JP3007726U - 打抜き刃、それを用いた打抜き型及びそれの溝加工装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベース板にそれから容易に離脱することなく
安定かつ確実に植設することができる打抜き刃、それを
用いた打抜き型及びそれの溝加工装置を提供する。 【構成】 前辺側に切刃２が形成され、背辺側に幅方向
への切込み３ａとそれに中間部で連通する長さ方向への
スリット３ｂとからなるＴ字形状溝３が穿設されると共
に該Ｔ字形状溝３で区画された一対の対向する突出部４
が長さ方向に形成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、打抜き刃、それを用いた打抜き型及びそれの溝加工装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

シート類を所定形状に精密に打ち抜くために突切り打抜き型が多用され、該打 抜き型はベニヤ合板等のベース板に打抜き刃を被打ち抜き形状に沿って植設して なる構造を備える。

【０００３】 しかしながら、前記打抜き刃の植設に際して、打抜き刃は、従来、ベース板の 表面に穿設された刃装入溝内にその背辺側から圧入されるものであり、打抜き条 件によっては打抜き直後の打抜き型の後退時に打抜き刃がベース板から離脱して しまう等の問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、ベース板にそれから容易に離脱することなく安定かつ確実に 植設することができる打抜き刃、それを用いた打抜き型及びそれの溝加工装置を 提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る打抜き刃は、前辺側に切刃が形成され、背辺側に幅方向への切込 みとそれに中間部で連通する長さ方向へのスリットとからなるＴ字形状溝が穿設 されると共に該Ｔ字形状溝で区画された一対の対向する突出部が長さ方向に形成 されてなるものである。前記突出部は、必要に応じて、打抜き刃の長さ方向に沿 って複数個所に設けられる。

【０００６】 また、本考案に係る打抜き型は、前記構成の打抜き刃と、表面に刃装入溝が穿 設されると共に裏面に該刃装入溝に連通する座ぐりが穿設されたベース板とから なり、前記打抜き刃がその突出部をベース板の座ぐり内に配置するようにその背 辺側からベース板の刃装入溝内に圧入されると共に対向する突出部が座ぐり内に おいて互いに反対方向に折り曲げられたことを特徴としている。前記座ぐりは、 打抜き刃の突出部に対応する位置に設けられる。

【０００７】 さらに、本考案に係る前記構成の打抜き刃の溝加工装置は、前辺側に切刃が形 成された刃体材料の背辺側を挟んで対向配置されると共に該刃体材料の背辺側に Ｔ字形状溝を穿設するＴ字形状ポンチ及びそれに対応するダイスと、ダイス上に 刃体材料を案内する案内間隙とからなるものである。

【０００８】

【作用】

前記打抜き刃の各突出部は折曲げにより本体側面から起立させることができる 。

【０００９】 打抜き刃がその突出部をベース板の座ぐり内に配置するようにその背辺側から ベース板の刃装入溝内に圧入されると共に対向する突出部が座ぐり内において互 いに反対方向に折り曲げられると、前記突出部が座ぐりと係合してストッパーの 作用を奏し、打抜き刃がベース板に対して引抜き方向の力を受けた場合にベース 板からの打抜き刃の離脱を防止する。

【００１０】 前記打抜き刃の溝加工装置では、案内間隙によりダイス上に刃体材料を案内さ せつつＴ字形状ポンチをダイス方向に送ることにより、刃体材料の背辺側にＴ字 形状溝が穿設されると共に一対の突出部が長さ方向に形成される。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案を実施例に基づいて説明する。

【００１２】 図１は本考案に係る打抜き刃の実施例の側面図である。同図において、打抜き 刃１は、前辺側に切刃２が形成されると共に背辺側にＴ字形状溝３が穿設され、 該Ｔ字形状溝３で区画された一対の対向する突出部４が長さ方向に形成される。 前記Ｔ字形状溝３は、幅方向への切込み３ａとそれに中間部で連通する長さ方向 へのスリット３ｂとから構成される。

【００１３】 図２は図１に示す打抜き刃のベース板への圧入時における断面図、図３は図２ に示す打抜き刃の底面図、図４は図２に示す打抜き刃のベース板への固定時にお ける底面図である。図２及び図３において、ベース板５には表面に刃装入溝６が 所要幅及び所要深さに穿設されると共に裏面に該刃装入溝６に連通する円形の座 ぐり７が穿設され、前記打抜き刃１がその突出部４をベース板５の座ぐり７内に 配置するようにその背辺側からベース板５の刃装入溝６内に圧入される。続いて 、図４に示すように、対向する突出部４が座ぐり７内において互いに反対方向に 折り曲げられ、打抜き刃１をベース板５に植設固定してなる打抜き型が形成され る。

【００１４】 図５は本考案に係る打抜き刃の溝加工装置の実施例の斜視図である。同図にお いて、Ｔ字形状ポンチ１１及びそれに対応するダイス１２が対向配置され、該ダ イス１２上にはその両側にポンチ１１を案内するガイド１３（片側のみ図示する ）が配置され、ダイス１２と各ガイド１３との間には案内間隙１４が設けられる 。前辺側に切刃２が形成された刃体材料１５（一点鎖線で図示する）は、その背 辺側を前記案内間隙１４底部に案内されつつ該案内間隙１４内に装入され、長さ 方向に間欠的に移送される。刃体材料１５の各停止時において、ポンチ１１がプ レス装置（図示を省略する）によりダイス１２の方向に送られ、それにより刃体 材料１５の背辺側の所定位置にＴ字形状溝３が穿設される。

【００１５】

【考案の効果】

本考案に係る打抜き刃は以上のように構成されるので、ベース板にそれから容 易に離脱することなく安定かつ確実に植設することができ、そのようにして得ら れた打抜き型では打抜き直後の後退時においても打抜き刃がベース板から離脱す ることがない。また、本考案に係る打抜き刃の溝加工装置によれば、刃体材料の 背辺側にＴ字形状溝を打抜きにより穿設して前記打抜き刃を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る打抜き刃の実施例の側面図であ
る。

【図２】図１に示す打抜き刃のベース板への圧入時にお
ける断面図である。

【図３】図２に示す打抜き刃の底面図である。

【図４】図２に示す打抜き刃のベース板への固定時にお
ける底面図である。

【図５】本考案に係る打抜き刃の溝加工装置の実施例の
斜視図である。

【符号の説明】

１ 打抜き刃 ２ 切刃 ３ Ｔ字形状溝 ３ａ 切込み ３ｂ スリット ４ 突出部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前辺側に切刃が形成され、背辺側に幅方
   向への切込みとそれに中間部で連通する長さ方向へのス
   リットとからなるＴ字形状溝が穿設されると共に該Ｔ字
   形状溝で区画された一対の対向する突出部が長さ方向に
   形成されてなる打抜き刃。
2. 【請求項２】 前辺側に切刃が形成され、背辺側に幅方
   向への切込みとそれに中間部で連通する長さ方向へのス
   リットとからなるＴ字形状溝が穿設されると共に該Ｔ字
   形状溝で区画された一対の対向する突出部が長さ方向に
   形成されてなる打抜き刃と、表面に刃装入溝が穿設され
   ると共に裏面に該刃装入溝に連通する座ぐりが穿設され
   たベース板とからなり、前記打抜き刃がその突出部をベ
   ース板の座ぐり内に配置するようにその背辺側からベー
   ス板の刃装入溝内に圧入されると共に対向する突出部が
   座ぐり内において互いに反対方向に折り曲げられたこと
   を特徴とする打抜き型。
3. 【請求項３】 前辺側に切刃が形成され、背辺側に幅方
   向への切込みとそれに中間部で連通する長さ方向へのス
   リットとからなるＴ字形状溝が穿設されると共に該Ｔ字
   形状溝で区画された一対の対向する突出部が長さ方向に
   形成されてなる打抜き刃の溝加工装置であり、前辺側に
   切刃が形成された刃体材料の背辺側を挟んで対向配置さ
   れると共に該刃体材料の背辺側にＴ字形状溝を穿設する
   Ｔ字形状ポンチ及びそれに対応するダイスと、ダイス上
   に刃体材料を案内する案内間隙とからなる打抜き刃の溝
   加工装置。