JPH0948274A - ダンプ機構付穀類収納袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】近年、我が国の農業もコンバインによる収穫の
高速、機械化される傾向が高まり、その収納袋も大型化
されるようになったが、トラックに搭載される大型収納
袋は、ライスセンターやカント ー等の大型処理施設は
別として、一般の中・小規模の農家が保有する穀物の処
理設備では、入口の軒が低く屡々軒下部分の通過が困難
となり、作業能率の著しい低下を招くという課題があっ
た。 【解決手段】トラックの荷台の後縁に立上りを有する基
台を設置し、上記基台の立上り上端に、オイルジャッキ
等によって一定角度斜傾自在な上台を枢着してなるダン
プ機構と、上記ダンプ機構の上台上に載置・固定され、
常態で上横杆が水平、且つ軒高を越えない高さの硬質合
成樹脂パイプを組み合わせてなる枠体と、上記枠体の内
面形状に一致し、後面の下底部に開閉自在な排出口を設
けてなる収納袋とから構成したダンプ機構付穀類収納袋
である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば小型トラ
ック等の荷台に装置されたダンプ機構の上台上に搭載さ
れ、圃上でコンバインによって収穫された生籾等の穀類
を大量に収容可能とした穀類収納袋（以下単に「収納
袋」という）の構造に関するものである。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】近年、我が国の農業に
おいても穀類の収穫がコンバインの導入によって高速、
大量化されるに伴って、その収納袋も大型化され、収穫
物は小型収納袋による手作業的処理から、次第に機械的
処理へと移行するようになって来た。

【０００３】ところで、現在広く利用されているこの種
の収納袋は、クロス織地又は高分子フィラメントの編み
地又は織り地などからなり、内径約１００ｃｍ、高さ約
１３０ｃｍ前後の円筒又は角筒形のものが広く知られて
いるが、これをダンパーを装備した中型又は小型トラッ
クの荷台に搭載した場合、地表からの全高が２メートル
以上にも達する関係上、ライスセンターやカントリー等
の大型処理施設では問題はないが、一般の中・小規模の
農家が保有する自家用乾燥設備では、その入口の軒が低
く、屡々軒下部分の通過が困難となって作業能率の著し
い低下を招くという課題が見受けられたものである。

【０００４】他方、トラック等の積載重量の超過につい
ては、最近特に陸運局の規制が強化され、中小農家にお
ける乾燥設備の軒下を通過すれば、如何なる容量の収納
袋でもよいというものでもない。

【０００５】

【課題を解決するための手段】叙述の実状を考慮して本
発明は、ダンプ機構を備えたトラックの積載重量と農家
の軒高の両条件を克服しつつ、しかも可及的に収容量が
大きく作業性の良好な収納袋を提供することを目的とし
たものである。

【０００６】即ち、本発明は上記の目的を達成するた
め、トラックの荷台の後縁に沿って立ち上りを有する基
台を設置し、上記基台の立上り上端部に荷台面又は基台
に取り付けられた１〜複数台のオイルジャッキ等によっ
て、一定角度斜傾自在な上台を先下がり状に枢着してな
るダンプ機構と、上記ダンプ機構の上台上に載置・固定
され、常態（上台の最下降位置）で上横杆が水平であ
り、且つ農家の軒高を越えない高さの硬質合成樹脂パイ
プを組み合わせてなる枠体と、上記枠体の内面形状に一
致し、後面下底部に近く開閉自在な排出口を設けてなる
収納袋とから構成され、該収納袋を上記枠体に結縛・支
持し得るようにするという手段を用いたものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の態様を図面
に従って更に詳述すると、図１、２は小型トラック１の
荷台１ａ上に装置されたダンプ機構２と枠体４を示す側
面図および平面図であって、そのダンプ機構２は荷台１
ａの後縁１ｂと両側縁１ｃに沿って固定される金属製の
基台２ａの後端に立ち上がり２ｂを設け、該両側立ち上
がり２ｂの上端部に上台２ｃを先下がり状に枢着し、該
上台が荷台１ａ面に直接又は基台２ａに枢支・固定され
る１〜複数台のオイルジャッキ３を介して一定量回動可
能にしたものである。

【０００８】又、上記上台２ｃに立設される枠体４は、
例えば硬質の塩化ビニルパイプを所望の間隔で縦横に組
み合わせてなり、常態では先下がり状になる上台２ｃに
かかわらず、その上横杆４ａは水平であり、且つ施設入
口の軒高を越えない位置を保持するように構成したもの
である。

【０００９】更に収納袋５はクロス織地又は高分子物
質、例えばポリエステルのモノフィラメントをモシャ織
りし、更に塩化ビニルコーティングを施してなる通気製
素材を上記枠体４の内面形状に一致させて箱形に縫製し
たもので、後面の下底部に近く位置して開閉自在な排出
口５ａを設け、又必要に応じて上縁開口部をファスナー
６などで開閉可能にした蓋体５ｂを設ける他、その底布
及び周壁布には随時補強帯５ｃを縫着し（図３参照）、
収納袋５の上縁を枠体の上横杆４ａをはじめ適当な箇所
に結縛等により固定するようにしたものである。

【００１０】尚、本発明では上記排出口５ａの構造自体
を特に限定するものではなく、又上記枠体４における縦
横のパイプの連結手段も、Ｔ型ジョイント等を利用する
他、溶接など任意な方法で枠組みを行うことを妨げない
が、上記枠体４自体は重量を軽減して穀類の実収容量を
多くするためにも、硬質合成樹脂パイプを使用すること
が望ましい。。

【００１１】次に、上記構成を有する本発明の収納袋の
使用要領について述べると、先ず上台２ｃを最下降位置
に置いて上記収納袋１の空袋状態で、後部排出口５ａを
閉止し、収穫場所に近い適当な路上にて待機する。一
方、コンバインで刈り取られた穀粒をコンバインの排出
装置を介して収納袋５内に移載し、該収納袋５が満杯と
なれば蓋体５ｂを閉止した上、自家乾燥設備に運搬し、
その排出口５ａが乾燥機７のシュート７ａに臨むように
車体をバックさせた後、収納袋１の排出口５ａを開放し
て穀粒を排出するのである。その際にオイルジャッキ３
を操作して、上台２ｃを徐々に高揚することによって収
納袋内部の穀粒は、その全量が乾燥機７側に完全に空け
移されるのである。このようにして穀粒の排出が完了す
れば、再びジャッキ３によって上台２ｃを下降させ、上
記排出口５ａを閉止して次の収穫に備えるのである。

【００１２】

【発明の効果】上記構成の本発明に係るダンプ機構付穀
類収納袋は、使用トラックの全高を含めて乾燥設備のあ
る建造物入り口の軒の高さを越えない範囲としたこと
で、一般農家の乾燥設備の比較的低い軒下を自由に通行
可能であり、又トラック等の荷台上に装備されるタンプ
機構の基板に一定高さの立ち上がりを設けて上台を回動
可能としたことにより、収納袋後面の下底部に近く設け
られる排出口の位置が、それだけ高くなり、シュート位
置の高い自家用乾燥設備に対しても直接空け移しが行え
る上、トラックの積載限度重量以内で多くの穀類の収
容、運搬が可能であるという格別顕著な効果を齎らし得
るものである。

【００１３】又、上記ダンプ機構、枠体等を分解可能に
することにより、農閉期等には該トラックを他の目的に
転用することが可能であるなど、トラック等運搬機械の
稼働率を向上させる上でも優れた利点が得られるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】トラック荷台上に装置されたダンプ機構と枠体
を示す側面図

【図２】図１の平面図

【図３】収納袋の斜視図

【符号の説明】

１ トラック ２ ダンプ機構 ３ ジャッキ ４ 枠体 ５ 収納袋 ６ ファスナー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トラックの荷台の後縁に立上りを有する基
   台を設置し、該基台の立上り上端に別途設けられたオイ
   ルジャッキ等によって、一定角度斜傾自在な上台を先下
   がり状に枢着してなるダンプ機構と、上記ダンプ機構の
   上台上に載置・固定され、常態では上横杆が水平、且つ
   軒高を越えない高さの硬質合成樹脂パイプを組み合わせ
   てなる枠体と、上記枠体の内面形状に一致し、後面の下
   底部に近く開閉自在な排出口を設けてなる収納袋とから
   なり、上記枠体に支持される収納袋の上縁が枠体の上横
   杆に結縛、固定されるようにしたダンプ機構付穀類収納
   袋。