは見当たらない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来から使われている立体駐車装置は、多層に車を収納できるため設置スペー スの効率がよいが、車の出入りに時間を要するのが難点である。 この立体駐車装置には種々のタイプがあるが、その一つはループ状に連続した ゴンドラに車を収容し、出入り時はゴンドラを回転させて所望の車を出入り口に 位置させて入出庫を行なうものである。また他には、車の昇降機能と前後左右移 動機能を組み合わせて入出庫を行なうものがある。 しかし上記装置のいずれもが、車を出入口に移動するのは１台毎であるため、 入出庫にかなりの時間が必要である。 本案は、以上のような従来からの立体駐車装置に関わる課題を解決するために 考案されたものであり、小スペースにて設置でき、かつ車の入出庫に要する時間 を短縮することのできる立体駐車装置を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

課題を解決する手段として、本案は、格子状フレーム内両側にパレットを配置 し、パレット間に位置するトラバーサによって車の前後・左右移動を行ない、フ レーム前方の昇降路内を移動するエレベーターによって上下移動を行なうととも に、エレベーターおよび各トラバーサを各々制御指令によって同時進行可能な構 成とした。すなわち、 （イ）多層の格子状フレームを形成して、その前部中央部にエレベーター昇降の ための昇降路を設け、各層の中央部の前部から後部に向けてレールを併設す る。 （ロ）フレーム前部上方において、モーター等による駆動源およびプーリーを設 けるとともに、昇降路内に位置するケージと、該ケージとバランスウェイト を接続するロープをプーリーを介して設け、以上の構成による昇降装置部を 設ける。 （ハ）その両側に動力によって回動可能なる車輪を軸支した基台を設け、基台中 央にスライドフレームを、左右移動可能に設け、該スライドフレーム両側に スプロケットを軸支させ、このスプロケットにチェーンを係合させ、チェー ン外周適所に突起を設け、以上の構成によるトラバーサを設ける。 （ニ）平板状のパレットを設け、パレット側面下部に凸状部を形成する。 （ホ） レール下面に棒状体によるコントロールガイドを併設するとともに、こ のコントロールガイドに接触しながらトラバーサとともに移動するスライダ ーを設ける。 （ヘ）ケージ下部にレールおよびコントロールガイドを設ける。 （ト）フレームで仕切られた各スペース内にパレットを各々横方向にスライド自 在に設け、フレーム中央部の各層毎にレールを設け、レール上にトラバーサ を配置するとともに、電力および制御信号を発するためのコントロールユニ ットを設け、各駆動源とコントロールユニットを接続する。 （チ）コントロールユニットは多重伝送方式可能な機器・回路にて構成する。 本案は以上の構成による立体駐車装置である。

【０００５】

【作用】

本案を使用するには、まずコントロールユニットから指令を発することが必要 である。この指令によって、エレベーターおよびトラバーサが移動を開始する。 入庫のとき： 指令によってケージは最下点位置に納まり、最下層のトラバーサはレール上を 移動して前方（入り口側）に近付き、ケージ内に入って停止する。このトラバー サへの電力および指令の供給は、レール下部に位置するコントロールガイドより スライダーを経由してトラバーサ内の動力部に伝えられる。ケージ内にトラバー サが乗り込むときは、コントロールガイドは途切れるため、スライダーを２個設 けて、いずれか一方のスライダーがコントロールガイドに接しているかぎり伝達 可能に構成されている。 次に、入庫しようとする車を移動してケージ内のトラバーサ上に位置するパレ ット上に乗せる。このパレットは次のようにしてトラバーサ上に載置される。 所定位置にトラバーサを位置させ、フレーム移動機構によって左右いずれかの方 向へスライドフレームを移動させる。次に、スプロケットを回してチェーンを回 動させると、このチェーン外周に設けられた突起はチェーンとともに回動し、パ レット側面に設けた凸状部に引っ掛かり、そのままパレットはトラバーサ中央に 引き寄せられる。所定位置にパレットが来ると、チェーンを停止させる。このと きフレームも同様に移動して元の位置まで来て停止する。 車を載せたトラバーサはケージより出てレール上を進行し、所定位置に来たと き、パレットを移動させて所望の位置にパレットおよび車を収納する。このとき もで記したようにチェーンが回動して突起と凸状部が当接し、パレットの平行 移動が行なわれる。 以上が入庫時の作動状況である。出庫時は上記と逆の作動によりスムースに車 を出すことができる。 なお、このトラバーサの移動は指令によって多発同時進行される。つまり、入 出庫希望の車が複数台あるときは、指令順にトラバーサが移動を開始する。従っ て、最初の車がケージ内に入ったとき、２番目の指令によるトラバーサも移動し ており、ケージ近傍に待機し、以下指令順に移動しているトラバーサは、その順 に従ってケージよりの位置に移動して待機する。 従来では、希望の車の入出庫が完了してから次の車の入出庫が開始されるため に、待機時間が長くなることが多かったが、本案では連続的に車の移動が行なわ れるので、効率よく入出庫を行なうことができる。

【０００６】

【実施例】

以下、本案の実施例について説明する。 図において、１はフレームで鋼材を格子状に形成したもので、前部を一段高く 設けている。この前部中央は、エレベーター昇降のための昇降路として空隙が設 けられている。２は車を搭載して昇降するケージ、３はフレーム前部上方に軸支 されるプーリー、４はバランスウエイト、５はケージとバランスウエイトに固定 されるロープである。 図４に示すように、ケージに固定されたロープはプーリーを介してバランスウ エイトに固定される。そして、フレーム前部上方には、エレベーター（ケージ） 駆動のための駆動源（モーター、ギアＢｏｘの組み合わせ）が設置され、この駆 動源によってプーリーが回動してケージを昇降させる。以上のケージ〜駆動源に よって昇降装置部（Ａ）が構成されている。 図７〜図８はトラバーサ（Ｂ）を示す。 １０は長方形状の基台で、その中央部に幅広の凹部分を設けている。 １１は車輪で、基台両側に軸支されている。１２はスライドフレームで、基台 の凹部内に収容される形状・サイズの枠体であり、このスライドフレーム両側面 にはスプロケット１３が軸支され、チェーン１４がスプロケットに係合されてい る。このチェーンの外周には、突起１５が取付けられる。 また、スライドフレーム中央下部にはラック１６が設けられ、このラックと噛 み合うピニオン１７が、モーターおよび減速機構によるフレーム移動機構（Ｃ） の一部を構成している。そしてこのスライドフレーム下面には、基台の凹部に軸 支されるローラー１８が接している。 このトラバーサ両端部近傍上面には、パレット位置設定のためのパレットガイ ド１９が取付けられる。 なお、基台下部適所には、トラバーサ駆動のための動力部および指令Ｂｏｘが 設けられる。 ２０はパレットで、長方形板状体であり、側面下部には凸状部２１が形成され る。 ２２はトラバーサ移動のためのレールで、フレーム１の中央部分に各層毎に設 けられる。２３はコントロールガイドで、レール下部に添着される。このコント ロールガイドは、５本の金属ラインを平行に棒状体に設けたもので、接触子が各 々接触しながら移動する。そして、レールはケージ内に、コントロールガイドは ケージ外下部に各々別設される。 ２４はスライダーで５個の接触子２５が設けられている。この接触子のなかで ３個は電力供給（三相交流）、残りの２個は制御信号をそれぞれ供給する役割を 有している。このスライダーは２個一組として、各トラバーサに取付けられる。 （Ｄ）はコントロールユニットで、各々の駆動源に電力および制御信号を送るた めのものである。

【０００７】 本案の作動については「作用」の項にて記したが、本案では多重伝送方式を用 いている。これは多重伝送装置（親）を設け、各トラバーサ内に多重伝送装置（ 子）を設け、スライダーを介して制御信号が各トラバーサに送られ、組織的にト ラバーサを移動させるものであって、この方式により、それぞれのトラバーサは 同時進行するものである。なお、以上記した各機器・部品等は、図示しない適当 部材によって所定個所に保持される。（接触子は図ではコントロールガイドに平 行に表示しているが、実際には直角方向に位置する） 本例では、スライドフレーム移動機構にラックとピニオンを用いているが、他 の構成、例えばチェーンとスプロケットなどを用いることもできる。

【０００８】

【考案の効果】

本案によれば、昇降機構および平行移動機構に対して連続的に指令を発して、 同時進行的に車を移動させることができるので、車の入出庫に要する時間を短縮 することができる。また、多層階構造なので、設置スペースも少なくてすみ、と くに立地条件の制限を受けやすい都市部での利用に最適なる立体駐車装置を提供 することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案の総体配置を示す概観図

【図２】本案の一部省略右側面図

【図３】本案の一部省略正面図

【図４】本案のケージ昇降機構を示す部分正面図

【図５】本案のケージ昇降機構を示す部分平面図

【図６】本案のパレット配置説明図

【図７】本案のトラバーサの平面図

【図８】本案のトラバーサの正面図

【図９】本案のスライドフレーム移動およびパレット引
き寄せ機構の説明図

【図１０】本案のケージ、トラバーサ、レールおよびコ
ントロールガイドの相互関係説明図

【図１１】本案のトラバーサのケージ乗込み状態説明図

【図１２】本案のトラバーサのケージ乗込み状態説明図

【図１３】本案のスライダーの説明図

【図１４】本案の各機器・装置の接続系統説明図

【符号の説明】

１ フレーム ２ ケージ ３ プーリー ４ バランスウェイト ５ ロープ ６ モーター ７ ギアＢｏｘ １０ 基台 １１ 車輪 １２ スライドフレーム １３ スプロケット １４ チェーン １５ 突起 １６ ラック １７ ピニオン １８ ローラー １９ パレットガイド ２０ パレット ２１ 凸状部 ２２ レール ２３ コントロールガイド ２４ スライダー ２５ 接触子 Ａ 昇降装置部 Ｂ トラバーサ Ｃ フレーム移動機構 Ｄ コントロールユニット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】多層の格子状フレームを形成してその前部
   中央部に、エレベーター昇降のための昇降路を設けると
   ともに、エレベーターケージおよび各層の中央部の前部
   から後部に向けてレールを併設し、フレーム前部上方に
   エレベーターの昇降装置部を設け、左右移動可能なスラ
   イドフレームを有するトラバーサをレール上に配置する
   とともに、スライドフレーム両側において、突起を有す
   るチェーンを回動可能に設け、レールにコントロールガ
   イドを添設するとともに、このコントロールガイドに接
   触しながら移動する複数個のスライダーを設け、フレー
   ムで仕切られた各スペース内に、側面に凸状部を有する
   パレットを各々スライド可能に設け、電力および制御信
   号を送るためのコントロールユニットと各機器とを接続
   するとともに、コントロールユニットは多重伝送方式可
   能な機器・回路にて構成したことを特徴とする立体駐車
   装置。