JP2004046107A - 顕微鏡用ミラーユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクト化が可能で、しかも内蔵ミラーの傾き調整を簡単に行うことができるミラーユニットを提供する。
【解決手段】顕微鏡の光路内に選択的に挿脱される少なくともミラーを内蔵した顕微鏡用ミラーユニットにおいて、ダイクロイックミラー9を固定するとともに、フランジ部27を形成したミラー固定部材25と、フランジ部27が当接される受面24を有し、該受面24に当接されるフランジ部27を介してミラー固定部材25を保持する蛍光キューブ本体21を具備し、フランジ部27と該フランジ部27が当接する受面24のうち、少なくとも受面24がダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心とする球面で構成され、これらフランジ部27と受面24の当接面を介してミラー固定部材25をミラーの光軸折り返し点Pを中心に回転可能とする。
【選択図】 図1
【解決手段】顕微鏡の光路内に選択的に挿脱される少なくともミラーを内蔵した顕微鏡用ミラーユニットにおいて、ダイクロイックミラー9を固定するとともに、フランジ部27を形成したミラー固定部材25と、フランジ部27が当接される受面24を有し、該受面24に当接されるフランジ部27を介してミラー固定部材25を保持する蛍光キューブ本体21を具備し、フランジ部27と該フランジ部27が当接する受面24のうち、少なくとも受面24がダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心とする球面で構成され、これらフランジ部27と受面24の当接面を介してミラー固定部材25をミラーの光軸折り返し点Pを中心に回転可能とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学顕微鏡に適用され、例えば、同一標本内において、複数の物質相互間の位置および特定物質の位置の変化などを多重観察するのに好適な顕微鏡用ミラーユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、顕微鏡による観察では、観察する物質により検鏡法が異なり、また、物質によって染色される蛍光色素が異なる。このため、このような観察条件の異なる標本像を同一視野内で観察したり、写真撮影またはTV撮影などで多重記録しようとすると、複数の検鏡法の切換えや多重染色蛍光の蛍光励起の切換えなどが必要となる。この場合、検鏡法の切換えは、観察光路中で、例えば、偏光板、偏光解消板、ハーフミラーなどのユニットの切換え挿脱が行われ、また、蛍光励起の切換えでは、例えばダイクロイックミラー、吸収フィルタを有する蛍光キューブなどのユニットの切換えが行われる。
【0003】
ところで、このようにして観察光路に選択的に切換えられるユニットとして、折り返しミラーを内蔵するミラーユニットが用いられる場合、観察光路中での保持部材の位置決め精度の影響により、ミラーユニットの切換え時に、お互いのミラーの間に角度ズレを生じることがあり、この角度ズレが照明光路の軸心のズレとなって、各観察像の間で光量ムラを発生するという問題があった。
【0004】
このような問題に対し、従来、例えば、特許文献1に開示されるように無限遠光学系に入る光学素子の観察系の心ズレを例に挙げ、光学素子に心補正ユニットを組み合わせて心ズレを補正するものが考えられている。すなわち、かかる特許文献1のものは、無限遠観察光学系を構成する対物レンズと結像レンズの間に挿脱可能な平面板を備える光学顕微鏡において、結像レンズと平面板との間に、芯補正ユニットを設けており、この芯補正ユニットは、平面および所定の曲率を有する凹面を備えた第1のレンズと、平面および凹面と同一曲率を有し且つ凹面に対面させて配置される凸面を備えた第2のレンズと、第1のレンズの凹面と第2のレンズの凸面との間に所定の間隙が与えられるように配置されたスペーサと、第1および第2のレンズの凹凸面の曲率に沿って第1のレンズおよび第2のレンズを相対的に移動させると共に任意の移動位置で保持可能な移動調節手段とを具備し、平面板による芯ずれは、移動調節手段による芯補正ユニットの移動調整により補正できるようになっている。
【0005】
また、特許文献2に開示されるように光情報再生装置や顕微鏡などの光学装置における光学素子の位置や傾きを調整するものも考えられている。すなわち、かかる特許文献2のものは、光学素子が固定され第1の当接部が形成された保持部材と、第1の当接部と当接する第2の当接部が形成されたベース部材と、第1の当接部と当接する第3の当接部が形成された調整部材とからなり、第1の当接部は、第2および第3の当接部上で摺動可能であって、かつ、第2および第3の当接部上での摺動により、ペース部材に対し保持部材が傾くように形成されており、調整部材は、その第3の当接部が第2の当接部に対し変位可能になるよう構成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−115781号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平10−208251号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、顕微鏡の観察法は、年々多様化しており、特に蛍光顕微鏡については、蛍光観察波長の多様化にともない、ダイクロイックミラー、吸収フィルタを有する蛍光キューブも多種のものが必要となっている。このため、例えば、図11(a)(b)に示すように回転ターレット101に挿脱可能に設けられる蛍光キューブ102は、同図(a)に示すようにターレット101の円周方向に90°の間隔で4個配置されていたものに代わって、同図(b)に示すようにターレット101の円周方向に60°の間隔で6個配置されものが用いられるようにもなっており、これにともない、蛍光キューブ102自体のコンパクト化が要求されている。一方で、蛍光顕微鏡においては、微弱な蛍光を感度よく検出する要求も高まっており、このため蛍光キューブ102の切換えによる照明光路の軸心のズレによる照明ムラを極力抑えて観察精度の向上を図ることも重要になっている。
【0009】
ところが、特許文献1に開示されるものを、上述した蛍光キューブ102に適用しようとすると、蛍光キューブ102の上側に心補正ユニットを構成するスペースが必要となるため、蛍光キューブ102をコンパクトに構成するのが難しくなる。また、第1および第2のレンズなどの不必要な硝材が光路中に配置されるので、ただでさえ微弱な蛍光の観察に影響を及ぼし、さらに観察像自体の劣化にもつながるという問題がある。
【0010】
また、特許文献2に開示されるものについても、コンパクト化が要求され、また、光線の通過スペースを大きく必要とする蛍光キューブ102の中に構成するのはスペース的に難しく、また構成できたとしても、保持部材の第1の当接部をバネ力により調整部材の第3の当接部へ当て付けるようにしていることから、調整後の当て付け保持に強度的な問題が残り、頻繁に光路への挿脱が繰り返され着脱交換されるように蛍光キューブヘの応用は難しい。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、コンパクト化が可能で、しかも内蔵ミラーの傾き調整を簡単に行うことができるミラーユニットを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、顕微鏡の光路内に選択的に挿脱される少なくともミラーを内蔵した顕微鏡用ミラーユニットにおいて、前記ミラーを固定するとともに、フランジ部を形成したミラー固定部材と、前記フランジ部が当接される受面を有し、該受面に当接される前記フランジ部を介して前記ミラー固定部材を保持するミラーユニット本体と、を具備し、前記フランジ部と該フランジ部が当接する前記受面のうち、少なくとも前記受面が前記ミラーの光軸折り返し点を中心とする曲面で構成され、これらフランジ部と受面の当接面を介して前記ミラー固定部材を前記ミラーの光軸折り返し点を中心に回転させ、前記ミラーの傾き角度を調整可能としたことを特徴としている。
【0013】
請求項2記載の発明は、顕微鏡の光路内に選択的に挿脱される少なくともミラーを内蔵した顕微鏡用ミラーユニットにおいて、前記ミラーを固定するとともに、前記ミラーの光路の周辺部にフランジ部を形成したミラー固定部材と、前記フランジ部が当接される受面を有し、該受面に当接される前記フランジ部を介して前記ミラー固定部材を保持するミラーユニット本体と、を具備し、前記ミラー固定部材は、前記フランジ部を介して前記ミラーユニット本体に対して傾き調整されて固定されることを特徴としている。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記ミラーユニット本体は、前記ミラー固定部材の前記ミラーの光軸折り返し点を中心にした回転量を調整する調整手段を有し、該調整手段により前記ミラーの傾き角度を調整可能としたことを特徴としている。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記ミラーユニット本体は、前記フランジ部が当接される受面が環状部材により構成され、該環状部材の前記フランジ部との当接面が前記ミラーの光軸折り返し点を中心とする曲面で構成されることを特徴としている。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記ミラー固定部材のフランジ部は、前記ミラーの反射面と反対側に形成され、該フランジ部により前記受面を介して前記ミラーユニット本体に固定されることを特徴としている。
【0017】
この結果、本発明によれば、ミラーユニット本体内部に新たなスペースを追加することなく、ミラーの傾きの調整が可能となり、ユニットのコンパクト化を実現でき、また、ミラー固定部材の僅かな回転を調整するのみで、ミラーの傾き調整を簡単に行うことができる。
【0018】
また、本発明によれば、環状部材とともに、フランジ部の機械加工が可能になるので、構成部品の加工も簡単にできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の顕微鏡用ミラーユニットが適用され光学顕微鏡の概略構成を示している。図1において、1は落射照明用の光源で、この光源1には、例えば、ハロゲンランプや水銀ランプ等が用いられている。
【0021】
光源1から発光された光は、コレクターレンズ2を介して平行光に変換されて調光用のフィルタ3に導光され、開口絞り4、視野絞り5およびリレーレンズ6を介して顕微鏡用ミラーユニットとしての蛍光キューブ7に照射される。
【0022】
蛍光キューブ7は、励起フィルタ8、ミラーとしてのダイクロイックミラー9および吸収フィルタ14を有している。
【0023】
蛍光キューブ7に導入された光は、励起フィルタ8を透過し短波長の励起光となってダイクロイックミラー9に照射される。ダイクロイックミラー9は、一種の干渉フィルタからなるもので、短波長を反射し、長波長を透過するように構成されている。
【0024】
これにより、励起フィルタ8で励起された短波長の励起光は、ダイクロイックミラー9で全反射され、対物レンズ11に導光される。
【0025】
対物レンズ11は、レボルバ10に複数個(図示では1個のみを示している。)装着されており、対物レンズ11が選択的に光軸19上に配置される。
【0026】
対物レンズ11を透過した励起光は、顕微鏡ステージ12上に配置された標本13に集光される。
【0027】
標本13から発光された蛍光は、再び、対物レンズ11を介して平行光束に規制され、蛍光キューブ7のダイクロイックミラー9に照射される。
【0028】
この場合、標本13から発光された蛍光の波長は、ストークスシフトにより、励起光の波長より長波長側にシフトしている。これにより、標本13からの蛍光は、ダイクロイックミラー9で、そのほとんどの光量が透過され、蛍光キューブ7の吸収フィルタ14に照射される。
【0029】
吸収フィルタ14は、散乱または反射に伴う僅かな励起光を吸収して標本13から発光された蛍光のみを取り出すようになっている。これにより、標本13から発光された蛍光のみが、結像レンズ15を介してビームスプリッタ16に照射され、接眼光学系17を介して目視観察または写真撮影用接眼レンズ18を介して写真撮影される。
【0030】
ここで、蛍光キューブ7は、切換用ターレット20に複数個設けられている。この切換用ターレット20は、光軸19と平行に配置された回転軸20aを有するとともに、回転軸20a周囲に沿って複数の蛍光キューブ7が配設されたもので、この回転軸20aを中心に回転させることにより、選択的に蛍光キューブ7を光軸19上に配置できるようになっている。つまり、上述したような落射蛍光観察において、標本13が多重染色蛍光標本である場合、夫々の蛍光色素に対応させて励起光を変える必要があるが、この場合、切換用ターレット20を回転させることで、最適な励起フィルタ8を有する蛍光キューブ7を選択的に光軸19上に切換えることができるようになっている。
【0031】
ところで、このようにして選択的に蛍光キューブ7を光軸19上に切換える場合、仮に、蛍光キューブ7ごとにダイクロイックミラー9を保持する部品精度のバラツキにより、ダイクロイックミラー9に傾き誤差が生じていると、蛍光キューブ7を切換える前と切換えた後とで、照明光学系の芯がずれることがある。このことは、多重染色蛍光標本に対して励起光を切換えながら、写真およびTV画像等で多重露光を行うような場合、蛍光色素毎に観察像面で照明ムラが生じてしまうという問題を生じる。
【0032】
そこで、本発明の蛍光キューブ7は、以下述べるように構成されている。
【0033】
図2(a)(b)は、蛍光キューブ7の概略構成を示すものである。図において、21はミラーユニット本体としての蛍光キューブ本体で、この蛍光キューブ本体21は、上面21a、両側面21b、21cおよび背面21dの4面を有する枠体からなっている。
【0034】
蛍光キューブ本体21の背面21dには、上述した切換用ターレット20に装着するための取付アリ22が設けられている。また、蛍光キューブ本体21の上面21aには、貫通穴23が形成されている。この貫通穴23の開口端近傍には、円周方向に沿って段部からなる受面24が形成されている。
【0035】
蛍光キューブ本体21の貫通穴23には、図3(a)(b)に示す筒状のミラー固定部材25が挿入されている。このミラー固定部材25は、一方開口端部に吸収フィルタ14が固定されている。また、ミラー固定部材25の他方開口端は、同図(b)に示すように傾斜して切り欠かかれ、この傾斜した開口端面にミラー取付部26が形成されている。このミラー取付部26は、円周方向に沿って等間隔にミラー位置決め用の突起部26a〜26dが形成され、これら突起部26a〜26dによりダイクロイックミラー9が位置決めして固定されている。
【0036】
ミラー固定部材25は、ダイクロイックミラー9の背面側、つまりダイクロイックミラー9の反射面と反対側に位置される一方開口端の周縁部に沿ってフランジ部27が形成されている。このフランジ部27は、ミラー固定部材25を蛍光キューブ本体21の受面24に固定するための固定部位となるもので、ダイクロイックミラー9の光路の周囲で蛍光キューブ本体21に固定されるようになっている。
【0037】
フランジ部27は、外周面に沿ってテーパ面27aが形成されている。また、フランジ部27は、貫通穴23の開口端部に形成された受面24に当接されている。この場合、ミラー固定部材25のフランジ部27と貫通穴23の受面24との当接面は、ダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心とする半径Rの曲面、例えば球面で構成されている。これにより、ミラー固定部材25は、蛍光キューブ本体21に対し、フランジ部27と受面24の当接面を介してダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心に回転可能に保持されている。
【0038】
蛍光キューブ本体21の貫通穴23周囲には、調整手段として円周方向に沿って等間隔に複数本(図示例では3本)の心出しネジ28が配置されている。これら心出しネジ28は、それぞれの先端をフランジ部27外周のテーパ面27aに当接されており、これらのねじ込み量を適宜調整することにより、球面に形成されたフランジ部27と受面24の当接面を介してダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心にミラー固定部材25全体をz軸周りに回転させ、ダイクロイックミラー9の傾き角度を調整できるようになっている。
【0039】
ミラー固定部材25には、心出しネジ28が当接しない位置に先端を球形に形成されたピン29が突出して設けられている。このピン29は、蛍光キューブ本体21の貫通穴23の開口周縁部に設けられた切り欠き部30に嵌合され、ダイクロイックミラー9のy軸周りの回転を規制するようになっている。
【0040】
蛍光キューブ本体21には、フィルタ取付け部材31が設けられている。このフィルタ取付け部材31は、蛍光キューブ本体21の上面21aに対向する底面31aと、この底面31aに直立して設けられ、蛍光キューブ本体21の背面21dに対向するフィルタ支持部面31bを有するもので、底面31aに透孔32が形成されるとともに、フィルタ支持部面31bに励起フィルタ8が支持されている。
【0041】
このように構成された蛍光キューブ7は、図1で述べた切換用ターレット20に対し取付アリ22を介して取り付けられる。この場合、蛍光キューブ7は、光源1からの照明光路上(x軸方向)に励起フィルタ8およびダイクロイックミラー9が配置され、対物レンズ11の光軸19上(y軸方向)にフィルタ取付け部材31の透孔32を介してダイクロイックミラー9と吸収フィルタ14が配置される。
【0042】
そして、この状態からダイクロイックミラー9の傾きを調整するには、蛍光キューブ本体21の貫通穴23周囲に設けられた3本の心出しネジ28のねじ込み量を調整する。つまり、これら心出しネジ28のねじ込みを緩めたり、締めたりする動作を繰り返す。すると、ミラー固定部材25は、フランジ部27外周のテーパ面27aに対する心出しネジ28先端での押圧力が調整されることから、半径Rの球面で形成されたフランジ部27と受面24の当接面を介して、ダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心にz軸周りに僅かに回転され、これによりダイクロイックミラー9は、所望する傾き位置に調整される。
【0043】
この場合、ミラー固定部材25は、ピン29が蛍光キューブ本体21の貫通穴23の切り欠き部30に嵌合されているので、ダイクロイックミラー9のy軸周りの回転が規制されるので、ダイクロイックミラー9の振れだけを微調整することができる。
【0044】
そして、ダイクロイックミラー9の傾き調整終了後は、心出しネジ28を適宜締め付けてフランジ部27と受面24の当接面が動かないように固定してダイクロイックミラー9の傾き状態を確実なものにする。
【0045】
従って、このようにすれば、蛍光キューブ本体21に対しダイクロイックミラー9を固定したミラー固定部材25をフランジ部27と受面24の当接面を介してダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心に回転可能に保持する構成としたので、蛍光キューブ本体21内部に新たなスペースを追加することなく、ミラーの傾きの調整が可能となり、ユニットのコンパクト化を実現できる。
【0046】
また、ミラー固定部材25の僅かな回転を調整するのみで、ダイクロイックミラー9の傾き角度を調整できるので、ミラーの傾き調整を簡単に行うことができる。このことは、選択的に蛍光キューブ7を光路上に切換える場合、仮に、蛍光キューブ7ごとにダイクロイックミラー9を保持する部品精度のバラツキにより、ダイクロイックミラー9に傾き誤差が生じていると、蛍光キューブ7を切換える前と切換えた後とで、照明光学系の芯がずれることがあるが、この場合も、ダイクロイックミラー9の傾き調整を簡単にできるので、多重染色蛍光標本に対して励起光を切換えながら、写真およびTV画像等で多重露光を行うような場合も、蛍光色素毎の観察像面での照明ムラを確実に防止することができる。
【0047】
さらに、ダイクロイックミラー9の傾き調整後は、心出しネジ28を適宜締め付けてフランジ部27と受面24の当接面が動かないように固定できるので、蛍光キューブ7を切り換えたり、交換するときにあらかじめ調整した傾きがズレるようなことも防止できる。
【0048】
さらに、ミラー固定部材25は、ダイクロイックミラー9の光路の周囲でフランジ部27を介して蛍光キューブ本体21に固定されているので、これらの固定部がダイクロイックミラー9に入射、反射および透過される光のそれぞれの光路に影響を与えることがなく、ダイクロイックミラー9を蛍光キューブ本体21内に安定して保持することができる。
【0049】
さらに、ミラー固定部材25は、ダイクロイックミラー9の背部、つまり、反射面と反対側に形成されたフランジ部27により受面24を介して蛍光キューブ本体21に固定されるので、ミラー固定部材25に光路を通すための孔部などを特別に設けるような必要がなくなり、構成を簡単なものにできる。
【0050】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0051】
図4(a)(b)は、本発明の第2の実施の形態が適用される蛍光キューブの概略構成を示すもので、図2と同一部分には、同符号を付している。
【0052】
第1の実施の形態では、ミラー固定部材25のフランジ部27および蛍光キューブ本体21の貫通穴23の受面24は、それぞれダイキャストなどの成型により一体形成した例を述べたが、これらフランジ部27および受面24を機械加工により構成しようとすると難しい。
【0053】
この第2の実施の形態では、図4(a)に示すように貫通穴23の段部23a上に沿って環状部材33が設けられている。この環状部材33は、同図(b)に示すように、ミラー固定部材25のフランジ部27と接触する受面33aが、ダイクロイックミラー9による光軸折り返し点Pを中心とする半径Rの球面に形成されている。この場合、フランジ部27は、先端部を直線加工により形成され、環状部材33の当接面に対し図5に示す断面図でみて点当たりとなって、環状部材33の円周方向に沿った当接面に線接触するようになっている。
【0054】
このようにしても、蛍光キューブ本体21の貫通穴23周囲に設けられた3本の心出しネジ28のねじ込み量を調整することにより、上述したようにダイクロイックミラー9の傾き調整を同様にして行うことができる。また、この場合は、環状部材33とともに、フランジ部27の機械加工が可能になるので、構成部品の加工も簡単にできる。
【0055】
なお、このような環状部材33を設けた蛍光キューブは、ダイクロイックミラー9のy軸周りの回転を規制するための手段としての、ミラー固定部材25に設けられた先端を球形に形成したピン29および蛍光キューブ本体21の貫通穴23の開口周縁部に設けられ、ピン29が嵌合される切り欠き部30を省略したものにも適用できる。
【0056】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0057】
図5は、本発明の第3の実施の形態が適用される蛍光キューブの概略構成を示すもので、図2と同一部分には、同符号を付している。
【0058】
第1の実施の形態では、ダイクロイックミラー9のy軸周りの回転を規制する例を述べたが、このy軸周りの回転方向の精度が要求される場合もある。
【0059】
この第3の実施の形態では、図5に示すように蛍光キューブ本体21の側面に、貫通穴23の切り欠き部30まで貫通するネジ孔34が形成されている。ネジ孔34には、調整ネジ35がねじ込まれている。この調整ネジ35は、先端を切り欠き部30に嵌合されたミラー固定部材25のピン29の先端部に当接されており、ねじ込み量を適宜調整することにより、ダイクロイックミラー9のy軸周りの回転についても微調整できるようにしている。
【0060】
このようにすれば、ダイクロイックミラー9の傾き調整をさらに高精度に行うことができる。
【0061】
なお、上述した実施の形態では、ミラーユニットとして所定波長の光を選択的に反射および透過させるダイクロイックミラーを内蔵する蛍光キューブについて述べたが、顕微鏡の光路内に選択的に挿脱される折り返しミラー、ハーフミラーなどを内蔵するミラーユニットについても同様に適用することができる。また、上述した実施の形態では、蛍光キューブ本体21の貫通穴23周囲に設けられた心出しネジ28が3本の場合を述べたが、調整時の周囲のスペースや配置を考慮すれば、例えば4本以上としても何ら問題ない。
【0062】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
【0063】
図6(a)(b)は、本発明の第4の実施の形態が適用される蛍光キューブの概略構成を示すものである。図において、41はミラーユニット本体としての蛍光キューブ本体で、この蛍光キューブ本体41は、上面41a、両側面41b、41cおよび背面41dの4面を有する枠体からなっている。
【0064】
蛍光キューブ本体41の背面41dには、図1で述べた切換用ターレット20に装着するための取付アリ42が設けられている。また、蛍光キューブ本体41には、上面41aを貫通する貫通穴43が形成されている。貫通穴43の開口端周縁には、円周方向に沿って受面44が形成されている。この場合、受面44は、貫通穴43の開口から外周部に向けて徐々に下る傾斜面に形成されている。また、受面44には、円周方向に沿って所定間隔をおいて複数(図示例では3個)のネジ穴44aが形成されている。
【0065】
蛍光キューブ本体41の貫通穴43には、図7(a)(b)に示すような筒状のミラー固定部材45が挿入されている。このミラー固定部材45は、一方開口端部に、図1で述べた吸収フィルタ14が固定されている。また、ミラー固定部材45の他方開口端は、同図(b)に示すように傾斜して切り欠かかれ、この傾斜した開口端面にミラー取付部46が形成されている。このミラー取付部46は、円周方向に沿って等間隔にミラー位置決め用の突起部46a〜46dが形成され、これら突起部46a〜46dにより図1で述べたダイクロイックミラー9が位置決めして固定されている。
【0066】
ミラー固定部材45は、ダイクロイックミラー9の背面側、つまりダイクロイックミラー9の反射面と反対側に位置される一方開口端の周縁部に沿ってフランジ部47が形成されている。このフランジ部47は、ミラー固定部材45を受面44を介して蛍光キューブ本体41に固定するための固定部位となるもので、ダイクロイックミラー9の光路(透過光路)の周囲で蛍光キューブ本体41に固定されるようになっている。
【0067】
フランジ部47は、受面44上に当接するように載置される。この場合、フランジ部47と受面44との当接面は、ダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心とする半径Rの曲面、例えば球面で構成されている。これにより、ミラー固定部材45は、蛍光キューブ本体41に対し、フランジ部47と受面44の当接面を介してダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心に回転可能に保持されている。
【0068】
フランジ部47には、受面44のネジ穴44aに対応する位置に孔部47aが形成されている。この孔部47aは、ネジ穴44aの径に比べて十分に大きな径を有している。これにより孔部47aを介してネジ穴44aにネジ48を取り付けた状態で、ネジ48のねじ込みを十分に行なわなければ、ミラー固定部材45は、孔部47aの範囲でフランジ部47と受面44の当接面を介してダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心に移動可能となり、ダイクロイックミラー9の傾き角度を調整できようになっている。
【0069】
蛍光キューブ本体41には、フィルタ取付け部材49が設けられている。このフィルタ取付け部材49は、蛍光キューブ本体41の上面41aに対向する底面49aと、この底面49aに直立して設けられ、蛍光キューブ本体41の背面41dに対向するフィルタ支持部面49bを有するもので、底面49aに透孔50が形成されるとともに、フィルタ支持部面49bに図1で述べた励起フィルタ8が支持されている。
【0070】
このように構成された蛍光キューブは、図1で述べた切換用ターレット20に対し取付アリ42を介して取り付けられる。
【0071】
この状態からダイクロイックミラー9の傾きを調整するには、蛍光キューブ本体41のフランジ部47でネジ48のねじ込みを緩める。すると、ミラー固定部材45は、孔部47aの範囲で、フランジ部47と受面44の当接面を介してダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心に移動できるようになるので、この範囲でミラー固定部材45を動かすことで、ダイクロイックミラー9を所望する傾き角度に調整することができる。
【0072】
そして、ダイクロイックミラー9の傾きを調整した後は、ネジ48を十分に締め付け、フランジ部47と受面44の当接面が動かないように固定することによりダイクロイックミラー9の傾き状態を確実なものにする。
【0073】
このようにすれば、ダイクロイックミラー9の傾きを調整する場合、ネジ48によるミラー固定部材45の固定を一旦緩めて、この状態で、ミラー固定部材45を孔部47aの範囲で移動させ、ダイクロイックミラー9の傾きを所望の位置に調整し、その後、ネジ48を締め付け、ミラー固定部材45をフランジ部47を介して蛍光キューブ本体41に固定することにより、ダイクロイックミラー9を、光軸折り返し点Pを中心にして精度よく移動させることができ、光軸折り返し点Pをずらすことなく所望の傾き位置に調整することができる。
【0074】
これにより、蛍光キューブに新たなスペースを追加することなく、コンパクトな構成で、ミラーの傾きの調整が可能となる。また、調整終了とともに、ネジ48を締め付け、ミラー固定部材45をフランジ部47を介して蛍光キューブ本体41に固定することにより、蛍光キューブを切り換えたり、交換するときにあらかじめ調整した傾きがずれるようなことも防止できるなど、第1の実施の形態と同様な効果を期待できる。
【0075】
(変形例)
次に、第4の実施の形態の変形例を説明する。
【0076】
図8(a)(b)は、第4の実施の形態の変形例の概略構成を示すもので、図6と同一部分には、同符号を付している。
【0077】
この場合、筒状のミラー固定部材45は、フランジ部47が形成された一方開口端にネジ部45aが形成されている。このネジ部45aには、操作部材51が着脱可能に設けられる。
【0078】
操作部材51は、先端部に摘み部51aを有するとともに、基端部にミラー固定部材45のネジ部45aに対応するネジ51bが形成されている。そして、ネジ51bをネジ部45aにねじ込み、操作部材51をミラー固定部材45に取り付けた状態から、摘み部51aを操作するこによりミラー固定部材45の傾きを調整できるようになっている。
【0079】
ミラー固定部材45には、中心軸と直交する方向に貫通孔45bが形成され、また、蛍光キューブ本体41には、貫通孔45bに対応する位置に、この貫通孔45bより十分大きな径を有する孔部52が形成されている。そして、これら貫通孔45bおよび孔部52には、操作棒53が貫通するように設けられている。
【0080】
こうすれば、蛍光キューブ本体41のフランジ部47でネジ48のねじ込みを緩めて、摘まみ部51aを操作することでミラー固定部材45の傾きを所望の位置に調整することができる。また、操作棒53を図示矢印方向に操作することにより、孔部52の範囲で、y軸の回転方向の調整も簡単に行なうことができる。
【0081】
そして、これらの調整の後、ネジ48を締め付け、ミラー固定部材45をフランジ部47を介して蛍光キューブ本体41に固定する。また、この固定状態から、操作部材51および操作棒53をミラー固定部材45から取り外す。
【0082】
従って、このようにすれば、ダイクロイックミラー9の傾き調整を、さらに簡単に、精度よく行なうことができる。
【0083】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。
【0084】
図9(a)(b)は、本発明の第5の実施の形態が適用される蛍光キューブの概略構成を示すもので、図6と同一部分には、同符号を付している。
【0085】
この場合、蛍光キューブ本体41は、貫通穴43の開口端内周面に段部43aが形成されている。そして、この段部43a上に沿って環状部材61が設けられている。この環状部材61は、ミラー固定部材45のフランジ部47と接触する受面61aが、ダイクロイックミラー9による光軸折り返し点Pを中心とする半径Rの球面に形成されている。この場合、フランジ部47先端部と環状部材61の当接面との関係は、上述した図5に準じるようになっている。
【0086】
蛍光キューブ本体41の貫通穴43の開口端面には、円周方向に沿って所定間隔をおいて弾性部材として複数の板バネ62が設けられている。これら板バネ62は、ミラー固定部材45のフランジ部47を環状部材61の受面61a側に押し当てるためのものである。
【0087】
蛍光キューブ本体41の貫通穴43の開口端周面には、円周方向に沿って所定間隔をおいて複数のネジ穴43bが形成されている。これらネジ穴43bには、ネジ63がねじ込まれている。これらネジ63は、先端を環状部材61に当接しており、それぞれのねじ込み量を調整することで環状部材61を段部43a上で移動させ、ダイクロイックミラー9の傾き調整を行うことができるようにしている。
【0088】
その他は、図6と同様である。
【0089】
これにより、ダイクロイックミラー9の傾きを調整する場合は、ネジ63のねじ込み量を適宜調整して、環状部材61を移動させれば、フランジ部47が環状部材61の受面61aに沿って摺動することになり、ダイクロイックミラー9の傾きを調整することができる。
【0090】
このようにしても、蛍光キューブに新たなスペースを追加することなく、コンパクトな構成で、ミラーの傾きの調整が可能になるなど、第4の実施の形態と同様な効果を期待できる。
【0091】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。
【0092】
図10(a)(b)は、本発明の第6の実施の形態が適用される蛍光キューブの概略構成を示すもので、図6と同一部分には、同符号を付している。
【0093】
この場合、蛍光キューブ本体41は、貫通穴43の開口端内周面に段部を介して受面43cが形成されている。
【0094】
また、ミラー固定部材45は、一方開口端の周縁部に沿ってフランジ部47が形成されている。このフランジ部47は、受面43c上に当接するように載置される。
【0095】
ミラー固定部材45のフランジ部47には、円周方向に沿って所定間隔をおいて複数のネジ穴47bが形成されている。これらネジ穴47bには、第1の調整手段としてのネジ71がねじ込まれている。これらネジ71は、先端を受面43cに当接されていて、ねじ込み量を調整することにより、フランジ部47を受面43cから引き離す方向に移動させるようになっている。
【0096】
ミラー固定部材45のフランジ部47には、円周方向に沿って所定間隔をおいて複数の孔部47cが形成されている。また、蛍光キューブ本体41の受面43cには、孔部47cに対応する位置にネジ穴43dが形成されている。これらネジ穴43dには、孔部47cを介して第2の調整手段としてのネジ72がねじ込まれている。これらネジ72は、ねじ込み量を調整することにより、フランジ部47を受面43cに引き寄せる方向に移動させるようになっている。
【0097】
その他は、図6と同様である。
【0098】
これにより、ダイクロイックミラー9の傾きを調整する場合は、ネジ71のねじ込み量を調整して、フランジ部47を受面43cから引き離す方向に移動させるとともに、ネジ72のねじ込み量を調整して、フランジ部47を受面43cに引き寄せる方向に移動させることにより、ダイクロイックミラー9の傾きを調整することができる。
【0099】
このようにしても、蛍光キューブに新たなスペースを追加することなく、コンパクトな構成で、ミラーの傾きの調整が可能になるなど、第4の実施の形態と同様な効果を期待できる。
【0100】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。例えば、蛍光キューブは、励起フィルタ8のないもの、あるいは励起フィルタ8と吸収フィルタ14の両方がないものなど各種の用途の蛍光キューブにも適用できる。
【0101】
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0102】
なお、上述した実施の形態には、以下の発明も含まれる。
【0103】
(1)顕微鏡の光路内に選択的に挿脱される少なくともミラーを内蔵した顕微鏡ミラーユニットにおいて、
前記ミラーを固定するとともに、フランジ部を形成したミラー固定部材と、
前記フランジ部が当接される受面を有する環状部材と、
前記環状部材を介して前記ミラー固定部材を保持するミラーユニット本体と、を具備し、
前記フランジ部と該フランジ部が当接する前記環状部材の受面のうち、少なくとも前記受面が前記ミラーの光軸折り返し点を中心とする曲面で構成され、前記環状部材を光軸に垂直な面に摺動させ、前記ミラーの傾き角度を調整可能にしたことを特徴とする顕微鏡用ミラーユニット。
【0104】
(2)顕微鏡の光路内に選択的に挿脱される少なくともミラーを内蔵した顕微鏡ミラーユニットにおいて、
前記ミラーを固定するとともに、フランジ部を形成したミラー固定部材と、
前記フランジ部が当接される受面を有し、該受面に当接される前記フランジ部を介して前記ミラー固定部材を保持するミラーユニット本体と、を具備し、
前記フランジ部と該フランジ部が当接する前記受面の間にあって、前記フランジ部を前記受面から引き離す方向に移動させる第1の調整手段と、前記フランジ部を前記受面から引き離す方向に移動させる第2の調整手段を有し、これら第1および第2の調整手段により前記ミラーの傾き角度を調整可能にしたことを特徴とする顕微鏡用ミラーユニット。
【0105】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、コンパクト化が可能で、しかも内蔵ミラーの傾き調整を簡単に行うことができるミラーユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態が適用され光学顕微鏡の概略構成を示す図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の概略構成を示す図。
【図3】第1の実施の形態に用いられるミラー固定部材の概略構成を示す図。
【図4】本発明の第2の実施の形態の概略構成を示す図。
【図5】本発明の第3の実施の形態の概略構成を示す図。
【図6】本発明の第4の実施の形態の概略構成を示す図。
【図7】第4の実施の形態に用いられるミラー固定部材の概略構成を示す図。
【図8】第4の実施の形態の変形例の概略構成を示す図。
【図9】本発明の第5の実施の形態の概略構成を示す図。
【図10】本発明の第6の実施の形態の概略構成を示す図。
【図11】従来のターレットに装着される蛍光キューブを説明するための図。
【符号の説明】
1…光源、2…コレクターレンズ、3…フィルタ
4…開口絞り、5…視野絞り、6…リレーレンズ
7…蛍光キューブ、8…励起フィルタ、9…ダイクロイックミラー
10…レボルバ、11…対物レンズ、12…顕微鏡ステージ
13…標本、14…吸収フィルタ、15…結像レンズ
16…ビームスプリッタ、17…接眼光学系、18…写真撮影用接眼レンズ
19…光軸、20…切換用ターレット、20a…回転軸
21…蛍光キューブ本体、21a…上面、21b.21c…両側面
21d…背面、22…取付アリ、23…貫通穴
23a…段部、24…受面、25…ミラー固定部材
26…ミラー取付部、26a〜26d…突起部、27…フランジ部
27a…テーパ面、28…ネジ、29…ピン、30…欠き部
31…フィルタ取付け部材、31a…底面、31b…フィルタ支持部面
32…透孔、33…環状部材、33a…受面
34…ネジ孔、35…調整ネジ
41…蛍光キューブ本体、41a…上面、41b.41c…両側面
41d…背面、42…取付アリ、43…貫通穴
43a…段部、43b…ネジ穴、43c…受面、43d…ネジ穴
44…受面、44a…ネジ穴、45…ミラー固定部材
45a…ネジ部、45b…貫通孔、46…ミラー取付部
46a〜46d…突起部、47…フランジ部
47a、47b…孔部、47c…ネジ穴
48…ネジ、49…フィルタ取付け部材、49a…底面
49b…フィルタ支持部面、50…透孔、51…操作部材
51a…摘み部、51b…ネジ、52…孔部、53…操作棒
61…環状部材、61a…受面、62…板バネ、63…ネジ
71、72…ネジ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学顕微鏡に適用され、例えば、同一標本内において、複数の物質相互間の位置および特定物質の位置の変化などを多重観察するのに好適な顕微鏡用ミラーユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、顕微鏡による観察では、観察する物質により検鏡法が異なり、また、物質によって染色される蛍光色素が異なる。このため、このような観察条件の異なる標本像を同一視野内で観察したり、写真撮影またはTV撮影などで多重記録しようとすると、複数の検鏡法の切換えや多重染色蛍光の蛍光励起の切換えなどが必要となる。この場合、検鏡法の切換えは、観察光路中で、例えば、偏光板、偏光解消板、ハーフミラーなどのユニットの切換え挿脱が行われ、また、蛍光励起の切換えでは、例えばダイクロイックミラー、吸収フィルタを有する蛍光キューブなどのユニットの切換えが行われる。
【0003】
ところで、このようにして観察光路に選択的に切換えられるユニットとして、折り返しミラーを内蔵するミラーユニットが用いられる場合、観察光路中での保持部材の位置決め精度の影響により、ミラーユニットの切換え時に、お互いのミラーの間に角度ズレを生じることがあり、この角度ズレが照明光路の軸心のズレとなって、各観察像の間で光量ムラを発生するという問題があった。
【0004】
このような問題に対し、従来、例えば、特許文献1に開示されるように無限遠光学系に入る光学素子の観察系の心ズレを例に挙げ、光学素子に心補正ユニットを組み合わせて心ズレを補正するものが考えられている。すなわち、かかる特許文献1のものは、無限遠観察光学系を構成する対物レンズと結像レンズの間に挿脱可能な平面板を備える光学顕微鏡において、結像レンズと平面板との間に、芯補正ユニットを設けており、この芯補正ユニットは、平面および所定の曲率を有する凹面を備えた第1のレンズと、平面および凹面と同一曲率を有し且つ凹面に対面させて配置される凸面を備えた第2のレンズと、第1のレンズの凹面と第2のレンズの凸面との間に所定の間隙が与えられるように配置されたスペーサと、第1および第2のレンズの凹凸面の曲率に沿って第1のレンズおよび第2のレンズを相対的に移動させると共に任意の移動位置で保持可能な移動調節手段とを具備し、平面板による芯ずれは、移動調節手段による芯補正ユニットの移動調整により補正できるようになっている。
【0005】
また、特許文献2に開示されるように光情報再生装置や顕微鏡などの光学装置における光学素子の位置や傾きを調整するものも考えられている。すなわち、かかる特許文献2のものは、光学素子が固定され第1の当接部が形成された保持部材と、第1の当接部と当接する第2の当接部が形成されたベース部材と、第1の当接部と当接する第3の当接部が形成された調整部材とからなり、第1の当接部は、第2および第3の当接部上で摺動可能であって、かつ、第2および第3の当接部上での摺動により、ペース部材に対し保持部材が傾くように形成されており、調整部材は、その第3の当接部が第2の当接部に対し変位可能になるよう構成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−115781号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平10−208251号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、顕微鏡の観察法は、年々多様化しており、特に蛍光顕微鏡については、蛍光観察波長の多様化にともない、ダイクロイックミラー、吸収フィルタを有する蛍光キューブも多種のものが必要となっている。このため、例えば、図11(a)(b)に示すように回転ターレット101に挿脱可能に設けられる蛍光キューブ102は、同図(a)に示すようにターレット101の円周方向に90°の間隔で4個配置されていたものに代わって、同図(b)に示すようにターレット101の円周方向に60°の間隔で6個配置されものが用いられるようにもなっており、これにともない、蛍光キューブ102自体のコンパクト化が要求されている。一方で、蛍光顕微鏡においては、微弱な蛍光を感度よく検出する要求も高まっており、このため蛍光キューブ102の切換えによる照明光路の軸心のズレによる照明ムラを極力抑えて観察精度の向上を図ることも重要になっている。
【0009】
ところが、特許文献1に開示されるものを、上述した蛍光キューブ102に適用しようとすると、蛍光キューブ102の上側に心補正ユニットを構成するスペースが必要となるため、蛍光キューブ102をコンパクトに構成するのが難しくなる。また、第1および第2のレンズなどの不必要な硝材が光路中に配置されるので、ただでさえ微弱な蛍光の観察に影響を及ぼし、さらに観察像自体の劣化にもつながるという問題がある。
【0010】
また、特許文献2に開示されるものについても、コンパクト化が要求され、また、光線の通過スペースを大きく必要とする蛍光キューブ102の中に構成するのはスペース的に難しく、また構成できたとしても、保持部材の第1の当接部をバネ力により調整部材の第3の当接部へ当て付けるようにしていることから、調整後の当て付け保持に強度的な問題が残り、頻繁に光路への挿脱が繰り返され着脱交換されるように蛍光キューブヘの応用は難しい。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、コンパクト化が可能で、しかも内蔵ミラーの傾き調整を簡単に行うことができるミラーユニットを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、顕微鏡の光路内に選択的に挿脱される少なくともミラーを内蔵した顕微鏡用ミラーユニットにおいて、前記ミラーを固定するとともに、フランジ部を形成したミラー固定部材と、前記フランジ部が当接される受面を有し、該受面に当接される前記フランジ部を介して前記ミラー固定部材を保持するミラーユニット本体と、を具備し、前記フランジ部と該フランジ部が当接する前記受面のうち、少なくとも前記受面が前記ミラーの光軸折り返し点を中心とする曲面で構成され、これらフランジ部と受面の当接面を介して前記ミラー固定部材を前記ミラーの光軸折り返し点を中心に回転させ、前記ミラーの傾き角度を調整可能としたことを特徴としている。
【0013】
請求項2記載の発明は、顕微鏡の光路内に選択的に挿脱される少なくともミラーを内蔵した顕微鏡用ミラーユニットにおいて、前記ミラーを固定するとともに、前記ミラーの光路の周辺部にフランジ部を形成したミラー固定部材と、前記フランジ部が当接される受面を有し、該受面に当接される前記フランジ部を介して前記ミラー固定部材を保持するミラーユニット本体と、を具備し、前記ミラー固定部材は、前記フランジ部を介して前記ミラーユニット本体に対して傾き調整されて固定されることを特徴としている。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記ミラーユニット本体は、前記ミラー固定部材の前記ミラーの光軸折り返し点を中心にした回転量を調整する調整手段を有し、該調整手段により前記ミラーの傾き角度を調整可能としたことを特徴としている。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記ミラーユニット本体は、前記フランジ部が当接される受面が環状部材により構成され、該環状部材の前記フランジ部との当接面が前記ミラーの光軸折り返し点を中心とする曲面で構成されることを特徴としている。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記ミラー固定部材のフランジ部は、前記ミラーの反射面と反対側に形成され、該フランジ部により前記受面を介して前記ミラーユニット本体に固定されることを特徴としている。
【0017】
この結果、本発明によれば、ミラーユニット本体内部に新たなスペースを追加することなく、ミラーの傾きの調整が可能となり、ユニットのコンパクト化を実現でき、また、ミラー固定部材の僅かな回転を調整するのみで、ミラーの傾き調整を簡単に行うことができる。
【0018】
また、本発明によれば、環状部材とともに、フランジ部の機械加工が可能になるので、構成部品の加工も簡単にできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の顕微鏡用ミラーユニットが適用され光学顕微鏡の概略構成を示している。図1において、1は落射照明用の光源で、この光源1には、例えば、ハロゲンランプや水銀ランプ等が用いられている。
【0021】
光源1から発光された光は、コレクターレンズ2を介して平行光に変換されて調光用のフィルタ3に導光され、開口絞り4、視野絞り5およびリレーレンズ6を介して顕微鏡用ミラーユニットとしての蛍光キューブ7に照射される。
【0022】
蛍光キューブ7は、励起フィルタ8、ミラーとしてのダイクロイックミラー9および吸収フィルタ14を有している。
【0023】
蛍光キューブ7に導入された光は、励起フィルタ8を透過し短波長の励起光となってダイクロイックミラー9に照射される。ダイクロイックミラー9は、一種の干渉フィルタからなるもので、短波長を反射し、長波長を透過するように構成されている。
【0024】
これにより、励起フィルタ8で励起された短波長の励起光は、ダイクロイックミラー9で全反射され、対物レンズ11に導光される。
【0025】
対物レンズ11は、レボルバ10に複数個(図示では1個のみを示している。)装着されており、対物レンズ11が選択的に光軸19上に配置される。
【0026】
対物レンズ11を透過した励起光は、顕微鏡ステージ12上に配置された標本13に集光される。
【0027】
標本13から発光された蛍光は、再び、対物レンズ11を介して平行光束に規制され、蛍光キューブ7のダイクロイックミラー9に照射される。
【0028】
この場合、標本13から発光された蛍光の波長は、ストークスシフトにより、励起光の波長より長波長側にシフトしている。これにより、標本13からの蛍光は、ダイクロイックミラー9で、そのほとんどの光量が透過され、蛍光キューブ7の吸収フィルタ14に照射される。
【0029】
吸収フィルタ14は、散乱または反射に伴う僅かな励起光を吸収して標本13から発光された蛍光のみを取り出すようになっている。これにより、標本13から発光された蛍光のみが、結像レンズ15を介してビームスプリッタ16に照射され、接眼光学系17を介して目視観察または写真撮影用接眼レンズ18を介して写真撮影される。
【0030】
ここで、蛍光キューブ7は、切換用ターレット20に複数個設けられている。この切換用ターレット20は、光軸19と平行に配置された回転軸20aを有するとともに、回転軸20a周囲に沿って複数の蛍光キューブ7が配設されたもので、この回転軸20aを中心に回転させることにより、選択的に蛍光キューブ7を光軸19上に配置できるようになっている。つまり、上述したような落射蛍光観察において、標本13が多重染色蛍光標本である場合、夫々の蛍光色素に対応させて励起光を変える必要があるが、この場合、切換用ターレット20を回転させることで、最適な励起フィルタ8を有する蛍光キューブ7を選択的に光軸19上に切換えることができるようになっている。
【0031】
ところで、このようにして選択的に蛍光キューブ7を光軸19上に切換える場合、仮に、蛍光キューブ7ごとにダイクロイックミラー9を保持する部品精度のバラツキにより、ダイクロイックミラー9に傾き誤差が生じていると、蛍光キューブ7を切換える前と切換えた後とで、照明光学系の芯がずれることがある。このことは、多重染色蛍光標本に対して励起光を切換えながら、写真およびTV画像等で多重露光を行うような場合、蛍光色素毎に観察像面で照明ムラが生じてしまうという問題を生じる。
【0032】
そこで、本発明の蛍光キューブ7は、以下述べるように構成されている。
【0033】
図2(a)(b)は、蛍光キューブ7の概略構成を示すものである。図において、21はミラーユニット本体としての蛍光キューブ本体で、この蛍光キューブ本体21は、上面21a、両側面21b、21cおよび背面21dの4面を有する枠体からなっている。
【0034】
蛍光キューブ本体21の背面21dには、上述した切換用ターレット20に装着するための取付アリ22が設けられている。また、蛍光キューブ本体21の上面21aには、貫通穴23が形成されている。この貫通穴23の開口端近傍には、円周方向に沿って段部からなる受面24が形成されている。
【0035】
蛍光キューブ本体21の貫通穴23には、図3(a)(b)に示す筒状のミラー固定部材25が挿入されている。このミラー固定部材25は、一方開口端部に吸収フィルタ14が固定されている。また、ミラー固定部材25の他方開口端は、同図(b)に示すように傾斜して切り欠かかれ、この傾斜した開口端面にミラー取付部26が形成されている。このミラー取付部26は、円周方向に沿って等間隔にミラー位置決め用の突起部26a〜26dが形成され、これら突起部26a〜26dによりダイクロイックミラー9が位置決めして固定されている。
【0036】
ミラー固定部材25は、ダイクロイックミラー9の背面側、つまりダイクロイックミラー9の反射面と反対側に位置される一方開口端の周縁部に沿ってフランジ部27が形成されている。このフランジ部27は、ミラー固定部材25を蛍光キューブ本体21の受面24に固定するための固定部位となるもので、ダイクロイックミラー9の光路の周囲で蛍光キューブ本体21に固定されるようになっている。
【0037】
フランジ部27は、外周面に沿ってテーパ面27aが形成されている。また、フランジ部27は、貫通穴23の開口端部に形成された受面24に当接されている。この場合、ミラー固定部材25のフランジ部27と貫通穴23の受面24との当接面は、ダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心とする半径Rの曲面、例えば球面で構成されている。これにより、ミラー固定部材25は、蛍光キューブ本体21に対し、フランジ部27と受面24の当接面を介してダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心に回転可能に保持されている。
【0038】
蛍光キューブ本体21の貫通穴23周囲には、調整手段として円周方向に沿って等間隔に複数本(図示例では3本)の心出しネジ28が配置されている。これら心出しネジ28は、それぞれの先端をフランジ部27外周のテーパ面27aに当接されており、これらのねじ込み量を適宜調整することにより、球面に形成されたフランジ部27と受面24の当接面を介してダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心にミラー固定部材25全体をz軸周りに回転させ、ダイクロイックミラー9の傾き角度を調整できるようになっている。
【0039】
ミラー固定部材25には、心出しネジ28が当接しない位置に先端を球形に形成されたピン29が突出して設けられている。このピン29は、蛍光キューブ本体21の貫通穴23の開口周縁部に設けられた切り欠き部30に嵌合され、ダイクロイックミラー9のy軸周りの回転を規制するようになっている。
【0040】
蛍光キューブ本体21には、フィルタ取付け部材31が設けられている。このフィルタ取付け部材31は、蛍光キューブ本体21の上面21aに対向する底面31aと、この底面31aに直立して設けられ、蛍光キューブ本体21の背面21dに対向するフィルタ支持部面31bを有するもので、底面31aに透孔32が形成されるとともに、フィルタ支持部面31bに励起フィルタ8が支持されている。
【0041】
このように構成された蛍光キューブ7は、図1で述べた切換用ターレット20に対し取付アリ22を介して取り付けられる。この場合、蛍光キューブ7は、光源1からの照明光路上(x軸方向)に励起フィルタ8およびダイクロイックミラー9が配置され、対物レンズ11の光軸19上(y軸方向)にフィルタ取付け部材31の透孔32を介してダイクロイックミラー9と吸収フィルタ14が配置される。
【0042】
そして、この状態からダイクロイックミラー9の傾きを調整するには、蛍光キューブ本体21の貫通穴23周囲に設けられた3本の心出しネジ28のねじ込み量を調整する。つまり、これら心出しネジ28のねじ込みを緩めたり、締めたりする動作を繰り返す。すると、ミラー固定部材25は、フランジ部27外周のテーパ面27aに対する心出しネジ28先端での押圧力が調整されることから、半径Rの球面で形成されたフランジ部27と受面24の当接面を介して、ダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心にz軸周りに僅かに回転され、これによりダイクロイックミラー9は、所望する傾き位置に調整される。
【0043】
この場合、ミラー固定部材25は、ピン29が蛍光キューブ本体21の貫通穴23の切り欠き部30に嵌合されているので、ダイクロイックミラー9のy軸周りの回転が規制されるので、ダイクロイックミラー9の振れだけを微調整することができる。
【0044】
そして、ダイクロイックミラー9の傾き調整終了後は、心出しネジ28を適宜締め付けてフランジ部27と受面24の当接面が動かないように固定してダイクロイックミラー9の傾き状態を確実なものにする。
【0045】
従って、このようにすれば、蛍光キューブ本体21に対しダイクロイックミラー9を固定したミラー固定部材25をフランジ部27と受面24の当接面を介してダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心に回転可能に保持する構成としたので、蛍光キューブ本体21内部に新たなスペースを追加することなく、ミラーの傾きの調整が可能となり、ユニットのコンパクト化を実現できる。
【0046】
また、ミラー固定部材25の僅かな回転を調整するのみで、ダイクロイックミラー9の傾き角度を調整できるので、ミラーの傾き調整を簡単に行うことができる。このことは、選択的に蛍光キューブ7を光路上に切換える場合、仮に、蛍光キューブ7ごとにダイクロイックミラー9を保持する部品精度のバラツキにより、ダイクロイックミラー9に傾き誤差が生じていると、蛍光キューブ7を切換える前と切換えた後とで、照明光学系の芯がずれることがあるが、この場合も、ダイクロイックミラー9の傾き調整を簡単にできるので、多重染色蛍光標本に対して励起光を切換えながら、写真およびTV画像等で多重露光を行うような場合も、蛍光色素毎の観察像面での照明ムラを確実に防止することができる。
【0047】
さらに、ダイクロイックミラー9の傾き調整後は、心出しネジ28を適宜締め付けてフランジ部27と受面24の当接面が動かないように固定できるので、蛍光キューブ7を切り換えたり、交換するときにあらかじめ調整した傾きがズレるようなことも防止できる。
【0048】
さらに、ミラー固定部材25は、ダイクロイックミラー9の光路の周囲でフランジ部27を介して蛍光キューブ本体21に固定されているので、これらの固定部がダイクロイックミラー9に入射、反射および透過される光のそれぞれの光路に影響を与えることがなく、ダイクロイックミラー9を蛍光キューブ本体21内に安定して保持することができる。
【0049】
さらに、ミラー固定部材25は、ダイクロイックミラー9の背部、つまり、反射面と反対側に形成されたフランジ部27により受面24を介して蛍光キューブ本体21に固定されるので、ミラー固定部材25に光路を通すための孔部などを特別に設けるような必要がなくなり、構成を簡単なものにできる。
【0050】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0051】
図4(a)(b)は、本発明の第2の実施の形態が適用される蛍光キューブの概略構成を示すもので、図2と同一部分には、同符号を付している。
【0052】
第1の実施の形態では、ミラー固定部材25のフランジ部27および蛍光キューブ本体21の貫通穴23の受面24は、それぞれダイキャストなどの成型により一体形成した例を述べたが、これらフランジ部27および受面24を機械加工により構成しようとすると難しい。
【0053】
この第2の実施の形態では、図4(a)に示すように貫通穴23の段部23a上に沿って環状部材33が設けられている。この環状部材33は、同図(b)に示すように、ミラー固定部材25のフランジ部27と接触する受面33aが、ダイクロイックミラー9による光軸折り返し点Pを中心とする半径Rの球面に形成されている。この場合、フランジ部27は、先端部を直線加工により形成され、環状部材33の当接面に対し図5に示す断面図でみて点当たりとなって、環状部材33の円周方向に沿った当接面に線接触するようになっている。
【0054】
このようにしても、蛍光キューブ本体21の貫通穴23周囲に設けられた3本の心出しネジ28のねじ込み量を調整することにより、上述したようにダイクロイックミラー9の傾き調整を同様にして行うことができる。また、この場合は、環状部材33とともに、フランジ部27の機械加工が可能になるので、構成部品の加工も簡単にできる。
【0055】
なお、このような環状部材33を設けた蛍光キューブは、ダイクロイックミラー9のy軸周りの回転を規制するための手段としての、ミラー固定部材25に設けられた先端を球形に形成したピン29および蛍光キューブ本体21の貫通穴23の開口周縁部に設けられ、ピン29が嵌合される切り欠き部30を省略したものにも適用できる。
【0056】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0057】
図5は、本発明の第3の実施の形態が適用される蛍光キューブの概略構成を示すもので、図2と同一部分には、同符号を付している。
【0058】
第1の実施の形態では、ダイクロイックミラー9のy軸周りの回転を規制する例を述べたが、このy軸周りの回転方向の精度が要求される場合もある。
【0059】
この第3の実施の形態では、図5に示すように蛍光キューブ本体21の側面に、貫通穴23の切り欠き部30まで貫通するネジ孔34が形成されている。ネジ孔34には、調整ネジ35がねじ込まれている。この調整ネジ35は、先端を切り欠き部30に嵌合されたミラー固定部材25のピン29の先端部に当接されており、ねじ込み量を適宜調整することにより、ダイクロイックミラー9のy軸周りの回転についても微調整できるようにしている。
【0060】
このようにすれば、ダイクロイックミラー9の傾き調整をさらに高精度に行うことができる。
【0061】
なお、上述した実施の形態では、ミラーユニットとして所定波長の光を選択的に反射および透過させるダイクロイックミラーを内蔵する蛍光キューブについて述べたが、顕微鏡の光路内に選択的に挿脱される折り返しミラー、ハーフミラーなどを内蔵するミラーユニットについても同様に適用することができる。また、上述した実施の形態では、蛍光キューブ本体21の貫通穴23周囲に設けられた心出しネジ28が3本の場合を述べたが、調整時の周囲のスペースや配置を考慮すれば、例えば4本以上としても何ら問題ない。
【0062】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
【0063】
図6(a)(b)は、本発明の第4の実施の形態が適用される蛍光キューブの概略構成を示すものである。図において、41はミラーユニット本体としての蛍光キューブ本体で、この蛍光キューブ本体41は、上面41a、両側面41b、41cおよび背面41dの4面を有する枠体からなっている。
【0064】
蛍光キューブ本体41の背面41dには、図1で述べた切換用ターレット20に装着するための取付アリ42が設けられている。また、蛍光キューブ本体41には、上面41aを貫通する貫通穴43が形成されている。貫通穴43の開口端周縁には、円周方向に沿って受面44が形成されている。この場合、受面44は、貫通穴43の開口から外周部に向けて徐々に下る傾斜面に形成されている。また、受面44には、円周方向に沿って所定間隔をおいて複数(図示例では3個)のネジ穴44aが形成されている。
【0065】
蛍光キューブ本体41の貫通穴43には、図7(a)(b)に示すような筒状のミラー固定部材45が挿入されている。このミラー固定部材45は、一方開口端部に、図1で述べた吸収フィルタ14が固定されている。また、ミラー固定部材45の他方開口端は、同図(b)に示すように傾斜して切り欠かかれ、この傾斜した開口端面にミラー取付部46が形成されている。このミラー取付部46は、円周方向に沿って等間隔にミラー位置決め用の突起部46a〜46dが形成され、これら突起部46a〜46dにより図1で述べたダイクロイックミラー9が位置決めして固定されている。
【0066】
ミラー固定部材45は、ダイクロイックミラー9の背面側、つまりダイクロイックミラー9の反射面と反対側に位置される一方開口端の周縁部に沿ってフランジ部47が形成されている。このフランジ部47は、ミラー固定部材45を受面44を介して蛍光キューブ本体41に固定するための固定部位となるもので、ダイクロイックミラー9の光路(透過光路)の周囲で蛍光キューブ本体41に固定されるようになっている。
【0067】
フランジ部47は、受面44上に当接するように載置される。この場合、フランジ部47と受面44との当接面は、ダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心とする半径Rの曲面、例えば球面で構成されている。これにより、ミラー固定部材45は、蛍光キューブ本体41に対し、フランジ部47と受面44の当接面を介してダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心に回転可能に保持されている。
【0068】
フランジ部47には、受面44のネジ穴44aに対応する位置に孔部47aが形成されている。この孔部47aは、ネジ穴44aの径に比べて十分に大きな径を有している。これにより孔部47aを介してネジ穴44aにネジ48を取り付けた状態で、ネジ48のねじ込みを十分に行なわなければ、ミラー固定部材45は、孔部47aの範囲でフランジ部47と受面44の当接面を介してダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心に移動可能となり、ダイクロイックミラー9の傾き角度を調整できようになっている。
【0069】
蛍光キューブ本体41には、フィルタ取付け部材49が設けられている。このフィルタ取付け部材49は、蛍光キューブ本体41の上面41aに対向する底面49aと、この底面49aに直立して設けられ、蛍光キューブ本体41の背面41dに対向するフィルタ支持部面49bを有するもので、底面49aに透孔50が形成されるとともに、フィルタ支持部面49bに図1で述べた励起フィルタ8が支持されている。
【0070】
このように構成された蛍光キューブは、図1で述べた切換用ターレット20に対し取付アリ42を介して取り付けられる。
【0071】
この状態からダイクロイックミラー9の傾きを調整するには、蛍光キューブ本体41のフランジ部47でネジ48のねじ込みを緩める。すると、ミラー固定部材45は、孔部47aの範囲で、フランジ部47と受面44の当接面を介してダイクロイックミラー9の光軸折り返し点Pを中心に移動できるようになるので、この範囲でミラー固定部材45を動かすことで、ダイクロイックミラー9を所望する傾き角度に調整することができる。
【0072】
そして、ダイクロイックミラー9の傾きを調整した後は、ネジ48を十分に締め付け、フランジ部47と受面44の当接面が動かないように固定することによりダイクロイックミラー9の傾き状態を確実なものにする。
【0073】
このようにすれば、ダイクロイックミラー9の傾きを調整する場合、ネジ48によるミラー固定部材45の固定を一旦緩めて、この状態で、ミラー固定部材45を孔部47aの範囲で移動させ、ダイクロイックミラー9の傾きを所望の位置に調整し、その後、ネジ48を締め付け、ミラー固定部材45をフランジ部47を介して蛍光キューブ本体41に固定することにより、ダイクロイックミラー9を、光軸折り返し点Pを中心にして精度よく移動させることができ、光軸折り返し点Pをずらすことなく所望の傾き位置に調整することができる。
【0074】
これにより、蛍光キューブに新たなスペースを追加することなく、コンパクトな構成で、ミラーの傾きの調整が可能となる。また、調整終了とともに、ネジ48を締め付け、ミラー固定部材45をフランジ部47を介して蛍光キューブ本体41に固定することにより、蛍光キューブを切り換えたり、交換するときにあらかじめ調整した傾きがずれるようなことも防止できるなど、第1の実施の形態と同様な効果を期待できる。
【0075】
(変形例)
次に、第4の実施の形態の変形例を説明する。
【0076】
図8(a)(b)は、第4の実施の形態の変形例の概略構成を示すもので、図6と同一部分には、同符号を付している。
【0077】
この場合、筒状のミラー固定部材45は、フランジ部47が形成された一方開口端にネジ部45aが形成されている。このネジ部45aには、操作部材51が着脱可能に設けられる。
【0078】
操作部材51は、先端部に摘み部51aを有するとともに、基端部にミラー固定部材45のネジ部45aに対応するネジ51bが形成されている。そして、ネジ51bをネジ部45aにねじ込み、操作部材51をミラー固定部材45に取り付けた状態から、摘み部51aを操作するこによりミラー固定部材45の傾きを調整できるようになっている。
【0079】
ミラー固定部材45には、中心軸と直交する方向に貫通孔45bが形成され、また、蛍光キューブ本体41には、貫通孔45bに対応する位置に、この貫通孔45bより十分大きな径を有する孔部52が形成されている。そして、これら貫通孔45bおよび孔部52には、操作棒53が貫通するように設けられている。
【0080】
こうすれば、蛍光キューブ本体41のフランジ部47でネジ48のねじ込みを緩めて、摘まみ部51aを操作することでミラー固定部材45の傾きを所望の位置に調整することができる。また、操作棒53を図示矢印方向に操作することにより、孔部52の範囲で、y軸の回転方向の調整も簡単に行なうことができる。
【0081】
そして、これらの調整の後、ネジ48を締め付け、ミラー固定部材45をフランジ部47を介して蛍光キューブ本体41に固定する。また、この固定状態から、操作部材51および操作棒53をミラー固定部材45から取り外す。
【0082】
従って、このようにすれば、ダイクロイックミラー9の傾き調整を、さらに簡単に、精度よく行なうことができる。
【0083】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。
【0084】
図9(a)(b)は、本発明の第5の実施の形態が適用される蛍光キューブの概略構成を示すもので、図6と同一部分には、同符号を付している。
【0085】
この場合、蛍光キューブ本体41は、貫通穴43の開口端内周面に段部43aが形成されている。そして、この段部43a上に沿って環状部材61が設けられている。この環状部材61は、ミラー固定部材45のフランジ部47と接触する受面61aが、ダイクロイックミラー9による光軸折り返し点Pを中心とする半径Rの球面に形成されている。この場合、フランジ部47先端部と環状部材61の当接面との関係は、上述した図5に準じるようになっている。
【0086】
蛍光キューブ本体41の貫通穴43の開口端面には、円周方向に沿って所定間隔をおいて弾性部材として複数の板バネ62が設けられている。これら板バネ62は、ミラー固定部材45のフランジ部47を環状部材61の受面61a側に押し当てるためのものである。
【0087】
蛍光キューブ本体41の貫通穴43の開口端周面には、円周方向に沿って所定間隔をおいて複数のネジ穴43bが形成されている。これらネジ穴43bには、ネジ63がねじ込まれている。これらネジ63は、先端を環状部材61に当接しており、それぞれのねじ込み量を調整することで環状部材61を段部43a上で移動させ、ダイクロイックミラー9の傾き調整を行うことができるようにしている。
【0088】
その他は、図6と同様である。
【0089】
これにより、ダイクロイックミラー9の傾きを調整する場合は、ネジ63のねじ込み量を適宜調整して、環状部材61を移動させれば、フランジ部47が環状部材61の受面61aに沿って摺動することになり、ダイクロイックミラー9の傾きを調整することができる。
【0090】
このようにしても、蛍光キューブに新たなスペースを追加することなく、コンパクトな構成で、ミラーの傾きの調整が可能になるなど、第4の実施の形態と同様な効果を期待できる。
【0091】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。
【0092】
図10(a)(b)は、本発明の第6の実施の形態が適用される蛍光キューブの概略構成を示すもので、図6と同一部分には、同符号を付している。
【0093】
この場合、蛍光キューブ本体41は、貫通穴43の開口端内周面に段部を介して受面43cが形成されている。
【0094】
また、ミラー固定部材45は、一方開口端の周縁部に沿ってフランジ部47が形成されている。このフランジ部47は、受面43c上に当接するように載置される。
【0095】
ミラー固定部材45のフランジ部47には、円周方向に沿って所定間隔をおいて複数のネジ穴47bが形成されている。これらネジ穴47bには、第1の調整手段としてのネジ71がねじ込まれている。これらネジ71は、先端を受面43cに当接されていて、ねじ込み量を調整することにより、フランジ部47を受面43cから引き離す方向に移動させるようになっている。
【0096】
ミラー固定部材45のフランジ部47には、円周方向に沿って所定間隔をおいて複数の孔部47cが形成されている。また、蛍光キューブ本体41の受面43cには、孔部47cに対応する位置にネジ穴43dが形成されている。これらネジ穴43dには、孔部47cを介して第2の調整手段としてのネジ72がねじ込まれている。これらネジ72は、ねじ込み量を調整することにより、フランジ部47を受面43cに引き寄せる方向に移動させるようになっている。
【0097】
その他は、図6と同様である。
【0098】
これにより、ダイクロイックミラー9の傾きを調整する場合は、ネジ71のねじ込み量を調整して、フランジ部47を受面43cから引き離す方向に移動させるとともに、ネジ72のねじ込み量を調整して、フランジ部47を受面43cに引き寄せる方向に移動させることにより、ダイクロイックミラー9の傾きを調整することができる。
【0099】
このようにしても、蛍光キューブに新たなスペースを追加することなく、コンパクトな構成で、ミラーの傾きの調整が可能になるなど、第4の実施の形態と同様な効果を期待できる。
【0100】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。例えば、蛍光キューブは、励起フィルタ8のないもの、あるいは励起フィルタ8と吸収フィルタ14の両方がないものなど各種の用途の蛍光キューブにも適用できる。
【0101】
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0102】
なお、上述した実施の形態には、以下の発明も含まれる。
【0103】
(1)顕微鏡の光路内に選択的に挿脱される少なくともミラーを内蔵した顕微鏡ミラーユニットにおいて、
前記ミラーを固定するとともに、フランジ部を形成したミラー固定部材と、
前記フランジ部が当接される受面を有する環状部材と、
前記環状部材を介して前記ミラー固定部材を保持するミラーユニット本体と、を具備し、
前記フランジ部と該フランジ部が当接する前記環状部材の受面のうち、少なくとも前記受面が前記ミラーの光軸折り返し点を中心とする曲面で構成され、前記環状部材を光軸に垂直な面に摺動させ、前記ミラーの傾き角度を調整可能にしたことを特徴とする顕微鏡用ミラーユニット。
【0104】
(2)顕微鏡の光路内に選択的に挿脱される少なくともミラーを内蔵した顕微鏡ミラーユニットにおいて、
前記ミラーを固定するとともに、フランジ部を形成したミラー固定部材と、
前記フランジ部が当接される受面を有し、該受面に当接される前記フランジ部を介して前記ミラー固定部材を保持するミラーユニット本体と、を具備し、
前記フランジ部と該フランジ部が当接する前記受面の間にあって、前記フランジ部を前記受面から引き離す方向に移動させる第1の調整手段と、前記フランジ部を前記受面から引き離す方向に移動させる第2の調整手段を有し、これら第1および第2の調整手段により前記ミラーの傾き角度を調整可能にしたことを特徴とする顕微鏡用ミラーユニット。
【0105】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、コンパクト化が可能で、しかも内蔵ミラーの傾き調整を簡単に行うことができるミラーユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態が適用され光学顕微鏡の概略構成を示す図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の概略構成を示す図。
【図3】第1の実施の形態に用いられるミラー固定部材の概略構成を示す図。
【図4】本発明の第2の実施の形態の概略構成を示す図。
【図5】本発明の第3の実施の形態の概略構成を示す図。
【図6】本発明の第4の実施の形態の概略構成を示す図。
【図7】第4の実施の形態に用いられるミラー固定部材の概略構成を示す図。
【図8】第4の実施の形態の変形例の概略構成を示す図。
【図9】本発明の第5の実施の形態の概略構成を示す図。
【図10】本発明の第6の実施の形態の概略構成を示す図。
【図11】従来のターレットに装着される蛍光キューブを説明するための図。
【符号の説明】
1…光源、2…コレクターレンズ、3…フィルタ
4…開口絞り、5…視野絞り、6…リレーレンズ
7…蛍光キューブ、8…励起フィルタ、9…ダイクロイックミラー
10…レボルバ、11…対物レンズ、12…顕微鏡ステージ
13…標本、14…吸収フィルタ、15…結像レンズ
16…ビームスプリッタ、17…接眼光学系、18…写真撮影用接眼レンズ
19…光軸、20…切換用ターレット、20a…回転軸
21…蛍光キューブ本体、21a…上面、21b.21c…両側面
21d…背面、22…取付アリ、23…貫通穴
23a…段部、24…受面、25…ミラー固定部材
26…ミラー取付部、26a〜26d…突起部、27…フランジ部
27a…テーパ面、28…ネジ、29…ピン、30…欠き部
31…フィルタ取付け部材、31a…底面、31b…フィルタ支持部面
32…透孔、33…環状部材、33a…受面
34…ネジ孔、35…調整ネジ
41…蛍光キューブ本体、41a…上面、41b.41c…両側面
41d…背面、42…取付アリ、43…貫通穴
43a…段部、43b…ネジ穴、43c…受面、43d…ネジ穴
44…受面、44a…ネジ穴、45…ミラー固定部材
45a…ネジ部、45b…貫通孔、46…ミラー取付部
46a〜46d…突起部、47…フランジ部
47a、47b…孔部、47c…ネジ穴
48…ネジ、49…フィルタ取付け部材、49a…底面
49b…フィルタ支持部面、50…透孔、51…操作部材
51a…摘み部、51b…ネジ、52…孔部、53…操作棒
61…環状部材、61a…受面、62…板バネ、63…ネジ
71、72…ネジ
Claims (5)
- 顕微鏡の光路内に選択的に挿脱される少なくともミラーを内蔵した顕微鏡用ミラーユニットにおいて、
前記ミラーを固定するとともに、フランジ部を形成したミラー固定部材と、
前記フランジ部が当接される受面を有し、該受面に当接される前記フランジ部を介して前記ミラー固定部材を保持するミラーユニット本体と、を具備し、
前記フランジ部と該フランジ部が当接する前記受面のうち、少なくとも前記受面が前記ミラーの光軸折り返し点を中心とする曲面で構成され、これらフランジ部と受面の当接面を介して前記ミラー固定部材を前記ミラーの光軸折り返し点を中心に回転させ、前記ミラーの傾き角度を調整可能としたことを特徴とする顕微鏡用ミラーユニット。 - 顕微鏡の光路内に選択的に挿脱される少なくともミラーを内蔵した顕微鏡用ミラーユニットにおいて、
前記ミラーを固定するとともに、前記ミラーの光路の周辺部にフランジ部を形成したミラー固定部材と、
前記フランジ部が当接される受面を有し、該受面に当接される前記フランジ部を介して前記ミラー固定部材を保持するミラーユニット本体と、を具備し、
前記ミラー固定部材は、前記フランジ部を介して前記ミラーユニット本体に対して傾き調整されて固定されることを特徴とする顕微鏡用ミラーユニット。 - 前記ミラーユニット本体は、前記ミラー固定部材の前記ミラーの光軸折り返し点を中心にした回転量を調整する調整手段を有し、
該調整手段により前記ミラーの傾き角度を調整可能としたことを特徴とする請求項1または2記載の顕微鏡用ミラーユニット。 - 前記ミラーユニット本体は、前記フランジ部が当接される受面が環状部材により構成され、該環状部材の前記フランジ部との当接面が前記ミラーの光軸折り返し点を中心とする曲面で構成されることを特徴とする請求項1または2記載の顕微鏡用ミラーユニット。
- 前記ミラー固定部材のフランジ部は、前記ミラーの反射面と反対側に形成され、該フランジ部により前記受面を介して前記ミラーユニット本体に固定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の顕微鏡用ミラーユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003132740A JP2004046107A (ja) | 2002-05-14 | 2003-05-12 | 顕微鏡用ミラーユニット |
Applications Claiming Priority (2)
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---|---|---|---|
JP2002138724 | 2002-05-14 | ||
JP2003132740A JP2004046107A (ja) | 2002-05-14 | 2003-05-12 | 顕微鏡用ミラーユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=31719335
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003132740A Withdrawn JP2004046107A (ja) | 2002-05-14 | 2003-05-12 | 顕微鏡用ミラーユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004046107A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008015059A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 蛍光顕微鏡 |
JP2008185875A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-14 | Yokogawa Electric Corp | 生物顕微鏡 |
-
2003
- 2003-05-12 JP JP2003132740A patent/JP2004046107A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008015059A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 蛍光顕微鏡 |
JP2008185875A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-14 | Yokogawa Electric Corp | 生物顕微鏡 |
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