JP3008081B2 - 無停電性スイッチングレギュレータ - Google Patents

無停電性スイッチングレギュレータ

Info

Publication number
JP3008081B2
JP3008081B2 JP8098981A JP9898196A JP3008081B2 JP 3008081 B2 JP3008081 B2 JP 3008081B2 JP 8098981 A JP8098981 A JP 8098981A JP 9898196 A JP9898196 A JP 9898196A JP 3008081 B2 JP3008081 B2 JP 3008081B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
primary
switching element
tertiary
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8098981A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09261893A (ja
Inventor
節雄 酒井
Original Assignee
株式会社日本プロテクター
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社日本プロテクター filed Critical 株式会社日本プロテクター
Priority to JP8098981A priority Critical patent/JP3008081B2/ja
Publication of JPH09261893A publication Critical patent/JPH09261893A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3008081B2 publication Critical patent/JP3008081B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Stand-By Power Supply Arrangements (AREA)
  • Direct Current Feeding And Distribution (AREA)
  • Dc-Dc Converters (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波トランスに対し
て並列に設けられた2つのコンバータを有する無停電性
のスイッチングレギュレータにおいて、何方のコンバー
タがその運転中に停止したとしても、例えば負荷となる
情報機器におけるバックアップメモリー等への退避時間
を保持することのできる回路技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近のOA化の進展から、情報の保全と
して、情報機器用の無停電電源の需要が高まりつつあ
る。そしてこのような情報機器の直流電源としては、無
停電性スイッチングレギュレータが普及しつつある。こ
の従来の無停電性スイッチングレギュレータの基本回路
は、図14に示すようなものである。以下、簡単に説明
する。商用電源1からの電流は、整流回路2によって全
波正弦波脈流に整流され、一次側の平滑コンデンサー3
によって平滑化された直流電圧を入力として、一次側ス
イッチング素子8によってチョッピングされて高周波ト
ランス4の一次巻線4aに流れる。これによって二次巻
線には誘起電圧E5が発生し、この誘起電圧E5が高速
整流ダイオード19、転流ダイオード20、平滑コイル
21、二次側平滑コンデンサー23によって平滑化さ
れ、直流出力となって負荷24に供給される。一方、高
周波トランスの三次側に設けられた三次巻線の一方4d
には、平滑コイル81、高速整流ダイオード82、転流
ダイオード83によって構成されるチョークインプット
方式整流回路と、定電圧定電流回路80を介して二次電
池14が直列に接続されて充電回路が形成され、前記一
次巻線4aを流れる高周波電流によるパルス電流によっ
て二次電池14が充電されるようになっている。また他
方の三次巻線4bには、商用電源1が停電の際、二次電
池14を入力として一次側スイッチング素子8と同期し
て作動するゲート信号で駆動される、三次側スイッチン
グ素子11によってチッピングされた電流による励磁電
流が流れ、商用電源1に代わって二次電池14を入力エ
ネルギーとして高周波トランスを介して二次側回路2a
に供給される。従って、無停電性が発揮される。ここで
各矢印は電流を、各白ヌキ矢印は、それぞれの電流に対
応する誘起電圧を表している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら情報機器
への利用を考えた場合には、二次電池14によって作動
中にこの二次電池14が何らかのトラブルで停止した場
合も考えておく必要がある。すなわち、商用電源1が停
止している時に、二次電池側のトラブルによる停電が発
生した場合、処理中のCPU内容をバックアップメモリ
ーに退避させる、と言った処理が行えるものでなけれ
ば、情報機器用の無停電性スイッチングレギュレータと
して優れたものとは言えない。しかしながら上記従来の
ものは、商用電源1の供給が停止した場合に無瞬断で二
次電池側に切り替わるものの、商用電源1が停電中、す
なわち二次電池14で動作中に、二次電池14のトラブ
ルによる供給遮断が発生した場合は、瞬時に動作が停止
してしまう、と言う問題点を有していた。そこで本発明
者は鋭意検討し、商用電源1が停電中でかつ二次電池1
4からの供給が停止しても、情報機器のバックアップメ
モリへの退避に必要となる間は、出力を供給することが
できる無停電性のスイッチングレギュレータを開発する
に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような懸案の無停電
性スイッチングレギュレータは、交流電源からの交流を
整流する整流回路と、この整流回路の出力側に高周波ト
ランスの一次巻線と一次側スイッチング素子とを直列に
接続し、高周波トランスに対して高周波パルス電圧を発
生させるための一次側回路と、前記高周波トランスの二
次巻線に整流、平滑回路を接続して、負荷に対して直流
出力電力を供給する二次側回路と、高周波トランスの三
次巻線と二次電池とを直列に接続するとともに、二次電
池の両極間に充電用定電圧定電流制御回路を設けた充電
回路と、前記三次巻線と二次電池の間であって、前記充
電回路の充電電流路の外側に設けた、一次側スイッチン
グ素子と同期して作動する三次側スイッチング素子とを
備えた三次側充放電回路とを備え、前記一次側回路の一
次巻線と一次側スイッチング素子の間に逆流防止ダイオ
ードを設けるとともに、この逆流防止ダイオードと並列
に抵抗またはインダクタを接続したことを特徴とする構
成により、実現できる。すなわち本発明の考え方は、前
記一次側回路の一次巻線と一次側スイッチング素子の間
に逆流防止ダイオードを設けるとともに、この逆流防止
ダイオードと並列に抵抗を接続することにより、二次電
池の放電回路が動作中に、この放電電流によって誘起さ
れる一次巻線の起電圧から生じる電流が抵抗を流れ、こ
の電流によって一次側の平滑コンデンサを充電する。す
なわち、一次側の平滑コンデンサを、二次電池側の遮断
用のバックアップとして使用する、と言うユニークなも
のである。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の無停電性スイッチ
ングレギュレータの回路例を表している。以下、基本動
作とともに詳細に説明する。商用電源1から供給される
交流を受ける整流回路2と、この整流回路2の出力側に
高周波トランス4の一次巻線4aとFETよりなる一次
側スイッチング素子8とが直列に接続されて一次側回路
1aが構成され、一次巻線4aと一次側スイッチング素
子8の間には逆流防止ダイオード5を設けるとともに、
この逆流防止ダイオード5と並列に抵抗またはインダク
タ7が接続されている。以下、この抵抗またはインダク
タ7のことを、便宜上、還流抵抗7と呼ぶこととする。
そしてこの一次側回路1aは、一次側スイッチング素子
8のチョッピング動作により、高周波トランス4に対し
て高周波パルス電圧を発生する。高周波トランス4の二
次巻線4cには、高速整流ダイオード19、転流ダイオ
ード20、平滑コイル21、二次側平滑コンデンサー2
3による整流、平滑回路が接続され、負荷24に対して
直流出力電力を供給する二次側回路2aが構成されてい
る。さらに高周波トランス4の三次巻線4bには、定電
流検出抵抗16と直列ドロッパー制御用素子17と逆流
防止ダイオード18と、二次電池14とが直列に接続さ
れ、かつ二次電池14の両極間に充電用定電圧定電流制
御回路15が設けられ、これらにより、前記直列ドロッ
パー制御用素子17の抵抗を変化させて充電中の定電圧
定電流制御を行う、充電回路3cが構成されている。ま
た、前記三次巻線4bと二次電池14の間であって、前
記充電回路3cの充電電流路の外側には三次側スイッチ
ング素子11が設けられて放電回路3dが構成され、こ
れら2つによって三次側充放電回路3aが構成されてい
る。一次側および三次側のスイッチング素子8,11
は、負荷側の電圧を検出してPWMスイッチング制御回
路22の制御に基づき、それぞれのゲート回路12,1
3に全く同期したゲートパルスを加えることによってそ
のスイッチングパルス幅が制御され、負荷24に対して
定電圧の制御が行われる。
【0006】以下、この還流抵抗7の作用について図1
および図4を用いて説明する。図1の構成から判るよう
に、商用電源1からの入力がある時には、平滑コンデン
サー3がある為に、停電事故の際には数十ミリ秒程度の
出力保持時間を有している。しかしながら三次側充放電
回路3aの入力部には、平滑コンデンサー3に相当する
コンデンサーは存在しない。これは、コストやスペース
の関係で、省略せざるを得ないためである。従って万が
一、二次電池14に電池異常等の直流側停電事故が発生
すると、従来のように前記還流抵抗7が無いと、全く出
力保持時間を確保することはできない。
【0007】次に、図4を用いて本発明の作用を詳細に
説明する。商用電源1が正常な時には、Iaなる電流が
平滑コンデンサー3に交直変換電流として流れ、同コン
デンサー3に充電された直流電圧を入力源として高周波
スイッチングされた高周波パルス電流が、一次巻線4a
および逆流防止ダイオード5を経由し、ヒューズ6を経
て一次側スイッチング素子8のドレインからソースへと
流れ、平滑コンデンサー3に戻るように流れる。この電
流IA1によるエネルギーが、二次巻線4cからIA2
となり、負荷24に出力される。これと同時に、前述の
ように、三次巻線4bにE4なる起電圧が誘起され、電
流IA3となって二次電池14を充電し、定電流検出抵
抗16および直列ドロッパー制御用素子17、逆流防止
ダイオード18の順方向を経由し、三次巻線4bの巻き
終わり端に戻るように流れる。次に、商用電源1が停電
すると電流Iaは直ちに消滅し、電流IA1も平滑コン
デンサー3の放電とともに消滅し、同時に電流IA3も
消滅する。その結果、二次電池14の電圧が電圧E4に
勝るため、高周波スイッチング電流ID3が電流IA3
と逆方向に流れて三次側スイッチング素子11がアクテ
ィブ状態となって、三次巻線4bから逆流防止ダイオー
ド9の順方向を経由し、三次側スイッチング素子11か
ら二次電池14の負極側へと流れる。この高周波スイッ
チング電流ID3により、二次巻線4cへの出力側に
は、電流IA2に代わってID2が負荷24に全く無瞬
断として流れ、停電のバックアップが行われる。この時
には、一次巻線4aには電圧E3’が図中の方向に発生
し、一次巻線4aの巻き始め端から、平滑コンデンサー
3、一次側スイッチング素子8の内蔵ダイオード8aの
順方向およびヒューズ6、さらに還流抵抗7を経由し
て、一次巻線4aの巻き終わり端から平滑コンデンサー
3に戻る充電電流ID1が流れる。ここで、一次側スイ
ッチング素子8と三次側スイッチング素子11は同期し
て作動しており、一方がアクティブ状態の時は、他方は
空運転となる。但しクロスオーバー点では、両者ともア
クティブ状態になる領域が僅かに存在はするが、便宜上
この説明については省略する。
【0008】従って、電流ID1が図中の矢印方向に流
れている時には、逆流防止ダイオード5に対して逆方向
電圧となるので、一次側スイッチング素子8は空運転状
態を持続する。このように、仮に還流抵抗7が無ければ
電流ID1は流れず、平滑コンデンサー3には、還流エ
ネルギーは蓄積されない。また、この還流抵抗7に低い
抵抗値のものを使用すると、一度平滑コンデンサー3が
充電されると殆ど電流は流れないので、効率に影響を与
えることはない。このような構成において、何らかのト
ラブルによって二次電池14からの放電回路が急に断に
なるようなDC停電が発生し、かつその時に商用電源1
が停電であったとしても、平滑コンデンサー3に蓄積さ
れているCVで表されるエネルギーを入力源として、
一次側スイッチング素子8がアクティブ状態となり、負
荷24に対する出力電圧を、数十ミリ秒程度は保持する
ことができる。従って前述のような、バックアップメモ
リーへの退避時間を稼ぐことが可能となり、いかなる停
電においても、情報保護という無停電性スイッチングレ
ギュレータの機能を、完全に果たすことができる。な
お、この還流抵抗7の代わりに、リアクターを使用する
こともできる。
【0009】また、本発明の構成とは別に、情報機器用
の無停電性スイッチングレギュレータとして、何点かの
効果的な付加事項も考えられ、以下に順に説明する。そ
の第一には、充電時の定電圧定電流制御を高精度に行う
ための構成が挙げられ、その詳細が図1中に示されてい
る。以下、具体的に説明する。共通の鉄芯磁路を有する
高周波トランス4の一次巻線4aに印加されるところ
の、交流入力の整流平滑後入力によって三次巻線4bに
誘起される三次巻線電圧の巻き始め極性側と、充電すべ
き二次電池14の正極側を接続し、その接続点68を充
電用定電圧定電流制御回路15の入力の一つとし、二次
電池14の負極側については三次側スイッチング素子1
1のカソード側を接続し、その接続点69より、充電用
定電圧定電流制御回路15の入力のもう一方としてい
る。接続点69からは、定電流検出抵抗16と、トラン
ジスタよりなる直列ドロッパー制御用素子17を直列に
接続し、これを逆流防止ダイオード18のアノード側に
直列接続する。また、三次巻線4bの巻き終わり極性側
と、二次電池14の放電回路3dにおける三次側コンバ
ータ72の逆流防止ダイオード9のアノードとを接続す
る。そして、定電流検出端となる定電流検出抵抗16と
直列ドロッパー制御用素子17のコレクタ端の接続点を
充電用定電圧定電流制御回路15の定電流検出端として
接続する。さらに、直列ドロッパー制御用素子17のエ
ミッタとダイオード18の接続点に、充電用定電圧定電
流制御回路15の他の出力端が接続される。
【0010】次に、図1および図2、図3により、本回
路の作用について説明する。商用電源1の交流入力電圧
がある時には、平滑コンデンサーには、整流回路によっ
て整流された直流電庄が蓄えられ、この直流電圧を入力
として、一次側コンバータ71は動作する。商用電源1
の電圧が正常範囲内にある時には、二次電池14の電圧
に対して一次側回路が優先するよう、一次巻線4aと三
次巻線4bの関係を決めておく。すなわち、一次巻線4
aの巻き数をN1、三次巻線4bの巻き数をN2、平滑
コンデンサー3の両端電圧をE1、二次電池14の電圧
をE2とすれば、式; E1の最小値/N1>E2の最大値/N2 … の関係にしておく。このようにすれば、一次側スイッチ
ング素子8のON時に流れるドレイン電流によって誘起
される電圧E3は、E1−VF5−VDS8となる。こ
こで、VF5は逆流防止ダイオード5の順方向電圧、V
DS8は、一次側スイッチング素子8のON電圧降下で
ある。三次巻線4bには、一次側スイッチング素子8の
動作によって流れる励磁電流により、E4=E3×(N
2/N1)なる電圧が誘起し、E1とE3がほぼ等しい
ことと上記式の関係より、E4>E2となる。従っ
て、三次側コンバータ72は、一次側コンバータ71と
同一ゲート信号による同期運転であっても、三次側スイ
ッチング素子11には、それがON状態でも、逆流防止
ダイオード9によって電流は流れない。これより、一次
側スイッチング素子8がON時に発生する三次巻線4b
に誘起される電圧E4は、二次電池の電圧E2よりも高
いため、充電電流が流れる。そしてこれを定電流にする
必要があるが、その値は定電流検出抵抗16とツェナー
ダイオード40aによって決まり、E4と同期したIC
Pなる電流が、図3に示すように二次電池14の充電電
流として流れ、その平均値がICAとなる。
【0011】すなわちこの充電電流ICAは、式; ICA=(TON/T)×ICP … で表される平均充電電流であり、二次電池のアンペア・
アワー(AH)で表される容量から決まる定格充電電流
として定められる。ICPの値は、ツェナーダイオード
40aのツェナー電圧VZ40および逆流防止ダイオー
ド40bの順方向電圧VF40bと、PNPトランジス
タ44のベースエミッタ電圧VBE44より、式;
ICP=(VZ40+VF40b
BE44)/R16… として決まる。ここでR16は、定電流検出抵抗16の
抵抗値である。そして、充電用定電圧定電流制御回路1
5は定電流動作を行うと同時に、充電末期には過充電と
なることを防止する必要上、定電圧運転をする必要があ
る。そこで本発明では、トランジスタ41によって増幅
されたシャントレギュレータ38のカソード電流がその
コレクタ電流となって流れ、抵抗42a,42bを流れ
てトランジスタ44のベース電流を制御し、これによ
り、直列ドロッパー素子17のベース電圧が変化し、定
電流制御が行われる。すなわち充電電流ICAは、三次
巻線4bによって誘起する電圧E4により、三次巻線4
bの巻き始め端より二次電池14の正極から負極を通
り、抵抗16と直列ドロッパー制御用素子17と順方向
の逆流防止ダイオード18を経由して、三次巻線4bの
巻き終わり端に戻るように流れる。
【0012】次に、商用電源1の電圧が低下もしくは停
止すると、一次側コンバータ71からのエネルギーは低
下もしくは無くなるため、充電されて待機状態にある二
次電池14のE2なる直流電圧が三次側コンバータ72
の入力源となり、それまで空運転であった三次側スイッ
チング素子11が、アクティブ状態となる。そうする
と、二次電池14の正極から、三次巻線4bの巻き始め
から巻き終わり方向に向かう電流が、逆流防止ダイオー
ド9、ヒューズ10を経由して、三次側スイッチング素
子11を通って二次電池14の負極に流れ、E4’なる
電圧を誘起する。そして、二次巻線4cにE5なる電圧
を誘起し、交流電圧の供給時と同様、無瞬断で二次電池
14から負荷24に対して、安定化出力が供給されるこ
とになる。この時は、逆流防止ダイオード18のカソー
ド側が、逆流防止ダイオード9および三次側スイッチン
グ素子11の順電圧降下によって二次電池14の負極に
対して逆極性になるため、充電回路3cは自動的に停止
し、充電は行われないことになる。
【0013】第二として、図1において一次側および三
次側コンバータ71,72の逆流防止ダイオード5,9
とそれぞれのスイッチング素子8,11の間に、ヒュー
ズよりなる回路遮断手段6,10を接続する点である。
以下、この回路遮断手段6,10の作用について説明す
る。仮に一次側および三次側のスイッチング素子8,1
1のいずれかが短絡破壊すると、高周波トランス4の二
次側短絡と同じ状態となるため、正常動作を行っている
コンバータ71または72の過電流保護機能(図示せ
ず)が働き、出力電圧の低下を来してしまう。このよう
な状態になると、信頼性を必要とする無停電性スイッチ
ングレギュレータの目的が果たせず、その価値が低下し
てしまう。そこで、一次側および三次側の各コンバータ
71,72のスイッチング素子8,11の主電流が流れ
る部分、図の例では各スイッチング素子8,11のドレ
イン側にヒューズ6,10を挿入し、破壊回路に流れる
異常電流によってヒューズ6または10を溶断し、破壊
回路を強制的に切り離せるようにしている。従って、例
え一次側または三次側コンバータ71,72のいずれか
が短絡破壊されたとしても、正常な方のコンバータ71
または72によって出力低下の無い正常運転を行うこと
ができる。ここで、各ヒューズ6,10の溶断エネルギ
ーは、例えば一次側のヒューズ6については商用電源1
のダイレクト入力、三次側のヒューズ10については二
次電池14の容量によって断となるよう、保護協調を取
っておけばよい。
【0014】第三として、一次側回路1aのスイッチン
グ素子制御回路における一次側スイッチング素子8のス
イッチング信号経路の抵抗を、スイッチング素子のON
時の方がOFF時よりも低く、また前記三次側充放電回
路3aのスイッチング素子制御回路における三次側スイ
ッチング素子11のスイッチング信号経路の抵抗を、ス
イッチング素子のOFF時の方がON時よりも低くなる
ように回路定数を設定する点が挙げられる。以下、この
点について詳細に説明する。前述のように、一次側スイ
ッチング素子8と三次側スイッチング素子11とは同期
作動し、一次側回路1aから商用電源1を入力として二
次側回路2aに出力している間は、三次側充放電回路3
aにおいては二次電池14への充電が行われている。こ
の時には、図1にも示すPWMスイッチング制御回路2
2の同一の発信源から、一次側および三次側スイッチン
グ素子8,11のそれぞれに対応する、一次側ゲート回
路12および三次側ゲート回路13を通して、前記それ
ぞれのスイッチング素子8,11が制御されている。し
かしながら、主として各スイッチング素子8,11の寄
生容量には大きな差があるため、スイッチング制御電圧
(ここではFETのゲート電圧)波形に位相差が生じて
しまう。この位相差は図7(イ)に示すように、一次側
コンバータ71の出力波形(図中のA)が、三次側コン
バータ72の出力波形(図中のB)よりも遅れる(図中
のφ分)場合において問題となる。これは、三次側ス
イッチング素子11のON時電流の立ち上がりが、一次
側スイッチング素子8の立ち上がりよりも、φだけ早
くなることを意味しており、商用電源1の正常入力時、
すなわち二次電池14への充電モードの時に、図中の斜
線部分で表している分だけ、二次電池14からの放電が
発生するということである。すなわち極論すれば、前述
の充電電流IA3による充電量より、φの差分による
放電量が大きくなる結果、二次電池14は充電されずに
逆に放電されることもあり得る、ということである。
【0015】これを防止するため、本発明者は、図7
(ロ)に示すように、一次側コンバータ71の出力波形
(図中のA)の立ち上がりを三次側コンバータ72の出
力波形(図中のB)の立ち上がりよりも早めるとともに
(図中のφ分)、一次側コンバータ71の出力波形の
立ち下がりを、三次側コンバータ72の出力波形の立ち
下がりよりも遅らせること(図中のφ分)を案出し
た。これを実現するためのゲート回路の具体的構成を、
図5として示している。図示するように、ゲート回路1
2,13内のダイオード50とダイオード51を逆向き
にすることで、一方ではスイッチング素子8のON時電
流の立ち上がりを早めるように、また他方では、スイッ
チング素子11のON時電流の立ち上がりを遅らせるよ
うにそれぞれ作用する。以下、詳細に説明する。
【0016】図5に基づいた、一次側スイッチング素子
8のON時の等価回路は図8のようになり、IG1+I
G2=IG3が、一次側スイッチング素子8の寄生容量
の充電電流となるので、この電流IG3が大きいほど、
また抵抗52,54,58,64の抵抗値が低いほど、
図12の,で示すパルス立ち上がり、すなわち一次
側スイッチング素子8の立ち上がり時期が早くなる。こ
の効果を得るためには、図5に示したように、ダイオー
ド50を順方向に接続しつつ、かつ抵抗52の抵抗値を
低く設定しておけばよい。なお図12のは一次側スイ
ッチング素子8(FET)のゲート電圧とゲート電圧ス
レッショルドレベルVth、は一次側スイッチング素
子8のONパルス波形、すなわちON電流の流れる区間
をそれぞれ表している。これに対して、二次側スイッチ
ング素子11のON時の等価回路は、図5において示し
たダイオード51がドライブトランス47の二次正出力
EPに対して逆方向になるので図10のようになり、抵
抗55,59,65が全て直列となってインピーダンス
が大きくなる結果、図8のIG3>IG5となって図1
2の,に示すとおり、立ち上がり時期が同,に
対して遅れることになる。ここで図12のは三次側ス
イッチング素子11(FET)のゲート電圧とゲート電
圧スレッショルドレベルVth、は三次側スイッチン
グ素子11のONパルス波形、すなわちON電流の流れ
る区間をそれぞれ表している。次に一次側スイッチング
素子8のOFF時の等価回路は図9のようになり、一次
側スイッチング素子8の寄生容量に蓄えられた電荷を、
ドライブトランス46の反転電圧ENによって、放電用
トランジスター62のベース電圧を抵抗54を通して引
き込むことになる。ここで電流IGD1は、この時のベ
ース電流を表している。三次側スイッチング素子11が
OFFの等価回路は図11のようになり、ダイオード5
1が、ドライブトランス47の反転電圧ENに対して順
方向となるように接続されているため、IGD4=IG
D2+IGD3となる。従って、電流IGD1に比べて
電流IGD2の分が大きくなり、放電用トランジスター
63のコレクタ電流は、IGD4×放電用トランジスタ
ー63のhFEとなる結果、三次側スイッチング素子1
1の寄生容量に蓄えられていた電荷は一次側スイッチン
グ素子8のそれよりもより早く放電され、図12の,
のように、三次側スイッチング素子11のON期間
は、一次側スイッチング素子8のON期間の内側に入る
ことになる。従って、無駄のない効率的な二次電池14
への充電動作が可能となる。
【0017】第四として、商用電源の疑似停電とそれに
よる二次電池運転試験機能の付加が挙げられる。これ
は、二次電池によってバックアップしていても、過充電
か過放電のために電池不良となっており、電源機能は異
常無くとも、停電バックアップ補償ができないとこと
が、従来の交流無停電装置の事故例として問題視されて
いるからである。第四の付加事項は、このような事故を
未然に防止し、負荷側のコンピュータ機器からのソフト
ウェアによる実行命令により、簡単に二次電池の試験が
行える、というものである。すなわち、図6を用いて説
明すると、一次側回路1a側の一次側スイッチング素子
8を、例えばコンピュータソフト上の実行命令等に基づ
く外部命令によって停止させることにより、二次電池1
4を入力源とした放電回路3dに自動的に切り替えるも
のである。二次電池14の試験基準となる電池放電エネ
ルギーについては、例えば、予めコンピュータソフト上
で定めた負荷モードで決まる放電量と経過時間によって
設定しておけばよい。具体的には、放電によって二次電
池14の電圧が低下し、90%放電の終端電圧に到達し
た時に電池電圧低下信号を発し、この信号を再度コンピ
ュータ側で受けて電池残量確認試験を終了する、と言っ
た適用例が考えられる。併せて、コンピュータディスプ
レイ上に二次電池の良否判定結果を表示すればよい。
【0018】この回路例としては、例えば図13に示す
構成が考えられる。本図は、図6における一次側スイッ
チング素子8とゲート回路12の近傍のみを描いたもの
である。図のように、コンピュータ側からH/L信号を
発してH時にフォトカプラをONにしてFET75をO
FFとすると、スイッチング専用IC73によってスイ
ッチング動作するFET74のカソード側にFET75
が直列に入っていることからドライブトランス46の入
力は絶たれ、一次側スイッチング素子8が停止すること
になる。従って、ソフト上の簡単な処理によって、コン
ピュータの動作中に二次電池14の確認を行うことがで
きる。この確認処理は、例えばコンピュータの一定使用
時間毎に行うようにしておくことが好ましい。
【0019】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、商用電源の停電中における二次電池による動作中
に、仮に事故によって二次電池からの電力供給が停止し
たとしても、一次回路側の平滑コンデンサからの放電出
力によって、数十ミリ秒程度の動作を継続することがで
きる。従ってこの間に、例えばCPUの処理内容をバッ
クアップメモリに退避させることができ、情報機器用の
無停電性スイッチングレギュレータとしての優れたフェ
ールセーフ機能となる。従って、特にリアルタイム情報
の保全に大きく貢献できる。また、説明したような四つ
の付加的事項を加えることで、定電流検出抵抗と直列
ドロッパー制御用素子と逆流防止用ダイオードによる充
電回路全体の抵抗成分の変化から、従来にない極めて精
度の高い充電制御が可能となること、一次側および三
次側それぞれのスイッチング素子のいずれかが短絡破壊
しても、正常な側での過電流保護機能が働いてしまうこ
となく正常な動作を行うこと、商用電源の正常入力
時、すなわち二次電池への充電モードの時に、二次電池
からの放電が発生するということが無くなること、ソ
フトウェア上の実行命令等、外部信号による二次電池の
電池残量確認試験を行うことができること、と言った、
特に情報機器用として数々の優れた機能を付加すること
ができ、情報機器用の無停電性スイッチングレギュレー
タとして、非常に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を表す説明用回路図
【図2】本発明の実施例における充放電回路部分を表す
説明図
【図3】本発明の実施例における充電電流波形の一例を
表す説明図
【図4】本発明の実施例における電流の流れを表す説明
【図5】本発明の実施例におけるスイッチング素子の駆
動回路部を表す説明図
【図6】本発明の実施例を表す説明用回路図
【図7】スイッチングパルス波形の位相ずれとその改善
波形を表す説明図
【図8】一次側スイッチング素子がON時のスイッチン
グ素子駆動回路の等価回路を表す説明図
【図9】一次側スイッチング素子がOFF時のスイッチ
ング素子駆動回路の等価回路を表す説明図
【図10】三次側スイッチング素子がON時のスイッチ
ング素子駆動回路の等価回路を表す説明図
【図11】三次側スイッチング素子がOFF時のスイッ
チング素子駆動回路の等価回路を表す説明図
【図12】ドライブトランスの二次出力および各スイッ
チング素子のゲート電圧波形とスイッチングパルス波形
を表す説明図
【図13】商用電源の疑似停電のための制御回路例を表
す説明図
【図14】従来の無停電性スイッチングレギュレータの
回路図
【符号の説明】
1 商用電源 1a 一次側回路 2 整流回路 2a 二次側回路 3a 三次側充放電回路 3c 充電回路 3d 放電回路 3,23 平滑コンデンサー 4 高周波トランス 4a 一次巻線 4b 三次巻線 4c 二次巻線 4d 充電回路用三次巻線 5,9,18,43,56,57 逆流防止ダイオード 6,10 回路遮断手段 7 還流抵抗 8 一次側スイッチング素子 11 三次側スイッチング素子 12,13 ゲート回路 14 二次電池 15 充電用定電圧定電流制御回路 16 定電流検出用抵抗 17 直列ドロッパー制御用素子 19 高速整流ダイオード 20 転流ダイオード 21 平滑コイル 22 PWMスイッチング制御回路 24 負荷 25 制御用補助電源 26 ゲート回路ON/OFF制御回路 27 PWM制御用回路 28 ホトカプラ 29 感度調整抵抗 30 制限抵抗 31 発振防止用位相補正コンデンサ 32 シャントレギュレータ 33 振動防止抵抗 34 出力電圧検出用分圧抵抗 35 出力電圧検出用抵抗 36 充電電圧調整用抵抗 37 充電電圧検出用抵抗 39 トランジスタ41のベース/エミッタ間抵抗 40a ツェナーダイオード 40b 逆流防止ダイオード 41 増幅用トランジスタ 42a,42b 出力抵抗 44 コンプリメンタリ接続PNPダイオード 45 トランジスタ17のベース/エミッタ間抵抗 46,47 ドライブトランス 48 ゲートONスピードアップ用回路 49 ゲートOFFスピードアップ用回路 50,51 高速ダイオード 52 ONスピードアップ調整用抵抗 53 OFFスピードアップ調整用抵抗 54,55 ベース電流引き込み抵抗 58,59 ベース抵抗 60,61 分圧抵抗 62,63 残存電圧放電用トランジスタ 64,65 FETゲート抵抗 66,67 ゲート/カソード間抵抗 68,69,70 接続点 71 一次側コンバータ 72 三次側コンバータ 73 スイッチング制御用IC 74 ドライブトランス駆動用FET 75 ゲート回路ON/OFF用FET 76 ゲートバイアス抵抗 77 ゲート/カソード間抵抗 78 ホトカプラ 79 入力抵抗 80 定電圧定電流制御回路 81 チョークコイル 82 整流用ダイオード 83 転流ダイオード 84 電池電圧低下検出回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電源からの交流を整流する整流回路
    と、 この整流回路の出力側に高周波トランスの一次巻線と一
    次側スイッチング素子とを直列に接続し、高周波トラン
    スに対して高周波パルス電圧を発生させるための一次側
    回路と、 前記高周波トランスの二次巻線に整流、平滑回路を接続
    して、負荷に対して直流出力電力を供給する二次側回路
    と、 高周波トランスの三次巻線と二次電池とを直列に接続す
    るとともに、二次電池の両極間に充電用定電圧定電流制
    御回路を設けた充電回路と、前記三次巻線と二次電池の
    間であって、前記充電回路の充電電流路の外側に設け
    た、一次側スイッチング素子と同期して作動する三次側
    スイッチング素子とを備えた三次側充放電回路と、を備
    え、 前記一次側回路の一次巻線と一次側スイッチング素子の
    間に逆流防止ダイオードを設けるとともに、この逆流防
    止ダイオードと並列に抵抗またはインダクタを接続した
    ことを特徴とする、無停電性スイッチングレギュレー
    タ。
JP8098981A 1996-03-18 1996-03-18 無停電性スイッチングレギュレータ Expired - Fee Related JP3008081B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8098981A JP3008081B2 (ja) 1996-03-18 1996-03-18 無停電性スイッチングレギュレータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8098981A JP3008081B2 (ja) 1996-03-18 1996-03-18 無停電性スイッチングレギュレータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09261893A JPH09261893A (ja) 1997-10-03
JP3008081B2 true JP3008081B2 (ja) 2000-02-14

Family

ID=14234195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8098981A Expired - Fee Related JP3008081B2 (ja) 1996-03-18 1996-03-18 無停電性スイッチングレギュレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3008081B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002152993A (ja) * 2000-11-14 2002-05-24 Toshiba Battery Co Ltd 無停電電源装置
US6774507B1 (en) * 2003-03-26 2004-08-10 Lucent Technologies Inc. Reliable DC power supply

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09261893A (ja) 1997-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3304944B2 (ja) 無停電性スイッチングレギュレータ
KR100296635B1 (ko) 저전압보호회로를갖는스위칭모드전원공급장치
WO2003067744A1 (fr) Procede de demarrage d'un bloc d'alimentation, circuit de demarrage d'un bloc d'alimentation, bloc d'alimentation
JP3013776B2 (ja) 無停電性スイッチングレギュレータ
JP3401238B2 (ja) ワールドワイド電源装置
JP3008081B2 (ja) 無停電性スイッチングレギュレータ
WO2006112200A1 (ja) 直流安定化電源装置
JP4217979B2 (ja) 入出力絶縁型dc−dcコンバータ
JP2765727B2 (ja) 電力供給回路
JPH09261957A (ja) 無停電性スイッチングレギュレータ
JP4191874B2 (ja) 無停電電源装置
JP3419134B2 (ja) 自励式コンバータ装置
JPH09261956A (ja) 無停電性スイッチングレギュレータ
JPH09261955A (ja) 無停電性スイッチングレギュレータ
JPS60194757A (ja) スイツチング電源装置
JP2001178126A (ja) スイッチング電源
JP2003319655A (ja) 電源回路
JP2003333840A (ja) スイッチング電源装置及びその起動方法
JPH0320046Y2 (ja)
JPH08223909A (ja) 多出力スイッチングレギュレータ
JPH051962Y2 (ja)
JPH05146091A (ja) 直流無停電電源装置
JPH07337010A (ja) スイッチング電源回路
JPH10337017A (ja) スイッチング電源装置
JPH0210793Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees