JP3012221B2 - 車両のブレーキディスク - Google Patents

車両のブレーキディスク

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JP3012221B2 JP9350376A JP35037697A JP3012221B2 JP 3012221 B2 JP3012221 B2 JP 3012221B2 JP 9350376 A JP9350376 A JP 9350376A JP 35037697 A JP35037697 A JP 35037697A JP 3012221 B2 JP3012221 B2 JP 3012221B2
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憲治 柳居
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Kawasaki Motors Ltd
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動二輪
車などの車両に用いられるディスクブレーキにおけるブ
レーキディスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば二輪車に装着されたディスクブレ
ーキは、図3(a)の側面図に示すように、車輪10に
固定ねじ9により固定されて車輪10と一体回転するブ
レーキディスク1と、車体フレーム(この場合はフロン
トフォーク)4に取り付けられたキャリパ7とにより構
成されている(実公昭56−47021号公報参照)。
キャリパ7は、図3(b)のブレーキディスク1の正面
図において二点鎖線で示すように、マスタシリンダから
発生する油圧によりピストン(図示せず)を介して互い
に接離方向に作動される一対の摩擦パッド8,8を内蔵
しており、この一対の摩擦パッド8,8によってブレー
キディスク1の外周側両面に設けられた環状の制動面
2,2を挟圧して、車輪10に制動力を付与する。ブレ
ーキディスク1の外面1a、つまり車輪10と反対側の
面であって図3(b)の左側面は、その制動面2の内周
側が、吹き付け塗装される塗装面3になっており、この
塗装面3には製品価値を高めるために着色塗装が施され
る。
【0003】図4(a)は従来の一般的なブレーキディ
スク1Aを示す側面図、同図(b)は(a)のA−A線
断面図を示す。外周側の制動面2には多数個の放熱用孔
11が、内周側の塗装面3には複数個の肉抜き孔12
が、それぞれ貫通して形成されている。また、中央部に
は嵌合孔18が設けられ、前記固定ねじ9を挿通するた
めの複数個の取付孔13が嵌合孔18の周囲に形成され
ている。そして、外面1aにおける制動面2と塗装面3
との間の同心円状の境界には、制動面2に対し塗装面3
を僅かに凹ませた段差19が設けられている。この段差
19は、塗装面3に吹き付け塗装を行うのに先立って制
動面2にマスキングを施す際に、制動面2と塗装面3と
を区画するために必要なものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ブレーキディスク1Aは、外面にのみ塗装面3が凹設さ
れていることから、左右両面が非対称な形状になるの
で、ブレーキング時に発生する摩擦熱エネルギによっ
て、歪みや反りなどの非対称な変形が発生する。このよ
うな変形が発生すると、ブレーキをかけたとき、左右の
摩擦パッド8,8の制動面2,2への左右不均等な接触
が生じて、制動フィーリングの低下を招く場合がある。
これを防ぐために、ブレーキディスク1A自体の厚みを
大きくして熱容量を大きくすることが考えられるが、こ
うすると、重量が増加する。一方、ブレーキディスク1
Aにおける塗装を施す必要のない内面1bにも塗装面3
と同一形状の凹入した面を対称に形成して、熱エネルギ
によって内外両面1a,1bにおいて発生する変形力を
バランスさせることが考えられるが、そのようにする
と、加工コストが高くつく上に、塗装面3の部分の厚み
が制動面2の部分に比較して薄くなるので、ブレーキデ
ィスクの強度の面で好ましくない。
【0005】そこで、段差19に代えて、ブレーキディ
スクの外面に制動面と塗装面とを区画する同心円状の区
画溝を形成するとともに、内面に区画溝と同一形状の調
整溝を前記区画溝に対し対称位置に形成して、区画溝と
調整溝とにそれぞれ集中して発生しようとする変形力を
バランスさせ、かつ、ディスクブレーキの大部分の厚み
をほぼ一定にして熱エネルギによる全体的な変形を内外
両面においてバランスさせることが考えられる。ところ
が、制動面の部分と塗装面の部分とを同一厚みにできる
利点はあるが、対向して形成される区画溝と調整溝との
間の部分の厚みが薄くなるため、この部分に大きな応力
集中が起こる。区画溝と調整溝との間の部分を大きな応
力集中を招かない厚みに保つためには、結局、ブレーキ
ディスク自体の厚みを大きくしなければならず、重量の
増加を招く。
【0006】そこで、本発明は、全体の厚みを薄くしな
がらも制動面と塗装面とを区画することができるととも
に、非対称な変形の発生を極力抑制することのできる車
両のブレーキディスクを提供することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、車輪に固定され、車体に支持されたキ
ャリパにより挟圧されて制動力を発揮するブレーキディ
スクにおいて、外面に内周側の塗装面と前記キャリパに
より挟圧される外周側の制動面とを区画する区画溝が車
輪と同心円状に形成され、内面に、前記区画溝から径方
向にずれた位置に調整溝が同心円状に形成されている。
【0008】このブレーキディスクは、区画溝と調整溝
との形成箇所を除く大部分が同一厚みとなるから、全体
を薄い厚みとした場合にも熱エネルギによる大きな変形
が発生しなくなるとともに、外面の区画溝と内面の調整
溝において、熱エネルギによって発生する変形力が互い
にバランスして相殺されるので、制動フィーリングに影
響を及ぼすような左右非対称な変形が生じない。また、
区画溝と調整溝とは径方向にずれた位置に配設されてい
るので、区画溝と調整溝との間の部分に、急激な厚さの
減小による大きな応力集中を招くこともない。さらに、
区画溝に沿って制動面をマスキングすることにより、塗
装面の塗装を制動面に対し区画して支障なく行える。
【0009】本発明において、前記区画溝と調整溝は、
軸方向から見て一部が径方向にオーバーラップしている
構成とすることが好ましい。これにより、区画溝と調整
溝の径方向位置のずれが小さくなるから、外面側と内面
側における熱変形のアンバランスが抑制されるので、制
動フィーリングに影響を与えるような歪みや反りなどの
変形を一層防止できる。
【0010】さらに、本発明において、前記区画溝と調
整溝は同一の溝幅と溝深さを有し、その溝幅の半分がオ
ーバーラップしている構成とするのが、より好ましい。
この構成によれば、区画溝と調整溝とは、互いの溝幅と
溝深さが同一であり、かつ、両溝の径方向のずれも小さ
くなることから、内面側と外面側における熱変形のアン
バランスが一層効果的に抑制される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
について図面を参照しながら詳述する。図1は本発明の
一実施形態に係るブレーキディスク1Bを示し、(a)
は側面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は
(b)におけるD部の拡大図である。同図において、図
4と同一若しくは同等のものには同一の符号を付してそ
の詳しい説明を省略する。
【0012】図1(a)に示すように、ブレーキディス
ク1Bは、円環状であって、図3(a)に示したよう
に、車輪10の一側部に固定ねじ9によって同心状に固
定される。図1(a)示す外面1aには、外周側の制動
面2と内周側の塗装面20とを面一に設けるとともに、
この制動面2と塗装面20とを区画する同心円状の区画
溝14が形成されている。一方、図1(b)の内面1b
には、前記区画溝14よりも径の大きい同心円状の調整
溝17が形成されている。区画溝14および調整溝17
は、図1(c)に示すように、共に同一の溝幅dと溝深
さhに形成されているとともに、区画溝14および調整
溝17は、このブレーキディスク1Bが取り付けられる
車輪の軸方向から見て、それらの溝幅dの半分d/2が
径方向にオーバーラップしている。すなわち、調整溝1
7は、区画溝14の径に対し溝幅dの半分d/2だけ大
きな径に設定されている。
【0013】このブレーキディスク1Bの区画溝14
は、塗装面20への塗装に際して、マスキングテープに
より制動面2と塗装面20とを区画できればよいので、
2.5mm〜3.0mm程度の小さな溝幅dに形成され
ている。したがって、このブレーキディスク1Bは、区
画溝14および調整溝17を同一厚みの円板の外面およ
び内面に旋盤加工で形成しても、従来の制動面2に対し
段差19分だけ全体に凹入した塗装面3をミーリング加
工で形成する場合に比較して、加工コストを低減でき
る。
【0014】また、このブレーキディスク1Bは、小さ
な溝幅dの区画溝14と調整溝17との形成箇所以外の
大部分が同一厚みであって、内外両面1a,1bがほぼ
対称な形状になっているから、全体を小さな厚みとした
場合にも、熱エネルギによる大きな変形は生じ難い。さ
らに、区画溝14と調整溝17が径方向にオーバーラッ
プしている、つまり、両溝14,17の径方向のずれ量
が小さいことから、外面1aと内面1bにおける熱変形
のアンバランス(左右のアンバランス)が抑制される。
区画溝14と調整溝17とのオーバーラップしない部分
では、互いの溝幅dと溝深さhが同一であることから、
径方向における変形の分布がほぼ同じとなって、内外両
面1a,1bでバランスする。したがって、このブレー
キディスク1Bは、全体を薄くした場合にも、制動フィ
ーリングに影響を与えるような歪みや反りなどの左右非
対称な変形が殆ど生じない。
【0015】また、区画溝14と調整溝17とがオーバ
ーラップする円形部分では厚みが2hだけ小さくなる
が、その径方向外側および内側においても既に、厚みが
各溝14,17の深さhだけ小さくなっており、厚みが
径方向に段階的に変化している、つまり、厚みが急激に
2hだけ小さくなってはいない。したがって、オーバー
ラップ部分に発生する応力集中が緩和される。
【0016】なお、区画溝14と調整溝17とのオーバ
ーラップ量は、溝幅dの2/3以下に設定することが好
ましく、これ以上になると、オーバーラップ部が強度不
足となる可能性がある。ただし、区画溝14と調整溝1
7とは、オーバーラップが全く無くなるまで径方向にず
らしてしまうと、僅かながら内外両面の変形のバランス
がくずれるおそれがある。
【0017】図2(a)は本発明の他の実施形態のブレ
ーキディスク1Cを示す側面図、同図(b)は(a)の
C−C線断面図、(c)は(b)のE部の拡大図であ
る。このブレーキディスク1Cが前記ブレーキディス1
Bと異なるのは、前記ブレーキディス1Bでは調整溝1
7の径を区画溝14の径に対し溝幅dの半分d/2だけ
大きく設定したのに対し、本実施形態では、区画溝14
の径を調整溝17の径に対し溝幅dの半分d/2だけ大
きな径に設定した点だけであり、前記ブレーキディス1
Bと同様の効果を得ることができる。
【0018】
【発明の効果】以上のように、本発明の車両のブレーキ
ディスクによれば、外面に、内周側の塗装面とキャリパ
により挟圧される外周側の制動面とを区画する、車輪と
同心円状の区画溝を形成し、内面に、区画溝から径方向
にずれた位置に同心円状の調整溝を形成した構成とした
ので、区画溝と調整溝との形成箇所を除く大部分が同一
厚みとなるから、全体を薄い厚みとした場合にも熱エネ
ルギによる大きな変形が発生しなくなるとともに、外面
の区画溝と内面の調整溝において、熱エネルギによって
発生しようとする変形力が互いバランスして相殺される
ので、制動フィーリングに影響を及ぼすような左右非対
称な変形が生じない。また、区画溝と調整溝とは径方向
にずれた位置に配設されているので、区画溝と調整溝と
の間に、急激な厚さの減小による大きな応力集中を招く
こともない。さらに、区画溝に沿って制動面をマスキン
グすることにより、塗装面の塗装を、制動面に対し区画
して支障なく行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係るブレーキデ
ィスクを示す側面図、(b)は(a)のB−B線断面
図、(c)は(b)のD部の拡大図である。
【図2】(a)は本発明の他の実施形態に係るブレーキ
ディスクを示す側面図、(b)は(a)のC−C線断面
図、(c)は(b)のE部の拡大図である。
【図3】(a)は本発明のブレーキディスクが適用され
るディスクブレーキを示す概略側面図、(b)はそのブ
レーキディスクの正面図である。
【図4】(a)は従来のブレーキディスクを示す側面
図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【符号の説明】 1B,1C…ブレーキディスク、1a…外面、1b…内
面、2…制動面、4…車体フレーム(車体)、7…キャ
リパ、10…車輪、14…区画溝、17…調整溝、20
…塗装面。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪に固定され、車体に支持されたキャ
    リパにより挟圧されて制動力を発揮するブレーキディス
    クであって、 外面に内周側の塗装面と前記キャリパにより挟圧される
    外周側の制動面とを区画する、前記車輪と同心円状の区
    画溝が形成され、内面に前記区画溝から径方向にずれた
    位置に同心円状の調整溝が形成されている車両のブレー
    キディスク。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記区画溝と調整溝
    は、軸方向から見て一部が径方向にオーバーラップして
    いる車両のブレーキディスク。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記区画溝
    と調整溝は同一の溝幅と溝深さを有し、その溝幅の半分
    がオーバーラップしている車両のブレーキディスク。
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