JP3011249B2 - スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ

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JP3011249B2
JP3011249B2 JP4129219A JP12921992A JP3011249B2 JP 3011249 B2 JP3011249 B2 JP 3011249B2 JP 4129219 A JP4129219 A JP 4129219A JP 12921992 A JP12921992 A JP 12921992A JP 3011249 B2 JP3011249 B2 JP 3011249B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主体金具に複数の接
地電極を設け、複数の火花放電ギャップを有するスパー
クプラグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンなどのガソリン機関で
は、電極発火部の耐火花消耗性向上のため、複数の接地
電極と中心電極間との複数の火花放電ギャップからなる
スパークプラグが使用されている。そして、火花放電部
には耐久性の向上を図るために白金(Pt)合金などの
貴金属チップを溶接し、現在10万Kmの走向距離(寿
命)を満足している。
【0003】特に天然ガス、プロパンガスを燃料とする
ガス機関では、沿面放電型にしたり、発火面にPt合金
からなる貴金属チップを埋設していた。また、特公昭5
2−15739号公報では、中心電極の側面と対向して
設けられた第1接地電極と、該第1接地電極に対し、中
心電極の回りにほぼ90度へだてた位置に配置した第2
接地電極と、これら複数の火花放電ギャップからなるス
パークプラグが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに上記発明にお
いては、混合気の流れに対する着火の方向性を少なくす
るために、中心電極と第1接地電極との火花放電ギャッ
プ長g1 と、中心電極と第2接地電極との火花放電ギャ
ップ長g2 とが等しいことを前提としている。しかし、
エンジンの高圧縮化によって電極消耗が早まり、放電電
圧が上昇し、かつ燃費を考慮したエンジンに装着される
スパークプラグでは、混合気の流れに合わせた、常に最
適な特定のギャップで飛火することが必要となる。この
ためには、火花放電ギャップ長g1 と火花放電ギャップ
長g2 とを相違させ、火花放電位置を特定することが必
要である。また、従来の貴金属チップを装着した電極で
は、10万Kmの走向距離(寿命)を満足できても、最
近の要求性能である20万Kmの走向距離を満足するこ
とができない欠点があった。
【0005】ガス機関に使用されるスパークプラグで
は、放電面に火花消耗を防ぐためのPtチップを装着し
た場合、図9に示すごとく、中心電極の直径を小さくし
ても放電電圧が高く、ばらつきが大きくなってしまう。
これは、貴金属チップのPtの仕事関数が5.36eV
であり、一般的なプラグの電極材料であるニッケル(N
i)の仕事関数の4.96eVと比較して大きいことに
よると考えられる。したがって、要求寿命がガソリン機
関よりさらに長いガス機関においては、従来の電極形状
では、要求寿命を満足させることができない欠点があっ
た。
【0006】この発明が解決しようとする課題は、複数
の火花放電部の形状を規定することによって、放電電圧
が低くかつ着火性が良好となり、寿命をより長くするこ
とのできるスパークプラグの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1のス
パークプラグは、筒状主体金具の先端に設けた複数の接
地電極と中心電極先端部との間に複数の火花放電ギャッ
プを形成してなるスパークプラグにおいて、中心電極の
先端面との間に該中心電極の軸方向に第1火花放電ギャ
ップを形成する第1接地電極と、前記中心電極の先端部
側面との間に第2火花放電ギャップを形成する第2接地
電極とからなり、前記中心電極先端面から前記第2接地
電極の先端外面までの軸方向の長さをhとすると、 0.1mm≦h≦1.0mm であり、第1火花放電ギャップ長をg1 とし、第2火花
放電ギャップ長をg2としたとき、 |g1 −g2 |≧0.1mm を満足する。請求項2に記載のスパークプラグは、第2
接地電極が、その放電面が前記中心電極の側面全周に渡
って対向する環状接地電極であることを特徴とする。
【0008】請求項3に記載のスパークプラグは、中心
電極と第1接地電極、および中心電極と第2接地電極の
うち少なくとも1つの火花放電ギャップを形成する一方
又は双方の放電面に、貴金属製のチップを付設し、1つ
の火花放電ギャップを形成する2つの放電面のうち、一
方でも貴金属製のチップを付設した火花放電ギャップ長
をga とし、貴金属のチップを付設しない火花放電ギャ
ップ長をgb としたとき、 ga −gb ≧0.2mm を満足する。請求項4に記載のスパークプラグは、第2
接地電極が、その放電面が前記中心電極の側面全周に渡
って対向する環状接地電極であることを特徴とする。
【0009】請求項5に記載のスパークプラグは、中心
電極と第1接地電極、および中心電極と第2接地電極の
火花放電ギャップを形成する全ての放電面に貴金属製の
チップを付設し、全ての火花放電ギャップ長を等しくし
たことを特徴とする。
【0010】
【作用】この発明の請求項1では、スパークプラグの複
数の火花放電ギャップのうち、火花放電し易いギャップ
を作ることによって、燃料の混合気が複数の火花放電ギ
ャップに同一の条件で流れ込んでも、点火する火花放電
ギャップを特定することとなる。また、軸方向の長さh
を0.1mm〜1.0mmに設定することによって、第
1の火花放電ギャップの設定が容易となり、放電電圧が
低く、そのばらつきが少なくなる。請求項2では、第2
接地電極の形が環状であるために、広い範囲で電界強度
を強めることとなる。
【0011】請求項3では、火花放電部に耐酸化性に優
れた貴金属製のチップを溶接しているために、長期間火
花放電部の変形を防ぐこととなる。請求項4では、火花
放電部に貴金属製のチップを溶接したので、放電電圧が
高くなってしまうが、第2接地電極を環状としたため
に、電界強度を強め放電電圧の上昇を阻止することとな
る。
【0012】請求項5では、特にガスエンジンで、火花
放電部の全ての発火面に貴金属製のチップを装着してい
るために酸化揮発に対する耐久性があり、高温に晒され
ても長期間変形することがない。
【0013】
【実施例】図1および図2は、この発明にかかるスパー
クプラグを示す。このスパークプラグは、円柱状の中心
電極3の先端面31と軸方向に対向する放電面11を持
つL字形の第1接地電極1とからなる第1の火花放電ギ
ャップG1 と、中心電極3の先端側面32と対向する同
軸状の放電面(先端面)21を持つ第2接地電極2とか
らなる第2の火花放電ギャップG2 を持つ。2つの第2
接地電極2は、各々第1接地電極1から90度の方向
に、対向して筒状主体金具4に固定されている。主体金
具4内には、軸孔51付き絶縁碍子5が嵌め込まれ、こ
の軸孔51に中心電極3が嵌着されている。
【0014】中心電極3は、15.0重量%のクロム
(Cr)、8.0重量%の鉄(Fe)を含むニッケル
(Ni)合金製のシース内に銅(Cu)等の芯材を封入
した複合材で円柱状を呈している。また、第1接地電極
1や第2接地電極2は、15.0重量%のクロム(C
r)、8.0重量%の鉄(Fe)を含むニッケル(N
i)合金製で角柱状を呈し、主体金具4に溶接して固定
されている。
【0015】図3にスパークプラグ先端部の等電位面図
を示す。この図から分かるように、接地電極が第1接地
電極1のみの従来品イや、第2接地電極2のみの従来品
ロの場合は、等電位面が広く拡散しているが、本発明品
Aでは、等電位面が収れんして、電界が強く、火花放電
し易いことがわかる。また、第2接地電極2をL字型の
角柱状ではなく、主体金具4の先端全周に渡って溶接さ
れた環状型の接地電極とすると、電界強度が広い範囲で
強まることによって放電電圧を下げることができる。
【0016】図4は、従来品と本発明品との放電電圧の
違いを示す。このグラフは、1100cc、プロパンガ
スを燃料とするガスエンジンで2200rpm、負荷7
psのデータをである。第1接地電極1のみの従来品
イ、第2接地電極2のみの従来品ロ、ガスエンジン用ス
パークプラグとして放電面にPt−イリジウム(Ir)
合金チップが使用される従来品ハと比べて、第1接地電
極1と第2接地電極2とを有する本発明品Aは、電界強
度を強めることができるために放電電圧が低く、ばらつ
きが小さいことが分かる。
【0017】この発明のスパークプラグは、図1に示す
ように中心電極3の先端面31から第2接地電極2の先
端外面22までの軸方向の長さをhとすると、 0.1mm≦h≦1.0mm の条件を満たしている。これは、第2接地電極2の先端
外面22の位置と、中心電極3の先端面31の位置とを
0.1mmよりも小さい誤差で配設して主体金具4に固
着するには、第1の火花放電ギャップG1 が設定しにく
くてスパークプラグの製造上で工数が多くかかるためで
ある。また、図5に示すようにhが負の場合、つまり中
心電極3の先端面31よりも第2接地電極2の先端外面
22の方が第1接地電極1に近い位置となるとき、多極
スパークプラグにしたことによって得られる放電電圧の
低減効果が小さくなる。hが1.0mmよりも大きい場
合も同様に放電電圧の低減効果が小さくなる。
【0018】図5にプロパンガスエンジンでhを変化さ
せたときの放電電圧のグラフを示す。このグラフから分
かるようにhが0.1mm以上で、1.0mm以下のと
き、放電電圧が低く、ばらつきが少ない。
【0019】図1および図2に示すように、この発明の
スパークプラグの中心電極3の先端面31と第1接地電
極1の放電面11との火花放電ギャップ長をg1 とす
る。また中心電極3の先端側面32と第2接地電極2の
放電面21との発火部を火花放電ギャップ長をg2
し、これら火花放電ギャップ長g1 と火花放電ギャップ
長g2 との関係は、 |g1 −g2 |≧0.1mm である。
【0020】これは、火花放電ギャップ長g1 と火花放
電ギャップ長g2 との差が0.1mm以下の場合、つま
り、差がほとんど無い場合では、第1の火花放電ギャッ
プG 1 と第2の火花放電ギャップG2 とは同一の条件で
火花放電される。このため、燃料の混合気の流れ方向に
よっては、流れ方向が一定であっても第1の火花放電ギ
ャップG1 で火花放電したり、第2の火花放電ギャップ
2 で火花放電することがあり、特にガソリン機関の場
合は、点火が何度も繰り返されるために、点火する場所
が変わるため安定した点火性能が得られなくなる。
【0021】しかし、火花放電ギャップ長g1 と火花放
電ギャップ長g2 との差が0.1mm以上であると、火
花放電ギャップは着火の優先順位を有することができ、
混合気の流れ方向が変わらないときは、常に同一の火花
放電ギャップで点火して、燃費向上を図ることができ
る。ただし、ガスエンジンのように、燃料が極めて点火
されやすい混合気のときは火花放電ギャップ長g1 と火
花放電ギャップ長g2 が同一長でもよい。
【0022】図6はスパークプラグ点火部分の形状の違
いによる点火性を示すグラフである。このグラフは、4
サイクル、2000cc、6気筒のガソリンエンジン
で、アイドリング750rpmしたときのデータであ
る。第1接地電極1のみで火花放電ギャップ長g1
1.1mmの従来品イ、第2接地電極2のみで火花放電
ギャップ長g2 が1.1mmの従来品ロ、火花放電ギャ
ップ長g1 が1.1mmで火花放電ギャップ長g2
1.3mmの本発明品A、および特公昭52−1573
9号公報で示されたような火花放電ギャップ長g1 と火
花放電ギャップ長g2 が1.1mmで同長の従来品ニに
おいて、点火ミスの回数が9回/3分間となる混合比を
比較する。従来品イと本発明品Aが高い混合比で点火ミ
スが起こるのに対して、従来品ロは混合気の方向によっ
て変化するものの、従来品ニは、点火の方向や飛火位置
が定まらないために混合比15に近い混合比でも点火ミ
スが起こってしまう。
【0023】図7は、図6の従来品イ、ロ、ニと本発明
品Aとの耐久性を示すグラフである。このグラフは、4
サイクル、2000cc、4気筒のガソリンエンジンで
高、低速パターン運転したときのデータである。本発明
品Aおよび従来品ニは、複数の接地電極によって図3に
示したように電界強度が強められ、従来品イ、ロと比べ
て放電電圧は充分低い。また、従来品ニは、点火性では
本発明品Aと比べて劣っているため、本発明品Aは、点
火性、耐久性ともに優れていることが分かる。
【0024】また図8に示すように、この発明の他のス
パークプラグは絶縁碍子5から突出する中心電極3の一
端の先端部31または、先端側面32と、第1接地電極
1や第2接地電極2の放電面11または21に、イリジ
ウム(Ir)を含むPt合金からなる貴金属チップ6が
抵抗、或いはレーザー溶接されている。この貴金属チッ
プ6の材料としては、Pt、Irまたはこれらの合金の
ほか、Pt−Niの合金、稀土類元素とのサーメット、
Pt、Irと稀土類元素酸化物とのサーメットを用いる
ことも可能である。この第1の火花放電ギャップG1
たは第2の火花放電ギャップG2 を形成する放電部のう
ち、一方でも貴金属チップ6を溶接された火花放電ギャ
ップ長をg a とし、放電部に貴金属チップ6のない火花
放電ギャップ長をgb とする。これら火花放電ギャップ
長ga およびgb の関係は、 ga −gb ≧0.2mm である。
【0025】火花放電部に貴金属チップ6を溶接する
と、火花放電時の高温に耐え、大きな火花エネルギーに
耐えることができるために、貴金属チップ6を溶接しな
い火花放電ギャップ長gb と比べて、貴金属チップ6を
有する火花放電ギャップ長gaを広くすることができ、
消炎作用が低減されて着火性が向上する。このために、
貴金属チップ6を溶接した場合は、火花放電ギャップ長
a と火花放電ギャップ長gb との差を0.2mm以上
とする。
【0026】図9は、火花放電部分に貴金属チップ6を
溶接したときの放電電圧のグラフを示す。このグラフ
は、1100cc、3気筒のガスエンジンで、2200
rpm、負荷7.0psのときのデータである。スパー
クプラグに第1接地電極1と中心電極3との火花放電ギ
ャップG1 のみの従来品であって、貴金属チップ6の無
い従来品と、貴金属チップ6を溶接したものとを比べる
と、貴金属チップ6を溶接したことによって放電電圧の
ばらつきが大きくなる。本発明品は図8に示すように第
2接地電極2には貴金属チップ6を溶接せずに、第1接
地電極1の放電面11および中心電極3の先端面31に
貴金属チップ6を溶接したものであって、図3に示した
ように電界強度を大きくすることができ、放電電圧を低
減できるとともに、ばらつきを小さくできる。このた
め、スパークプラグの点火性が向上する。
【0027】図10は、火花放電部分に貴金属チップ6
を溶接して、火花放電部分の形状を変化させたときの放
電電圧を示す。このグラフは、1100cc、3気筒の
プロパンガスを燃料とするガスエンジンで、2200r
pm、負荷7.0psのときのデータである。本発明品
Bは、第1の火花放電ギャップG1 の双方の放電部に貴
金属チップ6を溶接し、貴金属チップ6の無い第2の火
花放電ギャップG2 を有する。従来品ホは、第1接地電
極1のみからなり第1の火花放電ギャップG1 の双方の
放電部に貴金属チップ6を有する。従来品ヘは、2つの
第2接地電極2からなり第2の火花放電ギャップG2
双方の放電部に貴金属チップ6を有する。従来品ハは、
ガスエンジン用スパークプラグとして放電面にPt−イ
リジウム(Ir)合金チップが使用されている。このグ
ラフから分かるように、特にガスエンジンの場合は放電
部に酸化揮発防止のために、貴金属チップ6を溶接する
と、放電電圧が大きくばらつき、酸化揮発防止効果と放
電電圧の上昇による酸化性増大とが相殺してしまうこと
となる。しかし、本発明品Bでは、電界を強くしている
ために、放電電圧を低く、ばらつきを抑えることができ
る。
【0028】ガスエンジンは、燃料が極めて点火し易
く、1回の点火後は連続燃焼であるために、火花放電ギ
ャップ長g1 と火花放電ギャップ長g2 とが等しくてよ
いが、長期間使用するためには耐熱、耐酸化性が必要で
あるために、第1接地電極1、第2接地電極2および中
心電極3の火花放電部には貴金属チップ6を装着した方
がよい。
【0029】図11および図12にこの発明の実施例を
示す。実施例1は、1つの第1接地電極1と、1つの第
2接地電極2から成り、2つの長さの違う火花放電ギャ
ップG1 および火花放電ギャップG2 を持つ。
【0030】実施例2は、図1に示したように1つの第
1接地電極1と、2つのL字形の第2接地電極2から成
り、火花放電ギャップG1 および火花放電ギャップ
2 、G 2 を持つ。
【0031】実施例3は、1つの第1接地電極1と、2
つの第2接地電極2から成り、第2接地電極2の放電面
21は中心電極3の先端側面32と平行でなく、放電面
21の主体金具4側の角23が火花放電ギャップG2
なる。このとき、第1接地電極1側の角24から中心電
極3の先端面31までの高さをhとする。
【0032】実施例4は、1つの第1接地電極1と、3
つのL字形の第2接地電極2から成り、第2接地電極2
は放電面21と中心電極3の先端側面32と平行に対面
し、、火花放電ギャップG1 および火花放電ギャップG
2 、G2 、G2 を持つ。
【0033】実施例5は、1つの第1接地電極1と、2
つのL字形の第2接地電極2から成るが、第2接地電極
2の放電面21と中心電極3の先端側面32との火花放
電が絶縁碍子5の先端面52に飛火するセミ沿面放電型
であり、火花放電ギャップG 1 および火花放電ギャップ
2 、G2 を持つ。
【0034】実施例6は、1つの第1接地電極1と、主
体金具4の先端が突出して内側に絞られた環状の第2接
地電極2から成り、火花放電ギャップG1 と中心電極3
の先端側面32に対向する環状の火花放電ギャップG2
を持つ。
【0035】実施例7は、1つの第1接地電極1と、主
体金具4内に突出した、環状の第2接地電極2から成
り、実施例6とともに火花放電ギャップG1 と中心電極
3の先端側面32に対向する環状の火花放電ギャップG
2 を持つ。
【0036】実施例8は、図8に示したように1つの第
1接地電極1と、この放電面11に溶接された貴金属チ
ップ6と、2つのL字形の第2接地電極2とから成り、
中心電極3の先端面31にも貴金属チップ6が溶接さ
れ、火花放電ギャップG1 の長さが火花放電ギャップ長
a であって、火花放電ギャップG2 の長さが火花放電
ギャップ長gb である。
【0037】実施例9は、1つの第1接地電極1と、2
つのL字形の第2接地電極2と、この放電面21に溶接
された貴金属チップ6とから成り、中心電極3の先端側
面32にも環状の貴金属チップ6が溶接又は成形圧着さ
れ、火花放電ギャップG2 の長さが火花放電ギャップ長
a であって、火花放電ギャップG1 の長さが火花放電
ギャップ長gb である。
【0038】実施例10は、1つの第1接地電極1と、
この放電面11に溶接された貴金属チップ6と、2つの
L字形の第2接地電極2と、中心電極3の先端31や先
端側面32にも貴金属チップ6が溶接又は成形圧着さ
れ、火花放電ギャップG1 および火花放電ギャップG2
を持つ。
【0039】実施例11は、実施例7のスパークプラグ
の第1接地電極1の放電面11に貴金属チップ6を溶接
し、中心電極3の先端31に貴金属チップ6が溶接さ
れ、貴金属チップ6で放電部分を強化された火花放電ギ
ャップG1 と、環状の広い火花放電ギャップG2 を持
つ。
【0040】実施例12は、第1接地電極1の放電面1
1に細い貴金属チップ6を溶接し、中心電極3の先に細
い貴金属製の電極61が溶接され、第1接地電極1の貴
金属チップ6と貴金属製の電極61とで放電部分を強化
された火花放電ギャップG1と、環状の火花放電ギャッ
プG2 を持つ。
【0041】実施例13は、1つの第1接地電極1と、
この放電面11に溶接された貴金属チップ6と、2つの
L字形の第2接地電極2の主体金具側面25に溶接され
た貴金属チップ6と、中心電極3の先端31や先端側面
32に貴金属チップ6が溶接又は成形圧着され、火花放
電面を貴金属で覆った火花放電ギャップG1 および火花
放電ギャップG2 を持つ。また、この火花放電ギャップ
長g1 と火花放電ギャップ長g2 は同一の長さである。
【0042】
【発明の効果】この発明のスパークプラグは、火花放電
部をなす中心電極、第1および第2接地電極や、火花放
電ギャップ長を規定しているため、最適な点火位置を持
ち、放電電圧を下げることできたために着火性に優れ、
寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のスパークプラグ先端部の拡大断面図
である。
【図2】この発明のスパークプラグ先端部の平面図であ
る。
【図3】本発明品と従来品とのスパークプラグ先端部の
等電位面を示す図である。
【図4】本発明品と従来品とのスパークプラグの放電電
圧を示すクラフである。
【図5】本発明品のスパークプラグ火花放電部の形状の
違いによる放電電圧を示すグラフである。
【図6】本発明品と従来品とのスパークプラグの点火性
を示すグラフである。
【図7】本発明品と従来品とのスパークプラグの耐久性
を示すグラフである。
【図8】この発明の他のスパークプラグ先端部の拡大断
面図である。
【図9】本発明品と従来品とのスパークプラグの放電電
圧を示すグラフである。
【図10】本発明品と従来品とのスパークプラグの放電
電圧を示すクラフである。
【図11】この発明の他の実施例を示す図である。
【図12】この発明の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 第1接地電極 2 第2接地電極 3 中心電極 4 主体金具 5 絶縁碍子 6 貴金属チップ 22 第2接地電極の先端 31 先端面 32 先端側面 G1 、G2 火花放電ギャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−91435(JP,A) 特開 昭51−95542(JP,A) 特開 昭60−81784(JP,A) 特開 昭60−180082(JP,A) 実開 昭61−48682(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01T 13/00 - 13/56

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状主体金具の先端に設けた複数の接地
    電極と中心電極先端部との間に複数の火花放電ギャップ
    を形成してなるスパークプラグにおいて、 中心電極の
    先端面との間に該中心電極の軸方向に第1火花放電ギャ
    ップを形成する第1接地電極と、前記中心電極の先端部
    側面との間に第2火花放電ギャップを形成する第2接地
    電極とからなり、 前記中心電極先端面から前記第2接地電極の先端外面ま
    での軸方向の長さをhとすると、 0.1mm≦h≦1.0mm であり、 第1火花放電ギャップ長をg1 とし、第2火花放電ギャ
    ップ長をg2 としたとき、 |g1 −g2 |≧0.1mm を満足することを特徴とするスパークプラグ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスパークプラグであっ
    て、第2接地電極は、その放電面が前記中心電極の側面
    全周に渡って対向する環状接地電極であることを特徴と
    するスパークプラグ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のスパークプラグであっ
    て、中心電極と第1接地電極、および中心電極と第2接
    地電極のうち少なくとも1つの火花放電ギャップを形成
    する一方又は双方の放電面に、貴金属製のチップを付設
    し、 1つの火花放電ギャップを形成する2つの放電面のう
    ち、一方でも貴金属製のチップを付設した火花放電ギャ
    ップ長をga とし、貴金属のチップを付設しない火花放
    電ギャップ長をgb としたとき、 ga −gb ≧0.2mm を満足することを特徴とするスパークプラグ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のスパークプラグであっ
    て、第2接地電極は、その放電面が前記中心電極の側面
    全周に渡って対向する環状接地電極であることを特徴と
    するスパークプラグ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のスパークプラグであっ
    て、中心電極と第1接地電極、および中心電極と第2接
    地電極の火花放電ギャップを形成する全ての放電面に貴
    金属製のチップを付設し、全ての火花放電ギャップ長を
    等しくしたことを特徴とするスパークプラグ。
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