JP3009868U - 装飾容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 防腐処理が施された草花からなる装飾物を有
した容器を提供する。 【構成】 防腐処理が施された草花２と、形状を整えた
状態の草花２を容器５に仮止めする付着手段４と、草花
２を被服するとともに草花２を容器５に接着させる透明
保護層３と、を備えて構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、押し花あるいはドライフラワー等の防腐処理が施された草花から なる装飾物を有した食器、花瓶等の装飾容器に関するものである。

【０００２】

【考案の背景】

草花は自然に感じられる色彩や形状によって見る人の心を和らげる効果がある ので、草花を植木鉢や花壇で育てて楽んだり、花瓶等に刺して室内のインテリア として楽む人が多い。また草花は贈り物としても利用されることも多く、生活を 快適にする装飾物として重宝がられている。 しかしながらこのように生活に浸透した草花であっても草花を楽しむには次の ような問題がある。すなわち、草花を育てて楽しむ場合には定期的な水やりを行 う必要があり、例えば旅行等で留守をする際、この水やりができずに草花を枯ら してしまうこともある。また、花瓶等に刺して楽しむ草花は比較的短期間で枯れ てしまうという不都合がある。

【０００３】 こうした不都合を解決するため、草花をドライフラワーにしたり、あるいは押 し花にする等、草花に防腐処理を施すことがある。すなわち、草花をドライフラ ワーや押し花にすれば、水やり等の手入れを行うことなく草花の色彩や形状を長 期に渡り保存することができる。 しかしながらこのドライフラワーや押し花においても次のような問題がある。 すなわち、ドライフラワーや押し花は、草花を長期保存可能にするため草花を 乾燥させた状態にするので、草花が非常にもろくなり軽い接触でも破損してしま うことがある。 また、ドライフラワーや押し花に埃が付着した場合、その埃をブラシがけ等で 取り除こうとしても上述のように草花が非常にもろいので、埃の取り除きは非常 に困難な作業を余儀なくされる。 このため、ドライフラワーにおいては透明ケースに格納し、また押し花におい てはガラス板で挟むのように保持する方法がとられるのが一般的であり、これら の保護具を使用することにより草花の設置スペースを広く確保しなければならな いという不都合が生じる。

【０００４】 また、実物の草花を用いることなく、草花の模造品をあしらった家庭用品も多 い。例えばカーテンやカーペット等の刺繍が可能な家庭用品には草花の模造物を 刺繍によりあしらい、実際に草花が存在しているような心地よい雰囲気を与える ようにしているものもある。しかしながら、微細な刺繍を施しても実際の草花の ような微妙な形状や自然の色彩を明確に表現することは困難である。 また、刺繍のできないガラス、陶器等からなる家庭用品においては塗料を用い て草花の絵模様を描くことしかできずこうした絵模様であっては実際の草花とは 大きく掛け離れたものとなってしまう。

【０００５】

【考案の概要】

この考案に係る装飾容器は、防腐処理が施された草花と、草花の形状を整えた 状態で容器に仮止めする付着手段と、草花を被覆するとともに草花を容器に接着 させる透明保護層と、を備えて構成する。 また、前記付着手段は、容器に色彩を与えるための塗料で構成する。あるいは 前記付着手段を、前記透明保護層と同一材で構成する。 また、前記透明保護層は接着力を有する透明シートにより構成する。 一方、前記容器を透明材により形成するとともに、この容器の底面あるいは側 面に凹部を形成し、この凹部内側に前記草花を前記透明保護層により接着する。 この考案は以上のように装飾容器を構成することで、上記従来の課題を解決し ようとするものである。

【０００６】

【考案の実施例】

図面にもとづいてこの考案の実施例を説明する。図１は、この考案に係る装飾 容器の第１実施例を示す図である。 図１は容器としてのコップ１の周面に、押し花にすることで防腐処理を施した 草花２が設けられた装飾容器を示す外観斜視図である。 この装飾容器は、コップ１の周面の草花設置位置に付着手段としての透明接着 剤（不図示）を塗り、その透明接着剤の塗布面に草花２を仮止め（付着）する。 この草花２のコップ１への仮止めの際、例えば花びらが適正な状態で開くよう に、また葉が所望の位置で付着されるように、透明接着剤が固まるまでの間に草 花２の形作り作業を行えば良い。 次いでこの仮止めした草花２を被覆するように草花２上に透明保護層として透 明樹脂剤３を塗り、これを自然乾燥させて、この透明樹脂剤３によって草花２を コップ１に適正に接着させるとともにこの透明樹脂剤３により草花２を保護させ る。

【０００７】 なお、草花２を仮止めさせる付着手段として前記の透明樹脂剤３を使用しても 良い、すなわち透明樹脂剤３をコップ１の周面に塗布し、その塗布面に草花２を 仮止めさせても良い。

【０００８】 以上のように構成した装飾容器は、図１に示すように透明樹脂剤３を通して草 花２を楽しむことができ、乾燥した透明樹脂剤３は草花２の破損および埃の付着 を防止するよう草花２を適正に保護することが可能である。 また、草花２は薄手の押し花により形成されているので、コップ厚はさほど変 化することはなく、コップを使用する際に違和感を感じることはない。 なお、この実施例ではコップ１の周面の一部にのみ草花２を設けた例を示した が、コップ１の周面全体に草花２を設けても良い。

【０００９】 また、草花２の形作り作業は、草花２を押し花にする際に行っても良い。図２ において１２は、草花２を押し花にするための押し花形成具を示す図であり、こ の押し花形成具１２は二枚のセラミック板により構成されていて、これらのセラ ミック板は図に示すように弓型をなしている。 この押し花形成具１２は、形作った草花２を二枚のセラミック板の間に挟持さ せ、これを電子レンジに入れて２分前後加熱させることで乾燥した押し花を作る ことができる。そして押し花になった草花２はセラミック板の形状に沿って弓型 に形成されるので、図１に示したコップ１の周面にぴったりと接着させることが できる。

【００１０】 一方、図３において１１は、草花２に透明保護層としての透明樹脂剤３を適正 に塗布させるための型枠具であり、この型枠具１１は中央部に枠孔１１ａが形成 されたフッ素樹脂剤からなるシートにより形成されている。 この型枠具１１を使用するには、図に示すように型枠具１１をコップ１の周面 に接着テープ１３により密着させ、次いで枠孔１１ａ内のコップ１の周面に草花 ２を所定の付着手段によって付着する。そして、透明樹脂剤３を枠孔１１ａに流 し込んで透明樹脂剤３により草花２を被覆させ、その透明樹脂剤３が乾いた後に 型枠具１１を剥せば良い。 なお、フッ素樹脂剤から形成される型枠具１１は透明樹脂剤３と接着してしま うことがないので型枠具１１は容易に剥すことが可能であり、この型枠具１１は 繰り返して使用することができる。 この型枠具１１を使用すれば透明樹脂剤３が乾くまでの透明樹脂剤３の垂れ、 流れを解消することができるので、草花２の露出等を防いで適正な透明樹脂剤３ の塗布を可能にする。

【００１１】 一方、図４はこの考案の第２実施例を示す図で、容器として湯飲み茶わん５の 周面に押し花にすることにより防腐処理が施された草花２を備えた装飾容器を示 す外観斜視図である。この装飾容器は、湯飲み茶わん５に色彩を与えるための塗 料４が塗られていて、この塗料４を付着手段として用いている。すなわち、塗料 ４が乾く前にこの塗料４に草花２を付着させることで草花２を仮止めすることが できる。次いで、草花２が被覆するように透明保護層として透明樹脂剤３を塗布 すれば良い。 この装飾容器も上述のように透明樹脂剤３を通して草花２を楽しむことができ 、草花２は乾燥した透明樹脂剤３によって適正に保護される。また草花２は薄手 の押し花により形成されているので湯飲み茶わんを使用する際に違和感を感じる ことはない。

【００１２】 また、図５はこの考案の第３実施例を示す図で、この装飾容器は、草花２をコ ップ１に接着させるための透明保護層を、接着力を有する透明シートにより構成 している。図５に示す１４は透明シートであり、この透明シート１４は、コップ １の周面に所定の付着手段によって仮止めされる草花２を被覆する十分な大きさ を有している。そして、この透明シート１４により草花２を覆うようにして透明 シート１４とコップ１とを接着させれば、透明シート１４により草花２をコップ １に適正に接着することができるとともにこの透明シート１４により草花２を保 護することができる。

【００１３】 一方、図６はこの考案の第４実施例を示す図で、容器として花瓶６に草花２を 設けた装飾容器を示す外観斜視図である。この装飾容器は、花瓶６の周面のほぼ 全体に渡り草花として複数枚の葉２が透明保護層としての透明樹脂剤３によって 被覆および接着されている。 この装飾容器は、生ける花を華麗に表現することができる。すなわち、生ける 花の量が少ない場合であっても、あるいは葉が切り取られた花を生ける場合であ っても、花瓶６に設けられた複数枚の葉２によって生けられた花にボリューム感 を与えることができる。

【００１４】 また、図７はこの考案の第５実施例を示す図で、容器としてティーカップ７に 草花２を設けた装飾容器を示す外観斜視図である。この装飾容器のティーカップ ７は、図に示すようにカップ７ａと、受け皿７ｂと、からなっていて、このティ ーカップ７のカップ７ａには花２ａが、また受け皿７ｂには葉２ｂが、それぞれ 透明保護層としての透明樹脂剤３により被服、接着されている。すなわち、この 装飾容器は、一組のティーカップによって一種類の草花２の花２ａ、葉２ｂが組 み合わされるようになっている。 なお、図には示さないが、複数のティーカップ７に、種々の草花２の花２ａと 葉２ｂとを分離して設けるようにすれば、花２ａと葉２ｂとによって常に同一の カップと受け皿とを組み合わせることができる。

【００１５】 一方、図８はこの考案の第６実施例を示す図であり、この装飾容器は容器の底 面に草花が設けられている。図８（ａ）において１はガラスにより形成される透 明コップであり、この透明コップ１の底面には凹部１ａが形成されている。 そして、草花２は図に示すように上下から透明保護層として透明樹脂剤３に挟 まれるように被覆され、この透明樹脂剤３によってコップ１の凹部１ａの内側に 接着される。 なお、この装飾容器において、草花２とコップ１との間に設けられる透明樹脂 剤３が草花２をコップ１に仮止めする付着手段としての作用をなす。 この装飾容器は、同図（ｂ）に示すように透明コップ１を通して草花２を楽し むことができる。また透明コップ１に飲料水を注いだ場合、その飲料水の色彩に よる草花２の微妙な色彩の変化も楽しむことができる。 ところで、ここで使用する草花２は押し花に限定されることはない、すなわち 、透明コップ１の凹部１ａ内に格納可能な厚みの草花であればドライフラワーに することで防腐処理が施された草花を使用しても良く、また乾燥させた木の実や 種子等の立体的なものを使用しても良い。

【００１６】 一方、図９はこの考案の第７実施例を示す図であり、この装飾容器は容器の側 面に形成された凹部内に草花が設けられている。図９（ａ）において１はガラス により形成される透明コップであり、この透明コップ１の側面には凹部１ｂが形 成されている。 そして、草花２は図に示すように裏面と表面との両側から透明保護層として透 明樹脂剤３により挟まれるように被覆され、この透明樹脂剤３によってコップ１ の凹部１ｂの内側に接着される。なお、この装飾容器において草花２とコップ１ との間に設けられる透明樹脂剤３が草花２をコップ１に仮止めする付着手段とし ての作用をなす。また、草花２を被覆する透明樹脂剤３はコップ１の凹部１ｂが 埋まるまで凹部１ｂ内に充填し、その表面はコップ１の側面に沿って湾曲状に形 成する。 この装飾容器は、同図（ｂ）に示すようにコップ１のガラス内に草花２が設置 されたように感じられ、透明樹脂剤３はコップ１（ガラス）と同化してその存在 は気にならない。

【００１７】 一方、図１０はワイングラス８の底面の凹部に草花２を設けた装飾容器を示す 図であり、ワイングラス８の底面の凹部は比較的浅く形成されているのでここで 用いる草花２は押し花が好ましい。 このワイングラス８と草花２とからなる装飾容器は、草花２を楽しみながらワ インを楽しむことができ、草花２は落ち着いた雰囲気を使用者に与えることがで きる。

【００１８】 一方、図１１は透明皿（灰皿等）９の底面の凹部９ａに草花２を設けた装飾容 器を示す図であり、この透明皿９の凹部は比較的広く形成されているので、種々 の草花２を複数使用することができるので、装飾物としての価値を高めることが できる。また、この装飾容器は、通常のお皿として使用可能であることはもちろ ん、いわゆる飾り皿をして使用しても良い。

【００１９】 以上説明したようにこの考案に係る装飾容器は、防腐処理された草花を透明保 護層により被覆するとともに容器に接着させるようにしたので、草花を気軽に楽 しむことができる。 また、透明保護層は草花の破損を防ぐとともに草花への埃の付着を防止し、長 期に渡り草花の形状および色彩を維持させることができる。 そして、これらの装飾容器は、通常の容器と同様に使用することができるので 草花を飾るために特別に設置場所を確保する必要はない。

【００２０】

【考案の効果】

この考案に係る装飾容器は以上説明したように装飾容器を、防腐処理が施され た草花と、草花の形状を整えた状態で容器に仮止めする付着手段と、草花を被覆 するとともに草花を容器に接着させる透明保護層と、を備えて構成したので、生 活の中で草花を気軽に楽しむことができる。 そして、透明保護層は草花の破損を防ぐとともに草花への埃の付着を防止し、 長期に渡り草花の形状および色彩を維持させることができる。 また、この装飾容器は通常の容器と同様に使用可能であるので草花を飾るため に特別にその設置場所を確保する必要はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る装飾容器の第１実施例としてコ
ップの周面に草花が設けられた装飾容器を示す外観斜視
図である。

【図２】コップの周面に付着させる草花としての押し花
を形成する押し花形成具を示す外観斜視図である。

【図３】コップの周面に付着された押し花に適正に透明
樹脂剤を塗布させるための型枠具を示す外観斜視図であ
る。

【図４】この考案の装飾容器の第２実施例として湯飲み
茶わんに草花が設けられた装飾容器を示す外観斜視図で
ある。

【図５】この考案の装飾容器の第３実施例として透明保
護層を接着力を有した透明シートにより構成した装飾容
器を示す外観斜視図である。

【図６】この考案の第４実施例として花瓶に複数の葉か
らなる草花が設けられた装飾容器を示す外観斜視図であ
る。

【図７】この考案の第５実施例としてティーカップに草
花としての花と葉が分離して設けられた装飾容器を示す
外観斜視図である。

【図８】この考案の第６実施例として透明容器の底面の
凹部に草花が設けられた装飾容器を示す図である。

【図９】この考案の第７実施例として透明容器の側面の
凹部に草花が設けられた装飾容器を示す図である。

【図１０】この考案の第８実施例としてワイングラスの
底面に草花が設けられた装飾容器を示す外観斜視図であ
る。

【図１１】この考案の第９実施例として透明皿の底面に
草花が設けられた装飾容器を示す外観斜視図である。

【符号の説明】

１ コップ（容器） １ａ 凹部 １ｂ 凹部 ２ 草花 ３ 透明樹脂剤（透明保護層） ４ 塗料（付着手段） １４ 透明シート

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 草花からなる装飾物を有した食器、花瓶
   等の装飾容器であって、 防腐処理が施された草花と、 形状を整えた状態の草花を容器に仮止めする付着手段
   と、 草花を被覆するとともに草花を容器に接着させる透明保
   護層と、 を備えて構成したことを特徴とする装飾容器。
2. 【請求項２】 前記付着手段は、容器に色彩を与えるた
   めの塗料であることを特徴とする請求項１記載の装飾容
   器。
3. 【請求項３】 前記付着手段は、前記透明保護層と同一
   材であることを特徴とする請求項１記載の装飾容器。
4. 【請求項４】 前記透明保護層は接着力を有する透明シ
   ートにより構成したことを特徴とする請求項１記載の装
   飾容器。
5. 【請求項５】 前記容器を透明材により形成するととも
   に、この容器の底面あるいは側面に凹部を形成し、この
   凹部内側に前記草花を前記透明保護層により接着したこ
   とを特徴とする請求項１記載の装飾容器。