JP3012061B2 - 即席卵とじ - Google Patents

即席卵とじ

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木 英 信 荒
山 晴 紀 青
田 康 宏 米
木 英 稀 荒
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、即席の高い卵とじの製
造法及びそれによって得られた即席卵とじに関するもの
である。さらに詳細には、成形した卵由来生地を準結合
水領域の誘電加熱で得られる高い束縛熱を利用して膨化
せしめ、これをスライスしてから、仕上げ乾燥する事に
よって、吸水復元性のよい膨化卵とじを得る方法に関す
るものである。得られた製品は、即席の卵とじや卵オボ
ロとして利用され、具を加えれば容易に親子ドンブリや
天とじ、蛋スープに成るなど、簡便で安全性高い即席卵
とじとして利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】卵とじは和洋中華料理の脇役として種々
広範な用途があるが、従来の卵とじは、煮たてた出汁に
卵液を静かに流し入れて、それが固く凝固しないうちに
供するという調理師的技能を必要としていた。また、即
席性を求めて、pH調整等をした乾燥卵粉に、熱いスー
プを注いで凝固させる方法などの試みもなされてきた。
【0003】
【本発明が解決しようとする問題点】しかし調理師的技
能を量産化しようとしても、高水分のため乾燥が困難で
コスト高になり、かつ保型性維持などに種々のネックが
派生し問題があった。
【0004】一方、調整した乾燥卵粉に熱湯を注いで凝
固せんとする方法は、乾燥した卵蛋白の性質から、狭い
限られた温度範囲の熱湯でしか卵とじらしさが出せない
という欠陥があり、いずれにしても従来の即席卵とじは
市場性がなかった。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者はこの広い市
場性に応えるため、卵由来生地を準結合水領域において
高い電波密度で誘電加熱すると瞬時に常圧下では有り得
なかった高い束縛熱を発して短時間で乾燥することを見
出した。
【0006】また、O/W型にコロイド化された未変性
の卵由来生地であれば、膨化コントロール性が高く、乾
燥製品は湯やスープの温度に関わりなく復元が優れてい
ることに着目して、この卵生地を成形し、これを誘電加
熱して膨化せしめて後、薄くスライスし、バインダー及
び/又は乾燥具とドライコートし、更に仕上げ乾燥する
ことによって、すぐれた即席卵とじを得、本発明を完成
したものである。
【0007】本発明でいう卵由来生地とは、卵を主材料
とする生地であって、所望される品位に応じてこれに風
味食感を付与したり向上するための副材料として、各種
の味付け材料や食油、糖類、香辛料などの食品添加物が
利用されるものである。
【0008】主材料の卵は、液卵、冷凍卵、濃縮卵、酵
素処理卵、加糖卵など未変性の卵であれば何でも利用で
きるが、本発明の特徴は、乾燥された全卵及び/または
卵黄を主に利用して、準結合水領域に調整し、かつO/
W型コロイドとするものである。
【0009】本発明では、卵由来生地がO/W型コロイ
ドであって、かつ準結合水領域に調整された生地でなけ
ればならない。準結合水領域に調整された生地は、自由
水が無いため比較的容易にW/O型コロイドに逆転し易
い。そのような生地であっては膨化が不十分になり、ソ
フトな食感の卵とじが得られない。従ってO/W型に乳
化した生地でなければならない。もし水が少なかった
り、多量の油脂を含ませて強い準結合水領域に調整した
い場合等には、卵黄の持つ高い界面活性能を活用して、
コロイドをより安定化することができるので、卵黄の割
合を通常より増やせばよい。
【0010】生地を準結合水領域に調整する方法は、乾
燥した卵粉や、低水分の副材料を配合して、必要な準結
合水領域に容易に調整することができる。
【0011】準結合水領域とは、結合水を含み、自由水
を含まない状態と説明することができる。卵生地におけ
るその領域は、配合と構成成分の水に対する束縛度によ
ってかなり差があるが、普通は水分20〜60%の範囲
内であって、多くは27〜38%程度である。
【0012】副材料の油脂の性質は、卵黄リボ蛋白の乳
化能が強いため、普通の食用油脂であれば容易に酸化す
るものではないから、適宜のものが使用できる。好まし
くは高度不飽和脂肪酸の割合が少ない油脂を液状で利用
するとよい。
【0013】本発明においては、所望によって、油脂の
一部を、未変性生地の温度より高い融点をもつ粉末油脂
に置き替えることによって、O/W型乳化能に関わりな
く、油脂分の総量を増やして利用することができる。こ
の粉末油脂は、未変性生地中では粉末の固体であって、
O/W型コロイドを妨げない分散質であり、加熱を受け
ると融解して、風味や食感をソフトに向上させる働きを
果たすものである。しかし本発明は瞬間的な温度上昇を
果たす束縛加熱のため、粉末油脂が生地の膨化能を妨げ
るものではない。粉末油脂の種類は限定されない。普通
はヘッドや分別されたパーム核油、水素添加したサラダ
油等が好ましく、余り融点が高過ぎる油脂や、不味な油
脂は製品の品位上から用いない方がいい。
【0014】その他の副材料は、通常用いられる範囲程
度なら制限がない。強いて挙げるならば、増量し過ぎて
不味になるとか、あるいはあまり水を束縛し過ぎる物質
が多いと乾燥しにくいとか、電界質はマイクロ波の浸透
深度を低下させるとか、化学的合成添加物等は嫌われる
などの理由から避けたい程度である。
【0015】本発明においては、未変性卵生地中の気泡
ゾルの割合を調整することによって、製品の食感を自由
に調整することができる。生地をボールカッター等で脱
気混合して、ガスを内在しない場合には、膨化→シュリ
ンクが最大になって食感が増強し、逆にエアーを吹き込
んだりドライスノーを混ぜたりして、生地中のガスの内
在を増やすほど膨化固定が早まり、膨化率が増大して食
感がソフト化する。
【0016】準結合水領域においてO/W型コロイドに
調整された卵由来の生地は、次いで成形される。成形は
自由である。普通は例えばノズルから押し出してコンベ
ア上に紐状の連続成形物とするのが、電波効率がいいの
で多用される。
【0017】この成形生地は、誘電加熱されると、常圧
下では有り得なかった高い束縛熱を発し、瞬時に120
℃以上に昇温する。この際に、内部で発生し外部へ逸出
しようとする高い湿熱の圧力を利用して、僅か3〜60
秒の加熱時間で、好ましい膨化組織体を得ることができ
るものである。
【0018】誘電加熱開始時において、単位面積当りの
卵由来生地の単位重量に対して、有効に消費される電波
密度の割合は、0.8〜60[kw/kg]の範囲であ
る。この範囲であれば、このようにして膨化し、以下で
は膨化せず、以上では電波を浪費するので用いない。
【0019】準結合水領域の水分の値は、所望する加熱
され易さ、即ち含有成分から束縛される水分の割合と、
製品に所望される浮き倍率(製品膨化率)によって決め
られるもので、その領域内であれば自由に決定できるも
のである。
【0020】この範囲の束縛加熱で得られたものの一般
生菌数は、120℃以上に達する高温のため、0〜20
個/g程度の驚異的な極低菌となる。しかし加熱時間が
短いために食感を損なうほど固く凝固するものではなか
った。
【0021】誘電加熱の終結は、膨化頂点に達し、印加
を止めても強くシュリンクしない程度として示す事がで
きる。その残留水分は配合にもよるが、7〜20%程度
で、仕上げ目的によって決定されたものである。
【0022】誘電加熱の時間は電波出力と密度、仕上げ
目的によって決定されるが、普通2秒ないし10分間程
度の極めて、短い時間である。
【0023】本発明では最終製品の保型性を向上する目
的で、マイクロ波加熱直後にローラー等で押圧しコンプ
レストすることができるものである。このコンプレスト
されてからスライスし乾燥したものは、復元時には容易
に膨潤し、コンプレストされなかった物と同様な形状に
復元することができるものである。
【0024】誘電加熱され連続した紐状の膨化組織物と
なったものは、次いでスライスもしくはカットしてか
ら、仕上げ乾燥される。スライス巾は、所望される品位
によって自由に決定される。普通は0.3〜2mm程度
が好ましい。スライスされることによって、その後の仕
上げ乾燥において、スライス断面が蒸発表面の増大とし
て働き、復元時には吸水面積の増大に貢献し、乾燥速度
と戻り易さを向上させ、さらに膨潤して溶着状になり、
その結果、卵とじらしい見映えのある性状となるもので
ある。
【0025】本発明においては、スライス後にバインダ
ーをドライコートしてから仕上げ乾燥する事を含むもの
である。バインダーは、湯で復元するときに相互の接着
性を増大させたり、異なった滑らかな食感を付与する必
要によって、コートされるものである。PHやブレンド
等により凝固性を調整された蛋白、例えば卵白やカゼイ
ンの粉末、加工された澱粉、ガム質粉、あるいはそれら
を混合した粉末等から所望によって自由に選択し調整し
て利用できるものである。
【0026】本発明では、スライスした物に乾燥具を混
ぜてから、バインダーをドライコートすることもでき
る。混ぜる乾燥具としては、加圧凍結乾燥や減圧凍結乾
燥した味付け肉や魚介藻や野菜の小片が好ましいが、復
元が早ければその他の乾燥法で得られた物であってもい
い。用途別に用いられる乾燥具の例を上げれば、親子ド
ンブリ用にチキンと斜切りネギ、天トジ用に小エビの天
玉とイカチップ、牛ドン用に薄切甘煮ビーフとラージチ
ョップドオニオン、蛋スープ用にチョップドリーキとチ
ンゲンサイ、薄切椎茸及び若布片等と示すことができ
る。これらはスライス後に幾分残った含有水分と、ポー
ラスなスライス断面の間隙にコートされたバインダーに
よって、スライスした卵と適当に絡み混じり合って、復
元時に穏かかにバインダーでとじられる。
【0027】仕上げ乾燥は普通の熱風でもいいが、70
〜75℃前後の温風で透気乾燥しつつ風味を醸成するの
が好ましい。微妙なソフトな食感を維持したり、熱反応
を避けたい場合は、真空度30〜60torrの減圧下
の誘電加熱で仕上げ乾燥してもよい。最終水分は所望に
よって決定されるが、通常3〜10%程度で水分活性
0.65程度にされる。これ以上乾燥すると、保型性が
低下して壊れ易くなったり、単分子層のため酸化し易く
なったりして好ましくない。
【0028】
【発明の効果】近時、労働不足や休日増加から外食が増
加の一途を辿る中、卵とじは外食の準主役であるが、労
働集約的な卵とじの大量供給は困難で、即席性の高い物
が切望されていた。本発明は保存しておいて何時でも利
用できる簡便かつ高品質な卵とじを、無人化ラインで効
率よく大量生産して供給でき、その需要に応たえるもの
である。
【0029】得られた製品は、酸化誘導期間が6ケ月以
上であり、かつ一般生菌数も、ほとんどゼロであったこ
とから、衛生安全面でも極めて優れたものであった。
【0030】以下、本発明を実施例により説明する。
【0031】
【実施例】次の表1に実施例1〜3の配合を示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】 表1のつづき
【0034】表1の配合割合で各材料を混合してW/O
型の卵由来生地とし、これを棒状に押出成型し、これを
出力80KWのコンベア式マイクロ波装置にPD55の
割合で定量供給して誘電加熱した。
【0035】卵由来生地は膨化し、水分約5%のソフト
な卵とじとなった。このソフトな卵とじをスライスは、
水分約2%まで乾燥すれば本発明の即席卵とじとなる。
【0036】また、表1のバインダー及び/又は乾燥具
を接着してコートし、これを水分約2%まで乾燥して実
施例1〜3の卵とじを製造した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/32

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 準結合水領域においてO/W型にコロイ
    ド化された未変性の卵由来生地を、成形し、これを誘電
    加熱して膨化せしめて後、スライスし、更に仕上げ乾燥
    することを特徴とする即席卵とじの製造法。
  2. 【請求項2】 準結合水領域においてO/W型にコロイ
    ド化された未変性の卵由来生地を、成形し、これを誘電
    加熱して膨化せしめて後、スライスし、バインダー及び
    /又は乾燥具をコートして後、更に仕上げ乾燥すること
    を特徴とする即席卵とじの製造法。
  3. 【請求項3】 卵由来生地を構成する卵白と卵黄の割合
    が、卵黄1部に対し卵白0.1〜0.6部であることを
    特徴とする請求項1〜2の即席卵とじの製造法。
  4. 【請求項4】 単位面積当りの卵生地の目方に対し、有
    効なマイクロ波消費電力の密度の値0.8〜60[kw
    /kg]で誘電加熱されることを特徴とする請求項1〜
    2の即席卵とじの製造法。
  5. 【請求項5】 マイクロ波加熱直後にコンプレストして
    後、スライスすることを特徴とする請求項1〜2の即席
    卵とじの製造法。
  6. 【請求項6】 卵由来生地が脱気されたものであること
    を特徴とする請求項1〜2の即席卵とじの製造法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記
    載の製造法によって製造された即席卵とじ。
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