JP3010171B2 - 給糸装置及び給糸方法 - Google Patents

給糸装置及び給糸方法

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JP3010171B2
JP3010171B2 JP11077769A JP7776999A JP3010171B2 JP 3010171 B2 JP3010171 B2 JP 3010171B2 JP 11077769 A JP11077769 A JP 11077769A JP 7776999 A JP7776999 A JP 7776999A JP 3010171 B2 JP3010171 B2 JP 3010171B2
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  • Braiding, Manufacturing Of Bobbin-Net Or Lace, And Manufacturing Of Nets By Knotting (AREA)
  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、糸消費が時
間的に急激に変動する糸消費部用及び弾性糸用の設けら
れた給糸装置(積極給糸装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】弾性繊維又は糸は、それが受ける張力に
応じて長さが変化し、場合によっては、長さが極めて大
きく変化するものがある。例えば、その長さの7倍以上
まで伸びる弾性糸が使用される。従って、供給される糸
量は、糸を供給する場合の張力に大いに左右される。多
くの場合には、弾性糸の張力を所定の範囲内に保てば十
分であるが、一連の用途の場合、所定の糸量を与えられ
た時間間隔で供給することが問題になることがある。糸
量は、例えば、所定の糸張力での糸長で決まる。糸の弾
性が大きければ、所定の糸量の供給を行うことが保証さ
れない。
【0003】糸消費量が時間的に一定の場合があるが、
多くの場合では、糸消費量が時間と共に極めて大きく変
動する。例えば、平編機、類似の編機、柄出し装置付き
丸編機、ストッキング編機等がそうである。しばしば、
これらの機械では、弾性糸を単数又は複数の非弾性糸
(いわゆる硬質糸)と共に編成する編物が製造される。
多くの場合、編成は糸の供給量に比例して行なわなけれ
ばならない。即ち、所定の量の硬質糸に対して対応する
量の弾性糸を出来るだけ等しい速度で積極的に供給しな
ければならない。このことは、糸の性質が異なるので比
較的困難である。少なくとも糸消費量が変動する場合
は、硬質糸と軟質糸の供給量を同期して供給すること
は、比較的困難である。
【0004】変動糸消費量用給糸装置がドイツ特許第3
824034号で知られている。給糸装置は、ステップ
モータによって駆動され外周が6本のワイヤブラケット
で決定される給糸ホイールを有する。糸通路の給糸ホイ
ールの手前部分に糸ブレーキが配設されている。ステッ
プモータ調整用、従って、糸量調整用の糸張力センサが
給糸ホイールに続く。給糸装置は一定の張力で糸を供給
するためのものである。
【0005】供給量が時間的に可変である弾性糸を供給
するために使用される給糸装置がドイツ特許第4206
607号で知られている。給糸装置は給糸ホイールに接
続された円板回転子形モータを有する。給糸ホイール
は、供給される糸が巻掛けられている。給糸ホイールの
手前に、糸ブレーキが固設されており、この糸ブレーキ
は、制動作用を発生するための永久磁石、又は、制動作
用を調整可能に発生するための電磁石を具備する。糸張
力を監視して一定に保つために、給糸ホイールに、円板
回転子形モータを制御する糸張力センサが後置される。
【0006】給糸装置は、所定の糸量の積極給糸のため
ではなく、多かれ少なかれ定常な張力で糸を供給するた
めに使用される。
【0007】消費部への弾性糸を一定に供給されること
が欧州特許第0499380号で知られている。給糸装
置は、互いに独立に動作する2個の給糸装置から成り、
これらを糸が逐次通過する。まず、糸はボビンから糸を
引き出す給糸装置によって案内される。給糸ホイール
は、給糸ホイールに続いて配列された糸張力センサが検
出した糸張力に応じて制御される電動機によって駆動さ
れる。こうして、糸は、多かれ少なかれ定常な張力で、
互いに摩擦係合されると共に固定回転数で駆動されて定
常な糸量を供給する2個の給糸ホイール又はロールへ送
られる。かくて、時間的に定常な糸量が弾性糸を硬質糸
に組み合わす糸消費部へ送られる。
【0008】この装置は、時間的に可変な糸量を供給す
るようには構成されていない。また、一定の糸速度と共
に一定の糸張力で編機に糸を供給する給糸装置がドイツ
特許公告公報第1585111号で知られている。この
給糸装置は、糸が順次巻掛けられ、同様に駆動される2
本のテーパロールを有する。その場合、糸は各ロール毎
に、それぞれ、糸がどのような直径でロールに対して進
退するかを定める糸案内を通過する。2つの退出直径を
違った大きさにすることによって、糸がまず小さい方の
ロール直径でボビンから引き出され、大きい方の直径で
次のロールに受領され、これらのロールの間で糸が強く
伸ばされるようになっている。第2のロールに続く区間
で糸が再び弛緩され、ここで、けん縮加工糸(Kraelfaed
en) のヒステリシス効果が利用される。けん縮加工糸で
観察されるこのヒステリシス効果の結果、糸は第2のロ
ールの後方では弛緩状態になっていてほとんど短縮して
いない。この状態で糸をよく加工することができること
になる。
【0009】この装置と方法は、ヒステリシス効果を有
し糸供給量が特に時間的に一定量のけん縮加工糸の処理
のために開発された。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上に基づき、本発明
の課題は、時間的に変動する所定量の弾性糸を糸消費部
に供給する給糸装置及びその方法を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題は、給糸装置
を、糸にその長手方向に伸ばす力を作用して該糸に所定
の張力を与えるテンション装置と、該テンション装置の
前方に配置された給糸ホイールであって、該給糸ホイー
ルの前方の前記糸の部分の張力が該給糸ホイールの後方
の該糸の部分の張力に全く又は実質的にほとんど影響さ
れないように、該糸が1回乃至数回巻き掛けられる給糸
ホイールと、前記テンション装置に左右されずかつ前記
給糸ホイールの後方の前記糸の部分の張力に関係なく、
実際の糸消費量に応じて制御される給糸ホイール駆動用
モータとを具備して構成することによって達成される。
また、この課題は、時間的に変動する所定の糸量の弾性
糸の給糸方法を、糸を、ボビンから引き取った後、所定
の値に伸ばし、実際に必要な糸量を表示する少なくとも
1つの特性値を検出し、該糸を、引き伸ばし後、緊張状
態で、緊張した該糸を特性値に従って供給するように設
定された給糸装置に送る工程で構成して達成される。
【0012】そして、本発明に基づく給糸装置は、ボビ
ンから到来する糸に所定の張力を与えるテンション装置
を有する。給糸装置は、入口側では張力に応じて、出口
側では糸量に応じて動作する。テンション装置と積極給
糸装置との間に少なくとも比較的に一定の糸張力が発生
される。給糸装置の外部からの影響、例えば、糸消費部
への途中の導糸口での糸摩擦の変化によって生じる張力
の変動は、テンション装置と積極給糸装置との間の張力
調節区間によって防止される。こうして、給糸装置の後
方では、摩擦の影響を受けずに、弾性糸を所定量で供給
することができる。このことは、特に、糸消費量が時間
的に変動する場合に効果がある。この場合は、糸走行条
件が速度に関係する。ここで、給糸装置に続く糸通路区
域を張力が調整される通路区間から分離されているため
に、時間的に変動する量の給糸を制御して正確に行わせ
ることができることになる。
【0013】その場合、弾性糸に見られる非線形の力−
経路関係に合わせて、テンション装置を構成することが
できる。従来の弾性糸、例えば、エラスタン糸は、小さ
な力の領域では、僅かな力の変化に対し伸びの変化が大
きい。ところが、糸引張力又は糸の縦方向の力が増加す
るにつれて、生じる長さ変化がだんだん小さくなる。糸
がその最大伸びに達すると、力がそれ以上増加しても糸
はそれほど伸びない。これに対して、力を取り除くと、
糸は急激に元の長さにほぼ戻る。この性質のために、通
常、所定の糸量を供給することが比較的困難である。そ
こで、本発明に基づく給糸装置に設けられたテンション
装置は、糸張力の変化が糸長にほとんど影響しないよう
に糸を強く伸ばすことによって、この問題点を回避す
る。糸は、この伸張した状態で、給糸ホイールへ送ら
れ、給糸ホイールは、電動機によって実際の糸消費に応
じて駆動され、生じる糸張力に関わりなく所望の糸量を
供給する。決まった量の給糸を行うことは積極給糸とも
呼ばれ、一定の(小さな)張力で糸を供給する消極給糸
装置と呼ばれる給糸装置との反対のものである。
【0014】給糸ホイールは、テンション装置に関係な
くモータによって駆動される。そこで、逆に、テンショ
ン装置を、給糸ホイールの操作に関わりなく高い糸張力
を生じるように設計することができる。
【0015】テンション装置は、例えば、糸走行速度と
無関係に作動する一種の糸ブレーキであってもよい。こ
れは、例えば、糸が摺動する摩擦部材で糸を制動する摩
擦ブレーキである。糸ブレーキが多少とも一定の糸張力
を生じる場合には、ここで、比較的大きな糸張力範囲が
許容されても、供給される糸量がそれによって著しく変
化することはない。これでは糸張力は最大限界まで連続
して用いることができる。
【0016】これとは別に、テンション装置は、例え
ば、糸ブレーキと給糸ホイールとの間の糸張力に応じて
調整される制御糸ブレーキであってもよい。これによっ
て、例えば、給糸装置の手前で生じる付加的な摩擦の影
響を補償することが可能になる。また、多くの場合、供
給必要量の急激な変化に対する装置の反応性が改善され
る。
【0017】意外なことに、制御・非制御テンション装
置のいずれでも、給糸装置の動的性質が改善できる。給
糸ホイールの加速時に、給糸ホイールの手前の緊張した
糸は、張力が変化しても供給量を変化させるような伸び
が生じない硬質糸のように振舞う。従って、給糸ホイー
ルの手前で制御操作を行うことによって、特に、給糸ホ
イールの加速又は減速時の過渡過程でも、所望の給糸量
についての精度がほとんど又は全く劣化することがなく
なる。
【0018】糸ブレーキについては種々の構造が考えら
れる。例えば、2個のブレーキ板を有する簡単な摩擦ブ
レーキを使用することができる。このブレーキ板をばね
又は磁石で互いに緊圧することができる。そのために、
電磁石、又は、例えば、制御ループで制御されるその他
の電気的に制御可能な手段を利用することもできる。独
自の駆動モータを有する別個の(即ち、第2の)給糸ホ
イールを、糸ブレーキの代わりに、テンション装置とし
て設けることもできる。この第2の給糸ホイールは、ボ
ビンから糸を引き出して所定の張力で伸ばされた状態で
糸の運動方向の下手にある給糸ホイールに供給する役目
があり、ここで、上手の給糸ホイールは好ましくは張力
に応じて動作するモータに連結され、下手の給糸ホイー
ルのモータは好ましくは糸量に応じて動作する。このこ
とは、制御されるブレーキを有する上記の実施形態にも
同様に当てはまる。このようにして、本発明に基づく給
糸装置によって、時間的に変動する糸需要に応じた弾性
糸の積極給糸が可能になる。伸ばされた糸を巻掛けた給
糸ホイールの下手の張力センサは設けなくてもよい。テ
ンション装置は調整が固定されたもの又は糸張力に基づ
いて制御することができるものであるが、テンション装
置に続く給糸ホイールはオープンループ制御系で操作す
ることが好ましい。これによって、糸張力の変化にハン
ティングなしで反応することができることになる。ま
た、糸消費の急激な増加が現われたならば直ちに又は現
われる前に、即ち、給糸ホイールと糸消費部との間の通
路区間に張力の変化が検出できると直ちに又はそれ以前
に、積極給糸操作を開始又は起動することができる。
【0019】給糸装置は、所望の糸供給量に対応する回
転数で給糸ホイールのモータを制御する制御装置に接続
されるか、このような制御装置を有することが好まし
い。制御装置は、例えば、柄データメモリーからデータ
を得ることができる。平編機では、最も簡単な場合に
は、光リレー、リミットスイッチ又はこれに類するもの
で検出される糸案内の運動から糸消費量を導き出すこと
が望ましい。また、弾性糸の消費量を、当該の機械で処
理されたその他の糸、例えば、硬質糸の走行速度を測定
することによって決定することが望ましい。そのため
に、制御装置に接続された糸速度測定装置を設けてもよ
い。その場合は、この制御装置によって、弾性糸を、例
えば、他の糸と量的に厳密に比例させて糸消費部へ供給
することができる。センサ装置は、例えば、他の(硬
質)糸が巻掛けられエンコーダの軸に設けられた測定輪
である。
【0020】また、テンション装置を制御するために、
制御装置をテンション装置に接続することができる。そ
の場合は、制御装置を、例えば、ブレーキの電気制御装
置に、又は、対応の給糸ホイールのモータ及びテンショ
ン装置と給糸ホイールとの間に配設された張力センサに
接続することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
いて図面を参照して詳細に説明する。
【0022】図1に概略図で示した本発明に基づく給糸
装置の第1実施形態は、弾性糸1をボビン2から平編機
4の編成部3に供給する役目をするものである。編成部
3は独立の針5で形成され、糸案内6が針5のかたわら
を矢印7で示すように往復して通過する。糸案内6には
弾性糸1も硬質糸11も供給される。硬質糸11は別の
適宜なボビン12から引き出される。
【0023】硬質糸11の供給は詳しく図示しないフィ
ーダ(給糸装置)で又は編成操作時の針5の牽引作用に
よって積極的に行うことができる。その場合、糸11が
供給され又は引き出された量が編目寸法(Maschengroess
e)を決定する。糸量は時間的に一定ではない。糸案内6
の反転区域で糸消費が短時間の間完全に停止する。ま
た、少なくとも糸案内6と給糸装置と間の間隔が糸案内
6の行きと帰りで変化する場合は、糸消費量が往路と帰
路とで異なる。
【0024】弾性糸1を供給するために、テンション装
置15と給糸ホイール16とが設けられた給糸装置14
が使用される。この給糸ホイール16は電動機(モー
タ)17によって駆動される。糸1は、給糸ホイール1
6に1回乃至数回巻掛けられ、給糸ホイール16によっ
て滑りがなく駆動される。こうして、給糸ホイール16
は、糸案内6に送られる糸量を決定する。糸1が緩んだ
状態で糸量を一定にするために、糸1は、テンション装
置15によって糸のほぼ最大値まで、少なくとも力の変
化がほとんど糸11の長さに変化を引き起こさない値ま
で緊張される。これを行わせるために、テンション装置
(テンションブレーキ)15は、電動機(モータ)17
同様に、電動機(モータ)17の回転数とテンション装
置15の作用とを定める制御装置18に接続される。テ
ンション装置15は、その出力部(従動部)に2個の支
持ピン(両方をまとめて糸ブレーキ又は巻掛けブレー
キ、摩擦ブレーキ、各々を摩擦部材又は巻掛け部材とも
称する)21,22が偏心して形成された回転位置調整
装置(電気制御装置、力発生装置ともいう)19を有す
る。糸1は、回転位置調整装置19の回転位置に依存す
る角で、従って、制御装置18により制御可能な角で、
この支持ピン21,22に係合する。
【0025】テンション装置15と給糸ホイール16と
の間に、糸張力を検出する糸張力センサ24が配設され
ている。糸張力センサ24は、その測定値又はそのデー
タを、例えば、マイクロコンピュータとして構成するこ
とができる制御装置18に送る。制御装置18は、詳し
くは図示しない入力装置を経て糸1の張力の目標値(設
定値)を受ける。図1に示す、柄データ記憶装置のよう
なメモリセル(記憶場所)25にこの張力を記憶させる
ことができる。この目標値は、糸がほぼ降伏点(Streckg
renze)乃至は引張限度に到達する値に定められる。給糸
装置14の動作時に、制御装置18がテンション装置1
5を制御して、テンション装置15によって給糸ホイー
ル16から引張られる糸1が所望の高い目標張力に到達
するようにする。糸張力センサ24が偏差を検出する
と、制御装置18がテンション装置15をそれに応じて
再制御する。
【0026】これに対して、給糸ホイール16のモータ
17は、実際の糸消費量に応じて制御される。実際の糸
消費を決定するために、硬質糸11の通路に、例えば、
増分角検出器(角検出器)28が設けられた測定装置
(センサ装置)26が配設される。増分角検出器28の
軸29に糸ローラ(測定ローラ)27が保持されてい
る。糸ローラ27は、硬質糸11により巻掛けられ、こ
の硬質糸11の速度に応じて回転する。こうして、増分
角検出器28は糸速度を検出し、対応する信号を詳しく
は図示しない結線を介して制御装置18の入力部31へ
送る。
【0027】制御装置18の別の入力部32は、糸張力
センサ24に接続され、糸張力信号を糸張力センサ24
から受ける。柄データ又は供給される弾性糸の量を特徴
づけるその他の制御データが制御装置18の別の入力部
33に送られる。制御装置18の第1の出力部34から
の出力は電動機(モータ)17を制御し、第2の出力部
35はテンション装置15に接続されており、この出力
部35の出力はテンション装置15を制御する。
【0028】以上述べた給糸装置14は次のように動作
する。
【0029】使用時に、平編機4の糸案内6は、布幅で
決まる行程で布地を横切って往復する。その際、針5で
形成された編成部3に等量又は相対応する量の弾性糸1
と硬質糸11とを供給しなければならない。制御装置1
8は、入力部33を介して、少なくとも糸案内6の運動
方向に関する情報を受ける。理想的な場合には、制御装
置18は、さらに、糸案内速度に関する情報を受け取
る。糸案内速度は、位置又は速度を測定して決定され得
るか、又は、固定又は指定値として用いることができ
る。制御装置18は、糸案内速度と糸案内運動方向か
ら、糸案内6が運動する際に糸1及び糸11それぞれの
通路がどの程度に延長又は短縮するかを決定する。測定
装置26が検出した糸11の速度は、糸通路の長さの変
化と針5における糸消費量から定められる速度である。
制御装置18においては、糸通路の長さ変化分を検知す
るか、又は、それが糸案内の速度から決定されるから、
糸走行速度の測定値から実際の糸消費を決定することが
可能であり、そして、適宜に決定されるようになってい
る。
【0030】この値から、制御装置18は針5で必要な
弾性糸の量を、例えば、針5が加工する硬質糸11の量
の固定比(固定量)として決定する。このため、制御装
置18は糸1の通路の延長又は短縮によって生じる糸量
の増減を正負の符号をつけて正しく加算・減算する。こ
うして得られた値に基づいて、生じた給糸量に対応する
回転数でモータ17を制御するための制御パルスが形成
される。
【0031】同時にそして平行して、かつ、この過程か
ら独立に、制御装置18は、テンション装置15を介し
て、給糸ホイール16の手前の糸の張力を、例えば、弾
性糸1がほぼ完全に伸び切ってほとんど硬質糸のように
作用するような決まった高い値に設定する。
【0032】図2に、本発明の第2実施形態の給糸装置
を示す。この給糸装置のテンション装置15は、これか
らの制御信号を出すことをせずに動作する糸ブレーキ
(摩擦ブレーキ)41から成る。糸ブレーキ41は、例
えば、ブレーキ部材の役割をする、例えば、ボルト44
に嵌装されてばね45によって互いに押圧し合う2個の
円板形のブレーキ板(摩擦部材)42,43を有する。
糸1は、ブレーキ板42,43間に挟まれて、摩擦を生
じてこれらの間を引き通されるようになっている。糸ブ
レーキ41は、それと給糸ホイール16との間の区域の
糸1がほとんどその走行速度に関係なく完全に伸ばされ
るような高い張力値に固定的に設定される。従って、第
1実施形態にある糸張力センサ24と制御装置18の入
力部32は第2実施形態には用いられない。その他の点
については、給糸装置14のこの第2実施形態の構造と
機能は、前述の第1実施形態の給糸装置(図1)と同じ
である。従って、第2実施形態には第1実施形態と同じ
参照符号を使用し、それらの説明は第1実施形態の場合
と同じであるので前記の説明を適用する。
【0033】図3に、本発明の第3実施形態の給糸装置
を示す。相違はやはりテンション装置15にある。その
他については、第1実施形態と同じであるので、第1実
施形態と同じ参照番号を使用し、第1実施形態の説明を
そのまま適用する。
【0034】図3の給糸装置14のテンション装置15
は、第1実施形態におけるのとは別の駆動モータ(モー
タ又はアクチュエータ装置)52の軸に設けられた給糸
ホイール51を有する。給糸ホイール51は、実質的に
給糸ホイール16に同じであり、これと同様に糸1が1
回乃至数回巻掛けられている。両給糸ホイール51,1
6間に、制御装置18の入力部32に接続される糸張力
センサ24が配設されている。そこで、制御装置18
は、第1実施形態の調整装置19の代わりに駆動モータ
52を制御して、糸1がその糸1が伸び切るまでの高い
所望の糸張力で緊張されて給糸ホイール16へ送られる
ように、駆動モータ52がボビン2から糸1を引き出
す。そのために、制御装置18が出力部35から駆動モ
ータ52へ適切な制御パルスを出力する。
【0035】第3実施形態の利点は、2つの給糸ホイー
ル51,16の間に所定の高い糸張力が急速に発生さ
れ、この通路区間の糸張力が積極給糸装置の後方の糸通
路からの外的影響を受けないことにある。給糸ホイール
51を逆回転制御すれば、上記のことを必要に応じて給
糸ホイール16を回転せずに行うことができる。
【0036】
【発明の効果】本発明に基づく、弾性糸(軟質糸)を糸
消費量が時間的に変動する糸消費部に供給するための給
糸装置は、実際の糸消費量を検出して出力する制御装置
を有し、給糸ホイールは糸消費量に相当する回転数で駆
動され、糸がテンション装置を介して糸供給ホイールに
到達し、ここで、テンション装置は、糸を、例えば、ほ
ぼ完全に伸ばしてこれに高い所定の張力を与えるように
調整されているので、これによって、所望の給糸量と給
糸ホイールの回転数との間の相互関係を固定的なものと
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく、弾性糸を平編機に供給するた
めの給糸装置の第1実施形態の概略原理図である。
【図2】本発明の給糸装置の第2実施形態の概略図であ
る。
【図3】本発明の給糸装置の第3実施形態の概略図であ
る。
【符号の説明】
1 弾性糸 11 硬質糸 14 給糸装置 15 テンション装置 16 給糸ホイール 17 電動機 18 制御装置 19 回転位置調整装置 21,22 支持ピン 24 糸張力センサ 25 メモリセル 26 測定装置 27 糸ローラ 28 増分角検出器 41 糸ブレーキ 42,43 ブレーキ板 51 給糸ホイール 52 駆動モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−147842(JP,A) 特公 昭40−21497(JP,B1) 欧州特許出願公開499380(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 51/22,59/38 B65H 49/02 D04B 15/50

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸(1)にその長手方向に伸ばす力を作
    用して該糸に所定の張力を与えるテンション装置(1
    5)と、 該テンション装置(15)の前方に配置された給糸ホイ
    ール(16)であって、該給糸ホイール(16)の前方
    の前記糸の部分の張力が該給糸ホイール(16)の後方
    の該糸の部分の張力に全く又は実質的にほとんど影響さ
    れないように、該糸が1回乃至数回巻き掛けられる給糸
    ホイール(16)と、 前記テンション装置(15)に左右されずかつ前記給糸
    ホイール(16)の後方の前記糸の部分の張力に関係な
    く、実際の糸消費量に応じて制御される給糸ホイール駆
    動用モータ(17)とを具備して成る弾性糸を含む糸用
    の給糸装置。
  2. 【請求項2】 前記テンション装置(15)は、実質的
    に糸走行速度に関係なく前記糸張力を発生する糸ブレー
    キ(21,22;41)であることを特徴とする請求項
    1に記載の給糸装置。
  3. 【請求項3】 前記テンション装置(15)と前記給糸
    ホイール(16)の間に糸張力検出用の糸張力センサ
    (24)を配設し、前記糸ブレーキ(21,22)は、
    該糸張力センサ(24)が検出した糸張力値に基づいて
    前記糸張力を制御する構成になっていることを特徴とす
    る請求項1に記載の給糸装置。
  4. 【請求項4】 前記糸ブレーキ(21,22;41)
    は、前記糸(1)に一定の又は調整可能な負荷を与える
    複数の摩擦部材を有する摩擦ブレーキであることを特徴
    とする請求項2又は3に記載の給糸装置。
  5. 【請求項5】 前記摩擦部材(21,22)で前記糸
    (1)に前記負荷を与えるために、該摩擦部材の少なく
    とも1つに接続されて電気制御される力発生装置(1
    9)を設けたことを特徴とする請求項4に記載の給糸装
    置。
  6. 【請求項6】 前記糸ブレーキ(21,22)は、少な
    くとも1個の糸巻掛け用巻掛け部材を有する巻掛けブレ
    ーキであり、該巻掛け部材への糸巻掛け角が制御装置
    (18)により制御される構成になっていることを特徴
    とする請求項2又は3に記載の給糸装置。
  7. 【請求項7】 前記巻掛け角を調整するために前記少な
    くとも1個の巻掛け部材に接続される電気制御装置(1
    9)を設けたことを特徴とする請求項6に記載の給糸装
    置。
  8. 【請求項8】 前記テンション装置(15)は、アクチ
    ュエータ装置と該アクチュエータ装置に接続されかつ前
    記糸(1)が巻掛けられた別の給糸ホイール(51)と
    を具備し、前記糸張力センサ(24)によって検出され
    る糸張力が実質的に一定になるように該糸張力センサ
    (24)によって該別の給糸ホイール(51)の回転を
    制御又は調整する構成にしたことを特徴とする請求項3
    に記載の給糸装置。
  9. 【請求項9】 前記アクチュエータはモータ(52)で
    あることを特徴とする請求項8に記載の給糸装置。
  10. 【請求項10】 前記給糸ホイール駆動用モータ(1
    7)は前記給糸ホイール(16)と前記糸消費部との間
    の糸張力に関係なく制御されることを特徴とする請求項
    1に記載の給糸装置。
  11. 【請求項11】 前記給糸装置(14)は、所望の給糸
    量に応じて前記給糸ホイール駆動用モータ(17)を制
    御する制御装置(18)を有し又は該制御装置(18)
    に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の給
    糸装置。
  12. 【請求項12】 前記制御装置(18)は柄データ記憶
    装置に接続されていることを特徴とする請求項11に記
    載の給糸装置。
  13. 【請求項13】 前記制御装置(18)は、1本以上の
    別の糸(11)の糸速度を検出し前記弾性糸(1)の消
    費量を設定するためのセンサ装置(26)に接続されて
    いることを特徴とする請求項11に記載の給糸装置。
  14. 【請求項14】 前記センサ装置(26)が、測定ロー
    ラ(27)と角検出器(28)とを有することを特徴と
    する請求項13に記載の給糸装置。
  15. 【請求項15】 糸張力を調整可能な指定値に設定する
    ために、前記制御装置(18)を前記テンション装置
    (15)に接続することを特徴とする請求項11に記載
    の給糸装置。
  16. 【請求項16】 時間的に変動する所定の糸量の弾性糸
    の給糸方法において、 糸を、ボビンから引き取った
    後、所定の値に伸ばし、 実際に必要な糸量を表示する少なくとも1つの特性値を
    検出し、 該糸を、引き伸ばし後、緊張状態で、緊張した該糸を特
    性値に従って供給するように設定して給糸装置に送る工
    程を具備して成る給糸方法。
  17. 【請求項17】 前記糸を前記ボビンから引き取った
    後、力をさらに増加しても糸長にそれ以上の目立った可
    逆的増加を生じないような値まで伸ばすことを特徴とす
    る請求項16に記載の給糸方法。
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