JP3012825B2 - 光学顕微鏡 - Google Patents

光学顕微鏡

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JP3012825B2
JP3012825B2 JP9317009A JP31700997A JP3012825B2 JP 3012825 B2 JP3012825 B2 JP 3012825B2 JP 9317009 A JP9317009 A JP 9317009A JP 31700997 A JP31700997 A JP 31700997A JP 3012825 B2 JP3012825 B2 JP 3012825B2
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敬之 清水
隆 長野
和男 梶谷
正明 岩瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、同一標本
内において、複数の物質相互間に位置及び特定物質の位
置の変化等を多重観察するための光学顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、顕微鏡観察において、観察される
物質により検鏡法が異なり、また、物質によって染色さ
れる蛍光色素が異なるため、同一視野内で観察又は写真
及びTV画像等に多重記録するためには、複数の検鏡法
の切換や多重染色蛍光の蛍光励起に切換等が行われてい
る。なお、検鏡法の切換では、観察光路中で、例えば、
偏光板、偏光解消板、ハーフミラー等の切換挿脱が行わ
れ、また、蛍光励起の切換では、例えば、ダイクロイッ
クミラー、吸収フィルタ等の切換挿脱が行われている。
【0003】具体的には、例えば、特開昭50−808
46号公報(以下、従来例1と称する)に開示された観
察光学系が知られている。この光学系は、平凹レンズ及
び平凸レンズを有する偏角手段を備えており、物体光の
入射角度に対応して、平凹レンズを平凸レンズに対して
相対的に移動させることによって、物体光を常に同一位
置に結像させるように構成されている。
【0004】また、実開昭63−94417号公報(以
下、従来例2と称する)に開示された光学系も知られて
いる。この光学系は、光軸調整用の凹レンズ及び凸レン
ズを備えており、凸レンズを凹レンズの曲率に沿って移
動させることによって、光軸調整を行うように構成され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、無限遠光学系
を有する顕微鏡の無限遠観察光路中において、フィル
タ、偏光板、ハーフミラー等(従来例1では、平凹レン
ズ)の光学部品たる平行平面板の切換挿脱を行うと、こ
れら平行平面板の部品精度によって、観察光学系の光軸
ズレ、即ち芯ズレが生じる場合がある。この結果、検鏡
法切換及び蛍光励起切換毎の位置相互の関係に、誤差が
生じてしまい、特に、微小位置を観察する場合等では、
検鏡法切換及び蛍光励起切換による多重観察ができなく
なるという問題が発生する。
【0006】本発明は、このような問題を解決するため
になされ、その目的は、無限遠観察光路中での光学部品
の切換挿脱に伴う光軸ズレ、即ち芯ズレを防止すること
によって、高精度に標本の多重観察を行うことができる
光学顕微鏡を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、無限遠観察光学系を有し、この無
限遠観察光学系を構成する対物レンズと結像レンズの間
に挿脱又は切換え可能な平面板を備える光学顕微鏡であ
って、前記結像レンズと前記平面板との間に、芯補正ユ
ニットが設けられており、この芯補正ユニットは、平面
及び所定の曲率を有する凹面を備えた第1のレンズと、
平面及び前記凹面と同一曲率を有し且つ前記凹面に対面
させて配置される凸面を備えた第2のレンズと、前記第
1のレンズの凹面と前記第2のレンズの凸面との間に所
定の間隙が与えられるように配置されたスペーサと、前
記第1及び第2のレンズの凹凸面の曲率に沿って前記第
1のレンズ及び第2のレンズを相対的に移動させると共
に任意の移動位置で保持可能な移動調節手段とを具備
し、前記平面板の挿脱又は切換えに伴う芯ずれを前記芯
補正ユニットによって補正するようにしたことを特徴と
する
【0008】このような発明によれば、芯補正ユニット
の移動調節手段によって、第1のレンズと第2のレンズ
をレンズの凹凸面に沿って相対的に位置調節することに
より、光軸芯が任意に調整される。従って、挿脱可能な
平面板によって生じる芯ずれを芯補正ユニットによって
補正することにより、相互の像ずれが解消される。
【0009】また、本発明において、前記挿脱又は切換
え可能な平面板は複数あり、前記芯補正ユニットはこれ
ら複数の平面板にそれぞれ対応して備えられ、それぞれ
の対応する芯補正ユニットと平面板とがセットで挿脱又
は切換えされる。このような発明によれば、例えば多重
染色標本の蛍光観察において複数種の平面板が使用され
る場合でも、それらにより生じる芯ずれが芯補正ユニッ
トにより補正可能になる。
【0010】更に、本発明は、無限遠観察光学系を有
し、この観察光学系を構成する対物レンズと結像レンズ
の間に挿脱可能な平面板を備える光学顕微鏡であって、
平面及び所定の曲率を有する凹面を備えた第1のレンズ
と、平面及び前記凹面と同一曲率を有し且つ前記凹面に
対面させて配置される凸面を備えた第2のレンズと、前
記第1のレンズの凹面と前記第2のレンズの凸面との間
に所定の間隙が与えられるように配置されたスペーサ
と、前記第1のレンズ又は前記第2のレンズの一方を他
方に対して前記第1及び第2のレンズの凹凸面の曲率に
沿って移動させると共に任意の移動位置で保持可能な移
動調節手段とを有する芯補正ユニットと、前記平面板と
前記芯補正ユニットのいずれか一方を択一的に前記観察
光学系に挿入させる選択挿入手段とを設けた。
【0011】このような発明によれば、選択挿入手段を
設けたことにより、平面板がない状態のときには代わり
に芯補正ユニットが挿入されることになるので、平面板
がない状態での芯ずれを芯補正ユニットで補正すること
ができる。この結果、平面板の有無により生じる相互の
像ずれが解消される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
に係る光学顕微鏡について、添付図面を参照して説明す
る。図1には、本実施の形態の光学顕微鏡の全体の構成
が概略的に示されている。
【0013】図1に示すように、本実施の形態の光学顕
微鏡は、微分干渉法及び蛍光法を用いた顕微鏡観察が行
えるように構成されている。まず、微分干渉観察を行う
場合について説明する。
【0014】図1に示すように、例えば、ハロゲンラン
プ又は水銀ランプ等の第1の光源2から発光された光
は、第1のコレクターレンズ4を介して調光用の第1の
フィルタ6に導光され、第1の視野絞り8及び第1のリ
レーレンズ10を介して反射ミラー12に照射される。
この反射ミラー12から反射された光は、第1の開口絞
り14を介して第1のポラライザー16に照射される。
この第1のポラライザー16は、光路中に挿脱可能に
(図1の矢印で示す方向)構成されており、照射された
光の偏光成分に所定の光学的特性を与える機能を有して
いる。
【0015】第1のポラライザー16を透過した光は、
微分干渉用の第1の変形ウォーラストンプリズム18に
照射される。なお、第1の変形ウォーラストンプリズム
18は、光路中に挿脱可能(図1の矢印で示す方向)に
構成されており、入射した光を互いに直交した振動方向
を持ったコヒーレントな2つの光束に振り分ける機能を
有している。
【0016】第1の変形ウォーラストンプリズム18を
透過した2つの光束は、夫々、コンデンサーレンズ20
を介して顕微鏡ステージ22上に配置された標本24に
照射される。
【0017】標本24を透過した2つの光束は、回転式
レボルバー26にセットされた対物レンズ28で平行光
束に規制された後、微分干渉用の第2の変形ウォーラス
トンプリズム(又はコンペンセイター)30及び後述す
る蛍光キューブ56を透過して、アナライザー32に照
射される。このアナライザー32は、入射した2つの光
束の偏光成分を同一平面内(即ち、アナライザー32の
透過軸内)に取り出して互いに干渉させる機能を有して
いる。
【0018】アナライザー32によって形成された干渉
光は、結像レンズ34を介してビームスプリッタ36に
照射される。このビームスプリッタ36は、図1の矢印
方向に移動可能に構成されており、光路を観察系又は写
真撮影系に切り換える機能を有している。この結果、干
渉光は、接眼光学系38又は写真撮影用接眼レンズ40
に導光され、色のコントラストとして肉眼観察又は写真
撮影される。
【0019】なお、このような顕微鏡光学系において、
対物レンズ28と結像レンズ34との間の観察光学系
は、無限遠光学系となっている。次に、落射蛍光観察を
行う場合について説明する。
【0020】図1に示すように、例えば、ハロゲンラン
プ又は水銀ランプ等の第2の光源42から発光された光
は、第2のコレクターレンズ44を介して調光用の第2
のフィルタ46に導光され、第2の開口絞り48、第2
の視野絞り50及び第2のリレーレンズ52を経て第2
のポラライザー54に照射される。この第2のポラライ
ザー54は、光路中に挿脱可能に(図1の矢印で示す方
向)構成されており、照射された光の偏光成分に所定の
光学的特性を与える機能を有している。第2のポラライ
ザー54を透過した光は、蛍光キューブ56に照射され
る。
【0021】図1及び図2(b)に示すように、第2の
ポラライザー54を透過した光は、蛍光キューブ56の
励起フィルタ58を透過してダイクロイックミラー60
に照射される。このダイクロイックミラー60は、一種
の干渉フィルタであり、短波長を反射し、超波長を透過
するように構成されている。従って、励起フィルタ58
で励起された励起光は、その励起光帯のみが全反射さ
れ、セットされた対物レンズ28に導光される。
【0022】この対物レンズ28を透過した励起光は、
顕微鏡ステージ22上に配置された標本24に集光され
る。標本24から発光された蛍光は、再び、対物レンズ
28を介して平行光束に規制され、蛍光キューブ56の
ダイクロイックミラー60に照射される。標本から発光
された蛍光の波長は、ストークスシフトにより、励起光
の波長より長波長側にシフトしている。このため、蛍光
は、ダイクロイックミラー60では、そのほとんどの光
量が透過され、蛍光キューブ56の吸収フィルタ62に
照射される。なお、吸収フィルタ62は、散乱又は反射
に伴う僅かな励起光を吸収して標本24から発光された
蛍光のみを取り出すように構成されている。
【0023】この結果、標本24から発光された蛍光の
みが、結像レンズ34を介してビームスプリッタ36に
照射され、接眼光学系38又は写真撮影用接眼レンズ4
0を介して肉眼観察又は写真撮影される。
【0024】なお、上述した落射蛍光観察中、第2の変
形ウォーラストンプリズム(又はコンペンセイター)3
0、第2のポラライザー54及びアナライザー32等の
蛍光観察に不要な光学部品は、光路から回避されている
ものとする。
【0025】また、蛍光キューブ56は、取付アリ64
を介して切換用ターレット(図示しない)に取り付けら
れている。この結果、蛍光キューブ56は、図1の矢印
方向に回転して切換可能に構成されている。
【0026】このような落射蛍光観察において、標本2
4が多重染色蛍光標本である場合、夫々の蛍光色素に対
応して励起光を変える必要がある。このため、蛍光キュ
ーブ56を切換用ターレットによって切り換えなければ
ならない。その際、ダイクロイックミラー60及び吸収
フィルタ62の部品精度(平行の精度)によって、楔状
となるため、光軸が偏向し、蛍光キューブ56相互間に
おいて観察光学系の芯がずれる場合がある。つまり、写
真及びTV画像等で多重露光を行う場合、蛍光色素毎に
像面での観察像が動いてしまい、蛍光毎の相互間位置は
実際と異なってしまう。
【0027】そこで、本発明に係る実施の形態におい
て、図2〜図4に示すように、蛍光キューブ56には、
芯ズレ補正用の芯補正ユニット66が設けられている。
図2〜図4に示すように、芯補正ユニット66は、光軸
方向に並列した平凹レンズ68と平凸レンズ70とを備
えている。具体的には、平凹レンズ68は、結像レンズ
34(図1参照)側に配置され、この平凹レンズ68に
隣設した平凸レンズ70は、吸収フィルタ62(図2
(b)参照)側に配置されている。また、平凹レンズ6
8は、その結像レンズ34側の面(以下、単に、第1平
面68aと称する)が平面状に、その下面(即ち、平凸
レンズ70側の面、以下、この面を凹面68bと称す
る)が凹面状に形成されている(特に、図4参照)。一
方、平凸レンズ70は、その平凹レンズ68の凹面68
bに対面する側の面(以下、単に凸面70bと称する)
が、平凹レンズ68の凹面68bと同等の曲率半径を有
した凸面状に、その下面(即ち、吸収フィルタ62側の
面、以下、この面を第2平面70aと称する)が平面状
に形成されている(特に、図4参照)。
【0028】また、平凹レンズ68の外周面には、環状
枠69が取り付けられており、平凸レンズ70は、その
外周面が芯補正ユニット本体72に支持されている。平
凸レンズ70の凸面70bの外周縁部には、平凹レンズ
68と平凸レンズ70との間のスペーサとして機能する
厚さ0.1mm程度の環状板74が配置されている。こ
の環状板74は、その外径が平凹レンズ68の外径より
小さく且つ環状枠69の内径より内側に配置されてい
る。そして、この環状板74の上に平凹レンズ68の凹
面68bが載置されている。
【0029】このように、環状板74を介して平凹レン
ズ68と平凸レンズ70との間に間隙を設けることによ
って、光学密着が回避できると共に、干渉によるニュー
トンリングの発生が防止できる。
【0030】環状板74上に載置された状態で、平凹レ
ンズ68は、その環状枠69の外周面を、芯補正ユニッ
ト本体72に設けられた第1〜第3の押圧ピン76,7
8,80によって支持される。これら第1〜第3の押圧
ピン76,78,80は、特に、図2(a)及び図3に
示すように、環状枠69の外周面を3等分する位置に配
置されている。
【0031】具体的には、第1〜第3の押圧ピン76,
78,80は、夫々、その先端が球状に形成されてお
り、環状枠69に設けられた斜面部に当接可能に構成さ
れている。また、第2及び第3の押圧ピン78,80
は、夫々、その基端部がねじによって芯補正ユニット本
体72のねじ孔に沿って環状枠69方向に移動可能に螺
合されている。一方、第1の押圧ピン76は、芯補正ユ
ニット本体72に開口された孔に挿入されたコイルばね
82によって、常時、環状枠69方向に付勢されてい
る。また、コイルばね82の基端部は、芯補正ユニット
本体72に螺合されたビス84によって、固定されてい
る。なお、第2及び第3の押圧ピン78,80は、顕微
鏡フレーム(図示しない)に開口された孔を介して、顕
微鏡外部から調節可能に構成されている。
【0032】従って、第1の押圧ピン76のコイルばね
82の付勢力に抗して、第2及び第3の押圧ピン78,
80を環状枠69方向に移動させることにより、平凹レ
ンズ68を任意の方向に水平移動させることができる。
そして、環状枠69の斜面部が第2及び第3の押圧ピン
78,80に当接される。この結果、環状枠69の斜面
部に作用した第1〜第3の押圧ピン76,78,80の
押圧力は、この環状枠69を下方(即ち、平凸レンズ7
0方向)に押圧するように働く。このように環状枠69
が下方に移動する結果、平凹レンズ68も下方に移動し
て、その凹面68bが環状板74に当接される。かくし
て、平凹レンズ68及び環状板74は、第1〜第3の押
圧ピン76,78,80と平凸レンズ70との間で挟持
される。
【0033】上述した環状板74は、平凹レンズ68の
移動に伴って移動可能に構成されている。このため、第
2及び第3の押圧ピン78,80をコイルばね82の付
勢力に抗して調整することによって、平凹レンズ68は
環状板74を介して平凸レンズ70上を摺動する。この
とき、環状枠69は、常時、下方に押圧されているの
で、平凹レンズ68は、平凸レンズ70の凸面70bの
曲率に沿って移動することになる。このとき、平凸レン
ズ70の第2平面70aに対する平凹レンズ68の第1
平面68aの成す角は変化する。この結果、光軸が偏向
され、光学系の光軸合わせ、即ち芯補正が成される。
【0034】以下、このような芯補正について、図4を
参照して説明する。図4(a)に示すように、平行光束
中に平凹レンズ68と平凸レンズ70を並列して配置さ
せた場合、互いに対面された凹面68bと凸面70bの
曲率Rは、極めて大きく且つこれら凹面68bと凸面7
0bとの間の間隙が微小である。このため、合わせレン
ズとしての作用は働かず、第2平面70a側から入射さ
れた光束は、等倍率のまま第1平面68aから出射され
る。このとき、第1平面68aと第2平面70aとが高
精度に平行であるなら、光軸も曲がることはない。
【0035】図4(b)に示すように、平凹レンズ68
を凸面70bの曲率に沿って移動させた場合、この場合
も、合わせレンズとしての作用は働かない。ただ、第2
面70aに対して第1面68aが、角度αだけ傾くた
め、光軸も角度θだけ傾く。この結果、第1平面68a
から出射される光束は、第2平面70aに入射される光
束の入射方向に対して、角度θだけ傾く。ここで、空気
の屈折率をn、平凹レンズ68の屈折率をn´とする
と、αとθとの関係は、
【0036】
【数1】 となる。また、平凸レンズ70に対する平凹レンズ68
の水平方向移動距離をxとすると、 x=Rsinα なので、
【0037】
【数2】 となる。
【0038】このように、光軸がθだけ傾いた場合で
も、屈折率n及び曲率Rは、事前に決定されているの
で、水平方向移動距離xを算出することができる。ま
た、スペースの都合上、水平方向移動距離xが限定され
ている場合には、平凹レンズ68及び平凸レンズ70の
部品精度より、角度θの最大値は予測できるので、水平
方向移動距離x内で調節が可能なように、屈折率n及び
曲率Rを決定することができる。
【0039】従って、上述したような芯補正ユニット6
6を蛍光キューブ56に設け、観察前に蛍光キューブ5
6を調節しておくことによって、落射蛍光観察における
多重染色蛍光観察が可能となる。
【0040】ここで、調節法について説明する。図2及
び図3に示すように、ダイクロイックミラー60及び吸
収フィルタ62の切換挿脱によって、光軸ズレ即ち芯ズ
レが生じた場合、まず、標本観察前に、基準となる標本
を観察しながら蛍光キューブ56を切り換える。そし
て、第2及び第3の押圧ピン78,80を調節し、平凹
レンズ68に所定の押圧力を与えて水平移動させる。こ
の結果、顕微鏡観察を行いながら、顕微鏡の外部から簡
単に観察光学系の芯合わせを行なうことができる。ま
た、各蛍光キューブ56は、切換用ターレット(図示し
ない)を中心に放射状に配置されている。このように各
蛍光キューブ56を、その側面が互いに正面しないよう
に配置させることによって、調節操作における光学的影
響が防止される。
【0041】次に、本発明の第2の実施の形態に係る光
学顕微鏡について、図5を参照して説明する。なお、本
実施の形態の説明に際し、第1の実施の形態と同一の構
成には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0042】図5には、本実施の形態の主要部である芯
補正ユニット66の部分のみが拡大して示されている。
他の構成は、第1の実施の形態と同一であるため、その
説明は省略する。
【0043】図5に示すように、本実施の形態では、第
1の実施の形態に用いられた環状板74(図3参照)の
代わりに、断面の直径0.1mm程度の環状リング86
が、スペーサとして用いられている。この環状リング8
6は、芯補正ユニット本体72に支持された平凸レンズ
70の外周面に外接可能なリング径を有している。そし
て、平凸レンズ70が芯補正ユニット本体72に支持さ
れたとき、環状リング86は、芯補正ユニット本体72
上に載置される状態になる。
【0044】従って、第1〜第3の押圧ピン76,7
8,80が、環状枠69の斜面部を押圧して、平凹レン
ズ68を平凸レンズ70方向に移動させることによっ
て、環状リング86は、平凹レンズ68と芯補正ユニッ
ト本体72との間に挟持される。この状態で、平凹レン
ズ68と平凸レンズ70との間に所定の間隙が形成され
る点では、第1の実施の形態と同様である。しかし、本
実施の形態において、環状リング86は、平凹レンズ6
8の移動に伴って移動されることはない。即ち、平凹レ
ンズ68は、その凹面68bの曲率に沿って移動される
のみである。
【0045】本実施の形態の光学顕微鏡では、スペーサ
の移動を考慮する必要がないため、平凸レンズ70の有
効径が、そのままユニットの有効径となる。この結果、
レンズ径を小さくすることが可能となり、結果、製造コ
ストの低減が達成される。また、スペーサの平凹レンズ
68への接触面積も小さくできるため、平凹レンズ68
に傷が付き難くなると共に、動きも円滑になる。
【0046】なお、上述した各実施の形態の光学顕微鏡
を用いて微分干渉観察又は偏光観察を行うこともでき
る。このような観察において、特に、落射照明観察を行
う場合には、蛍光キューブ56(図1参照)の代わり
に、明視野用ハーフミラーキューブ(図示しない)が用
いられ、また、特に、透過照明観察を行う場合には、蛍
光キューブ56が取り払われて、その部分は風穴とな
る。
【0047】また、上述の構成に加えて、微分干渉観察
では、微分干渉用の第1及び第2の変形ウォーラストン
プリズム18、30が共に光路中に配置される。一方、
偏光観察では、更に、第1及び第2のポラライザー1
6,54と、アナライザー32(図1参照)とが共に光
路中に配置される。
【0048】このような観察において、光軸ズレ即ち芯
ズレに影響を与える光学部品は、ハーフミラー(図示し
ない)とアナライザー32(図1参照)である。また、
明視野観察(暗視野等の他の検鏡法でもよい)と、微分
干渉又は偏光観察とを切り換えて観察する場合、アナラ
イザー32を光路中に挿脱しなければならない。
【0049】以下、アナライザー32の挿脱に用いるス
ライダ式アナライザースライダについて、図6を参照し
て説明する。なお、アナライザースライダの説明に際
し、上述した実施の形態と同一の構成には、同一符号を
付してその説明を省略する。
【0050】図6に示すように、アナライザースライダ
は、スライダ本体88を備えており、このスライダ本体
88の略中央部には、芯補正ユニット66(図3参照)
が配置され、その両側には、夫々、押圧部材90とアナ
ライザー32とが配置されている。
【0051】押圧部材90と芯補正ユニット66との間
には、芯出球92が配置されている。押圧部材90は、
その一端側に送りネジ94が取り付けられており、この
送りネジ94を操作することによって、スライド可能に
構成されている。なお、送りネジ94は、Eリング96
によってスライダ本体88に固定されている。このた
め、送りネジ94を介して押圧部材90をスライドさせ
ることによって、芯出球92は、平凹レンズ68の環状
枠69の斜面部を押圧可能に構成されている。また、新
補正ユニット66と押圧部材90との領域の上面には、
上カバー89が設けられている。
【0052】また、芯補正ユニット66のアナライザー
32側には、板ばね98が設けられている。この板ばね
98の両側は、夫々、ビス100を介してスライダ本体
88に固定されている。また、板ばね98の中央部に
は、押圧球102が設けられており、板ばね98の付勢
力が、押圧球102を介して平凹レンズ68の斜面部に
作用するように構成されている。
【0053】この結果、芯補正ユニット66の平凹レン
ズ68は、送りネジ94を操作することによって、芯出
球92と押圧球102との間に挟持された状態で、水平
平面内で任意に移動させることができる。なお、送りネ
ジ94の操作は、顕微鏡観察を行いながら、外部から操
作でき得る。
【0054】このようなアナライザースライダは、各光
学部品を並列させて構成されているため、光軸方向の厚
さを削減させることができる。この結果、観察光学系の
コンパクト化が達成される。なお光学系にスペースがあ
る場合には、例えば、アナライザー32を芯補正ユニッ
ト66上に重ねて配置させることも可能である。
【0055】以下、上述したアナライザースライダの動
作について説明する。明視野観察(又は他のアナライザ
ーを使用しない検鏡法)を行う場合、アナライザースラ
イダをスライドさせて、アナライザー32を観察光路中
に挿入する。基準標本の観察終了後、再び、アナライザ
ースライダをスライドさせて、アナライザー32を光路
から回避させると共に、芯補正ユニット66を光路中に
配置させる。次に、送りネジ94を操作して、平凹レン
ズ68を水平平面内で移動させつつ、光軸合わせ、即ち
芯合わせを行って、観察標本の像の位置を合わせる。
【0056】かかる芯合わせは、アナライザー32の挿
脱によってずれた光学系の芯を元に戻すのではない。つ
まり、ずれた分に相当する量だけ、芯補正ユニット66
を調節して、光学系の芯をずらすことで芯合わせが行わ
れる。この結果、検鏡法の切り換えても、観察像面にお
ける観察像は移動されず、同一標本内の物質の位置を多
重観察記録することが可能となる。
【0057】従って、本発明に係る光学顕微鏡で、落射
蛍光観察と、微分干渉及び蛍光観察と、を組み合わせた
場合でも、蛍光キューブ56及びアナライザースライダ
に、上述の芯補正ユニット66を配置させて事前に芯合
わせを行うことによって、同一標本における観察像面の
像ズレを生じることなく、検鏡法及び蛍光励起を任意に
切り換えて多重観察又は多重露光観察することができ
る。
【0058】なお、本発明は、上述した実施の形態の構
成に限定されることはなく、適用目的に応じて任意に変
更可能である。例えば、図6の芯補正機構をターレット
に着脱可能に設けた光学素子キューブに適用することが
できる。この場合、送りねじ94をターレットの外側に
向ければ良い。
【0059】
【発明の効果】本発明に係る光学顕微鏡は、移動手段に
よって、第1のレンズを第2のレンズの凸面に沿って移
動させるだけで、簡単に、光軸を適量だけ偏向させるこ
とができる。従って、本発明に係る光学顕微鏡で、落射
蛍光観察と、微分干渉及び蛍光観察と、を組み合わせた
場合でも、補正ユニットで事前に芯合わせを行うことに
よって、同一標本における観察像面の像ズレを生じるこ
となく、検鏡法及び蛍光励起を任意に切り換えて多重観
察又は多重露光観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光学顕微鏡の
全体の構成を概略的に示す図。
【図2】図1に示す光学顕微鏡に設けられた蛍光キュー
ブの構成を概略的に示す図であって、(a)は、蛍光キ
ューブを上面から見た断面図、(b)は、蛍光キューブ
を側面から見た断面図。
【図3】図2に示す蛍光キューブに設けられた芯補正ユ
ニットの構成を概略的に示す拡大断面図。
【図4】図3に示す芯補正ユニットに設けられた平凹レ
ンズ及び平凸レンズの配置状態を示す図であって、
(a)は、平凹レンズが平凸レンズに対して移動してい
ない状態を示す図、(b)は、平凹レンズが平凸レンズ
の凸面に沿って距離xだけ水平移動させた状態を示す
図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る光学顕微鏡に
設けられた芯補正ユニットの構成を概略的に示す拡大断
面図。
【図6】本発明の光学顕微鏡に設けられ得るアナライザ
ースライダの構成を概略的に示す図であって、(a)
は、その平面図、(b)は、その断面図。
【符号の説明】
68 平凹レンズ 68a 第1平面 68b 凹面 70 平凸レンズ 70a 第2平面 70b 凸面 74 環状板 66 芯補正ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩瀬 正明 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オ リンパス光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−53058(JP,A) 特開 昭50−80846(JP,A) 特公 昭62−17723(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 21/00 G02B 21/24 G02B 7/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無限遠観察光学系を有し、この無限遠観
    察光学系を構成する対物レンズと結像レンズの間に挿脱
    又は切換え可能な平面板を備える光学顕微鏡であって、 前記結像レンズと前記平面板との間に、芯補正ユニット
    が設けられており、 この芯補正ユニットは、 平面及び所定の曲率を有する凹面を備えた第1のレンズ
    と、 平面及び前記凹面と同一曲率を有し且つ前記凹面に対面
    させて配置される凸面を備えた第2のレンズと、 前記第1のレンズの凹面と前記第2のレンズの凸面との
    間に所定の間隙が与えられるように配置されたスペーサ
    と、 前記第1及び第2のレンズの凹凸面の曲率に沿って前記
    第1のレンズ及び第2のレンズを相対的に移動させると
    共に任意の移動位置で保持可能な移動調節手段とを具備
    し、前記平面板の挿脱又は切換えに伴う芯ずれを前記芯補正
    ユニットによって補正するようにした ことを特徴とする
    光学顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記挿脱又は切換え可能な平面板が複数
    あり、前記芯補正ユニットはこれら複数の平面板にそれ
    ぞれ対応して備えられ、それぞれの対応する芯補正ユニ
    ットと平面板とがセットで挿脱又は切換えされるように
    したことを特徴とする請求項1に記載の光学顕微鏡。
  3. 【請求項3】 無限遠観察光学系を有し、この観察光学
    系を構成する対物レンズと結像レンズの間に挿脱可能な
    平面板を備える光学顕微鏡であって、 平面及び所定の曲率を有する凹面を備えた第1のレンズ
    と、平面及び前記凹面と同一曲率を有し且つ前記凹面に
    対面させて配置される凸面を備えた第2のレンズと、前
    記第1のレンズの凹面と前記第2のレンズの凸面との間
    に所定の間隙が与えられるように配置されたスペーサ
    と、前記第1のレンズ又は前記第2のレンズの一方を他
    方に対して前記第1及び第2のレンズの凹凸面の曲率に
    沿って移動させると共に任意の移動位置で保持可能な移
    動調節手段とを有する芯補正ユニットと、前記平面板と
    前記芯補正ユニットのいずれか一方を択一的に前記観察
    光学系に挿入させる選択挿入手段とを設けたことを特徴
    とする光学顕微鏡。
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