JP3009287B2 - 建築用パネルの取付方法 - Google Patents

建築用パネルの取付方法

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JP3009287B2
JP3009287B2 JP3353220A JP35322091A JP3009287B2 JP 3009287 B2 JP3009287 B2 JP 3009287B2 JP 3353220 A JP3353220 A JP 3353220A JP 35322091 A JP35322091 A JP 35322091A JP 3009287 B2 JP3009287 B2 JP 3009287B2
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良彦 菅野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築、構築物の外壁を形
成するための建築用パネルの取付方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の建築用パネル(以下、単
にパネルという)の壁下地への取り付けは、例えば図1
1に示すように下段のパネルa1 の凹溝をビス、ヘク
ス、テクス等の固定具βで鉄骨下地等からなる壁下地α
に固定し、上段のパネルa2 を落とし込み、その上面で
凹溝、すなわち固定具βの頭を被覆しながら順次下段か
ら上段へ施工して行く方法が発明されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記取
付方法はあくまでもパネル表面側からの取付構造であ
り、現在の大都市に見られるような建築物の密集化に伴
い、建築物同士の立地間隔が狭く、表側からパネル取り
付けのための足場を設置できないような条件下では、上
記した従来の取付方法を用いることができないという欠
点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では、あら
かじめ壁下地のピッチに合わせてパネルの雄型連結部に
取付具の支持部を嵌合させると共に、ボルト−ナット等
の固定具を介してパネルの凹溝と取付具の支持面を下地
のピッチに合わせて固定しておき、パネルの施工の際に
は、クレーン等で建築物屋上からパネルを降下させて、
下段のパネルの雄型連結部に上段のパネルの雌型連結部
を嵌合、係止させると共に、取付具の固定面をC型鋼よ
りなる壁下地にボルト−ナットの固定具、もしくは溶接
等してパネルを取り付ける方法としたので、パネルをパ
ネル裏面側、すなわち建築物の室内側より取り付けるこ
とができ、しかも通常の取付強度と施工性を失うことな
く取り付けることができる取付方法を提案するものであ
る。
【0005】
【実施例】以下に図面を用いて本発明に係る建築用パネ
ルの取付方法について詳細に説明する。図1は上記方法
の代表例を示す説明図であり、パネルA、取付具B、固
定具C、壁下地Dからなるものである。
【0006】まず、本発明を構成するパネルA、取付具
B、固定具C、壁下地Dの各部材について詳細に説明す
る。すなわちパネルAは例えば図2(a)に示すよう
に、表面材1、裏面材17、芯材20からなるサンドイ
ッチ構造のパネルAである。表面材1は不燃性の金属薄
板材よりなり、例えばAl、Fe、Cu、ステンレス、
アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、カラー鋼板、ホーロー鋼
板、フッ素樹脂塗装鋼板、クラッド鋼板、サンドイッチ
鋼板等の一種をプレス成形、押出成形、ロール成形等に
よって形成したもので、パネルAに対しメンテナンスフ
リーの効果を発揮させるものである。
【0007】さらに詳説すると、表面材1は図2(b)
に示すように、横長の化粧面部2と、雄型連結部6、雌
型連結部12とから樋状部1aを形成したものであり、
化粧面部2は化粧面2aの長手方向の端縁を内方に任意
角度で屈曲した側壁3、4と側壁3の下端縁を外方に突
出した目地下地5とから形成したものである。雄型連結
部6は目地下地5の先端をさらに外方に突出した上縁8
と、上縁8の先端を内方に略逆コ字状に屈曲した下縁9
よりなる差込縁7と、差込縁7の上縁8に形成した凹状
の凹溝10と、下縁9の先端を内方にL字状に屈曲した
補強片11よりなるものである。
【0008】差込縁7は図1に示すように、後記する雌
型連結部12の嵌合溝15に挿入され壁下地Dに固定さ
れる部分であると共に、後記する取付具Bの支持部25
に挿入係止され、取付具Bと一体化する部分である。ま
た凹溝10は、取付具Bの支持舌片25aを係止する部
分であると共に、連結部内に空隙を形成して毛細管現象
を防止し、防水性を強化するものである。
【0009】雌型連結部12は側壁4の下端縁を内方に
屈曲した上面13と、上面13の先端を外方に屈曲した
下面14と、上面13と下面14とから断面略逆コ字状
に形成した嵌合溝15と、下面14の先端を内方に突出
した補強片16とからなるものである。この嵌合溝15
は、雄型連結部6の差込縁7に係合され壁下地Dにパネ
ルAを固定する部分である。なお、化粧面2aに形成し
た段差2b、2cは、化粧目地を階段状とすることによ
り、目地部の立体化、明確化を図り、意匠性を向上する
ものである。
【0010】裏面材17は図2(c)に示すように、長
尺状板材の一端縁を内方に板材と略平行でL字状に屈曲
した内片18と、他端縁を外方に板材と略平行でL状に
屈曲した外片19とから形成されたものであり、図では
内片18、外片19の先端を上方に屈曲して安定片18
a、19aを形成し、係合時のガイド面、生産時の型と
して機能させ、これらより樋状部17aを形成したもの
である。この裏面材17は後記する芯材20の裏面を覆
ってパネル4をサンドイッチ構造体とし、パネルA自体
の機械強度を向上すると共に、不燃シート、防水膜、遮
熱シート、吸水シート、防音シート、パッキング材など
の1つの機能として役立つものであり、その素材として
は前記表面材1と同質の金属材、あるいはアスベスト
紙、クラフト紙、アスファルトフェルト、金属箔(A
l、Fe、Pb、Cu)、合成樹脂シート、ゴムシー
ト、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不
織布等の1種、または2種以上をラミネートしたもの、
防水処理、難燃処理されたシートなどからなるものであ
る。
【0011】その装着は、後記する芯材20により一体
に形成すると共に、下縁9、内片18により断面凹状の
雌実部21を、下面14、外片19により断面凸状の雄
実部22を形成し、図1に示すように取付具Bを介して
差込縁と嵌合溝15との係合と共に、雌実部21に雄実
部22を差し込むように係合し、パネルA同士を連結す
るためのものである。また、裏面材17の内片18、外
片19は連結部αにおいて耐火性、防水性、気密性を大
幅に向上するためのものであり、特に万が一の火災に対
して、裏面17bまで火炎が侵入するのを防止し、耐火
試験に合格し得るパネルAとするためのものである。
【0012】芯材20は主に合成樹脂発泡体を用い、断
熱材、防水材、防音材、緩衝材、防火材等として機能す
るものであり、例えばポリイソシアヌレートフォーム、
フェノールフォーム、ポリウレアフォーム、ポリイミド
フォーム等の合成樹脂発泡体、およびこれら合成樹脂発
泡体に難燃剤(硼酸塩、珪酸塩、リン酸塩等)、難燃助
剤(石膏スラグ、タルク、シラスバルーン等)、骨材
(パーライト、ガラスビーズ等)、繊維状物(長、短繊
維)等を混入したもの、パーライトの周囲にフェノール
フォーム粉末をコーティングし、これを加温、加圧して
発泡させたもの、石膏ボード、岩綿ボード、グラスウー
ルボード、ALC、インシュレーションボード、木片チ
ップボード、グラスウール等で、単一素材、あるいは複
数の素材を組み合わせて形成したものであり、表面材
1、裏面材17の樋状部1a、17aに充填するもので
ある。
【0013】またBは取付具で、前記した表面材1と同
様な素材、あるいは鋼材等を加工して形成したものであ
り、例えば図3に示すように垂直平面状の固定面23
と、固定面23の一側縁を約90°で屈曲して形成した
支持面24と、支持面24の上端に形成した支持部25
とから形成したものであり、さらに図3、図4に示すよ
うに、支持部25先端の支持舌片25aおよび、支持面
24には長孔24aが形成されているものである。固定
面23は図1および図4に示すように、壁下地Dにボル
ト−ナット等の固定具βを介して、もしくは溶接等によ
り固定される部分である。
【0014】支持部25は、前記したパネルAの雄型連
結部6の凹溝10から内片18までと略同一形状に形成
したものであり、図1、図4に示すように、取付具Bを
パネルA同士の連結の際に、その連結部間に介在させる
と共に壁下地Dの不陸調整のための長孔24aを通して
ボルト−ナット等の固定具Cを介して、パネルAに固定
する部分である。
【0015】固定具Cはボルト−ナット−ワッシャー等
からなり、図1に示すように、あらかじめパネルAの凹
溝10から取付具Bの支持舌片25aにかけてパネルA
と取付具Bを一体化するものである。また固定具Cの幅
はパネルAの凹溝10の幅より小さくし、固定具Cの頭
部の高さは凹溝10の深さ以下としたものである。
【0016】壁下地Dは例えば図1、図4に示すような
C型鋼や、もしくは図示しないがH型鋼、角型鋼等の鉄
骨下地、あるいは主柱、間柱等の木造下地からなるもの
である。
【0017】次にこれらの各部材を用いて、本発明に係
る建築用パネルの取付方法について詳細に説明する。い
ま図3に示すような取付具B、図2(a)に示すような
パネルAを用いて図1、図4に示すように横張りで施工
すると仮定す。なお、取付具Bは、1.6mm厚の鋼材
よりなり、パネルAとしては、表面材1、裏面材17と
して0.5mm厚のカラー鋼板を用い、芯材20として
はフェノールフォーム原料にパーライト粒を混入した原
料を吐出し、反応、発泡させ、次にキュアして一体化し
たもの、固定具CとしてはM4〜6位のボルト−ナット
−ワッシャーを、壁下地DとしてはピッチP=1000
mm〜1500mm間隔で鉛直方向に躯体に取り付けら
れた厚さ1.6mmのC型鋼を用いると仮定する。
【0018】まず、取り付けようとするパネルA2 の凹
溝10から裏面材17まで下孔となる孔を壁下地Dのピ
ッチと同間隔でドリル等で形成し、この孔に対応して取
付具BをパネルAの雄型連結部6の差込縁7に支持部2
5を挿入、係止し、図1に示すようにパネルA2 の下孔
と取付具の長孔24aを介して固定具CでパネルA2
取り付ける。なお、この際の固定は仮固定であり、壁下
地Dの不陸の調整を有効にするため取付具Bは、長孔2
4aの幅で左右方向に移動可能な状態である。
【0019】次に、取り付け位置まで建築物の屋上から
簡易クレーン等でパネルA2 を降下させ、図1に示すよ
うに下段に取り付けられているパネルA1 の雄型連結部
6にパネルA2 の雌型連結部12を嵌合する。そして図
4に示すように、パネルA2に仮止めされている取付具
Bの固定面23を壁下地Dの不陸を調整しつつ壁下地D
の側壁にボルト−ナット等の固定具β、もしくは溶接に
より固定する。最後に仮止めしておいた取付具Bをパネ
ルA2 と完全に固定しパネルA2 の取り付けを完了する
ものである。
【0020】また壁体全体を形成するには、上記したよ
うな工程を順次行えばよいものである。なお、土台部分
には水切り(図示せず)、出、入隅、縦目地等の部分
(図示せず)にはコーキング材、役物を用いる必要があ
る。
【0021】以上説明したのは、本発明に係る建築用パ
ネルの取付方法の一実施例であり、例えばパネルAを図
5(a)〜(c)に示す断面形状とすることもできる。
特に図5(c)において、雌実部21に介在したEはパ
ッキング体であり、軟質のシリコン、ゴム、プラスチッ
ク等からなるものである。
【0022】また、図6は芯材20のその他の例であ
り、すなわち、表面材1、裏面材17と芯材20間に、
不織布26、27を接着剤28を介して介在させると共
に、軽量骨材29を細密充填し、そのバインダーとして
合成樹脂発泡体30を用いたものである。
【0023】不織布26、27としては、ポリエステル
系、ナイロン系、ボロン系、炭素系、アルミナ系、炭化
ケイ素系、アラミド系の繊維からなるシート状物であ
り、パネルAの機械的強度の向上、表面材1、裏面材1
7と芯材20の接着性の強化、表面材1、裏面材17の
フラット性を向上させる機能を持つものである。
【0024】接着剤28の一例としてはエラストマー型
エポキシ樹脂、イソシアネート、例えばメチレンジイソ
シアネート(略称MDI)等のエマルジョンタイプ、ホ
ットメルトタイプ、および、その変性イソシアネート、
例えばウレタン変性、ビュレット変性イソシアネート、
イソシアヌレート変性イソシアネート等の1種を用いる
ものである。
【0025】軽量骨材29としては、パーライト粒、ガ
ラスビーズ、石膏スラグ、タルク石、シラスバルーン等
からなり、図6では直径5〜20mm程度のパーライト
粒を用いており、芯材20に対し防火性、耐火性を向上
させると共に、パネルAの機械的強度をも向上させるも
のである。
【0026】合成樹脂発泡体30としては、前記したポ
リイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、ポ
リウレタンフォーム、ポリイミドフォーム、塩化ビニル
フォーム等からなり、パネルAの断熱性の向上、芯材2
0の難燃剤、軽量骨材29のバインダー、不織布26、
27の接着剤として機能するものである。
【0027】また、図7〜図10は取付具Bの変形例で
あり、特に図7(a)は、仮孔31を固定面23に形成
した例、図9(a)はパッキング体Eを支持部25に介
在させた例、図10は支持部25を長尺状に形成した例
である。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る建築
用パネルの取付方法によれば、建築物の表側からのパネ
ルの取り付けができない条件下であっても、パネルをそ
の裏面側(室内側)から通常の取付強度と施工性を失う
ことなく取り付けることができる。等の効果、特徴があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築用パネルの取付方法の代表例
を示す断面図である。
【図2】上記方法に用いられる建築用パネルの一例を示
す説明図である。
【図3】同様に取付具を示す説明図である。
【図4】本発明に係る建築用パネルの取付方法の代表例
を示す斜視図である。
【図5】建築用パネルのその他の例を示す説明図であ
る。
【図6】芯材のその他の例を示す説明図である。
【図7】取付具のその他の例を示す説明図である。
【図8】取付具のその他の例を示す説明図である。
【図9】取付具のその他の例を示す説明図である。
【図10】取付具のその他の例を示す説明図である。
【図11】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
A 建築用パネル B 取付具 C 固定具 D 壁下地 1 表面材 6 雄型連結部 12 雌型連結部 17 裏面材 20 芯材 23 固定面 24 支持面 25 支持部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺状板材の表面材、裏面材間に芯材を
    充填した建築用パネルにおいて、前記表面材は横長の化
    粧面部と、該化粧面部の長手方向の一側縁を内方に屈曲
    した側壁と、該側壁を外側方へ突出した上縁と、該上縁
    の先端を内方に略コ字状に屈曲した下縁と、前記上縁の
    途中を長手方向に沿って凹状に窪ませた凹溝とから形成
    した雄型連結部と、他側縁を内方に屈曲した側壁と、該
    側壁の下端縁を内方に屈曲すると共に、前記上縁の先端
    から凹溝の側壁側の端縁までの長さ以上に形成した上面
    と、該上面の先端を外方に屈曲した下面と、前記上面と
    下面よりなる断面略コ字状の嵌合溝を形成した雌型連結
    部とからなり、前記裏面材は長尺状板材の一端縁を内方
    に、他端縁を外方に板材と略平行でL字状に屈曲して内
    片、外片を形成し、前記表面材と裏面材を芯材により一
    体化すると共に、表面材の下縁と芯材の側端面と裏面材
    の内片により凹状の雌実部を、表面材の下面と芯材の側
    端面と裏面材の外片により凸状の雄実部を形成した建築
    用パネルを、垂直平面状の固定面と該固定面の一側端面
    を約直角に屈曲して形成した支持面と該支持面の上端部
    には前記建築用パネルの雌実部、雄型連結部と略同一形
    状で形成した支持部を形成した取付具を用いて柱状の壁
    下地に取り付ける方法であって、あらかじめ前記建築用
    パネルの雄型連結部に取付具の支持部を嵌合させると共
    に、固定具を介して建築用パネルの雄型連結部の凹溝と
    取付具の支持面を固定した建築用パネルの雌型連結部
    を、下段に位置する建築用パネルの雄型連結部に嵌合、
    係止し、さらには、取付具の固定面を壁下地に固定した
    ことを特徴とする建築用パネルの取付方法。
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