JP3008149B2 - 磁気吸着体およびその製造方法 - Google Patents

磁気吸着体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、磁気吸着体およびそ
の製造方法に関し、さらに詳しくは、長期間の使用や保
管によっても被吸着面を汚染せず、ブロッキングを起こ
さない磁気吸着体およびその製造方法に関する。この発
明の磁気吸着体は、屋外で長期間使用するステッカーや
掲示板、汚染を極力避けるべき医用品、その他の事務用
品や雑貨などに有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、磁性粉末をゴムまたはプチスチッ
クのバインダーで結着してボンド磁石シートを形成し、
その片面を着磁機で着磁して磁気吸着面とし、他面に文
字,図形等を施して表示面とし、ステッカーや掲示板と
して用いる磁気吸着体が知られている。また、ボンド磁
石シートの片面を磁気吸着面とし、他面に粘着剤を塗布
した磁気吸着体も知られている。この磁気吸着体の場
合、粘着剤を塗布した面を任意の物品に貼り付ければ、
磁気吸着機能を有さない物品に簡便に磁気吸着機能を付
与することが出来る。ところが、上記磁気吸着体を長期
間使用すると、磁気吸着体中に含まれる配合剤が滲み出
してきて(いわゆるブルーミング)、被吸着面が汚染さ
れたり、磁気吸着体が被吸着面から容易に離れなくなる
現象(いわゆるブロッキング)が起ったりすることがあ
った。また、上記磁気吸着体をロール巻きにしたり、積
み重ねて長期間保管しておいた場合も、上記と同様に、
汚染やブロッキングが起ることがあった。
【0003】上記汚染やブロッキングを防止するため
に、例えば実開昭48−11052号公報に記載の「磁
性感圧接着紙」においては、ボンド磁石フィルムの磁気
吸着面に剥離層としてシリコン樹脂を塗布するか或いは
ポリエチレンフィルムを積層している。また、実開昭5
1−98097号公報に記載の「価格表示具」において
は、ゴム磁石シートの磁気吸着面に合成樹脂裏打被膜を
設けている。また、特開昭63−62575号公報に記
載の「マスキング用磁石シート」においては、ボンド磁
石シートの磁気吸着面等にシリコーン樹脂またはフッ素
樹脂(具体的にはテトラフルオロエチレン−エチレン共
重合体樹脂)の被覆層を設けている。
【0004】その他の従来の技術として、実開昭60−
137406号公報に記載の「マグネットシート」で
は、ボンド磁石シートの磁気吸着面に3〜100μmの
凹凸を設けている。上記凹凸によって、良好な排水性,
通気性を得ると共に、剥がし易くしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】被吸着面の汚染やブロ
ッキングを防止するためにボンド磁石シートの磁気吸着
面に被膜層を形成することは上記のように良く知られて
いるが、従来公知の被膜層では、汚染やブロッキングを
十分に防止できない問題点があった。例えば、テトラフ
ルオロエチレン−エチレン共重合体樹脂の被覆層を形成
しても、汚染やブロッキングを生じることがある。これ
は、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体樹脂の
被覆層がボンド磁石シートの表面に安定な膜を作ってお
らず、微小な隙間を生じ、その微小な隙間からボンド磁
石シート中に含まれる配合剤が滲み出してくるためと考
えられる。一方、凹凸を設けている上記従来技術では、
ボンド磁石シートと被吸着面とが被膜層を介さずに直接
接触するため、ボンド磁石シート中に含まれる配合剤が
滲み出してくることによる被吸着面の汚染やブロッキン
グに対しては無力であり、汚染やブロッキングを十分に
防止できない問題点がある。そこで、この発明の目的
は、上記の問題点を解決し、長期間の使用や保管によっ
ても被吸着面を汚染せず、ブロッキングを起こさない磁
気吸着体およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の磁気吸着体
は、少なくとも一つの多極着磁された磁気吸着面を有す
るボンド磁石成形物の前記磁気吸着面に、フルオロエチ
レン−ビニルエーテル共重合体(FEVE)を主成分と
する被膜層が形成されていることを構成上の特徴とする
ものである。上記被膜層の厚みは、1μm〜50μmで
あるのが好ましい。また、上記被膜層の表面粗さは、中
心線平均粗さRa=0.2μm〜1μmであるのが好ま
しい。上記磁気吸着面は、平坦面および凹凸面のいずれ
でもよい。また、上記被膜層中に、平均粒子径が0.3
μm〜50μmの粒子状物が混入されているのが好まし
い。また、上記被膜層の組成物中に、シリコーン系また
はフッ素系の界面活性剤が配合されているのが好まし
い。この発明の磁気吸着体の製造方法は、ボンド磁石成
形物の少なくとも一つの面に、フルオロエチレン−ビニ
ルエーテル共重合体,硬化剤および溶剤を必須成分とし
て配合した溶液を塗布し、この溶液を乾燥,硬化させて
被膜層を形成した後、ボンド磁石成形物の被膜層が形成
された面を多極着磁することを構成上の特徴とするもの
である。上記溶液の塗布は、ロールコーティング、ナイ
フコーティング、スプレーコーティング等の公知の方法
で行えば良い。
【0007】以下、この発明の構成について、詳細に説
明する。 〔ボンド磁石成形物〕ボンド磁石成形物は、磁性粉末を
バインダーで結着し、固化させ、所望の形状に成形した
ものである。これは、ボンド磁石用に用いられている公
知の材料を用い、公知の方法で形成すればよい。ボンド
磁石成形物の形状は、用途に応じて所望の形状に成形す
ればよいが、シート、断面矩形状の帯状物等である。上
記磁性粉末としては、Baフェライト、Stフェライ
ト、Sm−Co系、Nd−Fe−B系、アルニコ系等の
磁性粉末が挙げられる。また、等方性、異方性いずれの
磁性粉末でも使用できる。磁性粉末は、シラン系、チタ
ネート系、ジルコニウム系等のカップリング剤や、金属
石鹸、脂肪酸等の界面活性剤で予め表面処理しておけ
ば、磁性粉末の分散性および配向性が良くなり、磁気特
性が向上するため、好ましい。上記バインダーとして
は、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられる。ボンド磁石
成形物の成形方法は、上記磁性粉末およびバインダーを
所定の割合で配合し、更に可塑剤、安定剤、滑剤等の添
加剤を加え、混練した後、カレンダー成形法、押出成形
法、プレス成形法等によって所望の形状に成形する。
【0008】〔被膜層〕被膜層は、フルオロエチレン−
ビニルエーテル共重合体を主成分とする組成物で形成さ
れる。フルオロエチレン−ビニルエーテル共重合体は、
フルオロエチレンとビニルエーテルとが交互に共重合し
た構造をもつ熱硬化型のフッ素樹脂である。この共重合
体は、溶剤に可溶であって、硬化剤と混合することによ
って常温または比較的低温で架橋反応し、きわめて安定
な被膜を作ることが出来る。被膜層の形成は、フルオロ
エチレン−ビニルエーテル共重合体、硬化剤および溶剤
を必須成分として配合した溶液を前記ボンド磁石成形物
に塗布した後、乾燥、硬化させることによって行う。上
記硬化剤としては、イソシアネート系、メラミン系、ポ
リオール系、エポキシ樹脂系、過酸化物系等の各硬化剤
が使用できる。上記溶剤としては、MEK、MIBK等
のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、ミネラ
ルスピリット、n−ヘキサン等の脂肪族系溶剤が使用で
きる。なお、フルオロエチレン−ビニルエーテル共重合
体は、硬化剤と組み合わせて市販されているので、その
組合わせを用いてもよい。
【0009】〔被膜層の厚み〕被膜層の厚みは、1μm
〜50μm、さらには5μm〜15μmとするのが好ま
しい。被膜層の厚みを1μmより薄くすると、均一に塗
布することが非常に困難になり、また、被膜層中に粒子
状物を混入した場合、粒子状物の付着力が弱くなり、好
ましくない。被膜層の厚みを50μmより厚くすると、
磁気吸着力が低下し、また、材料コストも高くなるた
め、好ましくない。
【0010】〔被膜層の表面粗さ〕磁気吸着面が平坦面
であるときの被膜層の表面粗さは、中心線平均粗さRa
=0.2μm〜1μm、さらにはRa=0.4μm〜
0.7μmが好ましい(JISB0601による)。被
膜層の表面粗さがRa=0.2μmより小さい場合は、
被吸着面と密着し過ぎて剥がす時の離型性が悪くなり、
好ましくない。被膜層の表面粗さがRa=1μmより大
きい場合は、被吸着面との接触面積が小さくなるため摩
擦力が小さくなり、位置がずれやすくなるため、好まし
くない。なお、被膜層の表面粗さの調節は、被膜層中に
粒子状物を混入し、粒子状物の粒子径や混入量を調整す
ることによって行うことが出来る。
【0011】〔磁気吸着面の凹凸〕磁気吸着面は、平坦
面であってもよいが、凹凸面とすれば、通気性を良く
し、被吸着面からの引き剥がしを容易にでき、耐ブロッ
キング性を向上できるので、好ましい。磁気吸着面を凹
凸面に成形する場合は、ボンド磁石成形物の成形と同時
に又は別工程で(好ましくはボンド磁石成形物に着磁も
被膜層の形成もしていない段階で)、エンボスロールま
たはプレス板によって凹凸面を形成すればよい。凹凸面
の凹部の深さ又は凸部の高さは、3μm〜100μm程
度とするのが好ましい。3μmより小さいと平坦面と差
がなくて無意味であり、100μmより大きいと磁気吸
着力の低下が無視できなくなる。
【0012】〔粒子状物〕被膜層中に、平均粒子径が
0.3μm〜50μm、好ましくは1μm〜10μmの
粒子状物を混入すれば、ボンド磁石成形物の表面が平面
でも磁気吸着面を若干の凹凸面にでき、ボンド磁石成形
物の表面が凹凸面なら磁気吸着面をさらに凹凸面にで
き、通気性、離型性、耐ブロッキング性の点で好まし
い。粒子状物の平均粒子径が0.3μmより小さい場合
は、粒子状物を混入しない場合と差がなく無意味であ
る。また、平均粒子径が50μmより大きい場合は、粒
子状物との界面で被膜層に割れが生じることがあり、被
膜層の物性が低下するため、好ましくない。粒子状物の
混入は、被膜層用の溶液中に粒子状物を均一に分散させ
ることによって行う。その混入量は、フルオロエチレン
−ビニルエーテル共重合体と硬化剤との合計中の固形分
重量100重量部に対して5重量部〜300重量部、さ
らには20重量部〜150重量部とするのが好ましい。
粒子状物の混入量が5重量部より少ない場合は、混入し
ない場合と差がなくて無意味である。混入量が300重
量部より多い場合は、粒子状物の分散が悪く、被膜層に
割れが生じることがあり、被膜層の物性が低下するた
め、好ましくない。粒子状物の形状は、球形のもの、短
繊維状のもの、あるいは凹凸のある複雑形状のもののい
ずれでもよい。粒子状物の材料は、鉱物系または有機物
系のものを用いるのが好ましい。鉱物系の粒子状物とし
ては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、ウオラストナ
イト、ゼオライト、けい藻土、スレート粉、シリカ、ガ
ラスビーズ、石炭粉末、チタン酸カリウムウィスカー、
針状酸化チタン等が挙げられる。また、有機物系の粒子
状物としては、シリコーン樹脂微粉末、アクリル樹脂微
粉末等が挙げられる。
【0013】〔界面活性剤〕被膜層の組成物中に、シリ
コーン樹脂系またはフッ素樹脂系の界面活性剤を配合す
れば、被膜層の離型性を向上させることができ、耐ブロ
ッキング性の向上に寄与するので、好ましい。界面活性
剤の配合量は、フルオロエチレン−ビニルエーテル共重
合体と硬化剤との合計中の固形分重量100重量部に対
して0.1重量部〜5重量部とするのが好ましい。界面
活性剤の配合量が0.1重量部より少ない場合は、界面
活性剤を配合しないときと差がなく無意味である。界面
活性剤の配合量が5重量部より多い場合は、ボンド磁石
成形物と被膜層の接着力が低下してしまうため、好まし
くない。
【0014】
【作用】この発明は、磁気吸着体の磁気着磁面を形成す
る被膜層を改良することによって、長期間の使用や保管
による被吸着面の汚染およびブロッキングを防止できる
ようにしたものである。すなわち、この発明による磁気
吸着体は、フルオロエチレン−ビニルエーテル共重合体
を主成分とする材料により前記被膜層を形成する。フル
オロエチレン−ビニルエーテル共重合体は、フッ素樹脂
系の共重合体であるため、フッ素樹脂の性質である熱的
・化学的安定性、非粘着性、発水性、発油性に優れた特
徴を有している。また、フルオロエチレン−ビニルエー
テル共重合体は溶剤に可溶であるため、要求する磁気吸
着力に合せて所望の薄さに塗布することができ、また、
凹凸面に対しても容易に塗布することができ、更に、溶
液中に粒子状物等の充填剤を混入したり、界面活性剤等
の改質剤を配合したりすることも容易である。このた
め、ボンド磁石成形物の磁気吸着面に塗布することによ
り、ボンド磁石成形物中に含まれる可塑剤、安定剤、滑
剤等の配合剤のしみ出しを防ぐことが出来る。また、熱
やボンド磁石成形物中の可塑剤による被膜層の軟化も起
らない。従って、屋外での使用や長期間の使用による被
吸着面の汚染やブロッキングを防止することが出来る。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
図1は、この発明によるシート状の磁気吸着体の断面図
である。この磁気吸着体10において、1はボンド磁石
シートであって、その片面が多極着磁された磁気吸着面
2になっている。磁気吸着面2には、フルオロエチレン
−ビニルエーテル共重合体を主成分とする被膜層3が形
成されている。
【0016】〔実施例1〕図2に、ボンド磁石シート1
の配合を示す。まず、等方性Baフェライトおよび異方
性Stフェライトをシラン系カップリング剤によって表
面処理する。次に、塩素化ポリエチレンと高分子系の改
質剤とを5対1の割合でブレンドした塩素化ポリエチレ
ン系のバインダー100重量部と、表面処理後のBaフ
ェライト375重量部およびStフェライト265重量
部とを混合し、更に安定剤1重量部を添加して、混練機
で混練する。そして、前記混合物が餅状となったところ
で、カレンダーロールにより圧延し、両面が平坦面であ
る厚み0.5mmのボンド磁石シート1を得た。
【0017】図3に、被膜層3用の溶液の配合を示す。
なお、配合割合は、フルオロエチレン−ビニルエーテル
共重合体と硬化剤との固形分重量の合計を100重量部
としたときの数値である。この溶液を、ボンド磁石シー
ト1上にリバースロールコーターによって所定量均一に
塗布した後、60度の熱風に3分間晒して乾燥、硬化さ
せ、被膜層3を形成した。
【0018】最後にボンド磁石シート1の被膜層3が形
成された面を、被膜層3の上から着磁機で多極着磁し、
シート状の磁気吸着体10を得た。この磁気吸着体10
の被膜層3の表面は平坦面であり、厚みは7.5μm、
表面粗さはRa=0.45μmであった。
【0019】〔実施例2〕図3に示すように、被膜層3
用の溶液中に粒子状物を混入しないこと以外は全て実施
例1と同様にして実施例2の磁気吸着体10を作成し
た。この磁気吸着体10の被膜層3の表面は平坦面であ
り、厚みは7.5μm、表面粗さはRa=0.29μm
であった。
【0020】〔比較例1〕実施例1で作成したボンド磁
石シート1の片面にポリ塩化ビニル系の被膜用塗料を塗
布して厚み7.5μmの被膜層3を形成した後、実施例
1と同様に多極着磁し、比較例1の磁気吸着体を得た。 〔比較例2〕実施例1で作成したボンド磁石シート1に
被膜層3を形成せず、実施例1と同様に多極着磁し、比
較例2の磁気吸着体を得た。 〔比較例2〕実施例1で作成したボンド磁石シート1に
被膜層3を形成せず、片面に多数の引っ掻き傷状の凹凸
(深さ5μm)を形成し、実施例1と同様に多極着磁
し、比較例3の磁気吸着体を得た。
【0021】〔耐ブロッキング試験〕上記実施例1、2
および比較例1〜3の磁気吸着体について、屋外でステ
ッカーとして使用される場合を想定した耐ブロッキング
試験を、次の要領で行なった。 イ.各磁気吸着体について、10cm×10cmの試験
片を用意する。 ロ.各試験片を、メタリック車および赤色塗装車のフロ
ントボディーに地面に水平に磁気吸着させる。 ハ.その状態で、屋外に放置する。 ニ.18日間放置後、試験片の端部をばね秤に引っ掛け
て持ち上げ、試験片を車体から引きはがす時にかかる応
力を測定する。 なお、試験は真夏の期間に行なった。その間、気温は2
0℃〜33℃の間で変化し、雨天日は4日あった。気温
31℃の時、赤色塗装車の車体表面温度は57℃であっ
た。図4に、測定結果を示す。磁気吸着力は略30gで
ある。従って、実施例1の磁気吸着体10は全くブロッ
キングしていない。また、実施例2の磁気吸着体10の
耐ブロッキング性能も比較例より向上している。
【0022】図5に、この発明の磁気吸着体10の応用
製品を例示する。 (a)は、自動車にボディに磁気吸着させる初心者マー
ク11である。このように屋外で長時間使用されるステ
ッカーや掲示板に有用である。 (b)は、鉄製ホワイトボードWに磁気吸着させる出欠
マーク12である。このように頻繁に吸着・剥離を繰り
返す表示板や事務用品に有用である。 (c)は、スチール製家具などに磁気吸着させて遊ぶ造
形玩具13である。このように家具などに吸着させる表
示板や雑貨に有用である。 (d)は、外科用器具M,Sを磁気吸着させて保持する
磁気シート14である。このように汚染を極力避けるべ
き医用品に有用である。
【0023】
【発明の効果】この発明によれば、ボンド磁石成形物の
磁気吸着面にフルオロエチレン−ビニルエーテル共重合
体を主成分とする被膜層を形成した磁気吸着体が提供さ
れる。フルオロエチレン−ビニルエーテル共重合体は溶
剤に可溶であるため、所望の薄さに塗布でき、また、凹
凸面に対しても容易に塗布できる。このため、長期間の
使用(特に屋外での長期間の使用)や保管によっても汚
染やブロッキングを起さない磁気吸着体を提供すること
が出来る。また、フルオロエチレン−ビニルエーテル共
重合体の溶液中に界面活性剤等の改質剤を配合したり、
粒子状物等の充填剤を混入したりすることも容易であ
る。そこで、被膜層中に平均粒子径が0.3μm〜50
μmの粒子状物を混入したり、被膜層用の組成物中にシ
リコーン樹脂系またフッ素樹脂系の界面活性剤を配合し
たりすれば、離型性を向上させることができ、耐ブロッ
キング性をさらに向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の磁気吸着体の断面図であ
る。
【図2】図1の磁気吸着体に用いるボンド磁石シートの
組成を示す図表である。
【図3】図1の磁気吸着体に用いる被膜層用の溶液の組
成を示す図表である。
【図4】この発明の実施例品と比較例品のブロッキング
試験結果を示す図表である。
【図5】この発明の磁気吸着体の応用製品の例示図であ
る。
【符号の説明】
1 ボンド磁石シート 2 磁気吸着面 3 被膜層 10 磁気吸着体

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの多極着磁された磁気吸
    着面を有するボンド磁石成形物の前記磁気吸着面に、フ
    ルオロエチレン−ビニルエーテル共重合体を主成分とす
    る被膜層が形成されていることを特徴とする磁気吸着
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気吸着体において、
    前記被膜層の厚みが、1μm〜50μmであることを特
    徴とする磁気吸着体。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の磁気吸
    着体において、前記被膜層の表面粗さが、中心線平均粗
    さRa=0.2μm〜1μmであることを特徴とする磁
    気吸着体。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の磁気吸
    着体において、前記磁気吸着面が凹凸面であることを特
    徴とする磁気吸着体。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の磁気吸着体において、前記被膜層中に、平均粒子径が
    0.3μm〜50μmの粒子状物が混入されていること
    を特徴とする磁気吸着体。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    の磁気吸着体において、前記被膜層の組成物中に、シリ
    コーン系またはフッ素系の界面活性剤が配合されている
    ことを特徴とする磁気吸着体。
  7. 【請求項7】 ボンド磁石成形物の少なくとも一つの面
    に、フルオロエチレン−ビニルエーテル共重合体,硬化
    剤および溶剤を必須成分として配合した溶液を塗布し、
    この溶液を乾燥,硬化させて被膜層を形成した後、ボン
    ド磁石成形物の被膜層が形成された面を多極着磁するこ
    とを特徴とする磁気吸着体の製造方法。
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