JP3010533U - 大型コンバイン袋の明け移し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 トラックに搭載されて籾が満杯となった大型
コンバイン袋をクレーンその他の大掛かりな吊上げ設備
を有しない一般の中小農家に有効に利用できるようにす
ることを目的とした大型コンバイン袋の明け移し装置の
提供。 【構成】 トラックの荷台１の後縁近傍に臨んで一辺を
支承し、ジャッキ３により他辺側が一定角度傾斜可能で
ある台板２を設置し、該台板２上に下側部に開閉可能な
取り出し口を有する大型コンバイン袋４の底部を着脱自
在に固定、立設可能とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は大型コンバイン袋に収穫された生籾等の明け移し装置に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

従来、一般に利用されているコンバイン袋は、横６０ｃｍ、縦８０ｃｍ程度の 袋体の上辺部を開閉自在とし、通常コンバインの後部又は側部に懸吊されてコン バインのダクトを介して排出される籾粒を収納するようにしたものであったが、 一袋当り３０ｋｇ前後の生籾しか収納できないため、袋の交換に手間を要して高 能率を有するコンバインの機能を減少させる結果となっていたものである。

【０００３】 これに対処するべく近年では、底面積が１．２ｍΦで高さから１，２〜１，５ ｍの大型コンバイン袋が開発され、この袋主体を軽トラック等の荷台に搭載した 上、コンバインで刈り取られ、該コンバインに内蔵されたタンク内に貯蔵された 籾粒を上記袋主体に移載することによって収穫能率を大幅に向上させるという手 段が講じられるようになった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

而して、上述したような収納袋の大型化と空袋を搭載した２台のトラックを用 意して交互に生籾の収納を行うことによって、コンバインの収穫能率は大巾な向 上が見られるものの、その後処理、即ち約１ｔに近い大重量の実袋から生籾を空 け移すにはクレーン等の扛重機を利用して吊り上げなければならないため、トラ ックによって乾燥場に搬入される生籾の空け移しには、相当大掛かりな設備が必 要となり、これら大型コンバイン袋の利用は専ら設備の整ったライスセンターと かカントリー等に限られ、既設の乾燥施設の改造が行い難い一般の中小農家では 、依然として従来の小型コンバイン袋に依存する他なかったという課題が見られ たものである。

【０００５】 この考案は、トラックに搭載されて籾が満杯となった大型コンバイン袋をクレ ーンその他の大掛かりな吊上げ設備を有しない一般の中小農家に有効に利用でき るようにすることを目的としたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の目的を連成するため、トラックの荷台に予め一定角度傾斜可 能な台板を設置し、該台板上に空袋を開口可能に立設することによって、従来の 課題を解消せしめたものである。

【０００７】 即ち、トラックの荷台の後縁近傍に臨んで一辺を支承した台板が一定角度傾斜 可能であるようにし、該台板上に下側部に開閉可能な取り出し口を有する大型コ ンバイン袋の底部を着脱可能に固定、立設するという手段を用いたものである。

【０００８】 又、台板の昇降をオイルジャッキによって行うという手段も用いた。更に上記 台板面に適宜な高さ範囲の周枠を設けて大型コンバイン袋の下半部を支持すると いう手段も併用した。

【０００９】

【作用】

上記手段を用いた本考案の台板構成によれば、水平状態の台板上面に大型コン バイン袋の底部を固定・立設した上、常例に倣ってコンバインのタンクに一時貯 蔵された籾粒を風送ダクト等を介して袋主体に収納した後、そのまま乾燥施設に 搬入して袋の取り出し口を開放し、ジャッキを作動して台板を一定角度傾斜させ るだけで、大掛かりな懸吊設備などを使用することなく袋内の生籾の全量を至極 簡単且つ迅速に乾燥場の受け入れホッパーに流出・移管させ得るという作用を有 する。

【００１０】

【実施例】

以下本案大型コンバイン袋の空け移し装置を、図面に示す１つの実施例に従っ て更に詳述すると、図において１は小型（軽）トラックの荷台、２は上記荷台１ の後縁近くに設置された１．２ｍ四角の台板であって、該台板２の一辺側を荷台 の後縁１ａに平行に支承することによってジャッキ３等を利用して台板面を後縁 １ａ側に一定角度傾斜可能にしたものである。

【００１１】 而して上記ジャッキ３は、手動式のものであってもオイルジャッキもその選択 は自由であり、また台板２の水平位置における荷台１からの高さを最小に維持す る目的でクランク桿等による梃子の原理を採用することもまた、本案の要旨を変 更するものではないし、更に台板２の傾斜角度は、生籾表面の乾湿等によって一 定ではないが、例えば生籾の安息角を４０°とすると、その安息角よりも稍強い 傾斜角、即ち４５°程度を目安にすると内部の籾粒の完全排出が得られるのであ る。

【００１２】 また４は上記台板２の上面に搭載されるメッシュ地その他の柔布からなる大型 コンバイン袋の主体を示し、下側部に前面（荷台の後方側）に突出する籾粒の取 り出し口４ａを開閉自在に設けるとともに、下底部には少なくとも台板２の昇降 側の角部に係着されて袋主体４を台板面に着脱可能に固定する掛け帯４ｂを備え ており、更に袋主体の外周面における軸方向の３〜４か所に弾性桿５の挿通帯４ ｃを縫着して袋主体４が自立し得るように構成したものである（図２参照）。

【００１３】 尚、図中６は必要に応じて台板２の周辺に立設された側枠であるが、その高さ は台板２の最大傾斜時においても荷台の後縁１ａから外方に突出しない範囲とす ることで、上記側枠６がホッパー上方の施設に衝当して施設等の損傷を避けるの が好ましい。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、既に述べたところから明きらかであるように、これ迄大型コンバイ ン袋を利用して収穫能率を向上させるためには、乾燥場における実袋の明け移し に大がかりな設備が必要であったため、一般の中小農家ではその恩恵に浴し得な かったものを、トラックの荷台に極めて簡単な構造の台板と該台板の昇降機構を 装置したことで、従前から各農家に設けられていた小型コンバイン袋中の乾燥室 等、既設の乾燥設備を有効に利用して、大型コンバイン袋からの生籾の移し換え が迅速且つ省力的に行えるようになり、特に中小農家における籾の収穫能率の向 上に大きく貢献できるという優れた効果を齎らすものである。

【００１５】 又、本案装置によれば、上述した籾の収穫・乾燥の他、麦・大豆、その他の穀 類の収穫・運搬などに大型袋を活用し得るという広い利用範囲を有するものであ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】小型トラックの荷台に装置した本案装置の側面
図

【図２】台板上に搭載される大型コンバイン袋の正面図

【符号の説明】

１ トラックの荷台 ２ 台板 ３ ジャッキ ４ 大型コンバイン袋 ５ 弾性桿 ６ 側枠

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】トラックの荷台の後縁近傍に臨んで一辺を
   支承し、ジャッキにより他辺側が一定角度傾斜可能であ
   る台板を設置し、該台板上に下側部に開閉可能な取り出
   し口を有する大型コンバイン袋の底部を着脱自在に固
   定、立設可能としたことを特徴とする大型コンバイン袋
   の明け移し装置。
2. 【請求項２】ジャッキがオイルジャッキである請求項１
   記載の大型コンバイン袋の明け移し装置。