JP2537376B2 - 穀類搬送用コンテナ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の目的） この発明は、米、麦、大豆等の穀類を収穫して所定処
理場に搬送するための容器であるコンテナの新規な構造
に関するものであり、特に小型トラック荷台に積載、移
動する上で都合が良く、しかも低廉な構造となるコンテ
ナを提供しようとするものである。

（従来技術） 農業形態の近代化の動きに伴なって、収穫した穀類の
処理方法も様々に工夫が必要となってきている。圃場か
ら加工処理場に移動するために穀類をまてめて入れる容
器についても同様である。

これまでの方法は、圃場で脱穀した穀物をコンバイン
袋と称される丈夫な袋にコンバイン上で直接所定量ごと
袋詰めし、それら穀類の詰められた袋がコンバイン上に
積み込める間、コンバインによる刈り取り、脱穀作業を
継続し、満杯になると一旦刈り取り、脱穀作業を中断し
て農道に止めてあるトラックのところまで移動した上、
人手によって重い袋を載せ換え、乾燥機のある作業場ま
で移動して再び人手で下ろして袋を開けて乾燥機に投入
するという極めて時間と労力のいる作業を強いられてき
た。

そこで、最近では、コンバインで収穫した穀類を袋に
詰めないで所定量になるまで溜め込み、一杯になったと
ころでコンバインに搭載したスロワによってトラック上
のコンテナに移し換え、トラックで作業場に移動してか
らもコンテナに装置されているスロワによって直接乾燥
機に移すという方法が採用され始めている。

この新しい方法を可能にしているのが、スロワ付きあ
るいはスロワ接続可能な構造を有する籾搬送用コンテナ
の開発、実用化であった。ところが、既に開発されてい
るものは、詰め込んだ穀類をスロワに送り込むためにコ
ンテナ底部中央にコンベアを必要とし、このコンベアに
最後まで残らず穀類が達するようにするため、ほとんど
のものがコンテナの下方、底当板部分をコンベアに向け
て傾斜させた、側面形で逆三角形構造のコンテナとなっ
ている。

しかし、この構造のコンテナ内に収容できる穀類の量
は、全体的な大きさの割りにはその下方の無駄な空間の
ために少なく、止むなく市販されているもののほとんど
のものは、それをより多くしようとしてコンテナ自体の
高さを高くしており、その結果、トラックに積んで移動
する場合、重心の位置が不安定になって横転の危険を伴
なってしまっている外、コンテナ自体の単価も高くなっ
てしまっているというのが実情である。

この発明では、そのような状況に着目し、効率の良い
収納スペースを確保できる新規な構造からなる籾搬送用
コンテナの開発に取り組み、遂にその成果を見るに至っ
たものである。

（発明の構成） 図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理
解されるように、この発明の穀物搬送用コンテナは、基
本的に次のような構造から構成されるものである。

即ち、トラック荷台に積載可能な大きさで、平板状の
底板１および左右両側板2,2、前、後板3,4から箱型形状
に形成され、底板１と後板４とのコーナー部分を回動支
点として所定角度の回動を可能とする回動装置７を有す
るコンテナ主体の、後板４を上下に分割した上、当該下
方側を、上方側に対してコンテナ主体の外側方向に回動
可能な開閉自在構造のダンプ板５になすと共に、該ダン
プ板５を開いた状態に維持する仮止め手段を並設する一
方、ダンプ後５を開いて形成される開口部41には、該開
口部41に嵌合し得る全体形状が横長長方形で、上端およ
びその他適所に接着部62、下方に籾流出口63の形成され
たタイコ張り構造の主板６が着脱自在に組み合わされる
ようにすると共に、該主板６には、タイコ張り構造内に
内蔵型で、籾流出口63を開閉自在とするシャッター64、
主板６の外側適所に設置されるシャッター開閉操作用の
ハンドル65、主板６の籾流出口63外側に添って横設され
るスパイラルコンベア内蔵のコンベアボックス66、スパ
イラルコンベア駆動用のモータ67aおよびスパイラルコ
ンベア軸への伝導機構を内蔵し、主板外側適所に配置さ
れるモータボックス67を一体的に組み込んでなるものと
したことを特徴とする穀類搬送用コンテナである。

コンテナ主体を構成する底板１、両側板2,2、前、後
板3,4は、鋼板またはプラスチックス板等軽量で頑強な
素材によって形成される。

ダンプ板５は、コンテナ後板４を上下に分割した下方
側に位置するものであって、上方側の後板４（後板４と
して一体構造。したがって、この部分は、両側板2,2後
綴端に組立て解体自在、あるいは一体構造に形成され、
平面矩形状のコンテナ主体の骨格を成す部分となる。）
の下に形成される開口部41に嵌合することができる外形
に形成され、その上端が、上下側の後板４に吊下され、
コンテナの外側方向に開閉自在となる構造に形成され、
その下方側が後板４に対して揺動自在となるように構成
されている。但し、この揺動自在構造には、それを一時
的に固定できるロック機構が並設される。

スパイラルコンベア装置板６は、コンテナ後板４の下
方に形成された開口部41に着脱自在に嵌合、固定するこ
とができる外形を有し、その下方の幅方向全幅に渡って
籾流出口63を形成したタイコ張り構造からなる主板61
と、予めスパイラルコンベア66aの内蔵されたコンベア
ボックス66の外、タイコ張り構造内に内蔵型で、籾流出
口65を開閉自在とするシャッター64、主板61の外側適所
に設置されるシャッター開閉操作用のハンドル65,スパ
イラルコンベア駆動用のモータ67aおよびスパイラルコ
ンベア軸への伝導機構68を内蔵し、主板外側適所に配置
されるモータボックス67から構成されている。そしえ、
コンベアボックス61の対応する位置に形成した穀類流出
口63は、適宜機構によって作動するシャッター64によっ
て閉鎖、開口される。

回動装置７は、図示した油圧ジャッキからなるものの
外、公知のジャッキを利用したもの、手巻きあるいは電
動ウインチ巻き上げ式のもの、チェーンブロックやクラ
ンク構造を利用したもの、あるいはトラックの排気ガス
を送り込んで膨らますマッット構造のもの等公知のあら
ゆる回動手段の採用が可能であり、何等その構造に限定
を受けるものではない。

以下、更に具体的にその実施例を説示することとす
る。

（実施例） 第１図使用状態を示す斜視図、第２図同使用状態にお
ける本装置だけの断面図、第３図組み合わせ構造を示す
断面図、および第４図断面図に夫々示されているよう
に、スパイラルコベア装置板６を装着してコンテナとし
て使用する場合、ダンプ板５を外さず、ダンプ板５を後
板４の外側に捲き上げて適宜固定し、スパイラルコンベ
ア装置板６だけを後板４の開口部41に掛け止め、離脱す
る如くして実施するようにした穀類搬送用コンテナであ
る。

ダンプ板５の上端適所は、コンテナ後板４の上方側下
端縁に対して蝶番構造に接続させ、何等離脱することな
く常時接続されたままとなるものであり、スパイラルコ
ンベア装置板６を装着、離脱するときだけ、該ダンプ板
をコンテナ主体の外側に捲り上げて仮り止めし、その結
果開口された後板４下方の開口部41に、以下のような構
造からなるスパイラルコンベア装置装着板６が、着脱自
在に組み込まれ、固定される。

スパイラルコンベア装置装着板６は、第５図平面図、
第６図正面図、第７図背面図、第８図左側面図、第９図
右側断面図によって理解されるように、コンテナ主体の
後板４の開口部41に嵌合し得る全体形状が横長長方形
で、上端およびその他必要箇所に接着部62,62……、下
方に穀類流出口63の形成される主板61と、該主板61の穀
類流出口63を閉鎖、開口自在とするシャッター64、該シ
ャッター64の開閉操作用として主板61の外側適所に形成
されるハンドル65、主板61の穀類流出口65に添い、上記
シャッター64の外側に接触状に配設されるスパイラルコ
ンベア66a内蔵のコンベアボックス66、スパイラルコン
ベア66a駆動用のモータ67aを内蔵し、主板61の外側適所
に配置されて成るモータボックス67、およびモータ67a
とスパイラルコンベア軸66b間を接続する伝導機構68aを
内蔵するベルトカバー68とから構成されている。

主板61は、その内部にシャッター64を作動させるため
のツインロッド64a、リンクロッド64bやリングプレート
64cを内蔵する空間の形成された薄金属板張合わせ構造
から成るものである。

穀類流出口63は、主板61の下方全幅に亘って細幅に形
成され、シャッター64を介してコンベアボックス66に通
じている。

コンベアボックス66内に内蔵されるスパイラルコンベ
ア装置66aは、図示した例では一方方向だけに送り出し
を可能とする構造のものに示されているが、場合によっ
ては左右何れの方向にも送り出しを可能とするような正
逆両回転の可能なものに形成するようにすることもで
き、その場合にはコンベアボックス66の左右両側に搬出
口を設け、搬出用スロワ８の接続可能な構造に形成さ
れ、接続キャップが予め両方に形成されてることにな
る。

図中、66bは、コンベア軸、66cは、延長管または搬送
用スロワ８を接続するための接続プレート、69は、コン
ベア作動用のスウィッチボックス、81は、搬送用スロワ
８の搬送管、82は、同駆動モーターを、また、９は、こ
の発明のコンテナを載置するトラックを夫々示してい
る。

（作 用） 上記のような構造からなるこの発明のダンプコンテナ
兼用の穀類搬送用コンテナは、第１図に示されているよ
うに、トラック９の荷台に載置され、単にダンプとして
利用するときには、ダンプ板５を後板４の開口部41に装
着した状態で物を積み込み、放出すべき場所に移動した
ところでダンプ板５のロック機構を解除した上、回動装
置７を作動してコンテナ主体を徐々に傾斜させていけ
ば、ダンプ板５が自然に開放されて積み込まれた物が外
に掃き出される。

一方、穀類搬送コンテナとして使用するときには、ダ
ンプ板をコンテナ主体の外側に捲り上げて仮り止めし、
その結果開口された後板４下方の開口部41に、スパイラ
ルコンベア装置板６を装着した上、圃場においてコンバ
イン等の収穫機から籾等穀類を一杯に収容して乾燥場そ
の他の処理場まて移動し、スロワ８をコンベアボックス
６横の接続プレート66cに接続してから、主板61に組み
込まれてシャッター64を適宜開放状としながらスパイラ
ルコンベア66aを作動させると共にスロワ８を作動さ
せ、その搬送管81を適宜方向に向けて直接籾等の穀類を
所定の場所に放出させるか、場合によっては、接続プレ
ート66cに直接延長管（図示せず）を接続したり、ある
いは前記搬送管81に更に接続用のスロワを接続させてよ
り遠くまで放出するようにする。

そして、放出される穀類の量がやや減り加減になり始
めてきた頃会を見計らって、コンテナ主体の前板３側を
回動装置７の操作によって徐々に持ち上げ、コンテナ主
体内に入っている穀類が、コンベアボックス６の穀類流
出口63に自然に集まり易い状態となし、内部に収容され
た穀類全部が残らず放出されるようにする。

放出を終えたら、回動装置７を作動させてコンテナ主
体を元のように水平状態に戻し、スロワ８を外して再び
圃場へ籾等穀類積み込みのために走行、移動するもので
ある。

（効 果） このように構成されるこの発明の穀類搬送用コンテナ
は、単に後板４に形成された開口部41にスパイラルコン
ベア装置板６を着脱自在に組み込めば穀類搬送用コンテ
ナとなるものであり、ダンプ板５の開け閉てだけという
極めて簡単な操作で２種類のコンテナとして活用するこ
とができるものである。

この２種類の使い分けをするためのダンプ板５および
スパイラルコンベア装置板６の装着手段は、ダンプ板５
だけは常時付けたままで、スパイラルコンベア装置板６
だけを必要に応じて装着するようにするといったより合
理的な構成のものとして実現しており、使用者のニーズ
に応じた最適な製品を実現し得ている。

しかし、穀類搬送用コンテナとして利用するときは、
戻等穀類をスパイラルコンベア66aによって送り出すと
きであって、穀類がその穀類流出口63に集まり難くなっ
てきたときだけ、回動装置７を作動させてコンテナ主体
を傾斜させる構造を採用しているため、コンテナ主体そ
のものは底板１の平らな単なる箱型のものに形成するこ
とができ、したがって、従前までのもののように、その
底板部分を予めスパイラルコンベア方向に向けて傾斜さ
せた側面逆三角形状のものに形成する必要は全くなくな
り、従前までのものと同じ容量のコンテナを実現する上
で極めて低層且つ小形化することができることから、コ
ンバインから籾等穀類を受け取る段階は勿論のこと、受
け取って所定の処理場まで走行、移動する段階で極めて
安定した使用状態を実現することができ、しかも、それ
だけ小形化されることによって使用部材量も少なくな
り、安価且つ簡便に構造することが可能となるものであ
る。

特に、このスパイラルコンベア装置板６としてコンベ
アボックス66、モータボックス67、ベルトカバー68が主
板61の外方に突出状に配置された構造のスパイラルコン
ベア装置板６が組み込まれた一体構造のものに形成され
ていて、必要時以外、即ち穀類収穫時間以上は、コンパ
クトに保管、管理が可能になる上、それだけを持ち運ぶ
ことが可能なことから、スパイラルコンベア装置66a、
モータ67a、伝導機構68a等の機械的部分の保守、点検を
極めて簡単に実施することができるものになるという特
徴も加わり、その使用性は更に一層秀れたものとなる。

叙上の如く、この発明は、籾等の穀類収穫作業の効率
化に大いに寄与することができ、今後益々必要とされる
農業形態の合理化の中で高い評価を受けることが予想さ
れるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、この発明を代表する実施例に基づくものであ
り、第１図は、使用状態を含むものの全体斜視図、第２
図は、同使用状態における本装置だけによるものの断面
図、第３図は、組み合わせ構造を示す断面図、第４図
は、他の組み合わせ構造を示す断面図、第５図は、スパ
イラルコンベア装置板だけの平面図、第６図は、同正面
図、第７図は、同背面図、第８図は、同左側面図、第９
図は、同右側面図である。 １……底板、２……側板、３……前板、４……後板、41
……同開口部、42……同固着部、５……ダンプ板、51…
…同接着部、６……スパイラルコンブア装置板、61……
同主板、62……同接着部,63……穀類流出口、64……同
シャッター、65……同ハンドル、66……同コンベアボッ
クス、67……同モータボックス、、68……同ベルトカバ
ー、７……回動装置、81……同搬送管、82……同駆動モ
ーター、９……トラック。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トラック荷台に積載可能な大きさで、平板
   状の底板および左右両側板、前、後板から箱型形状に形
   成され、底板と後板とのコーナー部分を回動支点とした
   所定角度の回動を可能とする回動装置を有するコンテナ
   主体の、後板を上下に分割した上、当該下方側を、上方
   側に対してコンテナ主体の外側方向に回動可能な開閉自
   在構造のダンプ板になすと共に、該ダンプ板を開いた状
   態に維持する仮止め手段を並設する一方、ダンプ板を開
   いて形成される開口部には、該開口部に嵌合し得る全体
   形状が横長長方形で、上端およびその他適所に装置部、
   下方に籾流出口の形成されたタイコ張り構造の主板が着
   脱自在に組み合わされるようにすると共に、該主板に
   は、タイコ張り構造内に内蔵型で、籾流出口を開閉自在
   とするシャッター、主板の外側適所に設置されるシャッ
   ター開閉操作用のハンドル、主板の籾流出口外側に添っ
   て横設されるスパイラルコンベア内蔵のコンベアボック
   ス、およびスパイラルコンベア駆動用のモータおよびス
   パイラルコンベア軸への伝導機構を内蔵し、主板外側適
   所に配置されるモータボックスを一体的に組み込んでな
   るものとしたことを特徴とする穀類搬出用コンテナ。